※この記事は2019年5月16日に公開されたものを2021年4月に更新したものです。
こんにちは!
TABIRIN(たびりん)編集部です。
今回は、TABIRIN MAPのひとつ、「三浦半島」に掲載されている3つのコースの紹介&サイクリングです。
春の三浦半島は、桜もきれいで(散り始めていましたが)、天気にも恵まれ、最高のサイクリングが楽しめました。ただし、花粉が多く、そこはちょっと大変でした(汗)
サイクリングで海の魅力を味わうなら三浦半島!
三浦半島は、神奈川県の南東部にある、太平洋に突き出した半島で、海の魅力がたっぷりと味わえるエリアです。「横須賀」「葉山」「鎌倉」「逗子」「三浦」の魅力的な5つのスポットから構成されており、2020年には「世界の持続可能な観光地トップ100選」にも選ばれました。
首都圏からも近く、電車でもアクセスしやすいのが特長です。また道中はアップダウンが少なく、走りやすいため、サイクリングしている人も多い地域です。
今回のサイクリングでも、多くのサイクリストとすれ違いました。
「TABIRIN MAP 三浦半島」の紹介
TABIRIN MAPは、当メディア・TABIRIN(たびりん)が独自に編集しているサイクリングマップです。TABIRIN MAPには、現在6つのコースが紹介されており、三浦半島では「ミウライチ」(約80km)、「三崎口から鎌倉へ」(約45km)、「南部1周」(約30km)という、3つのコースが掲載されています。
今回は、それらを繋いで約100kmのコースにして走ってきました(寄り道分も含む)。
その他TABIRIN MAPでは、埼玉県・奥武蔵のコースも紹介していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
TABIRIN MAP 3つの道を行くサイクリングスタート!
始まりはJR逗子駅から(0km地点)
▲快晴のJR逗子駅前
4月某日、スタート地点のJR逗子駅には真っ青な空が広がっています。
時刻はちょうど7時。気温は13℃(サイコン読み)、風がちょっと冷たいですが、絶好のサイクリング日和です。
輪行袋からBikeを取り出し、いざ出発です。
「ヴェルニー公園」の桜(9km地点)
▲軍艦長門(ながと)の碑
逗子駅からは、県道24号横須賀逗子線で東進、まずは東京湾を目指します。
横浜横須賀道路の逗子ICを過ぎるとちょっと登り坂になりますが、トンネルを抜ければ国道16号までは下り坂です。
国道16号の田浦~横須賀の区間はトンネルが続くので、自転車の場合は海上自衛隊のある田浦港の方に迂回した方がいいかも知れません(今回もそちらを通りました)。
国道16号に戻り、JR横須賀駅方面に向かうと、ほどなくヴェルニー公園です。
▲ヴェルニー公園(対岸に見えるのが、フランス人技師ヴェルニーが建設に貢献した横須賀製鉄所)
▲桜もきれいでした
▼ヴェルニー公園 基本情報
戦艦「三笠」を眺める(10km地点)
▲戦艦三笠
ヴェルニー公園を後にしてわずか1km、すぐに三笠公園に着きました。
残念ながら開園時間前だったので、中には入れませんでしたが、とりあえず戦艦三笠の写真だけパシャリ。
ご存知のとおり、日露戦争でロシアのバルチック艦隊を破った日本海海戦において、東郷司令長官が乗艦指揮した旗艦です。
▼三笠公園 基本情報
「うみかぜ公園」で明治の遺構に触れる(12km地点)
▲横須賀海岸通りの南国風の道
よこすか海岸通りはフェニックスが立ち並ぶ南国風の道路です。
走りやすい道を数キロ走ると、「うみかぜ公園」に着きます。
▲「うみかぜ公園」のスケボーエリア
「うみかぜ公園」には、MTBコースやスケボーエリアなどがあり、若者がたくさん集まっていました。
▲岸壁の釣り人ちなみに、ここには明治の遺構「第三海堡」(移設・保存)があります
▲広い広場ではバーベキューも楽しめます
一方、海に面した岸壁では、たくさんの人が釣りを楽しんでいました。
▲日本の近代土木技術を示す「第三海堡」(当時、米国陸軍からも情報提供の依頼があったという)
東京湾の海防のため、明治25年に着工された砲台ですが、水深39mという深さや激しい潮流という厳しい海象条件のために工事は難航し、完成したのは29年後の大正10年でした。
ところが、長い年月と膨大な費用が投じられたにも関わらず、完成わずか2年後の関東大震災で被災し、以後、復旧することなく役割を終えることになったそうです。
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▼うみかぜ公園 基本情報
観音埼でサイクリストと談笑(20km地点)
▲「マボチョク」の「うみかぜ画廊」
うみかぜ公園から5分ほど走ると、国道16号に出ます。馬堀海岸に沿って走るこの道は、通称「マボチョク」(馬堀の直線)と呼ばれる、気持ちのいい直線道路です。
海側の壁には「うみかぜ画廊」と称するアート作品がいくつも描かれています。
マボチョクから15分ほど走ると、観音崎に着きます。
ここ観音崎は東京湾に突き出た岬で、対岸の富津岬との間の浦賀水道は、わずか3.5kmの幅しかありません。それにも関わらず、毎日多くの船舶が行き交う、世界でも有数の海上交通輻輳地域です。
▲観音埼灯台
そんな海上交通の要衝に位置する観音埼灯台は、日本で最初に建てられた西洋式灯台です。
隣接する資料展示室には、灯台建設の歴史や、遠方まで光を届けるために使われる特殊な灯台レンズ、レンズを回転させるために使われていた分銅の模型などの資料が展示されています。
▲灯台レンズ
今はもちろんモーターで回しているレンズですが、昔は、重さ数十キロの分銅を、人力で塔の上まで巻き上げて、それが重みで降りていく力を使ってレンズを回していたということです。灯台守の人は、この作業を2時間おきにする必要があったそうです。大変な労力ですね。
▲灯台の上からの眺め
灯台の上で絶景を眺めていると、後から自転車乗りのおじさんが登って来られたので、少しお話をしました。
細切れに日本一周をしている途中らしく、今回は、小田原から東京まで3日かけて走る予定だということでした。「昨日は風が強くて全然進まなかった」と笑っていらっしゃいました。こういった出会いがあるのも、自転車旅の魅力ですね。
▼観音埼灯台 基本情報
黒船来航の地「ペリー公園」(28km地点)
▲浦賀から久里浜へ続く道
観音崎を後にし、浦賀港に沿って久里浜を目指します。右に桜、左にフェニックスのバランスが絶妙です。
観音崎から30分ほどペダルを回すと、久里浜に着きました。
▲ペリー上陸記念碑(碑文は伊藤博文)
ここにはペリー公園があります。言わずもがな、ペリーの上陸を記念する公園です。
公園のド真ん中に建っている上陸記念碑は、ペリー上陸の際に艦隊の一員として同行していたビアズリーという退役海軍少将が、後日(47年後)来日した際、「ペリー提督の上陸地だというのに、記念するものが何もないのは残念」と演説したことがきっかけで作ったものだということです。そういうの、今の時代だったらどうなんでしょうね。
公園内に併設されている「ペリー記念館」では、ペリー来航時のジオラマや、ペリー来航に関する資料が展示されています。
▼ペリー記念館 基本情報
中華光楽でサンマーメン(32km地点)
▲もやしたっぷりのサンマーメン(650円)
全体の3分の1ほどしか走っていませんが、そろそろ昼が近くなってきたので、少し早いですが(11時過ぎ)、食事にすることにします。
せっかくなので、「TABIRIN MAP」でも紹介されている「中華光楽」に寄ってみました。
自転車を置く場所を探していると、お店の人が表まで出てきて、店の前の駐車場の隅に確保された駐輪スペースを案内してくれました。
人気の「サンマーメン」とチャーハンを注文しましたが、どちらもおいしかったです。
東京湾の入口「剱埼灯台」(43km地点)
▲津久井浜のシーサイドライン
だいぶ気温が上がってきており、ウィンドブレーカーが不要なほどでした。
津久井浜を左手に走ります。今日は風が弱いですが、風が吹けば、ここはウィンドサーフィンが気持ち良く走るゲレンデです。
▲トレーニングモードでカッ飛んでいくローディ達
三浦海岸交差点を左折し、県道215号上宮田金田三崎港線に入ります。このルートは地元ローディ(ロードバイクに乗るサイクリスト)ご用達のコースなので、多くのローディにすれ違います。
▲剱埼灯台
県道から離れ、剱埼灯台に続く道を1kmほど走ると、灯台に着きます。
三浦半島の南東端に位置するこの灯台は、房総半島の須埼灯台と対になって、東京湾と太平洋の境界を示しています。
▲房総半島を望む 沖に見える帆船は練習船?
城ヶ島から渡船「さんしろ」で三浦漁港へ(48km地点)
▲城ヶ島大橋を渡る 向こうに見えるのは城ヶ島
再び県道215号上宮田金田三崎港線に戻り、三浦半島の最南端、城ヶ島を目指します。城ヶ島大橋(自転車無料)を渡れば城ヶ島です。
▲写真左端の白い建物(城ヶ島京急ホテル)の左側に小さく見えるのが城ヶ島灯台
城ヶ島から対岸の三崎漁港までは、渡船「さんしろ」が出ています。30分に1便。料金500円で、自転車も乗船可能です(自転車無料)。せっかくなので利用してみました。
▲城ヶ島渡船「さんしろ」で三浦漁港へ
5分の船旅を降りると、そこは三崎漁港の産直センター「うらりマルシェ」。
1階「さかな館」では三崎まぐろをはじめとした鮮魚がずらり。2階「やさい館」では三浦大根をはじめとした朝穫れの野菜がいっぱいです。
▲三崎を訪ねたなら、是非行きたい「うらりマルシェ」
▲三崎のパワースポット「海南神社」にもお詣り
▲鳥居の前のサイクルラックが嬉しい
▼城ヶ島渡船さんしろ 基本情報
▼うらりマルシェ 基本情報
三浦半島サイクリング前編のおわりに
皆さん、いかがでしたか?スタート地点のJR逗子駅から約50kmを過ぎたこの辺りで、前編の区切りとさせていただきます。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
この後も、三浦半島一周サイクリングはまだまだ続きます。
後編も、ご期待ください!
▼本日のサイクリングルートはこちらから
(執筆:T.Km)