ロードバイクで通勤する際に気をつけておきたいポイント〜服装やスーツでの注意点も
※この記事は2020年8月14日に公開されたものを2021年8月に更新したものです。
満員電車・渋滞を避けるため、また健康やトレーニングなど、ロードバイクで通勤する理由は人によって様々ですよね。
今回はロードバイクで通勤を始めるにあたって、気を付けておきたいポイントを紹介します。
目次
ロードバイクを通勤仕様に!おすすめの装備
ロードバイクで通勤するなら取り付けておきたい装備
休日にサイクリングへ出かけることと、ロードバイクで通勤することの違いは、前者が「ロードバイクに乗ること」が目的になるのに対して、後者では手段になるところです。
走行中心の考え方で理想的な予定を計画を立てることができる休日のサイクリングと異なり、ロードバイク通勤を始めると、意図しないルート変更や天候不順・寄り道に対応しなければいけない場面に数多く出会うでしょう。2日以上連続して乗車する機会が増え、走行量自体も多くなりますから、「安全性」はもちろん「状況対応力」を高める必要があります。
そこで、通勤のための状況対応力を高める基本的な装備から解説していきます。
ハンドルミラー、ベル、ライト
まず、「ハンドルミラー」「ベル」「ライト」の三点セットです。特にベルとライトの装着は法律で装備が定められています。必ず装備し、きちんと使うことができるように整備をしておきましょう。
ハンドルミラーは法律で定められてはいませんが、装備していると格段に走行しやすくなるのでオススメです。
通勤時間帯は人や車で道が混雑し、思わぬ事故につながる可能性があります。直視だと見えにくい後ろ側もミラーがあれば一目で確認でき、安全に走行できるようになります。
ライトについてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
スタンド
次に「スタンド」です。毎日ロードバイクに乗るようになると、たとえば移動中に急遽コンビニでコピーを取る必要が出てきたり、帰宅時に普段とは違うスーパーで買い物を済ませたくなったり、イレギュラーな場所での駐輪をする必要が出てきます。
スタンドは、こうした予定外の寄り道や買い物が生じた際の駐輪の役に立ちます。
ママチャリのようなシティサイクルのキックスタンドのような「取付式スタンド」も一般的ですし、取り外しの効く「携帯式」のタイプも便利です。
泥除け
最後に「泥除け」。突然の天候不順にも対応できるようにしておきましょう。
スーツで走行する際に必要となるのは勿論のこと、雨に晒された次の日の通勤に向けて洗車や洗濯の手間を少しでも軽減する意味合いがあります。
以上は最も基本的な装備になります。
荷物や着替えについては、様々な方法がありますので、本記事の下部でそれぞれ項目を分けて触れていきます。
ロードバイクを通勤で利用する際に絶対持参しておきたいアイテム
ここでは、通勤時に「必ず」持参しておきたいアイテムについて解説します。
※ヘルメットなど、通勤時だけでなく一般的に必要なものは除外しています
まず「鍵」です。勤務時間中、オフィス内に駐輪できない場合には、ロードバイクから目を離す時間が非常に長くなってしまいます。
強力な鍵を持参し、可能な限りアースロック(設地している構造物に対して固定すること)を心掛けたいところです。
次に「パンク修理セット」。休日のサイクリングと異なり、必ず当初定めた目的地に着かなければいけないのがロードバイク通勤の特徴です。
予期せぬタイミングでのパンクに対応できるように工具を準備したり、スペアタイヤを携帯する必要があります。自分では修理できない故障に備えて、出張修理の仕組みも確認しておきましょう。
また帰宅後のメンテナンスを習慣化できると、バイクの寿命が長くなりますね。
また上の見出しでも雨天対策について触れましたが、「ウィンドブレーカー」や「レインシューズカバー」も持参するようにしましょう。
荷物を丸ごとくるむビニール袋なども準備しておくと安心です。
最後に「アイウェア(サングラス)」です。とくに夏場、走行が連日続くと、日光で目を傷めてしまう可能性が高まります。
防虫対策にもなりますので、検討してみてください。
ロードバイク通勤を始める前に気をつけておきたいポイント
ロードバイク通勤を始める前に、勤め先のルールや保管場所など、事前に確認しておくべき点があります。以下は予め確認しておきましょう。
1. 勤め先の規則を確認しよう
勤め先によっては近所の駅までのみ自転車利用可能といった制限がかかっている場合や、就業規則で自転車通勤が禁止されている会社もあります。
また自転車通勤不可ではないものの、電車やバスの定期券代として通勤交通費をもらって自転車通勤していると、交通費の返還を求められるといったケースも発生しています。
そのようなトラブルに巻き込まれないよう、事前に勤め先の規則をしっかり確認しておきましょう。
2. 勤務中の保管場所、どうする?
また、勤務中に自転車を保管しておくことも考慮に入れておかなければなりません。
以下ではロードバイクにおすすめの保管場所について紹介しているので参考にしてください。
オフィス内
もしオフィス内の目の届くところに愛車を置ける場合、周りの人の邪魔にならない場所に置くようにしておきましょう。なお持ち込む場合、タイヤについている泥などを落としてから建物内へ入れることは最低限のマナーです。
会社の敷地内
外部の人が立入ることができない会社の敷地内(の駐輪場)に置く場合は、鍵をかけておけば盗難の可能性は限りなく低くなります。地下や屋根付きなら雨に濡れることもなく、いい保管状態で置いておくことが可能です。
有料会員制駐輪場
オフィスや会社の敷地内(駐輪場など)に置けない場合、会員制駐輪場の利用もおすすめです。月々のサービス利用料が掛かってしまいますが、それに見合う環境が用意されているので受けるメリットは多いでしょう。
セキュリティ面はしっかりしており、中には更衣室やシャワーを備えていたり、保管中にメンテナンスを行ってくれるところもあるので、高額のパーツなどを取り付けている方などは利用を検討してみると良いでしょう。
一般(公共)駐輪場
管理人が常駐していて、かつ防犯カメラがあれば防犯性は高くなります。ですが、一般(公共)駐輪場に駐輪する場合は、念の為2つ以上の頑丈な鍵で厳重にロックし、監視カメラの近くなどに置くようにしましょう。
着替えと服装
汗をかく夏はもちろん、秋冬でも着替えや服装についても考慮しておきましょう。
勤め先の更衣室などで着替えることができるなら、普段サイクリングに行くときの服装で通勤するのもいいかもしれません。
デオドラント効果のある汗ふきシートなどで汗を拭いてから着替えれば、汗臭さも消え、サッパリした気持ちで仕事に取り掛かれます。
着替える場所がない場合、仕事で許される服装の範囲内で、動きやすく風通しのよい服を選ぶことになります。
最近ではしわになりにくい、風通しのよい自転車通勤用スーツも開発されているので、サイクリングに合わせたファッションを選んでいくと良いでしょう。
通常のスーツの場合は?
自転車用通勤スーツを一度に数着購入するのは難しい場合、通常のスーツでも、いくつかの注意点を考慮するとより快適な自転車通勤が可能です。
まず、一番に気になるのがスーツのパンツ(スラックス)がすり切れてしまったり、汚れたりする可能性があることです。ロードバイクのようなスポーツ自転車はチェーンカバーを付けていない方がほとんどなので、裾がチェーンに触れた際に汚れてしまいますよね。
防止策としてオススメは、裾止めバンドを使用する方法です。裾をまくったり、靴下の中に入れるという手段もありますが、マジックテープでしっかり裾を止められる裾止めバンドのほうが安心です。
最近では革製のおしゃれなものも販売されているので、スーツやベルトの色に合わせて選んでみると、より快適に自転車通勤ができますよ。
また、股関節周りのスレやお尻の痛みも気になるところです。自転車に乗っていると、ジーンズですら穴が空いてしまうため仕方のない部分なのですが、対策としては自転車用のレーサーパンツを履くか、擦れ防止機能のあるサドルカバーを活用してみる方法もあります。
以下のような商品であればお尻の痛みも軽減され、かつ蒸れにくい構造になっているので、夏場でも安心です。
荷物はどうする?
着替えやタオル、ノートPCなどの仕事道具やお弁当などの荷物は、リュックに入れるのがおすすめです。
荷物を安定して背負うことができますし、自転車用のリュックであれば背中にあたる部分がメッシュになっていて通気性もよく蒸れにくくなっています。
積載量が多くなってしまう場合にはキャリア(荷台)やフロントバッグ・リアバッグ・カゴの装着も検討してみましょう。
通勤ルートと時間は?休みの日に試してみよう
可能なら普段の通勤時間帯と全く同じ状況で試してみたいところですが、なかなかそのために休むという訳にはいかないですよね。
そこで休日に一度は自宅〜会社までのルートを試走し、どれくらいの時間がかかるのかを確認しておきましょう。
ロードバイク通勤中に気を付けておきたいこと
道路交通状況
朝夕の通勤時間帯は交通量が多く渋滞しています。
普段のライドで注意することと同じですが、最低でも以下の点には留意し、「かもしれない」運転を心がけておきましょう。
- 信号、横断歩道のないところで、歩行者がクルマの間をすり抜けて横断してくる
- すり抜けのスクーターがクルマの間から飛び出してくる
- 駅前付近、クルマ、タクシーのドアが急に開いて人が出てくる
- わき道からのクルマの飛び出し
- 駐車場やガソリンスタンドへの急な左折
パンク
通勤のために毎日自転車を何十kmも走行することで、タイヤの摩耗が早くなりパンクのリスクはどうしても上がります。
そのためパンク修理セットは必携です。自転車通勤を始める前に、すばやくパンク修理できるように練習しておきましょう。
雨対策
朝は晴れていたのに帰りには雨が降り始めることも想定して、レインウェアを用意しておくのがオススメです。
レインウェアを用意してあれば、雨が降り始めてしまっても走って帰ることができます。ロードバイクをしっかりした保管場所に置いておけるなら、無理をしないで置いて帰るのもいいでしょう。
こちらの記事ではオススメのレインウェアを詳しく紹介しています。
時間に余裕をもって
パンクなどのトラブルや、急にお腹が痛くなってトイレに行きたくなることもありますよね。また電車と違い、その日の道の混雑状況や自分のペース配分次第で到着までの所要時間は変わります。
「遅刻してしまうかもしれない」といった焦りは事故に繋がりやすくなります。時間に余裕をもって出発することが、自転車通勤ではとても大切です。
ロードバイクで通勤する際に気をつけておきたいポイントまとめ
ロードバイク通勤が休日ライドと異なるのは、決まった時間までに目的地(勤め先)にたどり着かなければならないことです。
そのためにもあらかじめシミュレーションして準備をしっかり整えましょう。くれぐれも安全に気を付けてロードバイク通勤を楽しんでください。
自転車通勤の手引きについては国土交通省のサイトも参考にしてみてくださいね。
またこれから自転車通勤を考えられている方は以下の記事もご覧ください。