【大分県】珍しい戦車道と滝を巡る44kmのサイクリング
豊後森駅をスタートして、全国でも珍しい一般道を戦車が走る「戦車道」で特殊車両を見て、滝をめぐるコースを紹介します。前半は山側で後半は玖珠川に沿って走ります。
目次
豊後森駅からスタート
大分県玖珠郡玖珠町にある九大本線の豊後森駅からスタートします。
三角屋根の木造駅舎で、可愛らしい雰囲気です。
駅を出て左手に進み、春日十字路交差点を右折します。高速道路下の交差点で右折すると道の駅童話の里くすに到着です。
「日本のアンデルセン」と呼ばれた久留島武彦氏の出身地ということで、町には童話のキャラクターをよく見かけます。道の駅には大きな桃太郎とお供たちの像が並びます。
一般道を走る特殊車両を見る
道の駅童話の里くすの真横を通る道は、全国的にも珍しい戦車が走る公道です。
戦車が通る道はコンクリートで強化された路面になっており「戦車道」と呼ばれています。玖珠駐屯地と日出生台演習場の区間を移動する日時は、玖珠町のWEBサイトに掲載されているのでチェックしてから行くのをオススメします。
たまたま走行予定日だったので、道の駅で待機してみることにしました。
真横を走るAAV7水陸両用車
しばらく待っていると9時を過ぎた頃にAAV7水陸両用車が何台も走ってきました。
公道を特殊車両が走っているのは、なんとも不思議な風景です。
特に通行止めにしている訳ではないので、地元の人が歩いている横を通過したりする風景が見られるのも戦車道の特徴でしょうか。
10数台の車両が通過して、最後は道路を掃除する車両が通過して終了。
珍しいものが見られて朝からテンションが上がります。
本当は戦車らしい形式の10式戦車(ヒトマルシキ)が見たかったけど、毎回走っている訳じゃなさそうです。
城下町とアップダウンが続く道
道の駅を出て森川沿いの戦車道を走り、左折して桃太郎の石像が出迎えてくれる路地に入ります。
城下町として栄えた森藩の面影が残る町並みを走ります。古い建物と鬼の石像が面白い。
丁字路で左折すると緩やかな上りに入ります。
走っている道の右手は角牟礼城(つのむれじょう)跡になっていて、城下町側の三島公園から散策することが出来ますよ。
県道43号に出て右折して、すぐに県道48号に入ります。この辺りから徐々にアップダウンがきつくなってきます。
山の頂きに並ぶ風車を眺めながら走ります。
次の目的地の「高塚愛宕地蔵尊」までは、道なりに案内看板があるので解りやすいです。
高塚愛宕地蔵尊でお参り
地元では「高塚さん」の愛称で呼ばれ、神仏混淆(しんぶつこんごう)の形態を残している珍しい地蔵尊です。
入口の門をくぐると、短い激坂なので勢いそのままに上りましょう!
お土産屋が並ぶ参道を上り、高塚さんにお参りします。
学業成就や商売繁盛など、さまざまな諸願成就に御利益があるとか。
神仏混淆なので左に鈴、右には鐘が下がっています。
願いが叶った人が寄贈した「祈願成就の地蔵」が並んでます。
この中には2000年のシドニーオリンピックで金メダルをとった柔道の田村亮子さんの奉納地蔵もあります。大きな金メダルを掲げたお地蔵さんですよ。
参道の途中にあるご神木のイチョウはパワースポットとされています。
坂を下ったら玖珠川沿いを走る
高塚さんから県道54号を下ります。こんなに上っていた?と思うほど下ります。
下っている途中に見える段々畑が良い雰囲気です。
坂を下って豊後中川駅手前で玖珠川を渡らず、手前の細い道を左折します。
川沿いを進むと九大本線の鉄橋下をくぐる沈下橋を渡ります。
ねこバスが来るバス停
沈下橋を渡り、国道210号に出てすぐの所に苔アートのねこバスとバス停があります。
バス停は本物っぽく、1日1本の時刻が書かれています。
トトロはパネルで、ねこバスは壁の苔に描かれています。町おこしのひとつでしょうか。トトロの苔アートは県内に数カ所あるみたいですよ。
ねこバスから天ヶ瀬温泉までは国道210号を走るのですが、大型車が多く道幅も狭いので注意して走行しましょう。短いですがトンネルもあるのでライトは必須です。
天ヶ瀬温泉の滝
市役所の横から左手に入ると天ヶ瀬温泉街です。入口の看板が温泉街の雰囲気を感じさせます。
お腹ペコペコだったので、駅前のAzukiという和風喫茶に入りました。店内には手作り雑貨や野菜を販売していました。
トマトピザと季節のスムージーをチョイス。スムージーはブルーベリーです。
チーズがパリパリした手作りピザもスムージーも美味しかったですよ!
楽をして行ける絶景の桜滝
食後は店からほど近い場所にある桜滝を見に行きます。
自転車を滝の入口に置いてから、歩いて10分くらいです。天狗のイラストが「桜滝はあっちじゃ!」と案内してくれています。
のんびり歩いても10分そこそこで滝の轟音が聞こえてきます。
カーブを曲がると滝の全容が見えてきて…「思っていたより立派!」と声に出ました。かなり迫力があります。
TVで「楽をして秘境に行ける滝第1位」として紹介されたとか。確かに楽をしてこんなに凄い滝が見られるのはお得な感じです。
落差約25m、幅約15mあり、流れ落ちる滝水の飛沫が桜の花のようであることから「桜滝」と名付けられたとか…すごい感性ですね。
温泉街を抜けて慈恩の滝へ
玖珠川沿いに並ぶ天ヶ瀬温泉は、ここ数年の台風被害が多く残っているようですが、徐々に活気が戻って来ているとか。雰囲気が良い温泉街なので頑張って欲しいです。
再び国道210号に合流し、しばし国道を走ります。途中に長いトンネルもあるので注意してください。
九大本線の杉河内駅を過ぎると右に入る細い道があり、そこに慈恩の滝があります。
ここも国道脇にあるのに、かなり立派な滝です。
日田市天瀬町と玖珠郡玖珠町の境にあり、上段20m下段10m合わせて30mの落差があります。
滝の隣には道の駅慈恩の滝くすがあるので休憩しましょう。
豆乳ソフトクリームが汗をかいた身体にしみます。
馬蹄形が美しい三日月の滝
国道210号を走っていると「三日月の滝公園」の看板が出てくるので、見落とさないようにして右折します。
田んぼの間を走り、嵐山瀧神社の横を流れる玖珠川に三日月の滝があります。
今まで見てきた滝からすると小ぶりですが、馬蹄形の滝壁から三日月に例えられている美しい滝です。
旧豊後森機関庫へ
国道210号のローソン玖珠山田店を過ぎたあたりの、石灯籠が建つ細い路地に入ります。そこから短い間ですが玖珠川沿いの道を走ります。
玖珠自動車教習所の手前で土手の道は終了。そこから住宅街を通り県道43号で九酔渓を渡り、豊後森駅に戻ります。
ゴールは豊後森駅ですが、少し通り過ぎた所にある「旧豊後森機関庫」に寄り道します。
旧国鉄久大線のSL格納庫として使われていましたが、ディーゼル化の普及により機関庫は廃止されました。その後、平成24年に国の登録有形文化財となり、現在は公園として整備され、貴重な鉄道の歴史を感じられる施設に生まれ変わりました。
豊後森駅でゴール
旧豊後森機関庫から豊後森駅に戻ってゴールです。輪行する場合は、列車の本数が少ないので注意しておきましょう。
コース紹介
▼道の駅童話の里くす
http://www.kusu-michinoeki.jp/
▼戦車道における戦車等通行予定について
https://www.town.kusu.oita.jp/soshiki/kichi_bosaitaisakuka/1/5/2/747.html
▼高塚愛宕地蔵尊
https://takatukasan.com/
まとめ
公道を走る特殊車両を間近で見て、城下町を散策。その後は自然を感じる滝めぐりというコースを紹介しました。玖珠町〜日田市周辺には大小合わせて滝が多く、走っていても頻繁に滝の案内看板が出てきます。興味があれば途中にある滝にも立ち寄ってみても良いかもしれません。
執筆:小曽根彩
大分県出身、埼玉県在住。 |