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自転車のブレーキにはどんな種類がある?タイプごとのメリット・デメリットを紹介!

ブレーキは自転車を安全に停止させるための大切な部品です。

しかし「自転車のブレーキにはどんなタイプがあるの?」と尋ねられて、答えられる人は少ないのではないでしょうか。

自転車のブレーキには、自転車のタイプによっていくつもの種類が存在します。

中には、見た目がほとんど同じなのに性能や使い勝手がまったく違うものも。

この記事では自転車のブレーキにはどんな種類があり、それぞれにどんな特徴があるのかを紹介します。

一般車に多い「ハブブレーキ」

シマノ(SHIMANO) ローラーブレーキ BR-IM31-R リア用

1つ目は車輪の軸に取り付ける「ハブブレーキ」です。

このハブブレーキは構造によって

「バンドブレーキ(サーボブレーキ)」
「ローラーブレーキ」
「コースターブレーキ」

に分類されます。

以下では、上記3つのそれぞれの性能について詳しく見ていきます。

バンドブレーキ (サーボブレーキ)


唐沢製作所 AN-S サーボブレーキ ワイヤー式ブレーキ

シティサイクルなどを中心に採用されることの多いのが「バンドブレーキ」と「サーボブレーキ」です。

車軸と一緒に回転するドラムに、「バンド」や「ブレーキシュー」を当てることで停止させるもので、どちらも見た目がよく似ています。

違いは、回転するドラムの止め方。バンドブレーキはドラムを外側からゴム製のバンドで締めて停止させ、サーボブレーキはドラムの内側から樹脂製のブレーキシューを当てて停止させます。

もし、ブレーキをかけたときに、後輪側から「キー」と音がなるのはバンドブレーキの可能性が高いです。

ブレーキ音が気になる人は互換性があるのでサーボブレーキに交換することができます。

ローラーブレーキ

 

シマノ(SHIMANO) BR-IM31 リア用 冷却フィン:90mm ローラーブレーキ

「ローラーブレーキ」は、バンドブレーキやサーボブレーキよりも悪天候に強いブレーキです。

見た目は、バンドブレーキやサーボブレーキと似ています。

ブレーキレバーを握ると、ブレーキ内の小さなローラーを押し上げ、ローラーがブレーキシューをドラムに接触させます。

これによってブレーキシューが少し動きながら回転を停止させるので、音鳴りに強いとされています。

さらに、ブレーキ内部に専用のグリスが封入されているので、雨水も入り込みにくいという特徴もあります。

一般車の中でも上級モデルに採用されることの多いブレーキです。

コースターブレーキ

ビーチクルーザーや子供向け自転車など一部のモデルに搭載されている「コースターブレーキ」は、ペダルを逆回転させることでブレーキをかけるタイプのブレーキです。

後輪の車軸の中に内蔵されており、ブレーキケーブルもないため、組み立てやメンテナンスが簡単です。

日本ではあまり見かけませんが、JIS規格にも認定されている正式なブレーキ形で、公道を走ることもできます。

一般車・スポーツ車に採用「リムブレーキ」

次は、自転車の車輪のリム(タイヤ内側の金属部分)をブレーキシューで挟んで止めるリムブレーキです。

ブレーキの効きが強いのが特徴で、一般車の前輪ブレーキや多くのスポーツ車のブレーキに採用されています。

ここでは、代表的なリムブレーキである「Vブレーキ」「カンチブレーキ」「キャリパーブレーキ」について紹介します。

Vブレーキ

「Vブレーキ」はクロスバイクやマウンテンバイクで多く採用されているブレーキです。

自転車のフロントフォーク(前輪を取り付けるフレーム部分)とフレームに台座があれば取り付けることが可能です。

ブレーキの力が強いというメリットがある一方で、Vブレーキ用のブレーキレバーが必要だったり、左右のブレーキとリムの幅調整が必要というデメリットがあります。

カンチブレーキ


シマノ(SHIMANO) カンチブレーキ BR-CX50 シクロクロス用

 

Vブレーキより歴史が古い「カンチブレーキ」は泥が詰まりにくいのが一番のメリットです。

そのためオフロードで行われる自転車競技シクロクロスに多く採用されています。

取り付ける台座がVブレーキと共通だったり、ロードバイク用のブレーキレバーにも対応しているなど、互換性が高いのも特徴です。

しかし、ブレーキの調整がVブレーキより難しいことや、ブレーキシューが減りやすいのがデメリットとして挙げられます。

キャリパーブレーキ

 

TEKTRO(テクトロ) 800A FRONT SILVER BR-TK-180

 

 

「キャリパーブレーキ」は、ロードバイクや一般車の前輪側に多く採用されているブレーキです。

ブレーキ本体が軽量で、構造がシンプルなので左右のバランス調整もしやすいのが特徴です。

また、ブレーキレバーを握った強さでブレーキの効きを細かく調整できるのもメリット。

キャリパーブレーキにはシングルピポットとダブルピポットの2種類があります。

シングルピポットタイプ

ALHONGA(アルホンガ) HJ-570AG キャリパーブレーキ リア用

 

 

シングルピポットタイプとは、ブレーキの可動部分の軸がひとつだけのもの。主に一般車に使われています。

構造が単純で軽量かつ安価である一方、ブレーキ本体がガタついたり片効きになりやすいのがデメリットです。

ダブルピポットタイプ

TEKTRO(テクトロ) R559 キャリパーブレーキ リア

 

 

ダブルピポットタイプは、ブレーキの可動部分の軸が2つあるもの。ロードバイクや上位モデルの一般車に使われています。

シングルピポットに比べると高価になりますが、ガタつきや、片効きになりにくいだけでなく、軽い力でも大きなブレーキ力を得られます。

ブレーキ界の新たなトレンド!?「ディスクブレーキ」

シマノ(SHIMANO) ディスクブレーキローター

 

本格的なマウンテンバイクやe-bikeに採用されているのが、高い制動力で悪天候や泥にも強い「ディスクブレーキ」です。

これは車軸に取り付けられているディスクをブレーキパッドで挟んで停止させるもの。キャリパーブレーキと違い、ブレーキシューでリムを傷めないのがメリットです。

ブレーキレバーからの制御は、ほかのブレーキと同じワイヤーを使う機械式と油圧式があります。

機械式のディスクブレーキは比較的安価なため、エントリーモデルで多く採用されています。一方、ハイエンドモデルには少ない力でもしっかりブレーキを制御できる油圧式が採用されています。

ディスクブレーキのデメリットは、メンテナンスや輪行の際にディスクをどこかにぶつけるなどして無理な力が加わり、変形しやすい点です。

また、ほかのブレーキに比べてディスクとブレーキパッドの間に隙間が少ないため、少しのズレで片効きや走行中の擦れが起きます。

さらに、油圧式の場合、車輪を外した状態でブレーキを握るとブレーキパッドが完全に閉じてしまい、車輪が取り付けられなくなるなど、他のブレーキと比べて取り扱いに気を使う必要もあります。

発電もできる「回生ブレーキ」

ここまで紹介してきたブレーキはすべて、ドラムやリムなど回転しているものにブレーキを当てて止めるタイプでしたが、発電によってブレーキの効果を得られるタイプも登場しています。

それが、一部の電動アシスト自転車に採用されている「回生ブレーキ」です。

自転車に付いているダイナモ式の電気を点灯させたときに、ペダルが重くなったという経験をしたことはありますか?

これは、自転車を走らせる力に加え、発電機を回す力が必要になったためです。

この仕組みを利用し、下り坂などでブレーキをかけたときに発電をさせることで車輪の回転に負荷をかけて減速させます。

安全に走るために!ブレーキの点検

 

バイクハンド ツールキット for shimano

 

 

ここまでいろいろなタイプのブレーキを見てきましたが、どんな高性能なブレーキでも点検やメンテナンスをしなければ性能を十分に発揮することはできません。

ブレーキの種類によって点検やメンテナンスの方法は変わりますが、ここでは日常自転車に乗る前にできること、確認しておきたい内容を紹介します。

  1. ブレーキのワイヤーに割れている部分や折れている部分がないか、ワイヤーの露出している金属部分はほつれがないかを確認。
  2. 自転車を前後に走らせながらブレーキレバーを握り、ブレーキの効きを確認。このときにブレーキから異音がしないかも確認しておく。
  3. キャリパーブレーキやディスクブレーキでは、ブレーキシューが左右同じに動くか、ブレーキを握っていないときに擦っていないかを確認。
  4. ブレーキ本体がガタついていないかを確認。

慣れれば数分でできるので、安全のためにも日頃からしっかり点検するようにしましょう。

ブレーキの性能を知って安全な自転車ライフを!

いろいろなタイプのブレーキを紹介してきましたが、自分が乗っている自転車のブレーキの種類はわかりましたか?

普段、何気なく使っているブレーキですがタイプが変われば特徴も違います。

安全で快適な自転車ライフのためにも、ブレーキをはじめとする自転車の装備をしっかり知っておきましょう。

 

執筆:TABIRIN事務局f

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