旅×自転車 記事

【兵庫県】夏の110km縦断ライド! 朝来〜姫路(約60km)編

子供時代、夏休み明けの学校で「夏休み何した?」と互いの夏の冒険談を披露しあった名残でしょうか。
夏になると冒険心が湧いてきてちょっとチャレンジングな旅に出たくなる気がしませんか。
そんな思いに駆られて、昨夏実施した兵庫県縦断 合計約110kmの旅。城崎〜朝来(50km)編に続き、今回は旅の後半、朝来〜姫路(約60km)の様子をお届けします。

前編はこちらをご覧ください。

朝来から生野銀山を目指す

前日、夕暮れ時の竹田城を堪能し、朝来市和田山の民宿に宿泊。
翌朝、宿から漕ぎ出し向かう最初の目的地は、約25km先の生野銀山です。
子供時代に夏休みの家族旅行で土肥金山(静岡県伊豆市)には行ったことがありますが、銀山は初めて。なんでも、生野銀山では「アイドル」が出迎えてくれるらしいと聞き、期待とともに、播但線に沿うように国道310号線を走っていきます。
JR生野駅周辺から国道429号線に入り、約4kmほどゆるやかな坂道を上れば生野銀山に到着です。道中では民家の裏にかつてのトロッコのレール跡が残っていたりと、ここが一大産業地であったことが感じられました。

生野銀山は室町時代に本格的な採掘が始まり、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の直轄地でもありました。
明治元年には日本初の官営鉱山(政府直轄)となり、その後三菱へと払い下げられ、昭和48年(1973)に閉山。翌年から観光施設として開業し、実に開坑1200年以上の歴史がある史跡です。

壮大な歴史に驚きながら受付を通ると、出迎えてくれたのは意外にも、着物とわらじ、作業着姿でたすきをかけた男性マネキンたち…
お土産コーナーには「超スーパー地下アイドル ついに発掘!! GINZAN BOYZ」のポスターや彼らのファングッズが。
「アイドル」とは彼らのことだったのか!
「GINZAN BOYZ」は江戸時代〜昭和にかけて、生野銀山で活躍した職人・技師たちを再現したもので、メンバーは総勢60名。
ベテランの風格が漂う、きりりとした顔立ちに「甚八」「鈴丸」「次郎羅茂(じろうらも)」「フロイス健」などの名前が付いています。
個性豊かな面々が、各々の持ち場で仕事に勤しみながら見学者を出迎えてくれます。

銀山の坑道は350km以上、深さは約880mに達し、非常に広大です。
坑道内コースでは、その一部である現代坑道と江戸時代の坑道部分、合わせて全長約1kmを見学することができます。
各人の仕事内容や性格などが書かれたメンバー紹介のパンフレットを片手にひんやりと薄暗い坑道内をじっくり見てまわると、まるで彼らが今にも動き出しそうな気がするほど、当時の様子を生き生きと想像することができました。

それにしても坑道内の涼しいこと!
約40分かけて回ったあとには少し寒いくらいでした。坑道内の温度は年間を通じ約13度だそう。暑い夏ライドにはちょうどよい避暑スポットかもしれません。

鉱山に併設するレストランで、かつての鉱山労働者たちも愛したという名物、銀山ハヤシライスをいただきました。

GINZAN BOYZに負けない力強さで姫路まで頑張るぞ!

田舎道のパン屋さんでちょっと寄り道

生野銀山をあとにし、生野峠を越えて播但連絡道路を姫路方面へ下ること約4km。
のどかな田園風景の中にポツンと黒い瓦屋根の一軒家。
屋根には大きく「パン工房 ○藤」(○の中に藤の文字)が。ものすごく気になります。
目的地までまっしぐらに向かうのは味気ない。道草を食うのも旅の一興。と思い、近づいて様子を伺うことに。
すると続々と地元ナンバーの車が入っていくではありませんか。これは美味しいに違いない!と確信して店内に入ると、古民家をリノベーションした薪窯パン屋さんでした。
屋根の屋号は「丸藤(まるふじ)」と読むのだそうです。

銀山ハヤシライスの面影を胃袋に感じつつも、座敷に上がらせてもらい、早くもおやつに「焼きたてトーストセット」を注文。
畳の上のちゃぶ台でほのかに甘いトーストをいただくのは、ビンディングシューズで疲れた脚を休めるのに最適でした。

古民家の店内はなんとも居心地がよく、夏休みに田舎の親戚の家に来たような感覚です。
ついこのまま昼寝したい欲求に駆られるも、なんとか日没までには姫路城にたどり着くべく、お店をあとにしたのでした。

銀の馬車道をたどり姫路へ

姫路までの残り約35kmは、明治政府が創った、生野〜飾磨津(しかまづ:姫路城下町の外港エリア)を結ぶ日本初の高速産業道路「銀の馬車道」をたどって走っていきます。
道中には穏やかな田園風景の中にも、銀を運んだ馬車を再現した模型、馬車道修築の碑や道標があったりと当時の面影を感じることができます。
明治時代、日本が欧米列強に追いつけ追い越せとばかりに挑んだ一大プロジェクトで創られた馬車道は、まさに人々の夢を乗せたシルクロードならぬ「シルバーロード」だったのでしょう。

▼「銀の馬車道」コース

▼「銀の馬車道」紹介Webサイト(銀の馬車道ネットワーク協議会)
https://www.gin-basha.jp/

ついにゴール!白鷺城こと姫路城へ

銀の馬車道を走り切り、夕暮れが差し迫って来た頃、「白鷺城」の異名を持つ姫路城の白い肌が西陽に照らされながら見えてきました。
姫路城には以前電車で訪れたことはあったものの、やはり自転車で自力で来ると感動はひとしおです。
「やったぞ〜〜〜!」という達成感と、熱気ですっかり火照った体をアイスを食べてクールダウンし、JR新快速に乗り大阪への帰路につきました。

コース紹介

まとめ

城崎温泉前泊、城崎〜朝来、朝来〜姫路の2泊3日の夏休み自転車旅は、日本海〜太平洋にかけての兵庫の地形、日本のお城と産業の歴史を肌で感じられる味わい深いものとなりました。

ただ距離を目標にして走るのではなく、地理、歴史、芸術など、そこに何か自分が興味のあるテーマを掛け合わせると、身体的にだけではなく知的好奇心も満たされより一層旅の濃度が増してきますよね。
ぜひあなたの興味・関心に合わせてオリジナルの自転車旅を組み立ててみてはいかがでしょうか。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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