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【滋賀県】湖東三山の寺社仏閣と太郎坊宮をめぐる初・中級サイクリング

道の駅せせらぎの里こうらをスタート&ゴールとし、戻りにはサイクルトレインを利用するルートです。滋賀県の名所「湖東三山(※)」や太郎坊宮を散策するため、歩きやすい靴を推奨します。最後は八日市駅から尼子駅までサイクルトレインに乗るので楽々です。

※「湖東三山」とは滋賀県湖東地方の山間にある西明寺・金剛輪寺・百済寺の三つの天台宗寺院の総称です

道の駅せせらぎの里こうらをスタート

国道307号線沿いの道の駅せせらぎの里こうらをスタートしてすぐに「湖東三山」の西明寺に立ち寄ります。国道から左折して短い坂を上れば入口です。

湖東三山 西明寺

まず名勝庭園蓬莱庭の横を進みます。
米テレビ局CNNの特集「日本の最も美しい場所31選」に連続選出されているだけあり、手入れが行き届いた美しい寺院です。

西明寺は平安時代の承和元年に開創されました。織田信長により焼き討ちにあいましたが、兵火を免れた本堂、三重塔、二天門が今も当時の姿を残しています。
本堂は国宝第一号指定の建造物で、鎌倉時代初期に建立されました。
三重塔も本堂と同じく国宝で、釘を使用していない純和様建築です。鎌倉時代の建造物を目の当たりにすると言葉もなく、圧倒的な存在感を感じます。

紅葉の名所ということで、また来ることがあれば是非秋に訪れたい場所です。

お地蔵様が多い金剛輪寺

国道307号を少し走ったら左折、名神高速道の高架下をくぐり路地に入ります。
車通りが多い国道から一変して、穏やかな里山風景を走ります。

県道220号を左折すると金剛輪寺に到着です。
入口の総門は江戸時代に建立されたもの。

金剛輪寺は奈良時代の中頃、聖武天皇の勅願で行基により開山されました。
境内にはお地蔵様が多く千体地蔵さまと呼ばれています。

桃山時代から江戸時代中期に作庭された庭園は、国の名勝に指定されています。

庭園内の明壽院書院に、二頭の龍が描かれた杉戸絵があります。
京都府の紅堀画作家の方が奉納したものだそう。

本堂まで参道沿いに続く千体地蔵

庭園を出て参道を進むとズラリと並ぶ千体地蔵が現れます。実際は二千体以上あるというお地蔵様。ひとつひとつに前掛けや風車が飾られています。

お地蔵様は本堂の手前まで並び、風が吹くと風車がカタカタ回ります。

大きな草鞋が飾られた二天門は室町時代に建立されました。

織田信長の焼き討ちを免れたのは本堂・三重塔・二天門。三重塔は荒廃が進んだので、昭和49年に復元されました。

近江最古級の百済寺

金剛輪寺を出て、途中の上蚊野古墳群脇を眺めつつ約5km走れば百済寺です。
百済寺は湖東三山の中で最も山深い場所にあるので、きつめの坂を上って行きます。

推古14年に聖徳太子が渡来人のために創建させた百済寺は、室町・戦国時代の兵火に壊滅的打撃をうけましたが、江戸初期に現在の本堂、仁王門、山門等が再建されました。

百済寺庭園から少し登った所にある遠望台からは、比叡山や琵琶湖が望めます。

石畳の表参道を歩くと、まるで時代劇の世界。実際に重厚な石畳と境内は、多くの映画や時代劇・ドラマなどのロケ地として利用されています。

自転車に乗り坂を下る途中に百済寺山門があります。
朱塗りのため「赤門」と呼ばれており、江戸時代に建立されました。

道の駅でランチ休憩する

加領川橋交差点を斜め右に曲がり、緩やかな坂を下っていると目の前に菜の花畑が出現!
道の駅に隣接する花畑では、季節に合わせ「菜の花・ラベンダー・ひまわり・コスモス」などを楽しめるそうです。

農産物の流通・加工、人的交流、観光などを総括した施設で、フラワーアレンジメントの体験や、採れたて野菜を購入できる直売所も人気です。
フルーツ&ハーブ工房のイタリアンジェラートは並んでも食べたい!と行列が絶えません。

巨大「とび太くん」が居る公園

道の駅から国道307号を走り、愛知川を渡り土手沿いに進みます。国道421号の八風街道を渡り、両脇に田んぼが広がる道を進むと巨大な飛び出し坊やが見えてきます。

東近江市が発祥の飛び出し坊や「とび太くん」は、滋賀県内を走るとよく目にします。そのとび太くんの約3倍サイズの巨大とび太くんが市原野町グラウンドに設置されています。
この辺りに来たなら、是非見ておきたいスポットです!

県道を走って14km先の太郎坊宮へ

県道170号を暫く真っ直ぐ進み、途中国道307号を横断しつつ約14km走ります。
近江鉄道「長谷野駅」前を北上し、近江鉄道八日市線の踏切を渡ったらすぐ左折。太郎坊宮前駅の所を右折すると参道入口です。

太郎坊宮は平地に突き出たような赤神山の中腹にある神社。太郎坊という呼び名は阿賀神社を守っていると言われていた天狗から付けられた愛称です。
自転車で坂を上れば太郎坊宮中腹駐車場まで行く事ができます。そのおかげで石段742段分を歩いて登らずにすむのが嬉しい。駐車場からは八日市の町並みを一望出来ます!

「勝利と幸福を授ける神様」とされ政治家、起業家、プロスポーツ選手なども御利益を仰ぎに来るとか。駐車場に自転車を置いて本殿まで歩きます。

湖東三山でかなり歩いたため、もう足はクタクタです。

黙々と石段を登っていくと、目の前に巨大な岩が現れます。
神様の力で押し開かれたと伝わる夫婦岩です。岩と岩の間は約80cm。岩のパワーを感じつつ岩の間を進みます。

本殿手前にある展望台からは「万葉集」にも出てくる景色を眺められます。昔の景色に思いをはせるのも良いですね。

八日市駅からサイクルトレイン

来た道を戻り八日市駅に向かいます。八日市駅から尼子駅まではサイクルトレインを利用します。歩き疲れた足には嬉しいです。

近江鉄道の米原駅〜貴生川駅区間では、輪行袋を使わずに電車内へ自転車の持ち込みが可能で運賃のみで持ち込み料金は無料です。
彦根駅と八日市線(新八日市駅〜近江八幡駅)の各駅では利用できないので注意してください。

約20分乗車して尼子駅に到着!ここからゴールまではもうすぐです。

甲良町出身の武将・藤堂高虎

尼子駅から一般道を走り、最後の立ち寄りポイントの在士高虎公園に到着。
甲良町在士出身の戦国武将・藤堂高虎は、関ヶ原の戦いに参戦し功績をあげました。築城技術にも優れていたため、江戸城の改築にも貢献したと伝わる。公園内には大阪城再建の時に使用されなかった「残念石」などが飾られています。

公園前を流れる小川沿いの道は「古川の径」という散策路になっていて整備されています。のどかな古川の径を走り、国道307号に出て南下すればゴールの道の駅に到着です。

コース紹介

まとめ

TABIRIN MAP 滋賀県甲良町周辺の4ルートの中から「神社仏閣巡り」を走ってみました。山深い湖東三山や太郎坊宮を巡り、滋賀県の歴史に触れるサイクリングルートです。歩きやすい靴を忘れずに!

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
埼玉県奥武蔵エリアを中心に、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

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