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【滋賀県】彦根の歴史探訪と旧中山道の宿場をめぐる34kmの初級・中級ポタリング

道の駅せせらぎの里こうらをスタート&ゴールとするルートです。田園風景の中を走り多賀大社で参拝して、川沿いに彦根城へ。城下町を散策して食べ歩きを楽しみ高宮宿を抜けて道の駅へ戻ります。

道の駅せせらぎの里こうらをスタート

国道307号線沿いの道の駅せせらぎの里こうらからスタートします。

車通りの多い国道を少し走り、犬上川の手前を左折して川沿いに進みます。犬上大橋を渡り少し進むと右手に多賀大社の御神木の古木が見えてきます。御神木は女飯盛木と男飯盛木の2本です。

下の写真2枚が女飯盛木で、少しほっそりしています。

男飯盛木は葉が茂って、ドッシリした見た目をしています。
昔ケヤキで杓子を作り天皇に食事を捧げたところ、病気が治ったという言い伝えがあることから「飯盛木」と呼ばれるようになったとか。そんな2本のケヤキは滋賀県指定自然記念物です。古木からパワーを感じます。

多賀大社に参拝する

名神高速道路の下を抜けると多賀大社前駅に出ます。駅の近くにある多賀大社昭和の一の鳥居をくぐり、土産屋の並ぶ参道を進みましょう。

立派な大鳥居をくぐり多賀大社を参拝します。

鳥居の先にアーチ状の「そり橋」があります。町指定文化財ですが実際に渡る事ができますが、自転車用のシューズでは危険なので注意が必要。

「お多賀さん」の愛称で親しまれている多賀大社は、延命長寿・縁結び・厄除けの神様として信仰を集めています。太閤秀吉が病気の母のために祈ったとされ、奉納品も多く残っています。

御神門をくぐると正面に重厚感のある本殿が木々に囲まれるように建っています。空気が変わって神聖な雰囲気を感じます。

名物の糸切餅

多賀大社の名物「糸切餅」を販売している店は3店あるので、食べ比べてみた。
大鳥居の目の前に「多賀や」「莚寿堂本舗」の2店が並んでいます。

少し駅の方に戻ると「ひしや」があります。

糸切餅は白い餅に青と赤の三本線が描かれ、糸で切るのが特徴。とても柔らかくほどよい甘さで3店とも甲乙つけがたく美味しかったです。

芹川沿いに彦根市街へ

多賀大社前駅から芹川に向かいます。芹川沿いに走っていると「ナウマン象の郷中川原」という石造がありました。芹川の河原でナウマン象の化石が発見されたからだとか。

国道8号と東海道本線を過ぎたら「七曲がりの仏壇街」という細い道を走ります。彦根の伝統産業の仏壇を作る店が並ぶ通りで、屈折した路地が特徴です。

七曲がり仏壇街を抜け丁字路を右折して駅へ。駅前には戦国時代の武将で上野国高崎藩の初代藩主「井伊直政像」があります。

国宝!彦根城

彦根城をぐるりと周回してから、いよいよ彦根城内に向かいましょう。自転車は駐輪場へ置いて、入城券を購入して石段を上っていきます。

江戸時代までに建てられ、現在まで残っている12の現存天守のうち国宝に指定されたのは姫路城・松本城・松江城・犬山城・彦根城の5つです。これらの城を「国宝5城」と呼びます。

彦根城は徳川四天王の一人である井伊直政の子「直継」が着工し、約20年の歳月をかけ完成させました。廃城の危機を免れた彦根城は、江戸時代の姿を感じることが出来ます。

彦根城の中は急な階段が多く、手すりにつかまりながら上ります。
天守閣からは市街地越しの琵琶湖がよく見え、昔の街はどんな景色だったのか?そんな事を考えてしまいます。

出口に向かって歩いていると「もうすぐひこにゃんが現れます」とアナウンスが流れてきました。
せっかくなので少し待って、ひこにゃんが出てくるのを待って写真を撮って楽しみました。相変わらずの人気で、沢山の人が集まっていましたよ。

夢京橋で食べ歩き

江戸時代の城下町風情を残した「夢京橋キャッスルロード」に向かいます。
約350mの通りには土産物屋・食事処・甘味処などがズラリと並んでいます。

暑かったので「茶房源三郎」の「もこもこ源三郎ソフト」をいただきました。
濃厚な抹茶を2種類使用したソフトクリームは、お茶の味をしっかり感じられて美味しい。

彦根藩足軽屋敷群

「本町1丁目」交差点から細い路地に入ります。江戸時代に彦根城下を守っていた足軽たちが住んでいた屋敷が現在も残されていて、見学することが出来ます。

芹川けやき道を走り琵琶湖を目指しましょう。川沿いの道は爽やかで気持ちが良いです。

琵琶湖からの眺め

琵琶湖に出たら丁字路を左折します。
県道25号をしばらく走り、右手に湖岸緑地の入口が出たら細い道へ。湖岸緑地八坂からは多景島が見えますよ。

中山道64番の高宮宿

犬上川沿いの道を走り南下します。JR線を過ぎ国道8号に出たら左折。グルッと回り込んで旧中山道の高宮宿の街道を走りましょう。
旧中山道に入ると昔ながらの民家が建ち並び、落ち着いた雰囲気になります。

右手に高宮神社の鳥居が出たら、その先の高宮郵便局の隣に「多賀大社一の鳥居」があります。コース前半に立ち寄った多賀大社へ続く表参道の入口になります。

県内の古式の石鳥居としては最大で立派です。昔はこの鳥居から約3kmの参道に石灯籠が並んでいたそうで、参拝する人の気分も高まったでしょうね。

一の鳥居から先に進むと、さらに昔の建物が増え宿場町の色が濃くなります。

高宮の無賃橋

犬上川を渡る時に古い石橋を通ります。
1932年(昭和7年)に造られた橋ですが、もともと1832年(天保3年)に高宮宿の富豪が周囲の有力者などから資金を募り架けた橋とされています。

当時は「川渡し」や「仮橋」の通行が有料でしたが、この橋は渡り賃を取らなかった事から「むちんばし」と呼ばれたとか。当時の庶民としてはありがたい事だったでしょう!

高虎公園の藤堂高虎像

犬上川沿いを走り左手に「犬上大橋」が出たら川から離れ、県道330号に入ります。
彦根市消防署がある十字路を右折したら最後の立ち寄りポイントの高虎公園に到着。

甲良町在士出身の戦国武将「藤堂高虎」の像があります。関ヶ原の戦いに参戦し功績をあげたとか。さらに築城の技術にも優れていたので、江戸城の改築にも貢献したと伝わる。

公園には大阪城再建の時に使用されなかった「残念石」という面白い名前が付いた石が飾られているので探してみよう。

ちなみに藤堂高虎像の写真はTABIRIN MAP6滋賀県甲良町周辺の表紙にもなった場所です。

道の駅せせらぎの里こうらでゴール

道の駅に戻ったらテイクアウトの石窯ピザ店の「ピッツェリア ウノ」でピザをオーダーして、直売所前のテーブルでいただきます。

東京・日本橋で10年間営業していたイタリアンレストランのオーナーシェフが滋賀へ移住して、2015年に道の駅敷地に店をオープンさせました。

地元野菜のピザは、地元で採れた新鮮な野菜を中心としたあっさり系ピザです。走ってきて疲れた身体に染みる美味しさですよ。

コース紹介


まとめ

TABIRIN MAP 滋賀県甲良町周辺の4ルートの中から1番距離が短い「彦根ポタリング」を走りました。短い距離の中に歴史を感じる多賀大社や彦根城、旧中山道の宿場町を巡ることができる濃厚なルートになっています。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
ロードバイク・ランドナー・ミニベロなどで、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

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