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【オーストラリア】ブリスベン郊外で冬の50km湖畔サイクリング

富士五湖、琵琶湖、諏訪湖…日本各地、湖畔をサイクリングするのは気持ちいいですよね。
特に冬は空気が澄んでいて、キリッとした空気の中に湖面に映る木々や山が美しく、水鳥を観察すると気持ちが和みます。そんな湖畔の雰囲気を求めて、ブリスベン郊外の南西部にあるフォレストレイク(Forest Lake)、スプリングフィールドレイクス(Springfield Lakes)をめぐる約50kmのサイクリングをしてきました。

冬のブリスベンの服装は?

南半球の7月は冬。といってもブリスベンの冬は南部のメルボルンなどに比べると比較的温暖です。
7月の平均最低気温は9.5度、平均最高気温は20.4度。朝晩は少し冷え込みますが、日中は上は長袖ジャージとウインドブレーカーやジレ、下はビブショーツと薄手のタイツといった組み合わせで快適に走れます。
上は半袖ジャージにアームウォーマーで体温調整しつつ、下はビブショーツのみを組み合わせて、体温調整をしているサイクリストも多く見かけます。

スタートはグリーンバンクRSLパーク&ライドから

今回のライドの発着場所はブリスベンのシティ中心部から南へ約30km行ったところにあるグリーンバンクRSLパーク&ライド(Greenbank RSL park ‘n’ ride)です。
「パーク&ライド」とは、自家用車向けの駐車場を備えたバス停や駅のこと。車社会のオーストラリアでは、郊外からシティ中心部への通勤・通学による渋滞や駐車場代の高騰が課題になっており、「パーク&ライド」を利用し、自宅最寄りの駅までは車で自家用車で向かい、そこから公共交通機関でシティ中心部に向かう、という方法が推奨されています。
グリーンバンクRSLパーク&ライドも600台分の巨大駐車場を整備し、2021年9月に新規オープンしました。

ここからまずは最初の目的地、フォレストレイクを目指します。

周辺の住宅街には、“CARE FOR OUR WILDLIFE” (野生動物に注意)の看板が点在しています。自然豊かなオーストラリアでは、野鳥はもちろんのこと、時にポッサム、ワラビー、カンガルーといったオーストラリアならではの動物が道路に出てくることもしばしば。
道路はみんなで譲り合おうという、“SHARE THE ROAD” の看板も頻繁に立っています。

また、スピード出しすぎを防ぐため、バンプ(道路の一部を隆起させ、通過する車両に上下の振動を及ぼすことで運転者に減速を促すもの)を設けている道路も多くあります。
車で走る際はもちろん、自転車で走る際も、BUMPの看板が見えたら慎重に乗り越えるようにしましょう。

道中にはアサヒ飲料のオーストラリア現地工場も。

工場のすぐ先のラウンドアバウト(ロータリー)では、標識を目印にフォレストレイク方向を目指します。

フォレストレイクの湖畔を散策

スタートから約11km、適度なアップダウンを繰り返しながらフォレストレイクの区画に到着。
「フォレストレイク(Forest Lake)」というのは湖の名前であることはもちろんですが、このエリアのサバーブ(suburb)の名前でもあります。この「サバーブ」という単語、「郊外(の住宅地)」の意味で中学・高校時代に覚えた方も多いと思います。
オーストラリアやニュージーランドで言う suburb にも、もちろんこの意味もあるのですが、一つの都市をさらに細分化した行政区画の単位としても使われています。日本の「〇〇市の中の△△町」に近いイメージです。

フォレストレイクの区画に入ると、道の両脇の木々がうっすらと黄色く色づいていました。亜熱帯気候のブリスベンでは、冬と言っても、日本の本州の秋の感覚に近いかもしれません。

フォレストレイクの湖は周囲が約2.5kmの散策路になっています。
散策路の上ではローラースケート、スケートボード、原付バイクは禁止です。自転車で走る際は、歩行者に気をつけながらゆっくり蛇行するようにしましょう。



犬を散歩させたり、ゆったりサイクリングしたり、皆ゆったりと水辺の散策を楽しんでいます。

水辺のウッドデッキからはブラックスワンを始め、さまざまな水鳥を間近で観察することができます。

ただし、野生動物への餌やりは禁止されているので注意しましょう。

湖畔には船の形を模した遊具も。遊具の上に日除けの幕が張られているのは、紫外線の強いオーストラリアならではですね。
BBQ台も併設されているので、親御さんがBBQ台でソーセージを焼いている間、キッズたちは遊んでいるというのどかな光景も見られます。

カフェもあるので、テラス席からコーヒーを飲みながらゆったり湖を眺めるのもよさそうです。

なお、この湖では毎年6月、台湾の端午節に合わせてブリスベン市と台湾コミュニティ主催による「マルチカルチュラル・ドラゴンボートフェスティバル」というドラゴンボートのレース大会が開催されます。
過去にチームJAPANのメンバーとして出場したことがあるのですが、さまざまな国や地域のチームが参加して、多国籍・多文化の運動会といった非常ににぎやかで楽しい雰囲気でした。

オーストラリアのマクドナルドは100%オージービーフ!

フォレストレイクの湖畔を満喫したら、散策路から再び公道へと戻り約13km先のスプリングフィールドレイクスを目指します。

スプリングフィールドレイクスの手前のマクドナルドに立ち寄りランチにすることに。「わざわざライドに出てファストフード?」と侮ってはいけません。オーストラリアのマクドナルドは100%オージービーフがウリで、子供から大人まで人気です。

注文はスマートフォンの専用アプリ、もしくは店内に設置されたタッチパネルを通じて行い、カウンターで受け取る仕組みになっています。

「マイティーアンガス(Mighty Angus)」バーガーは、ふっくらとしたバンズに2枚のジューシーなパテが挟まれ食べごたえ抜群。「Mighty(強力な・並外れた)」「Angus(アンガス牛)」の名にふさわしい、オーストラリアのマクドナルドならではの特別なバーガーです。

ちなみに、トレイにはなぜか「チキンデラックス(Chicken Deluxe)」の箱も。
「頼んだ覚えがないのに…?」と思いつつ、空けてみたらバーガーとセットのサラダが入っていました。こういうアバウト…いや、おおらかなところにもまた、オーストラリアらしさを感じます。

スプリングフィールドレイクスを走り抜ける

スプリングフィールドレイクスもまた、フォレストレイクと同様にサバーブの一つです。
ドラゴンボート大会も開催されるフォレストレイクと異なり、スプリングフィールドレイクスは、「レイクス(lakes)」の名の通り、小さな湖が複数点在しており、周辺は住宅街になっています。

湖というよりは正直、池の印象ですが、周辺にはレイクビューのアパートメントが数多く見られ、閑静な住宅街になっています。

湖を一周できる散策路は見当たらないものの、やはり湖畔にはカフェがあり、日当たりもよく居心地がよさそうです。

小さな湖の間の道路を縫うように走り、スプリングフィールドレイクスの区画を抜けます。
隣接するサバーブ、グリーンバンク(Greenbank)をミドルロード(Middle Road)沿いに走っていきます。道沿いには牧場もあり、牧歌的な雰囲気が漂います。


スプリングフィールドレイクスから約20km、スタート地点のグリーンバンクRSLパーク&ライドに戻り、ゴールです。

ライド後はプロテインでケアを

ライド終盤のミドルロードでは向かい風の中、直線道路を追い込んだのでそれなりに脚にきました。
そんな時はやはりプロテイン!我が家ではコールド・ストーンの「バースデーケーキ味」の粉末タイプを、低脂肪牛乳と共に愛飲しています。どのあたりがバースデーケーキ味なのか‥はちょっと謎ですが、甘すぎず、クリーミーで飲みやすいのが気に入っています。

日本でも近年、スーパーやコンビニでもプロテイン入り飲料を見かけるようになりましたね。
オーストラリアでも日本同様、スーパーやコンビニ(多くは単独ではなくガソリンスタンドに併設)で入手可能なので、日本ではまだ珍しい味を試してみるのも面白いかもしれません。

コース紹介

 

 

まとめ

散歩に水鳥の観察、読書にスケッチ、レイクビューのカフェでまったり…湖畔が人々の憩いの場になっているというのは日本でもオーストラリアでも変わらないようです。
季節が変わると、周辺の木々の色づきや訪れる鳥たちの顔ぶれが変わるというのもまた湖畔サイクリングの楽しみの一つ。
ブリスベンで冬が終わり、9〜10月に春が訪れたら再度走りに行こうと思います。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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