【オーストラリア】2032年にはオリンピックも開催!ブリスベン街中サイクリング
オーストラリアにあるブリスベンという街をご存知でしょうか。
2032年に夏季オリンピック・パラリンピックの開催が決まったことで、その名をニュースで耳にしたことがある方もいるかもしれません。
今後世界的な注目も高まっていくと思われるブリスベン。主要スポットをサイクリングで探検しつつ、街の魅力をお伝えします。
目次
ブリスベンってどんな街?
ブリスベンはオーストラリアの北東に位置するクイーンズランド州の州都にあたります。州の経済・政治の中心としてはもちろん、北のサンシャインコーストへは車で約1時間半、南のゴールドコーストへは約1時間と、観光の拠点としても便利な街です。
ブリスベンの人口は約228万人(参考:シドニーは約470万人。両2016年調べ)、日本でいうと名古屋市の約232万人(2021年調べ)に近いですね。面積は約4,700k㎡(参考:京都府は4,613k㎡)、日本での姉妹都市は神戸市になります。
街の中心部にはゆったりとブリスベン川が蛇行し、街の各所には公園や庭園の緑が多く、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市でありながらもリラックスした雰囲気が漂います。世界各国からの移民や留学生があふれ、街を歩くだけでも多民族・多人種を肌で実感できます。
スタート前に押さえよう!クイーンズランド州の基本自転車ルール
さて、サイクリングを始める前に、「郷に入らば郷に従え」ならぬ「豪に入らば豪に従え」で、オーストラリアの自転車ルールを押さえておきましょう。
オーストラリアでは自転車ルールも州ごとに微妙に異なるので注意が必要です。ここではクイーンズランド州で自転車に乗る際の、基本ルールを簡単に紹介します。
①ヘルメットを必ず着用
街乗り自転車でもスポーツ・バイクでも、ヘルメット着用は義務。ヘルメットはオーストラリア標準規格(AS2063もしくはAS/NZS2063)に沿った製品でなければなりません。(※違反者は126AUDドルの罰金)
②前後にはライトと反射板を付ける
自転車前方には200m先からも認識できる明るさのホワイト・ライト、後方には200m先からも認識できる明るさのレッド・ライトと光の反射で50m先からも認識できる反射板の装着が必要です。
③道路の左側を走る
日本と同様。逆走は大変危険なのでやめましょう。
④自転車走行可能な道路の種類を守る
一般道(路肩、車線上も含む)、バスレーン、トランジットレーン、自転車レーン、歩道が走行可能。歩道では「自転車禁止」の標識がないか確認し、歩行者を優先することを忘れずに。
⑤他の車両から2m以上離れて走る
⑥自転車の並走は2台まで
並走の際は、横幅1.5m以内に収まるようにしましょう。
⑦歩行者を最優先する
⑧歩行者にはベルで存在を知らせる
自転車本体には必ずベルを装着するようにしましょう。
⑨走行中のイヤホン・携帯電話の使用は禁止
より詳細なルールは州政府のWebサイトに記載されていますので、そちらも合わせて確認するとなお安心でしょう。
ブリスベン街中の主要スポットをサイクリング
ブリスベンの中心部の繁華街クイーン・ストリート・モールや時計台といったスポットは徒歩での散策がベターですが、ブリスベン川沿いのスポットを回るならぜひ自転車がおすすめです。
ブリスベン市内にはe-bikeタイプのシェアサイクルサービス Beam(有料)もあるので、ご自身の自転車を持参しなくても十分楽しむことができます。
川沿いには歩道と並び自転車道が整備されており、標識に従って行けば初めてブリスベンを走る方でも簡単に周遊を楽しむことができます。ブリスベンの人気観光エリア、サウスバンク発着で15km、ブリスベンならではの橋や水上自転車道を楽しんでみてください。
サウスバンクからカンガルー・ポイントを目指す
基本の自転車ルールを押さえたら、いざ出発しましょう。ブリスベン川を一望できる観覧車、ザ・ウィール・オブ・ブリスベンのふもとからスタートです。
川沿いに200m弱進んだ先にある、2014年のG20開催記念に作られたモニュメント、ブリスベンサインの前で記念写真も撮っておきましょう。
サウスバンクの公園エリアから東方向へ進むと、次の目的地である約3km先のカンガルーポイントへと続く自転車道に入ります。
対岸の州政府や大手企業のそびえ立つビル群、崖でロッククライミングを楽しむ人を眺めながらこぎ進めていきます。
ブリスベンのシンボル的橋:ストーリーブリッジを渡る
カンガルーポイントから見える大きな橋はストーリーブリッジ。地上74 m、全長777mで、ブリスベン川にかかる数ある橋の中でも特にシンボル的存在といえるでしょう。
橋のふもとにあるストーリーブリッジホテルの前を通り抜け、ストーリーブリッジの歩行者・自転車レーンを渡っていきます。
ストーリーブリッジを渡り終えたら、東方向へと向かいます。次の目的地は約3.2km先の ブリスベンパワーハウス。道中のニューファームリバーウォークは、歩行者・自転車専用の水上デッキで、ストーリーブリッジをバックにしながら水上サイクリング気分を味わえます。
ブリスベンパワーハウスはかつての発電所を改装した芸術劇場です。
建物自体は見学無料なので自転車を止めて内部見学をするもよし、併設するレストランでお腹を満たすもよしです。
イーグル・ストリートで港の景色を味わう
ブリスベンパワーハウスで折り返し、標識に従いながら再びストーリーブリッジのふもとへと向かいます。
ふもとのハーワードスミスワーブスはおしゃれなレストランや醸造所、ホテルを備えた水辺の開発エリア。
巨大な船のオブジェがアイコニックです。
散策しつつ、西側のシティーリーチボードウォークへと進み、イーグルストリートへとゆっくり走ります。
イーグルストリートは、リバービューのレストランで歓談を楽しむ人や遊覧船の出発を待つ人でにぎわい、異国情緒を感じられることでしょう。
都市のオアシス:ボタニックガーデン〜橋の上のカフェ
ハワードスミスワーブスからイーグルストリート経由で約1.4km進むと、シティーボタニックガーデンズへと到着します。
ガーデン内の木々のアーチの中を走っていると、ここが都会であることを忘れてしまうほど。
ガーデンを抜ければ、クイーンズランド工科大学(QUT)の青いロゴが目に飛び込んできます。
大学キャンパス向かいの自転車・歩行者専用橋グッドウィルブリッジ(全長450m)を渡れば、スタート地点のサウスバンクの公園エリアへと戻れますが、ここはぜひ、橋の真ん中で足を止めてみてください。
橋の真ん中には世界でも珍しい、橋上カフェ、グッドウィルブリューがあります。市の福祉団体により運営されているコミュニティカフェで、橋の上で自転車を止め、ベンチで一息しながらコーヒーブレイクを楽しむことができますよ。
グッドウィルブリッジを対岸まで渡り、サウスバンク公園内へと入り、ザ・ウィール・オブ・ブリスベンに着けばゴールです。
週末マーケットも楽しいブリスベン
ブリスベンパワーハウスを始め、週末の午前中には市内各所でマーケットも開催されるので、見つけたらふらっと立ち寄ってみるのも楽しいですよ。
新鮮な果物や野菜はもちろん、ローカルな飲食店が淹れたてのコーヒーと共に美味しいフードを提供しています。
もっと散策したい人は、ブリスベンの自転車情報・おすすめルートをまとめたWebサイト Cycling Brisbane も参考にしてみてくださいね。
ブリスベンは自転車イベントも豊富!
ロードレースが好きな方はオーストラリアと聞くと毎年1月に南オーストラリア州アデレードで開催される ツアー・ダウンアンダー (TDU) をイメージされる方が多いでしょう。
ここ、クイーンズランド州のブリスベンでは、毎年3月にブリスベン・サイクリング・フェスティバルが開催されています。マウンテンバイク・BMX・ロード・トラックのオセアニアチャンピオンシップ、市街クリテリウムレース、市民ライドイベント等、子供から大人まで楽しめる多様なイベントが催されます。
また、年に1回開催されるブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ(通称B2GC)はブリスベンからゴールドコーストまで、片道100kmを走るファンライドイベント。
毎年3,700名を越えるサイクリストがクイーンズランド中から集まり、近年は日本からの参加者も増えています。明け方にブリスベンの街をスタートし、牧歌的な郊外エリアを通り、ゴールドコーストの青い空と輝く海へと走り抜けていくのは気分爽快です。(2022年は7月17日(日)開催予定)
ぜひみなさんもぜひ一度チャレンジしてみてくださいね!
コース紹介
▼ブリスベン観光情報(クイーンランド州政府観光局 ※一部日本語あり)https://www.queensland.com/jp/ja/places-to-see/destinations/brisbane
▼Bicycle road rules and safety(クイーンズランド州政府 自転車ルール)https://www.qld.gov.au/transport/safety/rules/wheeled-devices/bicycle
▼Beam(シェアサイクルサービス ※日本語あり)
https://www.ridebeam.com/
▼Cycling Brisbane(ブリスベン自転車ルート情報など)
https://www.cyclingbrisbane.com.au/
▼ブリスベン サイクリング フェスティバル
https://www.brisbanecyclingfestival.com/
▼ブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ (B2GC)
https://b2gc.com.au/
まとめ
以前から自転車都市政策を掲げ、自転車に優しい街づくりを進めてきたブリスベンですが、ブリスベンでの2032年オリンピック・パラリンピック開催が決まったことにより街全体の開発もまた一段と進み、自転車に乗る人にも、乗らない人にも優しい街づくりが一層進められています。自転車専用道や “Share the Road” のマインドなど、ブリスベンの自転車街づくりや自転車を取り入れたライフスタイルから日本が吸収できるものはたくさんあると思います。
今度の海外旅行は、ブリスベンでの自転車旅でいかがでしょう。
執筆:Ayaka 2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。 ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。 2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。 2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。 座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。 |
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