ミニベロ(小径車)+リュックサックで、自転車通勤や週末散策のすすめ
最近、自転車による通勤・通学を始めてみた、もしくは始めようと思っている方も多いのではないでしょうか。
TABIRINでもこれまでに自転車通勤に関する記事で距離の目安やコースの組み方、車種の選び方を紹介してきました。
シティサイクル、クロスバイク、シェアサイクルなど手段はさまざまありますが、今回はその中でもミニベロ(小径車)を選んで自転車通勤を1年強、実践してきた筆者の体験レポートをお届けします。
ママチャリか、ミニベロか
筆者は2020年の夏に神奈川から大阪に転勤しました。
勤務先の会社では、自宅からオフィスまで直接の自転車通勤は原則認められていないものの、自宅最寄り駅までの自転車通勤は可能です。(もちろん自転車保険は加入必須です。)
自宅から約1.5km先の最寄り駅までは徒歩20分、自転車なら7分ほど。ほとんど平地だし毎日歩こうかしら…思いつつも、やっぱり自転車があった方が絶対便利!
と思い、購入を検討することにしました。
神奈川在住時代は、自宅最寄り駅までの通勤にはシティサイクル(いわゆるママチャリ)を利用していました。
値段も手頃ですし、雨除けカバーさえしておけば屋外で保管するのもあまり気にならならず、パンクなどのトラブル時も近所の量販店ですぐに見てもらえる手軽さがありました。
しかしせっかくの新天地、大阪。週末に街中を探検したくなるような相棒と呼べる自転車がほしいと思い、以前から憧れていたミニベロを購入することにしました。
初めてのミニベロ:DAHON
相棒に選んだのはアメリカの折りたたみ自転車ブランドDAHONのSUV D7 Airless。
持っているロードバイクがグレーと紫色基調でやや暗めなので、ミニベロは対照的な明るいパールホワイトを選びました。
後輪7段変速付きで、タイヤはチューブが入っていないエアーレスタイヤなので空気入れの手間も、パンクの心配もありません。
ボディはハイテン・スチール(高張力鋼板)で14.2kgあり、折り畳んで持ち運ぶには少し重たいですが、普段は折り畳まずそのままエレベーターを使い自宅内外を行き来しているので、日常生活で気になることはほとんどありません。
また、すでに自室にはロードバイク1台を置いていますが、ミニベロなら折り畳まずにロードバイクと一緒に置いても畳1畳分ほどのスペースですみます。
荷物カゴは必要か、否か
ミニベロを購入する際、一つ気がかりだったことがありました。
それは「荷物カゴがない」ことです。
ママチャリには必ずと言っていいほど前輪上部に付いている荷物カゴ。それまで通勤時には肩掛けタイプのバックを使っていたので、荷物カゴは必須でした。
もちろんミニベロにも後付けできるタイプのカゴはありますし、フロントバッグを取り付けるという手もありますが、どうしたものかとしばし、道行く通勤自転車を観察してみました。
そこで気づいたのが、大阪の人たちは自転車の荷物カゴにカバーを付けている率がかなり高いということ。
大阪生まれの「牛乳石鹸」の赤いもの、阪神タイガースのロゴ入りのものなど、老若男女、みなさん色とりどりのカバーをしているのです。
荷物が飛んだり、転倒時に散らばるのを防ぐためかと思っていたら実はこれ、ひったくり防止のためだそう。
大阪はひったくりの認知件数が全国上位のため、過去には前カゴに付けるひったくり防止カバーを大阪府警が無料配布するキャンペーンも行われたそうです。
近年件数は減少傾向にはあるものの、通勤時やスーパーの駐輪場などで見かける自転車はほとんどがカバーを付けていて、みなさんの防犯意識の高さを感じます。
思い切ってビジネスリュックにしてみた
荷物カゴを付けてもひったくりの心配はあるし、フロントバッグにしても仕事の書類は入らないし…ということで、これを機に思い切って通勤用のビジネスリュックに切り替えることにしました。
数年前から男性の間ではビジネスバッグからリュックにする人が増えてきて、今では通勤電車や街中ではむしろリュックの人の方が多いのではと感じるくらいですが、最近では女性にも背負いやすいコンパクトで軽量なビジネスリュックも増えてきています。
専門店で背負い比べ、東急ハンズで見つけたカバンのace.のビジネスリュック「ace.GENE ガジェタブルCBリュック9L」を購入。A4サイズの書類・13インチのPCも難なく入り、内ポケットもたくさんついてとても便利です。
肩掛けのトートバックをやめてリュックにしたことで、自転車のハンドル操作が安定するのはもちろん、何より、片方の肩だけに一方的に負荷をかけ続けることで肩が凝ったり、左右の肩の高さがアンバランスになっていたのが解消されたのは思いがけない利点でした。
「それでも、スーパーなどの買い物に行く時、やっぱり荷物カゴがないと不便では?」と心配する声もあるかもしれませんが、そんな時は、がばっと口が開く大容量のリュックサックが便利。筆者はanelloの立方体に近いタイプのリュックを愛用しています。
周辺グッズで安全・快適な通勤を
通勤を安全・快適にしてくれるのはリュックだけではありません。通勤に使うなら帰宅時の夜間の安全性を考え、前後のライトは必ず付けておきましょう。最近は乾電池・ボタン電池式だけでなくUSB充電タイプで手軽に充電できるものがインターネットでも2,000〜3,000円台購入することができます。
また、ミニベロを含めスポーツタイプの自転車はママチャリと異なり自転車本体に鍵が付いていないことがほとんどです。駐輪場のロックだけに頼らず、必ず自前で鍵を用意するようにしましょう。
簡易なワイヤーロックでもよいですが、通勤自転車は長時間止めておくため、できればチェーン式の頑丈な鍵がおすすめです。
私はABUS(アブス)のドイツ製ダイヤル式ロックを、駐輪場の固定台と自転車本体をくぐらせてロックするようにしています。こちらもインターネットで2,000〜3,000円台で購入できるので、自転車の盗難防止のためにはぜひ揃えることをおすすめします。
他にも、ステム部分に付けられるペットボトルホルダーや、右足のズボンの裾がチェーンに巻き込まれないようにするための足首用のバンドなんかもあると、街乗りや散策時にも、より快適になりますよ。
まとめ
ミニベロ+リュック通勤を始めて早1年強。お気に入りの自転車を通勤の相棒にすることで、毎日の通勤でもちょっとしたサイクリング気分を味わえ、気分転換にもなります。
週末は買い物やちょっとした散策にも使えるので、今では大事な生活の足になっています。ぜひお気に入りの相棒と機能的なリュックを見つけて、快適な自転車通勤生活を始めてみてはいかがでしょうか。
執筆:Ayaka 2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。 ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。 2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。 座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。 |