【アルゼンチン】3457mの山越え、悠久のアンデス、カチ(CACHI)を目指す旅【1日目:ケブラーダ・デ・エスコイぺ編】
こんにちは、HIROです。
パンデミックの外出規制も緩まってきている、アルゼンチンです。
今回は、僕の住んでいた、サルタの街から約160km離れた、アンデス山脈の小さな村、カチへの道のりをレポートします。
サルタは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから、車で18時間、1500kmの距離にあります。飛行機だと2時間です。
今回行くカチはサルタにいた頃から何度も話を聞いていた、アンデスの小さな町で、景色がいいことで有名です。
今回は、その前編です。
まず、2021年8月22日(日曜日)にサルタの街を旅立ち、カリル(El Carril)という小さな町にやってきました。
ここカリルには、サルタ滞在中にお世話になった、エウヘニア(Eugenia)のお母さんの小さな農場(Campo)があり、まず、そこに1泊させてもらう予定にしていました。
翌23日(月曜日)に出発の予定でしたが、咳と鼻水、喉の痛みで風邪気味(熱や頭痛は無し)だったため、エウヘニアと、エウヘニアのお母さんは、しっかり治してから出発した方がいい。好きなだけ、ここにいていいからと優しく、気遣ってくれました。
そして、2日間カンポ(農場)で休養をとりました。まだ、咳と喉の痛み、鼻水が出て、万全ではありませんが、出発することにします。
目次
旅の予定
2021年8月25日
カリルからカチへ自転車で旅をします。距離としては、約120km 。現在の標高が、約1200m。最大の難関がクエスタ・デル・オビスポ(Cuesta del Obispo)。標高3457m の峠を越えます。ほぼ富士山の標高です。現在地から標高を約2300m上げなければなりません。
カチまで、2日間の旅程で、2日間ほどカチに滞在し、またこのカリルへ戻ってくる予定です。
その次の目的地、カファヤテ(Cafayate)まで、カチから行けるルートもあるのですが、まだ体調が万全でないこと、カチ〜カファヤテルートが170kmの未舗装路であることから、カチまでの旅に必要のない荷物をここに置いていき、軽装でカチまで旅することにしました。
カチからカファヤテへのルート(ルート40)は、未舗装ですが自然が豊かで、景色もきれいとのことなので、いつか挑戦できればと思います。
A 地点が現在地カリル
B地点が目的地カチ
C地点がその次の目的地カファヤテ
今回は、A地点カリルから、B地点カチへの旅です。
エル・カリル(EL CARRIL)
2日間の休養ののち出発です。最低限の荷物で出発します。キャンプ道具(テント、スリーピングマット、寝袋)、衣類、自転車修理工具類、調理器具、食糧、カメラや三脚、モバイルバッテリー等の電子機器も必要です。
自転車の前側に積んである荷物は、全て食糧で、サルタを旅立つ際に、友人のお母さんが、フルーツや、ピーナッツ等をプレゼントしてくれていました。戻ってくるときには、後ろのバッグだけになっている予定です。
今日、明日の天気を見ると、丁度、ピンポイントで寒くなる予定。。。春っぽくなってきていて、30度を超える日もあったぐらいだったのに。サルタの天気で、今日が最低気温3度、明日が1度なので、山の上は、間違いなくマイナスです。マイナス10度くらいまでいくかもしれません。
出発してすぐに、自転車の不具合を感じます。走っていると、タイヤがドンドンと響き、スムーズに走れません。タイヤを調べても、でっぱりや異常は見つかりません。2日前には感じなかった感触です。
心配なまま旅をするのはストレスなので、カリルの町はすでに通り過ぎていましたが、戻って自転車屋さんを探します。
すぐに、自転車屋さんは、見つかりましたが、75歳くらいのおじいさん店主は、空気の入れすぎとのこと。むしろ、いつもより入っていないぐらいだったので、2軒目の自転車屋さんへ。
そこでは、タイヤが少し変形をしており、タイヤ交換以外、治しようはないと言われてしまいました。まだ新しいタイヤだったのですが、そう言われてしまっては仕方がありません。そこまで大事には、至らなそうだったので、そのまま進むことにします。何かあれば、ヒッチハイクでもして、戻ってくればいいので、行けるところまで行ってみます。
原因がわかったので、ストレスがなくなりました。もう9:30になってしまいましたが、仕方がありません。
長期で休んでいて、出発してすぐにトラブルがあるのは、いつものことです。しかし、今回は、サルタでほとんどの部品も交換し、万全に整備してきたのに、、、とも思ってしまいました。でも、旅ってそういうものです。
昨日、作ってタッパに入れていた、鶏肉と野菜を煮込んだものとご飯。みかんと、ピーナッツを食べました。
エスコイぺ渓谷(quebrada de escoipe)
チョロブランコ橋(Puente Chorro Blanco)
巨人の洞窟(Cueva del Gigante)
マルパソの橋(Puente Mal Paso)
アグアネグラ(Agua Negra)
昼ごはん休憩です。さっきも食べた、鶏肉煮込みとご飯。りんご、ピーナッツ、クッキーを食べました。看板はありませんが商店のようでした。店主は扉を開けたまま、裏庭で作業をしていたので、治安の良いところなのでしょう。
サルタの北にあるフフイ(jujuy)に似た景色でした。標高が同じくらいになると場所が違っても、生えている植物や、山の感じが同じで、フフイを思い出しました。
ルックアウト(展望台)
エスペシエス アルテサニアス :手作りスパイス
サボテンやコカの葉、干しぶどうなどが売られているようです。
こちらは、蘭の花、サボテン、コカの葉、クルミ、スパイスと書かれています。
山のサボテン屋さん
マライ (MARAY)
リャマ
もう少し先まで、進めればと思っていましたが、出発が遅くなったのと、この先は集落が全くなくなるので今日はここでストップです。
48kmほどしか進んでいませんが、標高は1000m以上あがったので、良しとしましょう。
レストラン・宿 EL MARAY
16:30にマライに到着し、キャンプ場所を探さなければなりません。建物の隣には、机と椅子、バーベキュースペースがありました。
建物はレストランのようですが、閉まっています。裏に回ると、扉が開いており、
「Hola オラー」
と挨拶。中には、青年が。
「キャンプできるところはありませんか。」
と、スペイン語で尋ねると、
「どこでも好きなところにテントを立てていいよ。」
との回答。
「いくらですか?」
と聞くと、
「お金はいらないよ。」「colaborar(協力する)」。
と言ってくれた。
旅人には、無料で敷地でキャンプを了承しているとのことだった。なんて優しい人たちなのだろうか。
彼はの名前はラムゼイ君。16歳で以前は、サルタで両親と暮らしていたそうだが、5年前からここに住んで,お爺さん、お婆さん、叔母さんを手伝っているんだそう。
彼は、都会での暮らしよりも、ここで、動物の世話をしている方が楽しいのだと語ってくれた。
お爺さんたちは、サルタに買い出しに出かけており、夜10時くらいに戻ってくるらしく、今日挨拶をするのは、難しそうだ。
時間がまだ早かったので、あたりを散策してみることに。日はまだ出ているが、季節はまだ冬で標高も2300mあるので、とても寒い。
持ってきている服を全て着た。長袖シャツx2, 薄ダウン、フリース、ジャンパー、アウターシェルにマフラー。上半身はズボンx3 。
夜8時ラムゼイ君が、お茶に誘ってくれました。寒い中、暖かいお茶と、パンはとても美味しく、初日の疲れた体に染み渡りました。お爺さんたちはまだ帰ってきていませんが、夜9時テントに入り、休みます。
夜 9時の段階で、持ってきている服を全て着ても、かなり寒いので、眠れるか心配です。
でも、優しい家族に助けてもらい、安心して休むことができます。民家の敷地内なので、道でする野宿より安全です。
明日は、カチの10km手前の町、パヨガスタ(Payogasta)を目指します。
果たして、無事にたどり着くことはできるのでしょうか。
次回、カチへの旅【中編】こうご期待です!
本日の走行
カリル〜マライ El Carril ~ Maray (Argentina)
距離:48,57km
走行マップ
Hiro(津田幸洋 ツダユキヒロ) 自転車旅人。2014 年に日本を立ち、自転車で旅を続けています。オーストラリア、ニュージーランドを経て、アメリカ大陸横断中、COVID-19による、世界パンデミックにより足止めとなり、2021年7月現在は、アルゼンチンに滞在しています。人との出会い、美しい自然、野生動物を探す旅を近日再開を予定しており、旅とともに、訪れた場所の都市情報、見どころ、自転車に関する情報、エッセイ等をTABIRINにて発信していきますので、よろしくお願いいたします。インスタグラム https://www.instagram.com/yukihirotsuda/ |