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【オーストラリア】4年ぶり開催!ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ大会レポート

クイーンズランド州の数ある自転車イベントの中でも、州最大級の参加者が集まるイベントが「ブリスベンtoゴールドコースト サイクルチャレンジ」(通称B2GC/ビーツージーシー、NPO バイシクルクイーンズランド主催)。
2023年は2019年以来4年ぶり、かつ16回目の開催となりました。開催時期も例年の10月から、春の始まりの8月へと変更。
コロナや大雨による連続中止を経て、「待ってました!」と言わんばかりにたくさんのローカルライダーたちの喜びに溢れたイベントとなりました。

ブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ(B2GC)とは


B2GCは参加者数が実に3,700名を超えるマンモス大会。

その魅力はなんと言っても、オーストラリアの雄大な自然を感じながら、2都市の魅力を一気に体感できることです。
2032年にオリンピック・パラリンピックの開催も決定し、新たな橋や地下鉄はもちろん、自転車専用道の整備も含め発展が著しいリバーシティのブリスベン。
2018年にイギリス連邦の国際スポーツ競技大会「コモンウェルスゲームズ」を主催し、国際的スポーツリゾートでもあるゴールドコースト。
それぞれの魅力を備える2都市間を自転車で駆け抜けるワンウェイライドです。

ブリスベンシティ中心部からブリスベン川をまたいで南にあるサウスバンクから、ゴールドコーストのサウスポートエリアにあるブロードウォーターパークランズのゴールを目指します。

100km・60km・40kmの3コースが設定

B2GCレースではなくあくまでファンライド、自分のペースで仲間と楽しく走るイベントで、タイム計測はありません。
コースは100km・60km・40kmの3コースが設定されています。

100kmコースはサウスバンクからスタートし、ブリスベンの市内を南下、ブロードウォーターパークランズまで、途中2カ所のレストストップをはさみながら、郊外、カントリーサイド、そしてシーコーストへの道のりをワンウェイで辿ります。

100kmコースは朝6時台にスタートし、速い人は平均時速35km〜40kmで走るので、午前9時前にはゴールします。この早朝スタートも、普段から朝一番に走るサイクリストの多いオーストラリアならでは。

100kmコースの醍醐味は、スタートから最初の16km、普段は市営バス専用のバスレーンを特別貸切で走れること。バス専用道のトンネルからサイクリストたちが続々と駆け出していく様子は、大会朝の特別な景色です。


40kmコースは、100kmコースと同じ場所からスタートし、100kmコース第1レストストップにあたるローガン市のオリバー・スポーツコンプレックスまで。
60kmコースは、オリバー・スポーツコンプレックスから100kmコースと同じブロードウォーターパークランズのゴールを目指します。

全体を通じ、比較的アップダウンの少ないコースなので、これまでロングライドの経験が少ない方でも、体力や経験に合わせたコースを選び、完走にチャレンジすることができます。

2023年大会のメインスポンサーはブリスベンの地元の大きな病院ということもあり、医療研究への寄付への呼びかけも参加申し込み時から大会当日まで積極的に行われていました。自転車やマラソンといったスポーツイベントで、チャリティー色が強いオーストラリア。

職場や友人同士でグループ参加したり、参加者が家族や友人から寄付を募るといった習慣も根付いています。

60kmコース オリバースポーツコンプレックスからスタート


2017、2019年の100kmコース参加に続き、今回は60kmコースに参加してきました。
100kmコースの第1レストストップ、かつ40kmコースのゴール地点でもある、オリバー・スポーツコンプレックスからスタートです。

朝7時半のスタート時刻には、休む人、ゴールする人、ここから走り始める人とすでにライダーがごちゃまぜになりすでにお祭り状態に。4年ぶりの参加に胸が高鳴ります。

グループ走行では積極的に声出しを

ビギナーからベテランまで、幅広い層が参加しているB2GC。
参加者は3,700名を超えるので、あちこちに20名〜30名程度の集団が自然と形成されます。

自分に合ったペースの集団にうまく混ざることがコツですが、積極的に声を出してお互いの安全を確保することが大切です。

並走時に右から追い抜く時は “On your right.”(右抜きます)、後ろから速い集団が追い上げて自分たちを抜く時は “Bike passing”(自転車が通ります)、車が後方にいる時は “Car back”(後方に車あり)など。どれもシンプルなフレーズなので、恥ずかしがらずにハッキリと声に出して呼びかけていきましょう。

ゴールまで24km地点:クーメラのレストストップ

100kmコース・60kmコースともにゴールまで残り24km地点のクーメラに最後のレストストップがあります。


日本の自転車イベントのレストストップ(エイドステーション)と言えば、地元ボランティアの方達による郷土料理やB級グルメが振る舞われることが多いですが、オーストラリアではいたってシンプル。果物、一口サイズのデニッシュやマフィン、エナジージェルが支給される文字通りの「補給食」です。

水やスポーツドリンクの補給の他、有料のコーヒースタンドもあります。


日本での大会参加経験があると、最初は「え!これだけ!?」と少し戸惑うかもしれません。
大会の目的が「観光の活性化」や「地域創生」というより、「健康促進」「医療研究へのチャリティー」といった面も関係しているのかもしれませんね。
レストストップのグルメを楽しみに走る、というより純粋に走ることそのものを満喫する、そのシンプルさもまた魅力の一つです。

クーメラからゴールまで一気に走り抜ける


クーメラのレストストップを出たらあとは一気にゴールを目指します。

ホープアイランド、パラダイス・ポイントと言った湾岸エリアを駆け抜けていくと、ビーチ沿いにそびえ立つ、ゴールドコースト中心部のビル群が見えてきます。

野外フェスのようなゴールエリア

ゴールはサーファーのメッカであるサーファーズ・パラダイスよりは少し北のサウス・ポートにあるブロードウォーター・パークランズです。

午前7時半にスタートした60kmコースの我々は、午前10時過ぎにゴール。
数えきれない数のサイクリスト、バイク、出迎えにきた家族や友人、フードトラックにバンド演奏と、雰囲気はまるで野外フェスと言ったところです。

ペダルを漕いでミキサーを回し、スムージーを作るbike n’ blend。バナナ&マンゴースムージーでリフレッシュ。

復路はへレンズベール駅から電車輪行で

ゴールでの休憩もほどほどに、復路に就きます。
ゴールドコーストエリアからブリスベン方面へと戻る方法は3つ。大会のオプションで提供されているシャトルバス(自転車はトラックで同時に運送)、自分で電車輪行、そして自走です。

自走で帰る健脚集団も一定数いるのですが、今回はゴール会場から11km走った最寄駅のへレンズベールから電車輪行で帰宅。

電車は30分に1本ペースのため、電車を待つ間ベトナムのフォーでお腹を満たしました。

オーストラリアでは自転車はバラさずそのまま持ち込みOKです。先頭車両など、指定されていることもあるので案内をよく確かめた上で持ち込みましょう。

 なお、ゴールドコーストエリアからの参加者向けには、大会当日早朝にブリスベンのスタート地点へと向かうサイクルトレイン(有料/要事前申込)も提供されています。

日本からの参加しやすさも抜群


2024年2月現在、成田ーブリスベン間はカンタスとジェットスターが、関空ーブリスベン間はジェットスターが直行便を運行しています。(フライト時間は約8時間35分〜9時間15分/※ゴールドコーストへの直行便はありません。)

クイーンズランド州と日本の時差はたったの1時間(日本+1時間)。時差が少ないため移動前後の負担も少なく、短期日程でも十分に滞在を満喫することができます。
車道は日本と同じ左側走行なので、初めての海外ライドでもスムーズに馴染めます。

B2GCの大会参加と合わせて楽しみたいブリスベン、ゴールドコーストの観光情報は、関連記事に掲載していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください。

コース紹介

 

○ 100kmコース:サウスバンク〜ブロードウォーターパークランズ(サウスポート)
○ 40kmコース:サウスバンク〜オリバー・スポーツコンプレックス(イーグルビー)
○ 60kmコース:オリバ・ースポーツコンプレックス(イーグルビー)〜ブロードウォーターパークランズ(サウスポート)

 ▼ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ公式Webサイト(英語)
https://fundraise.mater.org.au/event/brisbane-to-gold-coast

まとめ

2023年大会は春の初めの8月末開催とあり、走っている間の気温は23度ほど、半袖ジャージとビブショーツがちょうど良いくらいで快適に走ることができました。

「大会の開催をずっと心待ちにしていた!」という人、「コロナ中に自転車を始め、今回が初参加」という人、参加者の笑顔が何よりも印象的でした。

2024年は8月25日(日)に開催予定です。久々の海外旅行を検討中という方、今年はぜひB2GCで海外自転車イベントデビューしてみてはいかがでしょうか。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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