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【三重県】東紀州・熊野の丸山千枚田を訪ねる約40kmの里山旅

自転車ファンにはツール・ド・熊野というレースでなじみの深い熊野エリア。そのレースの写真に必ず登場する美しい棚田の風景。その丸山千枚田を訪ねて道の駅を発着点に走ってみました。

道の駅パーク七里ヶ浜をスタート

御浜町にある道の駅、パーク七里ヶ浜を起点に走ってみることに。ここにはツーリストインフォメーションや地元のスーパー「オオクワ」が入るモールなどもあり、情報を得たり補給食の買い出しにも便利です。

道の駅のすぐ裏手にはJR紀勢本線の阿田和駅があり、輪行するならここが起点になりますが、停車する列車の数が少ないのが難点。

道の駅からしばらく集落内を走り、尾呂志川に沿って県道62号(尾呂志街道)を遡っていきます。交通量は恐ろしく少ないので、快適なサイクリング。アップダウンもキツくなく、思ったより快適に距離をかせげます。

国道311号に出る手前に、熊野古道の表示が。ここはいにしえの道、世界遺産である熊野古道があちこちに残り、一部はトレッキング道として整備されているエリア。ここを左折すると風伝峠の古道に入っていきます。

すぐ先には川瀬城跡の石碑が。奥には尾呂志城跡もあるようですが今日はパス。

カフェでハンバーグ定食

国道311号をいったん右折して「さぎりの里」で休憩。ここには「さぎり茶屋」という飲食施設も併設されていますが、今日はもう少し先にある「茶和」というカフェへ。

茶和は外にとめた自転車を確認しながら食事ができるのがうれしい。鮭の塩焼き、鶏の唐揚げなどの定食が充実していて、今回はハンバーグ定食1200円を食べました。

風伝トンネルを抜けると「丸山千枚田」の看板が。ここを右折すると、いよいよ千枚田に向かっての上りが始まります。

展望台まで2.4kmで104mアップの坂。杉林のなか、5%くらいの勾配の坂を無心にこいでいきます。

日本一の棚田風景と言われる丸山千枚田

いきなり展望台に出てこの景色が広がります。日本一の景観と称される丸山千枚田にはいくつか展望スポットがあるんですが、全体が見渡せて、個人的にはここがいちばん好き。日本最大級のこの千枚田には1340枚もの棚田があるそうです。

クルマで来ていた人に写真を撮ってもらいました。人物と千枚田の景色を両方入れようとすると、脚立などを用意して少し高い位置から撮らないと難しいですね。

丸山千枚田のパノラマ、という看板にひかれましたが、「階段上って35分」に心を折られパス。

少し走ると千枚田の上の開けた場所に出て、こんな案内図が。先ほどの展望台は「千枚田見晴台」というようです。

雰囲気のある古い石碑。

千枚田をゆっくり楽しむ

千枚田のなかを少し下ったところにある、こちらも「千枚田見晴台」という名前の場所からの眺望。

東屋とベンチがあり、ゆっくり休憩しながら千枚田を眺められます。

こちらも眺望スポット。画面中央に見えるのは「大岩」というポイント。

「一番小さな田んぼ」という看板にひかれて少しあぜ道をあるくと、たった3株しかない「田んぼ」がありました。

丸山千枚田にはオーナー制度というのがあり、全体7.2haのうち約1.6haがオーナー用として活用されています。年会費30,000円を払うと、田植えや稲刈りに参加できるということです。

軽トラックがいっぱい。地元の方々で稲刈りの準備が行われているようでした。
丸山千枚田には西暦1600年ころには2000枚を超える棚田があったという記録もあるということですが、平成初期には過疎化や高齢化によって棚田は放棄され、すっかり荒れ果てて530枚ほどしかなかったそうです。それを平成5年に丸山千枚田保存会が結成され、今のような姿を取り戻したということです。

案山子(かかし)が何体も。サイクルジャージ&ヘルメットのサイクリスト案山子があったらいいのに。

大岩の上には上ることもできるそうです。

風伝峠に寄ってみることに

千枚田の中の道を下り、この標識のところで国道311号の表示に従い左折。

そしたらこんな道で、けっこう大変なことに。

やっとの思いで国道311号に戻ります。そのままトンネルを抜けて戻ってもいいのですが、気が向いたので風伝峠を越えてみることにしました。ここがその入口。「熊野平和ギャラリー」という手書き看板が目印。

台風の直後で、木の枝が道をふさいでいます。舗装された道なんですが、台風後はクルマが走ってない様子。

頑張って乗っていましたが、ついにこの状態になり押すことに。ここで転んでケガをしても誰も助けてくれないので、慎重に。

峠の「いきる茶屋」に着くとゲリラ豪雨に。なんとか濡れずにすんだんですが動けなくなってしまいました。

車道の風伝峠はここなんですが、熊野古道の風伝峠は左側の小道をさらにトレッキングで上ったところにあるようです。

おしゃれなドーナツ屋さんを発見

雨がやんだのでゆっくり下ることに。反対側はクルマも走っているようで乗っていけます。先ほどの豪雨で川の水も濁っています。

国道311号から県道739号へ。下っていく途中で見つけたドーナツ屋さん「NISCO」(ニスコ)。マスターに店名の意味をたずねたら、3人子供の頭の文字を組み合わせたものだそう。

おいしそうなドーナツが並びます。

ドーナツも食べたかったけど、あまりに暑いのでかき氷(フラッペ?)を。

別棟に自由に休めるスペースがあり、クーラーも効いていて快適でした。

さらにゆるゆると下っていく途中、田んぼの中に鹿を発見。このあたりではこういう野生動物は珍しくないんでしょうけど、テンションが上がります。

道の駅パーク七里ヶ浜に戻ってきました。

スタートが11時だったので、約5時間のライドでした。お腹いっぱい(笑)。

コース紹介

丸山千枚田
https://www.maruyamasenmaida.jp/

道の駅パーク七里ヶ浜
https://www.michinoeki-mihama.com/

NISCO(インスタグラム)
https://www.instagram.com/nisco_donuts/?hl=ja

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

まとめ

見どころは丸山千枚田以外にほとんどなく、ただ道の駅から行って帰るだけのサイクリングでしたが、それでも十分満足。
ツール・ド・熊野で有名な千枚田に向かうルートということで、かなり勾配がキツいのかと思っていましたが、自分レベルで走り切れるほどのゆったりした坂でした。
道の駅パーク七里ヶ浜にはツーリストインフォメーションセンターが併設されていて、ここではパナソニックのクロスバイクタイプの電動アシスト自転車もレンタルできます。これを使って日本一の千枚田を見に行くのもオススメです。

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

 

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