【オーストラリア】日本から参加しやすさ抜群!ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ
数あるクイーンズランド州の自転車イベントの中でも、州最大級の参加者が集まるイベントが「ブリスベンtoゴールドコースト サイクルチャレンジ」(通称B2GC/ビーツージーシー)(NPO バイシクルクイーンズランド主催)。その魅力をお伝えします。
目次
ブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ(B2GC)とは
B2GCは参加者数が実に3,700名を超えるマンモス大会。
ブリスベン市内にあるクイーンズランド州立大学(セントルシアキャンパス)敷地内のエレナーショネルブリッジからスタートし、ゴールドコーストのサウスポートエリアにあるブロードウォーターパークランズのゴールを目指すファンライドイベントです。クイーンズランド州立大学はクイーンズランド州の中で最も歴史と権威のある大学の一つで、広大な芝生の上にそびえ立つ煉瓦造りの美しいキャンパスが印象的です。
100kmコースではキャンパスをスタートし、ブリスベンの市内を南下、ブロードウォーターパークランズまで、途中2カ所のレストストップをはさみながら、郊外、カントリーサイド、そしてシーコーストへの道のりをワンウェイで辿ります。
100km・60km・40kmの3コースが設定
B2GCレースではなくあくまでファンライド、自分のペースで仲間と楽しく走るイベントで、タイム計測はありません。
先の100kmコースでは朝6時台にスタートして、早い人は平均時速35km〜40kmで走るので、午前9時前にはゴールします。この早朝スタートも、普段から朝一番に走るサイクリストの多いオーストラリアならでは。
40kmコースは、ブリスベン市内から途中のローガンのオリバーズスポーツコンプレックスまで。60kmコースは、オリバーズスポーツコンプレックスから100kmコースと同じブロードウォーターパークランズのゴールを目指します。
2017年、2019年大会と過去100kmコースに参加し完走しました。
比較的アップダウンの少ないコースなので、これまでロングライドの経験が少ない方でも、体力や経験に合わせたコースを選び、完走にチャレンジすることができます。
若者からシニアの方まで、人種・国籍を問わずたくさんのサイクリストたちが、ブリスベンからゴールドコーストの青い海を目指して走り抜ける様子は、見ているだけでも迫力があります。その中で一緒に走る、その爽快感はたまりません。
現地の医療研究・慈善団体への募金も呼びかける当イベント。職場や友人同士でグループ参加して、イベントには直接参加しない仲間からも寄付を募るといった習慣も根付いています。健康な心身でサイクリングができることの喜びを改めて噛み締めることができるイベントでもあります。
オーストラリア屈指の2都市の魅力を一度に味わう
B2GCの魅力はなんと言っても、オーストラリアの雄大な自然を感じながら、2都市の魅力を一気に体感できることです。
2032年にオリンピック・パラリンピックの開催が決定し、橋やメトロはもちろん、自転車専用道の整備も含め発展が著しいリバーシティのブリスベン。2018年にイギリス連邦の国際スポーツ競技大会「コモンウェルスゲームズ」を主催し、国際的スポーツリゾートでもあるゴールドコースト。
両都市間を自転車で駆け抜けるB2GCはまたとない海外ライド体験になるはずです。
2つの都市とその間に広がる緑豊かな郊外、小川が入り組む河口岸、ビーチと並走する海岸沿い等を自転車でめぐり、様々な景観を楽しめます。
ゴール地点のブロードウォーターパークランズは広々とした芝生の会場で、フードトラックや音楽の生演奏もあり、参加者の家族や友人たちも駆けつけ、さながら野外フェスのような雰囲気。
15年以上にわたり地元で長く愛されてきた理由も納得です。
イベントが開催される10月はオーストラリアは春。透明感のある紫色のジャカランダが、まるで日本の桜のように街のあちこちで咲き乱れる季節です。
ゴールドコーストまでの道中もシュガーケーン(サトウキビ)畑や、マングローブ、ブーゲンビリアといった亜熱帯のクイーンズランド州ならではのトロピカルな雰囲気を味わえます。
また、ライダーとしてではなく大会運営ボランティアとしての参加も人気です。サイクリスト同士ではもちろん、レストストップでのローカルボランティアたちとの交流もまた楽しいひとときです。
ワンウェイライドならではのサポートも充実
B2GCはブリスベンからゴールドコーストまでの片道を駆け抜けるワンウェイコース。ブリスベン・ブリスベン、ゴールドコーストそれぞれに在住・滞在する参加者がどちらも参加しやすいようサポートサービスも充実しています。
ゴールドコーストからの参加者向けには、大会当日早朝にブリスベンへと向かうサイクルトレインが、ブリスベンからの参加者向けにはゴール後に自転車を乗せてブリスベンへと戻るシャトルバスがそれぞれオプション(有料/要事前申込)として提供されています。
日本からの参加しやすさも抜群
クイーンズランド州と日本の時差はたったの1時間(日本+1時間)。時差が少ないため移動前後の負担も少なく、短期日程でも十分に滞在を満喫することができます。
車道は日本と同じ左側走行なので、初めての海外ライドでもスムーズに馴染めます。
サイクリング中のアクシデントのサポートも万全。各レストストップにはメカニックが常駐し、無料でメンテナンスをしてくれます。
日本では、ハワイの自転車イベント『ホノルルセンチュリーライド』、ニューヨークの『バイクニューヨーク』と並ぶ『グローバルライド』シリーズとして紹介されています。
2019年大会では、「そんなの関係ねぇ!」でおなじみ、芸人の小島よしおさんが宣伝番長を務め、日本からツアーも企画され、約50名のサイクリストが参加しました。
2022年11月末からはブリスベンー羽田空港のカンタス直行便も就航予定。所要約9時間で愛車と共にひとっ飛び。ますます日本からブリスベンが身近になります。
イベント前後に寄りたい!ブリスベンのおすすめ観光スポット
自転車を携えてブリスベンに滞在するならぜひ、川沿いの自転車専用道をサイクリングしたり、定番から最新の観光スポットも楽しみたいところ。
Mt.クーサヒルクライムとレガッタホテル
ブリスベンの市内からほど近い、Mt.クーサはブリスベンのサイクリストたちのヒルクライムの定番スポット。頂上の展望台からは街の真ん中を蛇行するブリスベン川と高層ビル群が共生する自然豊かな都市、ブリスベンの様子を一望できます。
下山後はブリスベン川沿いの老舗レガッタホテルで、ぜひエッグベネディクトをご賞味あれ。
ストーリーブリッジとフェロンズブリューワリー
イベント当日に打ち上げをするならぜひ、ストーリーブリッジの麓にあるフェロンズブリューワリーへ。
リバーシティブリスベンには個性的な橋がいくつもかかっていますが、その中でもストーリーブリッジはブリスベンを代表するアイコニックな橋です。
また、ワインだけではなくクラフトビールの人気も根強いオーストラリアでは各地に趣向を凝らしたブリューワリーが点在。
ここフェロンズブリューワリーでは、できたての香り高いクラフトビール、シーフード、ステーキといった料理と夜景を一度に堪能することができます。
ローンパインコアラサンクチュアリ
オーストラリアと言えばコアラやカンガルーといった動物を思い浮かべる方も多いでしょう。
ブリスベンにあるローンパインコアラサンクチュアリは1927年にオープンした世界最長の歴史を持つ、世界最大のコアラ保護区。コアラはもちろん、カンガルーやエミューといったオーストラリアを代表する動物たちを間近で見て触れ合うこともできます。
オーストラリアは州毎に法律が異なり、コアラへの接触ができない州もありますが、ブリスベンのあるクイーンズランド州ではコアラを抱っこして記念撮影(有料)もすることができます。
ぜひ旅の思い出に訪れてみてはいかがでしょうか。
ゴールドコーストでリゾートを満喫
世界屈指のリゾート、ゴールドコーストもイベントだけで終わらせてはもったいないです。ショッピングやレストランはもちろんですが、やはり57kmの雄大な海岸線は見逃せません。
サーファーズパラダイス
世界中のサーファーの聖地の一つ、サーファーズパラダイスは国際的にも有名なビーチ。
一年を通して比較的温暖なためビーチでは季節を問わずサーフィン、スタンドアップ・パドルボードといったマリンスポーツはもちろん、日光浴を楽しむ老若男女の姿を見ることができます。
海に入らなくても砂浜を素足で歩くだけでも十分。きめ細かい白い鳴き砂のキュッキュッという音と感触をぜひ体感してみてください。
Q1リゾート&スパ スカイポイント
Q1リゾート&スパは、オーストラリア第1位・世界第19位の高さの超高層ビル。 高層マンションにもなっていて、2011年にドバイのザ・トーチが竣工するまでは住宅としては世界一の高さでした。
展望台スカイポイントからはオーストラリアが世界に誇る57kmの真っ白い海外線を一望できます。透明感溢れるクイーンズランドブルーの海、白い砂浜、抜けるような青い空は忘れられない景色になるでしょう。
イベント後に登って、ブリスベン〜ゴールドコーストまで走り抜けたコースを振り返ってみるのもおすすめです。
コース紹介
距離:約100km(クイーンズランド州立大学(ブリスベン)〜ブロードウォーターパークランズ(サウスポート))
▼NPOバイシクルクイーンズランド ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ公式Webサイト(英語)
https://b2gc.com.au/
▼グローバルライドイベント事務局 B2GC日本語案内Webサイト
https://b2gc.jp/
2022年大会のレビュー、そして2023年開催に向けて
2022年10月23日(日)開催予定でしたが、あいにくの大雨のため大会は事前に中止となりました。
参加者たちは参加費の払い戻し・もしくはそのまま慈善団体への寄付の2択を選べた、というのもまた寄付文化の強いオーストラリアならではのカルチャーです。
当日は予報通りの大雨でしたが、代わりに当日朝7時から、オンラインバイクトレーニングアプリ「Zwift」を使ったソーシャルライドイベントが開催されました。
雨の音を聴きながら自宅でスマートトレーナーを使いペダリング。本大会は中止となりましたが、画面上でたくさんのローカルライダーたちと早朝ライドを楽しみました。
2020、2021年はコロナの影響で、2022年は雨天で中止となりましたが2023年こそはお天気にも恵まれ、4年ぶりに開催されるのが今から楽しみです。
2023年はぜひ、B2GCで海外自転車イベントデビューしてみてはいかがでしょうか。
執筆:Ayaka 2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。 ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。 2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。 2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。 座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。 |
関連記事