旅×自転車 記事

【山梨県】紅葉の昇仙峡と周辺を楽しむ36kmのサイクリング

国の特別名勝に指定されている御岳昇仙峡は紅葉が美しいことで人気です。渓谷沿いの遊歩道は平日のみ一方通行ですが車両通行可能で、自転車も通行できます。

竜王駅からスタート

JR中央線「甲府駅」の隣にある「竜王駅」をスタート地点とします。
甲府駅から昇仙峡に向かうと坂がキツいルートになるので、比較的坂が穏やかな竜王駅を選びました。駅前ロータリーは広く、輪行の準備もゆっくり出来るのでオススメです。

富士山を眺めながら昇仙峡へ

竜王駅北口を出て、県道25号に合流したら真っ直ぐ北上して行きます。
最初は街中を走るので車に注意しましょう。
「西町」交差点から県道101号になり、道幅が広くなり走りやすくなります。
金石橋手前に青看板に大きく「昇仙峡」の文字が出てきたら右折して橋を渡ります。
金石橋からは富士山が綺麗に見えましたよ!

県道7号は昇仙峡グリーンラインという名前が付いていて、地元のサイクリストのヒルクライムルートとしても人気らしいです。
とはいえ、そこまで斜度はキツくないのでのんびり走って進みます。

山梨県に多い丸石道祖神

全国に道祖神は色々ありますが、山梨県の道祖神は丸い石を祀っている所が多いというのが特徴で、謎でもあります。調べても理由はハッキリ分かりませんが、山梨県内に700ヶ所以上の丸石道祖神があることから、昔から人々が信仰していたのが解ります。
ルート途中にも丸石道祖神がありましたよ。山梨県を走る時には気にしてみるのも楽しいですね。

昇仙峡の渓谷沿いを走る

大きな昇仙峡の看板が出てくると、土産物屋などもあり観光地の雰囲気を感じます。

大正14年製の長潭橋(ながとろばし)は、山梨県内に現存するコンクリートアーチ橋で最古のものです。橋の脇にあるモミジも綺麗でした。

橋を渡ると左手の渓谷沿いを走る「昇仙峡ライン」に入ります。
道路標識にもありますが、5月1日から11月30日の間は土・日・休日観光馬車を除く車両は通行禁止です。なので渓谷道路を自転車で走る場合は平日のみとなってしまいます。

平日でも歩いている観光客は多いので、注意して走行しましょう。
一方通行なので逆走も禁止ですよ。

自然の芸術を楽しもう

昇仙峡の遊歩道は「全国観光地百選・渓谷の部第1位」に選ばれた景観が美しい道です。

川が花崗岩を浸食したときに形成された奇岩には、それぞれ名前がつけられているので確認してみましょう。
「どのへんが?」と思うものもあれば「なるほど」と思うものもあり、楽しめると思いますよ。

途中に何ヶ所か対岸に渡る橋があります。
「愛のかけ橋」と名付けられた吊り橋から見る渓谷と紅葉も美しいです。

渓谷道路の中間地点にある天鼓林(てんこりん)の地面は、長い年月をかけ渓流が削った部分があり地下に空洞が出来ているとか。
その地面で足踏みすると「ポンポン」という音が聞こえるので「天鼓林」と名付けられました。

天鼓林から先は奇岩が少なくなりますが、沿道の紅葉を眺めながら走ります。

覚円峰と夢の松島

昇仙峡グリーンラインに合流する分岐点から「昇仙峡観光道路」になります。
以前はこの道も自転車で走ることが出来たのですが、現在は夢の松島で起きた落石のため車両通行禁止になっています。
夢の松島で折り返してくるので、自転車を止めて歩いて行きましょう。

歩いていると徐々に覚円峰が見えてきます。

夢の松島に到着すると土嚢が積まれ、道路は完全に通れなくなっています。先月から臨時で設けられた仮設迂回路を通ります。

夢の松島からは直立約180mの覚円峰が目の前にそびえ立ち、迫力満点です。

昇仙峡グリーンラインを走る

自転車まで戻ったら、渓谷道路から県道7号の昇仙峡グリーンラインに向かいます。
素掘りのトンネルをくぐり丁字路を左に曲がります。

昇仙峡グリーンラインは観光の車や観光バスが多いので注意して下さい。
トンネルも数カ所あるので、ライトを点灯させておきましょう。
この道からも覚円峰の絶景が楽しめますよ。

落差30mの仙娥滝

トンネルを抜けた先から細い橋を渡ると仙娥滝(せんがたき)の入口です。
お土産屋さんが並ぶ道を進み、階段を下っていくと滝が目の前に現れます。「日本の滝百選」にも選定されており、花崗岩を削りながら流れ落ちる滝は見応え満点ですよ。

食べる水晶玉

滝上エリアの仙人茶屋では、昇仙峡限定の「食べる水晶玉」というメニューが人気です。
透明なゼリーにきな粉と黒蜜をかけていただきます。

意外と弾力があるゼリーは冷たくツルンとして美味しかったです。

ロープウェイで山頂へ

自転車を駐車場脇に止めて、昇仙峡ロープウェイで山頂に向かいます。

約5分で標高差300mを一気に登ります。
山頂の「パノラマ台駅」は整備された「浮富士広場」という展望デッキがあり、富士山が綺麗に見えます。

ここから見る富士山も綺麗ですが、少し足を延ばして弥三郎岳に向かうことにします。
弥三郎岳まで徒歩で約20分かかります。道も登山道になるので、歩きやすい靴で行く事をオススメします。

丸い石の上から見る富士山

徐々に険しくなる道を進み、最後には岩の鎖を伝って登ると一枚岩の上に出ます。
花崗岩で出来た一枚岩は丸みを帯びているので、足下に注意して下さい。
目の前には甲府盆地や富士山が広がり360度のパノラマを楽しめます。

富士山の反対側には、この後行く予定の荒川ダムが見えます。
その先には金峰山がうっすら白い山頂を覗かせています。

岩の上に座って眺める富士山は格別ですが、柵が無いのでちょっとドキドキ。
数ある富士山ポイントの中でも、ここは独特な雰囲気でオススメですよ。

隣の岩場が弥三郎岳山頂で、三角点があります。
皆さんがお備えしていったお賽銭が積み上げられていました。

パノラマ台駅に戻り、さらに先に進むと「うぐいす谷」という場所に出ます。
ここは弥三郎岳とは違い、道は歩きやすく楽に絶景を楽しめますよ。

山梨県に来たらほうとう鍋

ロープウェイで下ったらお昼ゴハンです。
ロープウェイの係の女性に「ほうとう鍋が美味しい店はどこですか?」と聞いて、彼女のオススメと教えて頂いた「橋本屋」に向かいました。

自転車を店内から見える場所に置かせていただいて安心して食事出来ます。店員さんがとても親切でしたよ。
出てきたほうとう鍋は具材が大きくゴロゴロと入って美味しそうです。
麺も不揃いで店の手打ちらしいです。
赤味噌のツユはアッサリしていて美味しく頂きました。

金櫻神社までプチヒルクライム

食後は金櫻神社(かなざくらじんじゃ)まで約2.5kmのヒルクライムです。
その前に昇仙峡に居る「チャリたぬ君」にご挨拶。少し解りにくい場所に居ましたよ。

金櫻神社は金峰山を御神体とする山岳信仰の神社です。金峰山の山頂に本宮があり、こちらは里宮となるようです。
赤い鳥居が見えてきたら、さらに先の駐車場まで上ります。

駐車場に自転車を置いて社殿に向かいます。山の奥に朱色の美しい社殿が現れて驚きます。
桜の名所でもあるそうなので、春にも来てみたいですね。

荒川ダムでダムカードをもらおう

金櫻神社でUターンして坂を下り、荒川ダムに寄り道です。
ロックフィル型式のダムで、自然と一体化した風情のあるダムです。

管理棟まで行き、ダムカードをもらいました。ここからダム周辺をグルッと一周してもいいですし、そのまま引き返しても良いでしょう。

昇仙峡グリーンラインを下って千代田湖の手前で右折します。
細い道で解りにくいので注意して下さい。

みはらし広場からの富士山

千代田湖から山梨県立武田の杜方面に進むと「みはらし広場」があるので立ち寄ります。
甲府の街並みと富士山が見えるポイントなのでオススメです。

木が生い茂って一瞬富士山が見えない様な感じですが、右の階段を下るとバッチリ見えますよ。

林道片山線を通り竜王駅まで

薄暗くなってしまいましたが、坂の途中から林道片山線に入ります。
もう少し明るければ緑と紅葉が楽しめたかもしれませんが、秋の夕暮れは早いですね。

林道を下ると市街地に出ます。あとは竜王駅まで行きで走ったルートをなぞって終了です。

コース紹介

アクセス
電車:「新宿駅」からJR中央本線で「竜王駅」下車
車:中央自動車道「甲府昭和インター」から約15分

▼昇仙峡
https://www.shosenkyo-kankoukyokai.com/

▼昇仙峡ロープウェイ
http://www.shousenkyo-r.jp/

▼橋本屋
https://hashimoto-ya.com/

▼金櫻神社
https://kanazakura-shrin.webnode.jp/

詳細は以下でもご覧いただけます。

まとめ

紅葉が美しい昇仙峡の渓谷道路を走ることができる平日に行ってみて欲しいコースです。
例年の見頃は10月中旬から11月下旬まで楽しめるそうですよ。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
埼玉県奥武蔵エリアを中心に、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

  • この記事がいいねと思ったら
    •  6
  •   この記事のご感想はユーザーのみなさま
  • サイクリングレポート(記事下部)
    サイクリングレポート(記事下部)
    編集部おすすめ
    ランキング