【わたしのまちの自転車屋】宮城県・石巻市 世代を超えて地元民に愛される『まちの自転車屋さんエンドーしんりん』
「まちの自転車屋さん」と店名に冠した、まさに本特集にぴったりなサイクルショップ『エンドーしんりん』は1926年（昭和元年）に創業し、もうすぐ100年を迎える老舗。
代々家業として自転車店を営み、現在店主を務める遠藤和彦（かずひこ）さんは4代目です。
東日本大震災によって無くなった町の自転車屋さん
「僕にとって、自転車は生まれたときから身近な存在でした。小学校のときから（日本三景の一つである）松島に自転車で行ったり、あとはパナソニックのRODEO（※当時話題になったミニベロ）の試乗会を店でやったり…」と話す遠藤さんが店を継いだのは、2011年の東日本大震災の直後。
「震災で一度はうちも壊れてしまったんですが、そのタイミングでもともと勤めていた仕事を辞めて家を継ぐことを決意したんです。
店を立て直すことが決まったときに、スポーツバイクの専門店にすることも考えました。でも、自転車屋さんがある地元の商店街もなくなってしまっていたので、町に自転車の修理ができるような店が一軒もないのもどうなのかと思って…」。
そこで遠藤さんは、店名に“まちの自転車屋さん”を冠し、サイクリストだけでなく、地元の人たちが気軽に立ち寄れるようなサイクルショップとして、再スタートを切ったのだそう。
このような思いのもと、新たに作られた店内は、半分が販売スペース、半分が修理スペースとなっており、サイクリストだけでなく、地元の小中学生から高齢者の方まで幅広い客層のお客さんが訪れているといいます。
常にお客さん目線を忘れない店づくり
店づくりのこだわりについて聞いてみると「東北はスポーツバイクをしている人口がすごく少ないので、まだまだこれから伸びしろがあると思うんです。うちの店では、店員に話しかけなくてもなんとなくスポーツバイクのことがわかるように、目につくところにPOPを貼っています。そうすれば、自転車の修理を待っているお客さんなどにも興味を持ってもらえるかなと」と遠藤さん。
続けて「心地よい店を作るには、“お客さん目線に立つ”ということがとても大事だと思うんです。だから、お客さんが座るソファに座ってみて、そこから見える位置に走行会で撮った写真を貼ったり、近くにカタログを置いたり…そういうところは常に意識していますね」。
風光明媚な石巻は絶好のサイクリングスポット
東日本大震災から11年経った今でも通行止めになったままの道があるという宮城県ですが、少しずつ整備が進み、サイクリングができる道も増えてきたそうで「石巻から松島まで行く道路は整備されてだいぶ走りやすくなりました。
途中にブルーインパルスの基地があるんですが、ブルーインパルスの横を並走するのは爽快感抜群で最高に気持ちいいですよ。あとは、牡鹿半島もいいですよね。車が通らないので、のびのび走れるし、コバルトラインをはじめいろんなコースがあるので、時間や難易度に合わせて選べるのも嬉しいポイントです」と楽しそうに話してくれました。
東北のサイクリスト人口をどんどん増やしていきたいと話す遠藤さん。「（2013年から復興支援のために始まった自転車イベント）ツール・ド・東北がここ数年はコロナの影響で中止になっていたんですが、まずはこのイベントが復活して、東北でのサイクリングの楽しさを多くの人に知ってほしいですね」。
これから自転車を始めようと思っている人はまずはクロスバイクを買うのがおすすめだそうで「私もいろんな自転車に乗ってきましたが、高校生のときに初めてクロスバイクに乗ったときの感動を超えるものは正直ありません。
まずはクロスバイクで走ることの楽しみを知って、そこから興味が出てくればロードバイクにステップアップしていったらいいと思いますよ」。
まとめ
町の自転車屋さんとして、愛されること約100年。世代を超えて、地元の人々の生活を支えてきた『エンドーしんりん』はサイクリングの魅力を伝えるべく更なる挑戦を続けていきます。
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■まちの自転車屋さんエンドーしんりん（まちのじてんしゃやさん えんどうしんりん）
住所：宮城県石巻市渡波字浜曽根の壱129-19
TEL：022-528-7949
営業時間：9時30分〜19時（日曜、祝日は～18時）
定休日：水曜
HP：https://ameblo.jp/endoshinrin/entry-12134379837.html
■サイクルショップデータ
取り扱い製品
シティサイクル／電動アシスト自転車／折りたたみ自転車／スポーツサイクル
自転車部品／アクセサリー／ウェア
修理・メンテナンス 可
レンタサイクル あり
執筆：高島夢子
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