【香港】交通システム最高峰の都市「香港」の道路事情とサイクリングコースの紹介
※この記事は2018年11月24日に公開されたものを2021年4月に更新したものです。
こんにちは、クリスです!
先日、香港に行く機会がありました。
香港は実は交通システムが世界最高峰であると評価された都市です。
そんな香港の道路事情やおすすめのサイクリングコースをご紹介します。
目次
交通システム最高峰の都市 香港
香港といえば、その美しい夜景や飲茶とはじめとしたグルメ、タイガーバームガーデンなどが有名ですが、実は交通システムでも世界最高峰と言われています。
実際に2017年、建築設計やコンサルティング業務を手掛けるオランダのアルカディス社が発表した「SUSTAINABLE CITIES MOBILITY INDEX 2017(持続可能都市のモビリティ)」では、世界一の交通システムと評価されています。
人口密度が世界的にも高い香港では、1日当たりおよそ1260万の人が公共交通機関を利用しているそうです。これは毎日移動する人の9割以上が公共交通機関を利用している比率になります。
香港の交通システムの先進性を示す事例として交通系ICカードがあります。日本でもSuicaやPasmoなど交通系ICカードは普及していますが、1997年に世界で最初に導入したのが香港の「オクトパスカード(八達通)」なのです。
香港の道路事情
そんな交通システムが発達した香港ですが、いわゆる市街地で自転車を見かけることはほとんどありませんでした。
香港では自転車の歩道走行が認められていないので、走る場所は車道上になるのですが、車道でも見かけず…。
それもそのはず、車道上では視界をふさぐ二階建てバスやトラック、クルマが溢れかえっていて、安全に走れる場所がほとんどないのです。
だから駐輪場もほとんど見かけません。
香港では歩行者が車道を渡る場合でも、クルマがあまり徐行をしてくれません。路上に「望右 LOOK RIGHT」、「望左 LOOK LEFT」と書かれている場所では、右あるいは左をちゃんと確認してから道路を渡る必要があります。
一方、歩道上ではすさまじいほど人で溢れかえり、行き交う人達も多国籍であることが印象的です。
その様相は東京とさほど変わらないほどです。
これだけ発展した都市なのに建設の足組みに「竹」。
こうした新しさと古さのアンバランスさが香港の魅力なのかもしれません。
香港のおすすめサイクリングコース
しかし、そんな香港でもサイクリングが楽しめるエリアがいくつか用意されていました。
香港政府観光局のHPでは日本語で観光情報を調べることができます。
その中で紹介されているサイクリングコースをご紹介します。
いずれも初心者向け、手ぶらでも楽しめるコースです。
Discover Hong Kong|香港政府観光局公式ガイドブック
①南生園コース(約7km)
南生園(ナムサンワイ:Nam Sang Wai)では、気軽な半日旅行サイクリングが楽しめます。
ビルが立ち並ぶ香港からは想像できないような、自然豊かな風景の中をサイクリングすることができるのが特徴です。
香港湿原に生息する野生の動植物や景色の良い森の小道、郷土料理がオススメ。
全長7kmのこのコースは、昔ながらの渡し舟からはじまります。
<南生園コースのサイクリング情報>
地区 | 元朗区(ユンロン) |
スタート | 南生園(ナムサンワイ)の渡し船 |
ゴール | 元朗(ユンロン)の中心街 |
所要時間 | 約2時間 |
距離 | 約7km |
補給ポイント | サイクリングコース沿いには、カフェや、食料品、麺、飲料を売る売店がいくつかあります |
レンタサイクル | MTR元朗駅出口Eの南側にある鳳翔路花園(フンチュェンロードガーデン)から新元朗中心までのエリアと歩道橋の向かい側に、自転車レンタル店が何軒かあります。 |
難易度 | 初級(舗装が整った平坦なコースで、休憩所も多数あり、売店までの距離も近い) |
<南生園コースのルート情報>
②沙田~大美督コース(約22km)
沙田(シャーティン:Sha Tin)から城門河(シンムンリバー:Shing Mun River)と吐露港(トロハーバー:Tolo Harbor)沿岸に沿って大美督(タイメイトク:Tai Mei Tuk)へ続くこのコースは、香港で最も有名なサイクリングコースの一つです。
沙田から大美督まで約22kmにわたってサイクリングロードが整備されており、安全にサイクリングを楽しむことができます。
また、沙田や大埔(タイポ:Tai po)にはレンタサイクル店が充実しているので、手ぶらでサイクリングを楽しむことができます。
<沙田~大美督コースのサイクリング情報>
地区 | 沙田区および大埔区 |
スタート | 城門(シンムン)河 |
ゴール | 大美督(タイメイトク) |
所要時間 | 約2.5時間 |
距離 | 約 22 km |
補給ポイント | 香港サイエンスパーク(科技園)、白石角海浜長廊(パッシェッコック・プロムナード)、大美督にあります |
レンタサイクル | 大囲(タイワイ)、沙田公園、大埔海浜公園、大美督に自転車レンタル店があります。スタートしたい地点に近い店を選び、目的地で返却できるかどうか聞いてみてください。ほとんどの店では可能なはずです |
難易度 | 初級(道は平坦だが比較的長いコース) |
<沙田~大美督コースのルート情報>
③沙田~鳥渓沙コース(約8km)
こちらの沙田~鳥渓沙コースは時間がない人にオススメです。
沙田(シャーティン:Sha Tin)から鳥渓沙(ウー・カイ・シャ:Wu Kai Sha)まで約8kmのサイクリングコースで、ゴールの鳥渓沙ではエレガントなビーチを楽しむことができます。
<沙田~鳥渓沙コースのサイクリング情報>
地区 | シャティン地区 |
スタート | シン・ムン・リバー |
ゴール | ウー・カイ・シャ・パブリック・ピア |
所要時間 | 2時間弱 |
距離 | 約8km |
補給ポイント | マン・オン・シャン・パークに売店があります。 |
レンタサイクル | 沙田でレンタサイクルが可能。鳥渓沙で返却可能か要確認 |
難易度 | 初級 |
<沙田~鳥渓沙コースのルート情報>
香港の自転車イベント
「クルマが溢れかえっていて、安全にサイクリングできる場所がほとんどない」とお伝えした香港ですが、そんな香港の中心街を自転車で走れるイベントが「香港サイクロソン」です。
プロ選手向けの国際レースのほか、アマチュア向けのチャレンジライドも行われており、封鎖された公道で思いっきりサイクリングを楽しむことができます。
絶景で知られる吊り橋の「青馬大橋」を自転車で走れるなど、このイベントでしか味わえない体験ができますよ。
2015年に初開催され、2018年には第4回を数えましたが、残念ながら2019年は香港情勢に配慮して中止、2020年以降も新型コロナウイルスの影響か、開催されていないようです。
1日でも早く、香港の街を走れる日が来るといいですね。
最新情報は、香港観光局のサイトなどからご確認ください。
海外サイクリングの情報収集もTABIRIN(たびりん)で!
当メディア・TABIRINには、日本だけでなく海外の自転車情報も数多くあります。その中から香港と同じアジアの記事を厳選して紹介しますので、ぜひ旅の参考にしてくださいね。
今後もTABIRINの更新をお楽しみに!
(執筆:クリス)