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【岐阜県】明知鉄道で輪行して大正の町並みや岩村城下町を巡るサイクリング

恵那駅から明知鉄道に乗り、戦国武将「明智光秀」ゆかりの地でもある明智駅からスタート。明智駅は大正時代に栄えた頃の姿を残し「日本大正村」として観光に生かしています。中盤の岩村町では江戸時代の面影を残した城下町を通り、終盤の中山道46番目の宿場「大井宿」では歴史をたっぷりと感じられる…というコースになっています。

明知鉄道「恵那駅」から輪行

JR恵那駅に隣接している明知鉄道の恵那駅から輪行します。
ホームに向かうと、これから乗る車両が明智光秀ラッピングでした。デザインが格好良くてテンション上がりますね!

約50分のローカル鉄道旅を楽しみながら、終点の明智駅に向かいます。

明智駅はレトロな雰囲気を感じさせる新しい駅舎です。
大正時代に養蚕で栄えた町並みを残した「日本大正村」は観光地として人気です。

駅には明知鉄道のキャラクター「てつじぃ」のヘッドマークが飾られていました。
鉄道むすめという女の子キャラがパネルになって置いてある事が多いですが、おじいさんキャラというのは珍しいですね。ちなみに孫の「てっちゃん」という男の子もいるとか!

SL運転体験を開催する準備をしていたので、近くで少し見学させてもらいました。

日本大正村を散策

駅を出てすぐの細い川にある大正路地は、年貢米を納めた米蔵と呉服問屋の蔵にはさまれた昔ながらの路地で、白い壁と黒い板壁のコントラストが美しい。

路地を抜けると日本大正村役場・大正村絵画館・大正ロマン館などがあり、いずれも写真映え間違い無しの雰囲気です。

大正ロマン館の裏山には明智城本丸跡があります。散策路も整備されているので興味があれば散策してみてください。
細い路地を入った所に「うかれ横丁」があります。養蚕業が盛んな時代に食事や酒を提供する店が並んでいたという通りです。道路の上を跨ぐ渡り廊下が面白いです。

寒天を味わえる山岡駅

国道363号に出て、明知鉄道に沿うように走ります。
恵南ささゆり街道から裏道に入り、田んぼが広がる景色を楽しみつつ山岡駅に到着。

山岡駅がある山岡町は、全国シェア80%以上を生産する「細寒天の里」です。
駅には寒天資料館や寒天カフェがあるので、名産の寒天を味わうことが出来ます。
実は、ここに立ち寄る為、朝ご飯は軽めにしておきました!

駅に入ると寒天資料館があり、寒天の歴史や製法などを学ぶことができます。
資料館の奥に寒天カフェがあり、店内からは明知鉄道が通過するのを眺める事ができます。そんな窓際の席に座ってモーニングをいただきます。

モーニングにはトースト・寒天サラダ・寒天ヨーグルト・ドリンクがセットになって500円です!朝ご飯を軽めにして来た甲斐がありました。
他にも寒天を使ったメニューが色々ありますよ。

日本三大山城の岩村城

国道363号を明知鉄道沿いに走り、県道416号に入ると岩村城の城下町に到着。
日本三大山城の岩村城跡に向かって緩やかな上り坂になっている岩本本通りには、江戸時代に栄えた旧家が並んでいます。

鎌倉時代に開城された岩村城は、廃城令が出される明治時代までこの場所にあり続けました。城下町には江戸時代から昭和初期の建物が多く残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

上町常夜灯を左折すると坂が急になり、いよいよ城跡に入ります。
自転車では岩村歴史資料館駐車場の岩村藩主邸跡まで来ることが出来ます。
走ってきた城下町が見渡せる気持ちが良い場所です。

ここから城址本丸までは石畳を登り約20〜30分で到着します。
じっくりと見学したい人は、是非散策してみて下さい。

農村景観を楽しむ

城下町でのんびりしすぎたので、先を急ぎます。

岩村駅前を通過し、国道257号を走ります。少し走ると右手に觔斗雲(きんとうん)が浮かぶ無人駅の「極楽駅」が見えます。無人駅でこんな派手な駅は、なかなか見たことがない!赤と金色が縁起良さそうです。

極楽駅横の踏切を渡り、細い道を進みます。

水野寒天岩村工場の横に寒天干しの台が並んでいるのが見えました。冬になると、ここにズラリと干した寒天が並ぶのでしょう。

国道363号を左折。緩やかな上り坂を上る途中にある「農村景観日本一展望所」に立ち寄ります。

階段を登ると展望所があり、そこから岩村盆地が見渡せます。
平成元年に京都教育大学の教授に評価され、全国に広まったという「農村景観日本一」の景観を是非確認してみて下さい。

阿木川(あぎがわ)ダム

国道から一般道に入り、阿木駅近くを走っていると明知鉄道が通過する所に遭遇できました。線路沿いを走るので何度か見かけるチャンスがありますよ。

阿木川沿いに段々畑のある風景の中を進むと、パターゴルフ場の入口に出ます。
その中を進むと「華のかけはし」という立派な吊橋があるので自転車を押しながら渡ってみます。足下は金網なので真下に湖が見えるのがスリリング。

橋を渡り右折して一般道に出たら、坂を上ってクネクネとした湖岸道を走ります。
国道257号を右折してトンネルを抜けると阿木川ダム駐車場に到着です。

ダムに来たら「ダムカード」を貰うのも目的のひとつ。
阿木川ダム防災資料館に問い合わせると、管理所で配布しているというので向かいます。ダムの天端横にある阿木川ダム管理所の受付でインターフォンを押すと係の人が出てきて、カードを持ってきてくれます。

中山道大井宿をぶらり

ダムを出て国道257号を下ります。一気に坂を下って「向島」交差点を右折します。
一般道をしばらく進むと中山道の大井宿に入ります。大井宿は江戸から数えて46番目の宿場町です。本陣の門・長屋門が残っており、1880年(明治13年)明治天皇巡幸時の「大井行在所(あんざいしょ)」が当時のまま見る事ができます。

恵那駅はすぐそこなので、時間が許せば宿場町にある資料館などに寄り道しつつ中山道を散策しましょう。あとは恵那駅へ戻ればゴールとなります。

コース紹介

距離:34.5km 獲得標高:565m

まとめ

昨年出版された八重洲出版の「東海サイクリング」というムック本で紹介されているルートの一部を参考にしています。私も地図作成に関わっており、当初から気になっていたルートだったので近くを通る機会があり走ってみました。
八重洲出版「東海サイクリング」
知らない土地を走る時にサイクリング本やパンフレットがあると、より深く楽しむ事ができますね!

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
埼玉県奥武蔵エリアを中心に、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

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