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太平洋岸自転車道実走調査⑦静岡県東部:熱海から沼津までのサイクリングレポート

2022年秋にナショナルサイクルルートである太平洋岸自転車道を全ルートを実走調査した経験をもとに、その全容を紹介するシリーズ。静岡県東部ルート解説に続き、今回は神奈川との県境から沼津までの、伊豆半島実走レポート。
実走調査日:2022年10月21日〜24日


出典:「太平洋岸自転車道」(国土交通省 近畿地方整備局)

DATA
熱海(神奈川県との県境)→沼津
距離:215.9km、獲得標高:3660m、最大標高:272m

神奈川県境から伊東まで

神奈川と静岡の県境を流れる千歳川を渡るとすぐに、自動車専用道である熱海ビーチラインとの分岐。ここは右へ。山ルートになるのでアップダウンを覚悟。

ここでミニ矢羽根に遭遇! なんで小さいんだ?と思ったが、これが伊豆半島のスタンダード。
太平洋岸自転車道での矢羽根の大きさが決められる前に設置したので、標準の大きさの半分くらいのミニサイズになっている。

熱海の街が見えてきた。

伊東市に入り、宇佐美の手前で連続する長いトンネル。左側の旧道を行った方が安全だと思うが矢羽根は路肩の狭いトンネルに突っ込んでいく。

宇佐美の市街地が見えてきた。

宇佐美の海岸に出た。

この亀石峠入口交差点を右に曲がると、亀石峠を越えて伊豆半島をショートカットするコースへ。

伊東市街のオレンジビーチの隣にある「なぎさ公園」。伊東市にアトリエを置く彫刻家、重岡健治の作品が多く展示されている。

なぎさ公園の先の按針メモリアルパーク。日本で初めて洋式帆船を建造した三浦按針の業績を讃えたモニュメント。

伊東から下田まで

伊東港をすぎてすぐに、国道135号を左にそれて県道109号へ。

交通量の多い国道から外れてほっとする。海沿いルートだからアップダウンも少ないだろう。

しかし川奈港から厳しい上りが続き思わず押しが入る。交通量は少ないのですごく走りやすいが勾配はキツい。

伊豆急城ヶ崎海岸駅近くで再び国道135号に合流、東伊豆町大川の海岸線。

東伊豆町の熱川手前にも路肩の狭いトンネルが連続する。

稲取の街が見えてきた。まあまあ高いところから見下ろしているが、この程度のアップダウンは多い。

河津町の海岸。

河津町子安海岸近く。このあたりの国道135号は東伊豆道路とも呼ばれる。風景はいいがアップダウンは続く。

伊豆白浜海岸。太平洋岸自転車道のルートにある3大白浜のひとつだ。サーファーが多く、このあたりだけ少しにぎわっている。

下田に到着。ここも温泉が有名だ。あとはペリー。

下田の先にあるトンネル。路肩橋小。矢羽根は構わずトンネルに突っ込んでいくが、俺は迷わず側道のトンネルへ。

下田から松崎まで

伊豆半島の南端、石廊崎手前。こういう小さな漁港・漁村をつないでいく。

石廊崎風力発電所の風車が見えてきた。

石廊崎への分岐。ここを左折すると石廊崎灯台だが、ルートは直進。

石廊崎先のユウスゲ公園からの景色。

ルートは県道16号をたどる。ここは国道から外れているので交通量も非常に少ない。

南伊豆町入間付近。9%の上り勾配は、すでに脚を使わされている俺には、迷わず押しに入る勾配。

南伊豆町子浦付近。この子浦で食事をしようと思ったが、食べられるところはなかった。

子浦で教えてもらったカレー屋「ティハール」まで6km。伊豆の西海岸は気をつけてないと意外に食事ができるところが少ない。大きめの町ですませないとコンビニもないので注意。

松崎町に入った。三競付近の眺望。アップダウンは続く。

松崎町手前。国道番号は下田から136号になっている。

松崎町の市街に入った。

松崎町市街にある「なまこ壁」。なまこ壁通りというのがあり、江戸末期の古い壁塗り様式を残している。足湯もある。ルート沿いなので気軽に立ち寄れる。

松崎から沼津まで

西伊豆町宇久洲手前の黄金崎トンネル。全長が965mもあり、路肩も狭い。だが伊豆半島西海岸は交通量が少ない分、東海岸よりはまし。

伊豆市土肥の手前。富士山が見えてきた。こういう平坦路はほっとする。

土肥港の夕景。

土肥からは海岸線の道が県道17号に。碧の丘展望台。

土肥を過ぎると次は戸田。この西伊豆ルートはワインディングが続き交通量も少ないのでバイクのツーリングライダーが多い。休日はクルマよりバイクのほうが多いほど。

戸田の町に入った。朝、土肥を出てから16kmほどしか走っていないが、上りにやられまくっていたのでここで昼食。この先沼津市街まで食事処がなさそう。

再び坂を上ると、戸田の街が見下ろせる。

ここを左へ行くと大瀬崎。だが海まで下りてまた上ってくる気力はすでにない。

富士山ビュースポット西浦江梨にあった石製のサイクルラック。地元の石材加工組合の寄贈とある。このあたりで採掘される伊豆石でできている。

沼津市街へ向かう伊豆半島「北海岸」は、意外やフラット。交通量も少ない。

弁天島のヨットハーバー。

ついに伊豆半島の西側の付け根、口野放水路交差点まで来た。ここを左に行けばまっすぐ沼津市街に向かえるのだが、ルートは右折。いきなりトンネル。

しばらく行くと左折指示があり、口野放水路を渡る。

県道134号を行くと石徳高神社(豆塚神社)の交差点へ。ここで東海岸の宇佐美で分かれた亀石峠経由の伊豆半島ショートカットルートと合流!

狩野川に沿うように北西方向へ。ここで気づいた。矢羽根が標準サイズになっている! 伊豆半島が終わったということを実感。

沼津市清水の徳倉交差点。やっと大きくなった矢羽根が大サービスで設置してある。矢羽根ではなくMAPを確認しながら進むしかない。沼津市は自転車行政が進んでいて、太平洋岸自転車道の矢羽根以前に自転車安全用の矢羽が設置してあったのだと思われる。ほかにもこういった「自転車行政先進都市」ではこういうことがありがち。

この矢羽根も太平洋岸自転車道のものではない。

沼津市内の香貫橋のたもとで県道139号は西へ。ここは舗装が新しく、矢羽根や路面表示がなかった。右折の表示看板を見落とし、ルートを見失った。

狩野川サイクリングロードに出るが、そこにも矢羽根などはない。ルートはここなのだが。サイクリングロードとして従来から供用されてきた道の整備が遅れているのは、「太平洋岸自転車道あるある」だ。前方に沼津の繁華街が見える。

今回の記事は沼津駅に続く国道414号の三園橋までで終了!

次回は静岡県西部のエリア解説編

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

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