旅×自転車 記事

【埼玉県/東京都】茶畑広がる入間市と青梅市をめぐる34kmのサイクリング

静岡茶・宇治茶と並んで日本三大茶とされている狭山茶は「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」…と謡われているように、甘くて濃厚な深い味が特徴のお茶。埼玉県西部の入間市・所沢市・狭山市を中心に栽培されています。
入間市の茶畑は広大で、遠くまで続く風景は一見の価値ありです。

西武鉄道の仏子駅をスタート

仏子駅南口を出て、武蔵野音大前の坂に入ります。ここから加治丘陵に入って行きます。
ウォーミングアップなしに坂に入るのでキツいかもしれませんが、距離は短いので頑張って上ります。

旧サイクリングコースに入る

坂を上りきった場所に「旧サイクリングコース」という看板があるので案内に従って進みます。サイクリングと名前にありますが現在は遊歩道として整備され、歩行者優先道となっています。スピードを出しすぎないように注意してください。

木漏れ日が差す木々の間に続く旧サイクリングコースは気持ちよく、犬の散歩やウォーキング・ジョギングを楽しむ人が多く見られました。

しばらく走ると桜山展望台に到着です。
3階建の鉄筋コンクリートの構造で、展望台からは富士山・丹沢・秩父連山などが望めます。丹沢方面の山がクッキリ見えます。

眼下には一面の茶畑が広がります。

遠くにうっすらと、都心のビル群や東京スカイツリーの影も見えています。

富士山の頭もクッキリと見えて、なかなかの絶景が堪能できました。
展望台の周辺には桜の木が多く、春にまた訪れたい所ですね。

桜山展望台を過ぎると加治丘陵も終わり、下り坂に入ります。その途中に開けた場所があり、茶畑が近くに見えました。

茶畑の中を走る

坂を下り県道63号を渡ると霞川に出るので、そのまま川沿いを走ります。小さな川ですが、白鷺やカワセミを見かけました。

霞川沿いに進むと丁字路にぶつかります。そこを右折して茶畑に入って行きます。

防霜ファンが立ち並ぶ茶畑の中を自転車で走る事が出来るのは、お茶の産地ならではという感じです。

日本一の道標

茶どころ通りといちょう通りが交差する地点に「日本一の道標」があります。
「北狭山茶場碑入り道」と書かれた道標は、高さ4.1Mあり昭和61年にギネスに認定されました。

いちょう通り横の圏央道を渡ったら左折、少し進み右折して直進します。
しばらく工場地帯を走り、工場地帯を抜けると入間市博物館ALIT(アリット)の前に出ます。

狭山茶を満喫

正門近くにある自動販売機には、狭山茶しか入っておらず「狭山茶一択の自販機」として有名です。ちなみに隣には普通の自販機もありますよ。

敷地の奥にある「茶処 一煎」でランチにします。ここは狭山茶料理を提供する、珍しいレストランです。

彩り6鉢では「お茶コロッケ」「抹茶のポテトサラダ」「抹茶入り山かけ刺身」など趣向を凝らした料理が少しずつ味わえて満足感があります。

レストラン内に狭山茶の売店もありますので、お土産に購入して帰りましょう。

入間市博物館で入間の歴史を知る

2023年1月6日に常設展示室「入間の歴史」がリニューアルオープンしたとレストランのチラシで見たので入館してみました。(常設展示観覧料:大人200円)
※館内を撮影する場合は、受付で許可をとります

2月15日までの特別展示は「むかしのくらしと道具展」です。その後の特別展示スケジュールは公式サイトでチェックしてください。

常設展示の「入間の歴史」の他にも「お茶の歴史」や特別展示の「むかしのくらしと道具展」などがあり、充実した展示内容でした。

出口にあった防霜ファン。畑にある時は、そんなに大きいとは思いませんでしたが、近くで見ると想像より大きいですね。

茶どころ通りで青梅に向かう

博物館を出て、茶どころ通りまで戻ったら一気に青梅市に向かいます。この道は車の通行量が多いので気を付けましょう。

車通りが多い道が苦手な場合は、脇道にそれて茶畑の間をぬって走るのも楽しいですよ。

猫町の青梅駅周辺を散策

青梅駅近くに来ると、ネコをモチーフにしたものが多く出てきます。

以前は「昭和レトロの町」として町おこしを進めてきた青梅駅周辺ですが、目玉だった昔の映画看板を描く絵師の久保板観氏が亡くなった事で、新しい映画看板を設置することができなくなり、新しくネコの映画パロディ看板を設置することになったとか。
色あせた「バス停留所」の映画看板は、亡くなった久保さんの作品か…。

新しいネコパロディ看板があちこちに展示されていて、みつけるとクスッと笑ってしまう。
看板は他にも沢山あったので、時間があればじっくり見て回ってみると良いでしょう。

青梅駅の隣にある「まちの駅 青梅」の外観には、昭和を感じる看板などがリアルに描かれています。店内では青梅市の逸品を販売しています。

にゃにゃまがり通りを歩く

きらぼし銀行青梅支店の向かいに「にゃにゃまがり入口」があります。
民家の間の細路地に、曲がり角が七つあることから「にゃにゃまがり」と名付けたとか。ネコのオブジェなどが飾られていて楽しい雰囲気です。

青梅鉄道公園に立ち寄る

駅前の道に戻り、青梅線を越えると小高い丘に向かいます。

坂を上ると青梅鉄道公園に到着。ここでは実物の鉄道車両を保存展示しているので、立ち寄ってみます。入場料は小学生以上100円。

蒸気機関車のC11や戦前の国産機関車ED16などを間近で見ることができます。

記念館には「模型鉄道パノラマ」など、鉄道を楽しく知ることが出来るコーナーもあります。

公園を出て坂を下ると県道28号に出て天寧寺坂通りに入ります。ここは少し上ります。

岩蔵温泉のカフェYUBA

岩蔵温泉交差点を右折すると小さな山小屋風カフェが見えてきます。

店内は薪ストーブがあり、走って芯まで冷えた身体が温まります。
店名のYUBAは食べ物の湯葉ではなく、温泉の湯場から来ています。近くに「湯場橋」という名前の橋がありますよ。

山小屋っぽい店内はのんびりとした時間が流れていて、つい長居してしまいそうです。ロイヤルミルクティー美味しかったです。

トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園

小曽木街道を進み、岩井堂交差点を右折して県道195号に入ると飯能市です。
八高線の下を通り駿河台大学やホームセンターが見えてきたら「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」に到着です。

自転車は入口の自転車ラックに置いて、園内に向かいます。入園料は無料です。
トーベ・ヤンソンは「ムーミン」の作者でフィンランドの童話作家として有名です。公園内はムーミンの世界観が再現されていて、絵本の中みたいな風景ですよ。


県道195号を走り、西武池袋線の線路を渡ったら仏子駅北口でゴールです。

 

コース紹介

アクセス
電車:西武池袋線「仏子駅」下車
車:圏央道「狭山日高インター」から約15分

▼入間市博物館ALIT
https://www.alit.city.iruma.saitama.jp/

まとめ

埼玉県の狭山茶は知っていても、実際に茶畑を走る事は少ないと思い紹介してみました。入間市に広がる一面の茶畑が見られる桜山展望台はイチオシです。
青梅駅周辺の猫看板や猫にまつわる展示をみて回る散策も楽しいと思います。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
ロードバイク・ランドナー・ミニベロなどで、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

 

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