【大阪府・奈良県】寅年こそ行きたい!信貴山 朝護孫子寺参拝 十三峠ヒルクライム
2022年は寅年。そんな今年にぜひ訪れてみてほしいのが、奈良県生駒郡平群町信貴山にある朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)です。
信貴山真言宗の総本山の寺院で、初詣や「寅まつり」には多くの参拝客でにぎわいます。
朝護孫子寺は大阪から向かう場合、電車やバス、ケーブルカーで乗り継ぐ必要がありますが、「自転車なら直通で1本でスムーズ!」という自転車乗りならではの発想(!?)で、大阪から十三峠(じゅうさんとうげ)を越えて行ってみました。
十三峠ヒルクライム〜朝護孫子寺参拝〜ぶどう坂ダウンヒル 合計約18kmのライドの様子をお届けします。
大阪のヒルクライム聖地:十三峠にチャレンジ
朝護孫子寺参拝ライドの序盤は十三峠ヒルクライムです。
十三峠は、大阪府八尾市神立と奈良県生駒郡平群町福貴畑との境にある峠。標高431m、平均勾配9.1%、斜度10%以上の区間が連続する関西でも有数のヒルクライムスポットとなっています。
入り口の大竹7丁目の信号〜ゴールの十三峠展望台までは約3.9kmと適度な長さで、ヒルクライム初心者の方でもチャレンジ可能な範囲と言えるでしょう。
十三峠の入り口へは第二寝屋川〜恩地川の側道沿いに行くと車も少なくスムーズにアクセスできます。
週末の朝ともなると、スタート地点となる大竹7丁目の信号にはタイムトライアルにチャレンジする地元サイクリストが続々と集まってきます。早い方は15分ほどで登りきるのだとか…!
挑むような気持ちでスタートします。
十三峠の途中は、九十九折からの10%の斜度や、見通しのあまりよくない急カーブ、道幅が狭いコーナーも頻出します。十分に注意しながら焦らずマイペースで一歩一歩登っていきましょう。
ゴールとなる十三峠展望台の手前700m地点には、水呑地蔵院があります。
タイムトライアルでなければ、最後のもうひと踏ん張りに備え小休憩にちょうどよいスポットです。
曇天でしたが、天気が良ければ梅田界隈のビル群も望めますよ。 水呑地蔵院を後にし、大阪府民の森を過ぎたらラストスパート!
最後のカーブに備えギアをめいいっぱい軽くし、クルクル回すように登りきります。
ゴールの十三峠展望台からは大阪府内が一望できます。
ソロやグループで登ってきた老若男女の健脚サイクリストたちが足休めしながら互いの健闘を称え合っている様子が見られます。
展望台は駐車可なので、夜は夜景スポットとしても人気のようです。
信貴山 朝護孫子寺で寅づくしのお参り
十三峠展望台から朝護孫子寺へは信貴フラワーロード沿いに約5.4kmほど。
ハイキングでお寺を目指す人達も道中見かけました。ほどよいアップダウンを繰り返しながら走っていけば、じきに朝護孫子寺の看板が見えてきます。
お寺への参拝客はマイカーで来る方が多いようですが、山門の側にはサイクルラックも設けてあり、大阪・奈良の両方面からヒルクライムを兼ねて訪れるサイクリストもけっこういるようです。
境内には神仏習合の名残から鳥居も並んでいます。
境内に入るとまず目を引くのが巨大な寅のモニュメント。会津の赤べこ人形のように首がゆっくりと上下に動く仕組みになっており、参拝者の撮影スポットになっています。 「寅のお寺」の異名で有名な通り、境内のあちこちには寅のモニュメント、狛犬ならぬ狛寅、おまけに寅のポストまで、とにかく寅・寅・寅! 本堂にお参りしたらぜひ体験してほしいのが「戒壇巡り」です。
本堂の階下にある真っ暗闇の回廊を壁づたいに手探りで歩き、錠前に触れられると、心願成就のご利益があると言われています。
非日常の完全な暗闇を体験することで、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされていく感じを味わえます。
寅が口を大きく開いた形の長いトンネルも見逃せません。
こちらは「四国八十八ヶ所霊場」になっており、トンネル内の地面には四国八十八ヶ所のお砂が埋め込まれています。ここをくぐれば八十八ヶ所全部の霊場を巡ったのと同じ功徳があると言われており、ユニークな体験をすることができます。
境内は広く、石段や石畳が主でアップダウンも多いので、ビンディングシューズは歩きやすいSPDタイプがおすすめです。
参拝記念に御本尊の御朱印をいただき、お寺を後にしました。
バンジージャンプから参拝グルメまで楽しめる信貴山
朝護孫子寺の目の前は大門ダムになっており、ダムにかかる開運橋にジャンプ台のようなものが見えます。
なんとこれ、バンジージャンプで、その名も「開運バンジー」(!)「ちょうどヘルメットも被っているしチャレンジしちゃう!?」と、一瞬迷うも、この後のランチのことを鑑み控えました…。
ですが、実際に飛んでいる人はなかなか爽快そうです。ちょっと勇気はいりますが、参拝後にチャレンジすればさらに運気は上昇しそうですし、自転車とはまた違ったスリルを味わえるかもしれませんね!ランチは朝護孫子寺の仁王門前の通りにあるラーメン店「アベノ日本一」でいただくことに。
以前は旅館だった建物をリノベーションした店内にはテーブル席と座敷席があり、参拝帰りのご夫婦や家族連れでにぎわっていました。
この日は定番の醤油ラーメンを注文しましたが、名物の牛すじカレーラーメンも気になります。
ラーメン店の隣には、古民家カフェ「てぬき庵」なども並んでおり、参拝後に一息つくのもよさそうです。
のどか村〜ぶどう坂ダウンヒル
朝護孫子寺で開運パワーをチャージしお腹を満たしたら、山づたいに信貴山から大阪市内へと戻っていきます。
朝護孫子寺から1.8km先の『農業公園 信貴山のどか村』は年間を通じて果物や野菜の収穫やBBQが楽しめるのはもちろん、「天空たまかけご飯」などの立ち寄りグルメもあり、ヒルクライマー達の休憩スポットになっています。
のどか村を経由して最後はぶどう坂(大阪府柏原市)でダウンヒルを味わいます。
ぶどう坂は全長3.8km 、平均斜度も8%前後のため、十三峠に比べると比較的登りやすいヒルクライムコースになっています。
「ぶどう坂」の名のとおり、このエリアではぶどうを生産しており、シーズンにはぶどう園でのぶどう狩りや直売所で購入ができる他、観光センターやワイナリーもあります。
今回はダウンヒルで通過しましたが、登りもおすすめのコースです。
十三峠やぶどう坂ヒルクライム、ダウンヒルの後には国道170号(外環)沿いにあるサイクリストフレンドリーなカフェ「FRANCY JEFFERS CAFE」に立ち寄り一息つくのもよいでしょう。
まとめ
寺社仏閣へのお参りには、マイカーや公共交通機関でももちろんよいのですが、ハイキングや自転車など自分の力で目指すことで、「昔の人はこうして一歩ずつ自力で目指したんだよなぁ」と思いを馳せることができ、参拝のありがたみが増す気がします。
特に、信貴山朝護孫子寺では2022年2月は「寅年・寅の月」にあたり、期間限定の「寅の御朱印めぐり」や「寅まつり」が予定されています。今年一年も安全で楽しいライドができるように、ぜひ参拝ライドに出かけてみてください。
コース紹介
▼信貴山 朝護孫子寺
▼信貴山 のどか村
http://www.sigisan-nodokamura.com/
執筆:Ayaka 2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。 ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。 2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。 座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。 |
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