旅×自転車 記事

【大阪府】水間鉄道サイクルトレインで行く、史跡と山と海をめぐる夏の半日サイクリング

TABIRINの『旅×自転車情報』でもご紹介している、日本のサイクルトレイン情報。

大阪府内という便利な場所で利用できる「水間鉄道サイクルトレイン」を使って、夏の半日サイクリングを楽しんできました。

※この記事は2018年8月2日に公開されたものを2021年3月に更新したものです。

水間鉄道水間線とサイクルトレイン情報

水間鉄道は、大阪府貝塚市内の貝塚駅-水間観音駅を約5.5キロのルートで結ぶローカル鉄道です。大正時代に営業を開始し、開業90年 (2018年)を超えます。

水間鉄道「貝塚駅」は、南海本線「貝塚駅」と隣接していて、難波駅からは南海本線 和歌山市行きや関西空港行き急行で約30分。

サイクルトレインは日曜のみで、1列車に自転車4台まで利用可能です。なお、サイクリトレインは事前に電話予約が必要ですので、注意してください。

水間鉄道サイクルトレインで行く、史跡と山と海をめぐる夏の半日サイクリングスタート

水間鉄道サイクルトレインで出発

旅の数日前に貝塚駅15:15発に乗りたい旨を電話で伝えて予約をしておきました。連日猛暑続きだったので、日が傾きかける時間帯に出発することに。

旅の当日は、早朝に台風が大阪を通過して暑さも少し柔らいでいたように感じました。

改札で予約していた旨を伝えて、簡単な説明を受けます。(乗車券は一般的な交通系ICも使えます。)

そして短いスロープを上ってホームで電車を待ちます。

電車が到着しても勝手に乗らずに、駅員さんが来るのを待って一緒に乗車。乗車位置は2両編成の一番後ろのドアから。

駅員さんが丁寧にゴムひもで自転車をつないでくれました。

終点の水間観音駅まで2両目のドアは開かないそうなので、他のお客さんの邪魔になることも無さそうです。(台風明けの週末の昼間なので車内にあまり人がいなくて安心)

サイクリングのスタート地点「水間観音駅」に到着

乗車時間はちょうど15分、15:30に水間観音駅に到着。

ホーム脇には、30年ほど前まで実際に走っていた車両が展示されていました。

こちらは水間観音駅の外観です。「水間駅」は旧名称で今は「水間観音駅」となっています。開業当初からの駅舎は水間寺への入り口であることにちなんで寺院風のものとなっており、第一回近畿の駅百選認定駅に選ばれています。

1999年2月には国の登録有形文化財にも登録されています。

まずは「やまとカフェ」で遅いランチ

早速サイクリングスタート!
と行きたいところですが、駅から1.2km漕いだところにあった、「やまとカフェ」で遅いランチをとることに。

窓から池や緑のきれいな景色を見ながら、人気の「ローストビーフバーガー」で腹ごしらえ。
※「やまとカフェ」は、2020年12月に閉店しています。

「水間公園」を散策

店を出た途端、雲が広がり、小雨が降り始めてきました。

すぐ止みそうなので、すぐ近くの水間公園へ。

水間寺の愛染堂が2017年1月1日に「恋人の聖地」として認定されたそうで、公園の「愛染橋」にもフォトスポットがあります。

気付けば、雨もあがって青空が見えてきました。

自転車を停めて「水間寺(水間観音)」参拝

次に訪れたのは水間寺。
水間寺(みずまでら)は、大阪府貝塚市にある天台宗別格本山の寺で、水間観音の通称で知られています。

大阪府の南部(泉州地方)で生まれ育った人なら、遠足や初詣で一度は訪れたことがあると言うくらい、地元では有名なお寺です。

三重塔の右にあるのが本堂。他にも護摩堂(不動尊)、愛染堂、経堂、行基堂(開山堂)など多くのお堂があります。

水間寺を後にし、最初の5.5kmは電車(サイクルトレイン)で楽をしたので、次は苦手な坂道を走ってみることに。目指す(楽した距離と同じ)5.5km先へ向かいます。

かいづか温泉リゾート「ほの字の里」へ

約20分かけて5.5kmを上り、たどり着いたのは「ほの字の里」。

葛城山に程近い山間部にあった旧蕎原(そぶら)小学校の跡地を利用して作られた、山の自然を楽しむことができる施設です。

人気の「森の浴場・ゆの館」や、地元名産の海や山の幸、バーベキューが楽しめるレストラン「彩」と「ガーデンテラス」などがあります。

久しぶりに上り坂を走ったのでかなり疲れた&温泉にも入りたいですが、この先また汗をかくし…と入浴は断念。後は下り坂だけなので、ちょっと休んで次へと向かうことにします。

虹に後押しされて「そぶらの森のレストラン」へ

施設から坂道を降りたとたところで、突然「虹現る!」なんか急に気分が盛り上がってきたので、頑張ってさらに2kmほど坂を上ってみることに。

目指すは渓流沿いにある「そぶらの森のレストラン」。蝉の声と、渓流の音しか聞こえない道を、なんとか約2km上りきりました。

今朝の台風で増水の危険性があったようで、今日は臨時休業。

けど、ここまで上ってきたことに満足感!

ここからは次の目的地の海(二色の浜)まで下り約16km。

現在17:20。

一気に海を目指して坂を駆け下ります。

大阪で有名な砂浜「二色の浜」海水浴場で潮風を感じる

下った先にある、「二色の浜」に到着!

地名の由来は、砂浜の白色と松林の青色の二色からといわれています。ここも南大阪(泉州地方)では誰しも一度は訪れたことのあるビーチだと思います。

古くから海水浴場として地元で愛されてきましたが、平成3年末には、奥行き約200メートル、幅約1キロメートルの白浜のビーチとして整備され、今では市内外から、年間約100万人の人々が訪れているそうです。

海水浴場ならではの風景です。

日本一「夕日100選スポット」が多い大阪府

大阪府はとても小さい都道府県(香川県に次ぐ2番目の小ささ)ですが、海岸線が西側にあるために、夕日がきれいなスポットがとても多く、「日本の夕日100選」になんと11カ所も選ばれています。※この二色の浜の夕日も「日本の夕日100選」に選ばれています。

良い感じに陽が傾いてきたので、今日のサイクリングのラスト、夕日鑑賞を楽しみます。

関空から飛び立つ飛行機のシルエットも夕日に映えますね。

「二色の浜公園 海浜緑地」の夕日

二色の浜公園には、自然海岸の砂浜がある海水浴場と、人口島にある海浜緑地があります。

海浜緑地の正面(南向き)には、関西空港へと続く関空連絡橋が望めます。

夕日が沈む西側には、南国を思わせるヤシの木が続いています。

太陽が沈みきったので、再び海水浴場に戻ると、空はこんな色に染まっていました。

19:30、約4時間の半日サイクリング終了。夏の夕暮れの気持ちいい風を感じながら約2km先の貝塚駅へと向かいました。

夏の半日サイクリングまとめ

今回は暑い夏の午後から、サイクルトレインで少し上りの距離を楽して、約30kmのサイクリングでした。

上り坂の距離は自分(の気分)で調整しながら走れますし、短い時間で、史跡・山・海、そしてグルメも楽しめる中級者にはとてもおすすめのコースです。

サイクルトレインを使うと、貝塚駅でのレンタサイクル利用料が半額になるそうなので、現地で自転車を借りたい初心者の方を誘ってみるのもいいかもしれません。その場合は水間寺散策の後、二色の浜までの約7kmサイクリングを楽しむのがオススメです。

今回もうひとつ感じたのは、「夏のサイクリングは夕方が気持ちいい!」

午後からサイクリングを始めることで、暑い時間帯を避けて快適なサイクリングを楽しめます。夏なら日が長いので、午後からのスタートでも充分に時間を取ることができますよ。また、夕方には素晴らしい夕日に出会えるかもしれません。

【夕日を楽しむサイクリングレポートはこちら】



執筆:YASU

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