【愛媛県】東予港から水の都西条市近郊のソロサイクリング旅
しまなみ海道をはじめとする”サイクリングパラダイス愛媛県”の魅力発信シリーズ。
最終章は名水100選にも選ばれた水の都(西条市)を中心に水に関係する地元西条市の魅力を体感していただけるコースをご案内いたします。関西方面から東予港(オレンジフェリー)を使ったサイクリングロードは、今後、愛媛県の魅力を満喫できるサイクリングコースの1つとなってくることでしょう。
目次
起点は東予港〈オレンジフェリー利用〉
移動は夜行便(下記スケジュール参照)のフェリーを利用。仕事が終わってから移動できるというメリットがあります。フェリーの等級はシングル(8,200円)で予約。通常自転車積載料金が必要ですが、輪行バックを利用していたため、積載料金(1,800円)は不要でした。船の料金は、予約した時期等によって異なりなりますので、以下HPをご参照願います。
◇スケジュール
大阪南港(22:00)~~~~(6:00)東予港 ※船内休憩 7:00まで可能
◇オレンジフェリー 運賃・料金表
https://www.orange-ferry.co.jp/fare-price/kansai/toyo-osaka/index.html
東予港に到着して、周りが暗かったのですが、係員の方が明るくなるまでターミナル内を使ってくださいと声を掛けてくれました。
前半の見どころ
水の都紀行 禎瑞(ていずい)
先ず向かうのは、東予港から約15分の「禎瑞」地区。西条のベネチアと言われる地区で、水路に囲まれた集落です。過去には映画の撮影場所にもなっています。
こちらは西条市禎瑞の一番北にある集落「難波」の堤防から見た風景です。この大石樋は江戸時代の干拓時に製作されたもので当時としては画期的な最新式の技術で作られたことから南蛮樋と呼ばれたそうです。地名も南蛮⇒難波と呼ばれる様になったとか。4か所あったようですが現存はこの大石樋のみです。
さらに石鎚山(いしづちさん)としまなみ海道も見える絶景コースを、堤防沿いに5分ほど走ったところに龍神社があります。加茂川と中山川それぞれ河口が合わさる乙女川の上川に浮かぶように建てられて水の都をイメージした造りになっております。安永7年(1778)に西條藩主が禎瑞新田を開拓。堤防が風や波により度々壊されるため寛政11年(西暦1799年)に海神が祀られたそうです。松の木や石鎚山と美しい風景が見られます。
防波堤に沿いながらゆっくりと進みます。目的地は、愛媛県立西条高等学校です。2月の雲の特徴である少しぼやけた感じがとてもきれいです。
名水「うちぬき」を湛える 愛媛県立西条高等学校
西篠藩主の一柳家の陣屋として築かれた「西篠藩陣屋」跡に建つ学校です。特徴は、名水で知られる「うちぬき」を豊かに表現するお堀です。校内へと続く大手門を周りの木々が取り囲んでいるため、威厳と風格のある歴史的な建物です。
春の桜とツツジの時期は、とても綺麗に彩られると思います。
名水「うちぬき」を表す 野菜の洗い場
西条高校の生徒達と立話をした時に、西条市ならではとのことで、教えてもらった場所にロードバイクを走らせます。加茂川ふれあい広場を過ぎたところにある野菜の洗い場です。畑の横に野菜を洗う場所があり、集荷した野菜を直ぐに洗えるようになっています。しかも無料。高校生の皆さん情報提供ありがとうございました。
野菜の洗い場からペダルをゆっくりと進めて、水都橋を渡ります。本当に空が低く感じられ冬のサイクリングの楽しさを実感しています。目指すは「うちぬき公園」です。
憩いの水場「うちぬき公園」
ここへ来るまでにボトルに水を入れていた5名のサイクリストとすれ違いました。私がボトルに水を入れていた時にも、地元の方々が車で水を汲みにきていました。うちぬき公園は、畑に囲まれている中にある湧水公園です。早速、少し飲んでみましたが、口当たりがまろやかな水でした。水分補給は東予港での珈琲のみで、ボトルは空のままここまで走り、それゆえ喉を潤す水は感動ものでした。
少し離れていますが素敵なレストランを目指し、昼食場所まで休まず自転車を走らせます。
LUNCH TIME
「櫻櫻(さくらさくら)」
今回たまたま居合わせたサイクリストと一緒に昼食を取ることになりました。写真の手前に写っているのは桜クイーンカレーで、奥がエビカレーです。個性的な器に盛り付けられた芸術的なカレーはインスタ映えする立体感と特徴的な食器が食事に花を添えます。
メニューに含まれる珈琲カップは、正直とても重かったです。ランチのお値段は 2,000 円位。カレーはとても美味しいので、少し寄り道になってしまいましたが、来て良かったと思います。
お店の名前のように桜の木々の中にあるお店なので、春にもう一度来てみたくなりました。桜の季節はもちろん、年中訪れたい魅力的なカフェですね。自然に囲まれながらの心地よい時間は忘れがたい思い出となりました。ぜひ皆様も西条市にお出かけの際は訪れてみてください。
後半の見どころ
水の都特集「黒瀬湖」
夜行の船で来た関係で、早めに宿泊施設に行こうと思いましたが「櫻櫻」でランチをご一緒したサイクリストが 、黒瀬湖に行くとのことだったので、水の都巡りの締めくくりとして、湖を目指すことになりました。
正直、多少後悔しましたが、かなり急な坂で私はへばってしまいました。ただ、石鎚山の麓ということもあり、鳥居をくぐった時には、愛媛県に来た感(西日本最高峰の山)がありました。
愛媛県にスキー場があるのは驚きでした。
冬場のため、ダムの水位は低かったです。今日は海から川へ、そして湖までと西条市の水の都ストーリーは完成したような感じがしました。ちなみにこの黒瀬峠は地元のサイクリストの練習場となっていて、さらに奥へとアップダウンを繰り返す道があるようです。ここから一度山を下り、モンベルアウトドアオアシス石鎚店を目指します。
モンベルアウトドアオアシス石鎚(いしづち)店
ランチをご一緒したサイクリストからの情報で、モンベルアウトドアオアシス石鎚店を目指すなら、ローソン西条氷見新御道店から坂を上った方が緩やかだというお話しを聞けたので、トイレと水分補給のため、ピットイン。
「モンベルアウトドアオアシス石鎚店」に到着。お城のような風貌で思わず見入りました。
とにかく広い店内でした。
キャンプ場やクライミングピナクルなどを併設した大型複合施設です。松山自動車道「石鎚山サービスエリア」に隣接しています。
キャンプ道具のレンタルもあるので、夏場はサイクリストの楽しみが広がります。今度は、予約してクライミングピナクルにチャレンジしてみたいです。
道の駅「小松オアシス」・小松おあしす市場
モンベルアウトドアオアシス石鎚店に併設してある道の駅「小松オアシス」へ。
モンベルアウトドアオアシス石鎚店に併設してある道の駅「小松オアシス」にある「おあしす市場」に行きます。西条市の豊かな水で育った生鮮野菜やお土産、特産品が揃っています。
ついつい甘いものが欲しくなり、ぜんざいセットを注文。流石に少し眠たくなってきました。
椿交流館 椿温泉こまつ
モンベルアウトドアオアシス石鎚店の真上にある椿交流館 「椿温泉」こまつです。 今回はここで足湯に入り、少し休んでから宿泊ホテルに向かいます。
足湯から見下ろす景色は爽快です。
終点は「ITOMACHI HOTEL 0(いとまちホテルゼロ)」
宿泊ホテルに到着、少し寒くなってきました。今日は2023年にオープンした「ITOMACHI HOTEL 0」に宿泊です。隈研吾氏が設計を手掛け、自然環境に配慮した日本初のゼロエネルギーホテルです。水の都巡り最終章となる場所です。自転車ラックのあるお部屋を予約していたので、大切なロードバイクを安心して室内で管理&整備できます。宿泊代金は朝食付で 12,000円でした。お得な金額です。
ホテルの敷地内はとても広くお土産屋さんも充実していました。売店をさっと見て、シャワーを浴びてからレストランへ行こうと思います。
すっかり暗くなってしまいましたが、昼食をとった「櫻櫻」に負けないくらいインスタ映えする料理です。
大阪からフェリーの夜行便を使えば、本当に四国を近くに感じます。車で来るよりもはるかに楽です。正直なところ冬はあまりロードバイクに乗りませんが、冬の空がたまらなく綺麗で、西条市に来て良かったとおもいました。冬時期はゆっくり走れるので、テーマ(今回は水)を決めて回ったことも良かったとおもいました。
次回は桜の時期と夏には車のCMで有名なUFOラインにも訪れたいと思います。
まとめ
「サイクリストの聖地」とも呼ばれ世界七大サイクリングロードの一つ「しまなみ海道」はあまりにも有名ですが、その延長線上となる「西条市」も石鎚山の魅力に加えてグルメ、温泉、自然を満喫できる魅力あふれたサイクリングコースが沢山あります。西条市を中心としたサイクリングは、本当に魅力溢れる場所です。
今回は水の都をテーマに西条市の魅力を体感していただけるコースの一部をご紹介しましたが、オレンジフェリーは大阪南港を22時に出発し、愛媛県の東予港に6時到着、帰路も東予港を22時に出発し大阪南港に6時到着という運航時間で計画が組みやすく、全個室化となっており寝ている間に移動できるので、サイクリストにとってはとても相性の良い交通手段です。愛媛県へサイクリングに行く際の選択肢のひとつにぜひ入れてみてください。
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TABIRIN「コース・マップ検索」掲載
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執筆:株式会社日本旅行 松山支店