太平洋岸自転車道実走調査⑪愛知県:豊橋から伊良湖までのサイクリングレポート
2022年秋にナショナルサイクルルートである太平洋岸自転車道を全ルートを実走調査した経験をもとに、その全容を紹介していくシリーズ。前回の⑩愛知県ルート解説に続き、今回は豊橋市内となる静岡県との県境から伊良湖のフェリー乗り場までの実走レポート。
実走調査日:2022年11月15日
DATA
豊橋(静岡との県境)→伊良湖(フェリー乗り場)
距離:50.9km、獲得標高:456m、最大標高:75m
静岡県境から豊橋市伊古部町まで
丘陵地帯に突然現れる静岡県と愛知県の県境。ここから豊橋市だ。「表浜街道」という標識がある。
県が変わったからといって、特別変わりはないなと思っていたら、ここまで見かけることのなかった看板が。これまでなかったような危険な下りなのか!?と身構えたが、たいした勾配ではない。
国道42号から海岸方面に入っていくと、渥美半島名物(?)の「止マレ 下車」の路面標示が。
この案内には渥美豊橋サイクリングロードとあるが、愛知県道497号田原豊橋自転車道線、渥美サイクリングロードなど、いくつかの呼び名がある。
そのサイクリングロードに入る。
こういう、車道の幅に対して広すぎる(?)歩道がある部分は、太平洋岸自転車道の自転車歩行者専用道だ。
橋を渡ったりしながら、森の中の自転車歩行者専用道をたどっていく。
新しくはないサイクリングロードだが、走りにくくはない。一応県道497号になっている。
よくある自転車歩行者専用道は河川の堤防や、廃線跡に作られることが多いが、ここはそのどちらでもない珍しい道路。海は見えない。
豊橋市伊古部町から道の駅あかばねロコステーションまで
ここでルートミスした。画面手前から走ってきて、ここで矢羽根を見ると右方向を指している。
何も考えずに右へ進むと、矢羽根が消える。ここまで自転車歩行者専用道には矢羽根が少なかったので、矢羽根がないことに疑問を持たなかった。
また矢羽根が消えたな、くらいに思って勘で国道42号方面へ進む。
国道に出ると矢羽根があったので、あれ、どこから国道がルートになっていたんだろう?(この時点でダブルルートに気づいていなかった)と思って伊良湖方面に進むと、すぐに左側からサイクリングロードが合流。
先ほど矢羽根に従って右折してしまった場所を左折すると、さらに自転車歩行者専用道を経てここに出たのだ。
国道42号は交通量がそれほど多くなく、走りやすい。
道の駅へ誘導するこの路面標示は、太平洋岸自転車道のシンボルマークと豊橋市の名前が入っているが、ほかではあまり見かけないタイプ。
パームツリーの向こうに海。太平洋ロングビーチだ。
愛知県に入って初めて海を見た。
サーフィンの世界選手権と位置づけられる、ワールドサーフィンゲームスが2018年にここで行われた。管理棟にあるモニュメント。
広い砂浜の向こうに太平洋が光る。
海沿いの自転車歩行者専用道をトコトコ走る。
自転車歩行者専用道から一般道に出る。
道の駅あかばねロコステーション。
道の駅あかばねロコステーションから田原市日出町まで
ここから「止マレ 下車」が続出する。
ここで迷った。矢羽根や誘導看板はない。
太平洋岸自転車道とは無関係の、田原市のルート表示であるブルーラインが右方向へ誘うが、正しいルートは横断歩道を渡った先の細い道。
おかしいなと思ったらMAPを確認するクセをつけないとダメだな。
再び海岸線の自転車歩行者専用道に。「止マレ 下車」も文字が大きくなってきた。
再び国道42号に戻る場所に階段が。愛知県初の階段自転車道だ。
階段の手すり下部にスロープが。
ここに車輪を乗せて押せばラクに通過できる。わざわざアスファルトで広げてある。ありがとー!
再び海沿いへと入っていく。ここも太平洋岸自転車道特有の広い歩道。
あれ、ここは矢羽根が少し小さくなっている。
自転車歩行者専用道から工事中区間をエスケープする形で再び国道に出て、日出の駐車場へ。
そこから内陸に入る。ここはブルーラインに従って右折だが、我らが太平洋岸自転車道の矢羽根はない。
まっすぐ行くと日出の石門で行き止まり。
田原市日出町から伊良湖まで
ここから少し内陸に入り、さらに国道42号をアンダーパスでくぐるルートがあるのだが、あまりに表示がないので不安になり戻ってしまい、その部分を走っていない。
サブルートである国道42号を行くといきなり現れる激坂!
太平洋岸自転車道全線を通じてもっとも勾配のキツい場所だ。100mほどの短い坂だが、勾配は15%くらいある。
そしてその激坂をクリアすると絶景が。恋路ヶ浜、伊良湖岬が一望できる。
じつはこの先でもルートミスしていた。
歩道部分を走る自転車歩行者専用道とのダブルルートになっていることに気づかず国道42号の車道を走っていたのだが、直進がフェリーターミナル、左折が灯台という信号のない交差点で、「そりゃ灯台でしょう」と左折。その先で道はゲートで閉鎖され一般のクルマは通れない。
するとその先で左からルートが合流するのが見えた。そこでゲートの脇を抜けて中へ。これで自転車歩行者専用道のルートに合流できた。
そしてその先は激坂。
伊良湖岬灯台か!? ずいぶん立派になっちゃって、と思って近くへ行ってみたが、これは海上保安本部の伊勢湾海上交通センター。伊良湖岬灯台はひとつ崖下の遊歩道を行かなければ見ることができない。
伊良湖港。篠島と、その奥に知多半島が見える。
フェリー乗り場と道の駅クリスタルポルト。MAPではこの陸橋で国道42号を左折するのがルートだが、ここでは下の道に下りられない。
かまわず直進すると、左に階段があるが、まっすぐスロープを下って駐車場を突っ切ればフェリー乗り場に着く。もう見えているので、ルートはまあどうでもいいか。
ここはフェリーの切符売り場ではなく、篠島、日間賀島などへ行く高速船の切符売り場。ここを抜けていくとフェリー乗り場に。
伊勢湾フェリーのチケット売り場はプレハブの建物だった。
鳥羽まで自転車込みで3100円。
ここで乗船を待った。この乗船口にも矢羽根があればおもしろいのに。
フェリーで鳥羽へ。旅は愛知県を離れ、海路三重県に突入。
国道42号は伊良湖から鳥羽へと続いていて、このフェリー航路は「海上国道」とされている。サイクリスト的には「海上サイクリングロード」だ。
次回は三重県のエリア解説編
執筆:岩田淳雄
愛知県出身、千葉県在住。 |