旅×自転車 記事

【広島県】しおまち海道を走り歴史を感じる港町の鞆の浦を散策する40kmのサイクリング

福山駅から戸崎港までを結ぶサイクリングロードは「しおまち海道」と呼ばれています。
川沿いから海沿いを繋ぐルートで、潮風を感じながら走る事が出来て快適です。そのまま島を渡れば「しまなみ海道」にも行く事が出来ますが、今回は松永駅をゴールとします。

福山駅からスタート

JR福山駅は新幹線も停車する利便性の良い駅です。
駅の北口に出ると、目の前に福山城の姿が望めます。足下を見ると、福山城築城400年を記念して設置された、甲冑を着たカープ坊やのデザインマンホールありますよ。

階段を上ると、福山城全体を見ることが出来るのでスタート前に立ち寄ってみましょう。
天守閣は戦災で焼失しましたが、再建され内部は郷土博物館として歴代藩主の遺品や遺跡の出土品が展示されています。

市街地を走り芦田川へ

駅の南口に回り込み、自転車のブルーラインに沿って走ります。
県道22号に出たら右折し、芦田川に出ます。川に沿って、整備されたサイクリングロードになり走りやすいです。

立派な斜張橋形式の芦田川大橋の下をくぐるとサイクリングロードは終了し、一般道に上ります。

鞆の浦までのルートにはブルーラインの距離標があるので解りやすい。

橋を渡り対岸へ

一般道を進むと河口大橋に出ます。ここから対岸に渡ります。橋は芦田川河口堰に併用された道路橋となっています。

対岸に渡り、少し坂を上ると県道22号に出て左折します。
緩やかな坂を下ると目の前に海が広がり、海岸沿いのルートになります。

菜の花まつりに立ち寄る

海岸沿いを走っていると「エクセル鞆の浦」という施設で菜の花まつりを開催していたので立ち寄ってみました。
瀬戸内海に面した斜面に広がる菜の花畑からは海を眺められる展望所も設置されています。
菜の花越しに瀬戸内海の島が見えるのが良いですね。

江戸時代の雰囲気が残る鞆の浦

菜の花畑から少し進むと鞆の浦エリアに入ります。
旅客船ターミナル横に、鞆の浦の看板があり記念撮影したくなるポイント。

ターミナルからは対岸の仙酔島へ渡る「平成いろは丸」が運行しています。坂本龍馬が運用した蒸気船の「いろは丸」をモチーフにしたとか。

鞆の浦の鯛をいただく

広島県福山市鞆町は鯛で有名な町で、町中に鯛を味わえる店がたくさんあります。
ターミナルの目の前にある「鞆の浦魚処 鯛亭」でランチをいただきます。

一番人気は「鯛めしデラックス」で、ほとんどのお客さんが注文していました。
おひつで提供される鯛めしと新鮮な刺身が絶品です。

歴史を感じる町並みを散策

食事の後は、のんびり鞆の浦を散策します。
まずは坂本龍馬が身を潜めた隠し部屋がある「枡屋清右衛門宅」に立ち寄ります。

江戸末期の慶応3年に起きた「いろは丸事件」の際に、坂本龍馬が数日滞在した商家で、その隠し部屋を一般公開しています。順番に説明パネルがあり解りやすいです。

2階に上ると6畳強の天井裏の隠し部屋がありました。思ったよりも広いという印象です。
ここに坂本龍馬が息を潜めて滞在していたのか…と思いをはせる。

細い裏路地を走る

細い路地を走っていると鳥居が現れます。鳥衾(とりぶすま)型鳥居と呼ばれる石鳥居で、広島県指定重要文化財に指定されています。沼名前神社(ぬなくまじんじゃ)は、海路の安全を祈願するために建立されたとか。

神社を出て左折した先の静観寺の近くに、日本一短いと言われる「ささやき橋」があります。大股で1歩か2歩で渡れそうな短い橋なので、見落とさないように注意してください。

細い路地を自転車で走るのは気持ちが良いですが、人が多い場合は自転車を降りて押して歩く配慮が必要かもしれません。

鞆の浦のシンボル常夜燈

船の出入りを誘導してきた常夜灯は、高さ5.5mあり現存する江戸時代のものとしては最大級!近くで見ると大きさが良く解ります。

対岸から眺めても、なかなかの存在感ですね。

鞆の浦に宮崎駿監督がデザインした町家があるというので立ち寄ってみました。

ここも坂本龍馬談判した歴史ある町家だったそうですが、空き家になり取り壊される寸前だったところ、現オーナーの働きによりレストラン&宿の「御舟宿いろは」として再生しました。その時に協力した宮崎駿監督のデザイン画などが、店内に展示されています。

鞆の浦第一の景勝地

渡船場の近くにある高台に建つ福禅寺対潮楼の本堂は平安時代に建立され、隣接する客殿は江戸時代に建立されました。この場所も「いろは丸事件」の談判場所となり、坂本龍馬も訪れています。

窓枠の上に書かれている「日東第一形勝」とは、1711年に訪れた朝鮮通信使が「朝鮮より東で1番美しい景勝地である」と賞賛した言葉です。
絶妙な高台からの眺めは、ぜひ訪れて見てみて欲しい景色です。

ここで鞆の浦エリアから離脱して先に進みます。鞆の浦は見所が多く、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

走っていると、目の前に赤と青だけの二灯式信号が現れました。なかなか珍しい信号ですね。急に赤に変わるので自転車だと少し焦ります。

崖の上に建つ観音堂

県道47号を上ったピークの分岐を右に進むと、福山グリーンラインという展望道路になります。眺望が抜群に良くて人気のルートですが、今回はそのまま下ります。

坂を下ってすぐの細道を左折。その先で阿伏兎観音(あぶとかんのん)への道標に従い進みます。

細い遊歩道の突き当たりにあるのが阿伏兎観音です。阿伏兎岬の突端に建つ朱塗りの観音堂は臨済宗のお寺で、国の重要文化財に指定されています。

観音堂の通路は狭く海側に床が斜めになっているので高所恐怖症で無くても足がすくみます。
観音堂からの景色も絶景ですが、断崖を下った所にある「足摺さん」という石塔のある場所から眺める観音堂もダイナミックで絵になります。

美しい2連アーチ橋

県道47号に戻り走っていると、田島へ渡る大きな2連アーチ橋の内海大橋が見えてきます。くの字に曲がった橋は、航行水域への影響を最小限にするためとか。

海沿いを走っていると大きな船が見えてきました。常石造船という造船メーカーです。近くを走ると貨物船の大きさが良く解ります。

少し離れた対岸から見てもやっぱり大きい!

松永駅でゴール

松永湾を左手に眺めながら走ります。海が近くて気持ちが良いです。
しばらく走ると市街地になり、長和島南端交差点を左折して直進すれば松永駅です。

コース紹介

▼ふくやまサイクリングロード「しおまち海道」https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soshiki/kanko/154793.html

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

まとめ

福山駅から戸崎港までを結ぶサイクリングロードの「しおまち海道」から松永駅に向けて、沼隈半島を走るルートを紹介しました。戸崎港から尾道に向かうことも出来るので、アレンジも可能です。
鞆の浦は歴史を感じられる場所で、かなり時間をかけて回りたい観光地です。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
ロードバイク・ランドナー・ミニベロなどで、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

 

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