旅×自転車 記事

【アルゼンチン】大統領も御用達、伝統的な手作業で作られたポンチョ工房を見学!〜ベレン 観光 2〜

今回は【Aranitas Hilanderas (アラニタス・ヒランデラス)】という工房を見学してきました!

ここでは、リャマや羊の毛を使ったポンチョを作っていて、その品質は高く、アルゼンチンの大統領も買いに来るそうです。

大規模工場生産が当たり前の世界で、アンデス山脈の麓では、サスティナブルなマテリアルを使い、額に汗を流し、伝統的な手作業で働く人々を見ました。

そんな芸術的な工房を紹介していきたいと思います。また、今回は様々な動物も登場するので、お楽しみに!

【アルゼンチン】日本初レポート!?インカ帝国時代の遺跡、シンカル遺跡を散策〜ベレン 観光 1〜

▲前回の記事:シンカル遺跡

【前回まで】

褐色の大地カファヤテの町から3日間かけて約270kmを走りきり、カタマルカ州<ベレンの町>に到着しました。

ベレンの町周辺には、インカ帝国時代の遺跡や渓谷、リャマや羊の毛を使ったポンチョの生産が盛んであったりと、見所がたくさんあります!

出発

町の中心から、自転車で5分ほどのところにあります。

Aranitas Hilanderas (アラニタス・ヒランデラス)

▲アラニタス・ヒランデラスの工房に到着です。
▲入ってすぐの販売スペースには、製品が並べられています。

ちょうど工房見学ツアーが行われていたので、参加させてもらいました。

▲まずは、リャマの毛皮をきれいにする作業から。
▲全て手作業です。
▲よっていき、糸にします。
▲機織機で編んでいきます。
▲昔ながらの製法ですね。
▲時間のかかる丁寧な作業。
▲この工房は非営利団体で、昔ながらの伝統の技術を守っています。また、女性の働き場所の創出のためにも作られました。
▲できたてのバッグがこちら。
▲外では、また違った製法で作られていました。
▲とても長い織物で、2、3日で完成させるそうです。
▲完成したものがこちら。きれいな色味です。

素材の種類

こちらの工房では、南アメリカ固有の動物の毛を使ってポンチョを制作しています。毛だけを刈って使うため、サスティナブル(持続可能)な素材です。

ビクーニャ

ビクーニャが一番高価で、150milpesos (約16万円)するそうです。

▲ビクーニャ(撮影:ボリビア)

アルパカ

その次に高価なのがアルパカ。現在、工房に取り扱いがないので、値段はわからないとのこと。

▲アルパカ(撮影:ペルー)

リャマ

リャマは、20~24 milpeso(約2万5千円)

▲リャマ(撮影:アルゼンチン)

グアナコ

グアナコは、20 milpesos(約2万2千円) 。ほぼアルゼンチンにしか生息していない、珍しい動物ですが、毛が固いらしく、処理が大変とのこと。

▲グアナコ(撮影:アルゼンチン)

羊は18mil pesso(約2万円)。

▲羊(撮影:ニュージーランド)

僕は、かわいさではアルパカが一番かなと思います。

▲アルパカの子供(撮影:ペルー)

※価格は、2021年10月時点。

ちなみに、アルゼンチンでは、猛烈なインフレーションの関係で、アメリカドルの価値が高騰しており、ドル紙幣が高値で取引されています。アメリカドルの現金を現地で両替して使えば、アルゼンチンの物価は、半額くらいになります。

僕は日本円で旅しているので、大分割高感があります。アルゼンチンを旅する際は、USドルを忘れずに。

▲ポンチョや色々な工芸品。
▲ビクーニャの毛を使ったマフラーと手袋。とても軽くて、柔らかい質感でした。
▲従業員の方が、親切に説明してくれました。
▲素敵な工房で、見学ツアーも無料です。ベレンに来る際には、ぜひ覗いてみてください。

Rua Chaky

▲こちらは、町の中心にある【Rua Chaky】。ホテルも併設されています。

150年以上、家族で経営しているとのことです。

▲きれいな製品。

なんと色を染める染料には、全て天然素材を使っています。

緑はマテ茶、茶色は紅茶 ,オレンジ色はみかん ,黒は炭 ,赤色は*cochinilla(コチニージャ) を染めるのに使っていました。

*コチニージャは、日本名でコチニールカイガラムシといって、サボテンに寄生する毛虫のような虫です。虫体に含まれる色素成分が多いため、インカ帝国時代から養殖され、染料として使われていました。

▲自然のものを使って、これだけ鮮やかな色が出るとは驚きです。
▲植物を直接使って、形ごと染めているものも。
▲描いているのではなく、実際の植物で形ごと染められています。
▲製品は、オーナーさんとその家族で制作されています。
▲こちらも手作業。
▲機織機の模型。
▲こちらは、山羊の毛皮でしょうか。
▲ベレンを訪れた際には、ぜひ【Rua Chaky】にもどうぞ。

ベレン散策

プラザ(中央公園)

▲ベレンの中央公園。

ベレン教会

▲ベレンの中心にある、教会も訪問しました。
▲モダンな作りでした。
▲ビルヘン
▲体の一部を象ったもの、ペンダントか何かに使われていたのでしょうか。
▲イエス像とビルヘン。
▲ちょうどビルヘンが運ばれるタイミングに遭遇。
▲カトリック関係のイベントがあると、ビルヘンは住民に貸し出されているそうです。

ビルヘン・デ・ベレン(Virgen de Belen)

ベレン1番の名所ビルヘン・デ・ベレン へ登ってみました。

▲町の中心からの眺め。上に見えるのがそれです。
▲では、登ってみましょう。
▲木に直接、キリストが掘られています。
▲すっかりお馴染みになった、キリストのストーリー。
▲途中の小屋には、アートが描かれています。
▲1時間弱でビルヘン像にたどり着きました。思ったよりも大きい!
▲ベレン渓谷が見えます。
▲生憎の曇り空ですが、良い眺めです。
▲御供物。
▲背後の山に白い家が見えるかと思ったら、窓の絵が石に書かれただけでした。 小さい頃、「言うことを聞かないと、あの家に住んでいる魔女に連れて行かれて帰ってこれないよ」と、言われていたんだとか。
▲ライトアップされたところで、下山です。

まとめ

今回はベレンの伝統工芸工房【Aranitas Hilanderas (アラニタス・ヒランデラス)】を紹介しました!

Aranitas Hilanderas では、アンデスの伝統工芸を守ること、女性の労働環境の創出のために作られたことなど、時代的背景を感じ、

また、【Rua Chaky】では、150年以上も家族で経営しているという歴史的なものを感じさせられました。

ビルヘンでベレンのトレッキングでは、ベレンの町並を満喫することも出来ました。

ベレンは、伝統的なものを守っていこうとする人々との出会いに溢れた、素敵な街です!

走行マップ

 

▼Hiro インタビュー記事

*旅をサポート頂ける企業、または個人の方を募集中です。特にアウトドア・自転車・カメラメーカー等の企業の方、ご興味あれば、ご連絡ください。

Hiro(津田幸洋 ツダユキヒロ)
自転車旅人。2014 年に日本を立ち、自転車で旅を続けています。オーストラリア、ニュージーランドを経て、アメリカ大陸横断中、COVID-19による、世界パンデミックにより足止めとなり、2021年7月現在は、アルゼンチンに滞在しています。人との出会い、美しい自然、野生動物を探す旅を近日再開を予定しており、旅とともに、訪れた場所の都市情報、見どころ、自転車に関する情報、エッセイ等をTABIRINにて発信していきますので、よろしくお願いいたします。インスタグラム  https://www.instagram.com/yukihirotsuda/
津田幸洋

 

 

  • この記事がいいねと思ったら
    •  0
  •   この記事のご感想はユーザーのみなさま
  • サイクリングレポート(記事下部)
    サイクリングレポート(記事下部)
    編集部おすすめ
    ランキング