旅×自転車 記事

「ツアー・オブ・奈良・まほろば2021(8月21-22日開催)」エントリー受付開始と開催に向けての取り組み

奈良県の南部・東部「大和高原」を自転車でめぐるサイクリングイベント「ツアー・オブ・奈良・まほろば」。今年で8回目を迎えるこの大会のエントリー受付が開始。イベント開催に向けての取り組みなどを実行委員会にお聞きしました。

イベント開催概要と今回の特徴

大会の開催概要は、オフィシャルサイトをご覧ください。

1日開催から2日間開催へ

前回(2019年)開催まで、宇陀市心の森総合福祉公園を会場に3コースで開催されていましたが、今回は土曜日(21日)に、満天ひろばをスタートゴールとした「山添・満天コース」を開催。日曜日(22日)には宇陀市心の森総合福祉公園を会場に「曽爾・御杖コース」「宇陀・東吉野コース」の2コースを開催します。参加者定員は各コース100人。

今まで、スタート地点の「心の森総合福祉公園」で式典を行っていたこともあり、「会場」を分けることが難しかったのですが、式典を中止することによって「開催日」と「会場」を分けるという新たな取り組みができました。

そして土曜日開催の「山添・満天コース」は、今までスタート地点から「満天ひろば」まで距離がありましたが、満天ひろばからスタートできるようになりました。

これにより、参加者は土日で2コースに参加することができますし、いままでイベントでは紹介できなかった山添村内の新しいエリアも楽しんでもらえます。

▲満天ひろば

山あり川ありバリエーションに富んだ「山添・満天コース」

満天ひろばを会場(スタート・ゴール)に、「布目ダム」「フォレストパーク神野山(めえめえ牧場・鍋倉渓)」などをめぐる、初心者や中級者でも満足できる、バリエーションに富んだコースです。基本コース約59km

▲布目ダム

風光明媚な自然を楽しむ「曾爾・御杖コース」

宇陀市 心の森総合福祉公園を会場(スタート・ゴール)に、「曽爾高原」「みつえ高原牧場」「伊勢本街道」などをめぐる、風光明媚な自然を楽しめる上級者でも満足のコースです。基本コース約76km。
今まで曽爾村~御杖村方向へ回っていた基本コースを、今回は御杖村~曾爾村へと逆回りで設定していますので、今までと違った風景を楽しんでいただけます。

▲曾爾高原(曾爾高原)


▲みつえ高原牧場(御杖村)

歴史と自然を楽しむ「宇陀・東吉野コース」

宇陀市 心の森総合福祉公園を会場(スタート・ゴール)に、「宇陀の万葉の里」や「東吉野の川沿い」をめぐる、歴史と自然を楽しめるコースです。 基本コース約58km

▲八咫烏神社(宇陀市)


▲ふるさと村(東吉野村)

各コースのイメージ動画

様々な取り組み

感染症対策への取り組み

今年は参加者を各コース100人に減らしたうえ、2日間開催にすることで、1日に参加者数は100人/200人と、例年より大幅に削減しています。またスタート時の式典なども無くし、受付時間も30分単位で分け、受付システム導入によって、受付スタッフを削減し密集も避けることができます。またスタートを分散させることでエイドステーションの密集も回避させ、地域ボランティアへの感染症対策も強化できます。

スポーツ振興、地域振興への取り組み

「ツアー・オブ・奈良・まほろば」の実行委員会は、地域行政と自転車関連団体で組織されています。
地域行政(県と市村)では、イベントがかなり減っている状況で、県内外の方に自転車を使って楽しんでもらえる取り組みを、スポーツ振興課や教育委員会が担当し、自転車による地域振興を観光部署が取り組んでいます。

安全啓蒙への取り組み

自転車関連団体は、コロナ禍で注目されている自転車を、より安全に、また事故が起きてしまったときにどのように対応すれば良いかを啓発する取り組みを担っています。
自転車の点検や走るときの注意点、そして事故が起きた時の対応を、動画にまとめる取り組みや、サイクリング時に「自分の情報を腕に巻いてもらう」ギグバンドの導入などを検討しています。

コロナ禍におけるイベント開催の苦労

エイドステーション

「ツアー・オブ・奈良・まほろば」は今まで「充実したエイド食」が人気でした。ただ感染症対策を考えると、従来のような提供は難しく、実行委員会で検討を重ねています。
エイド食だけでなく地域物産などを持ち帰ってもらえる参加賞の充実なども含め、参加者に満足していけだけるよう最善を尽くしていきます。

中止になった場合の対応

緊急事態宣言は解除されましたが、開催までの状況により、中止の判断をせざるを得ない場合もあります。すでに大会に向けての費用は発生し始めていますが、開催が近づくにつれてその費用は嵩んでいきます。実行委員会ではいろいろな発注をギリギリまで待ってもらうよう協力要請をし、中止が決定した場合には、その時点で発生した費用を除き、できる限り参加者への返金ができるよう取り組んでいます。

サイクリングイベントの意義

奈良県では古くから、サイクリング愛好者や高校生などの競技団体が活発に活動しており、過去には「ツアー・オブ・ジャパン 奈良ステージ」が開催され、地域の人が国際的な自転車競技を『観る』機会が生まれ、アジア自転車競技選手権大会ではアジアの頂点を狙い世界に飛躍せんとする若人が集い、その後JBCF (全日本実業団自転車競技連盟)レースが開催されるなど『参加』するベースも多方で出来ています。更には、行政とNPO法人の取り組みでパークアンドライド方式のレンタサイクルの社会実験等も重ね『実用性』へも取り組み、今や多くの事業者が自発的に自転車を取り入れています。

それら全てを経験し実績を重ねている県内の行政と団体が、共に実行委員会として「ツアー・オブ・奈良・まほろば」を開催することで、自転車本来の楽しさを地域と共有し、より身近な乗り物としての「自転車」を伝え続けるとともに、子供たちが家に帰って『自転車』の楽しい話題があるまちを形作ることができるため、「イベント開催」は意義のあることだと、話してくれました。

執筆:YASU(TABIRIN編集部)

関連記事


 

  • この記事がいいねと思ったら
    •  0
  •   この記事のご感想はユーザーのみなさま
  • サイクリングレポート(記事下部)
    サイクリングレポート(記事下部)
    編集部おすすめ
    ランキング