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熊にも遭遇。自転車で南米縦断した僕がおすすめする南米3大アメージングルート

ツキノワグマや、鮭の産卵も見ることができるルートから4000mの山越えまで。

走行距離30,000km。北はアラスカ、南はアルゼンチンの最南端まで自転車で縦断しました。
その旅の中で、特に素晴らしかったBest 3 のコースをご紹介します。

1, カシアハイウェイ- Casiar High Way- (Canada)

まずは、カナダはブリティッシュコロンビア州のカシアハイウェイ。以前、メインの国道として使用されていたこの道は、新しい国道が開通したために、現在はほとんど使われなくなっています。そのため、全長700kmのルートには、小さな村 (ディーズレイク) にスーパーマーケットが1つあるだけです。他には、数カ所ホテルや、ガソリンスタンドがありますが、廃墟となってしまった商店や、ガソリンスタンドを数多くみることができます。その反面、人の生活が離れてしまったこのルートには自然が戻り、美しい森林や湖、たくさんの野生動物を見ることができ、アウトドア好きキャンパーたちの間で、知る人ぞ知る最高のルートです。ゴール地点のキトワンガに到着した時には、大きな達成感もありました。

この道では、合計12頭のブラックベアー(ツキノワグマのような種類)や、鮭の産卵、巨大なビーバーダムを見ることができ感動しました。

コース概要 A. アッパーリード~B. ボヤレイク~C. ディーズレイク~D. キトワンガ
総距離 約750km
走行日数 12日間
難易度 上級者

熊出没注意

熊に注意の看板と遠くから見たブラックベアー。

周辺おすすめ ボヤレイク( Boya lake) 

カシアーハイウェイ北部にある、ボヤレイクキャンプ場は、旅中にキャンプをした場所で、Best 3に入る素敵な場所でした。

穏やかな湖の目の前でのキャンプ。水は今まで見たことないほどの、エメラルドブルーでした。

鮭の産卵

つがいの鮭が産卵をしていました。

ビーバーダム

ゴールのキトワンガ

2,  アンデス山脈 (Peru) 

南アメリカの旅で外せないのが、アンデス山脈越えです。中米から、南米に渡り、コロンビア北部の港に到着してから、パナアメリカーナ(国道1号線)を進むと幾度となくアンデス山脈を越えることとなります。その中でも、高地を走っていたのは、ペルーでした。日本では考えられませんが、登山をすることなく、国道を走っているだけで、5000mまで到達する道もあるペルー。さすが、南米の大部分を支配したインカ帝国の首都のあるペルーです。

ペルーの山側では、今でも伝統的な服装に身を包み、昔ながらの生活をしている、アンディーナ(アンデス高原に住む人達の総称)たちを目にすることができます。

この国は高地の割には、道路が考えて作られているようで、傾斜を抑えている印象でした。(距離は長くなるが、勾配は減る作り)そのため、時には、ヒーヒーいいながら、自転車を押し、山越えしていたコロンビア、エクアドルに比べ、自転車を漕ぎ続けながら、素晴らしい景色を楽しむことができました。

のんびりと放牧されている動物たち、日本ではみることのない、キヌアの収穫、少し探せば出てくるインカ時代の出土品、何よりアンデスの山並みが好きでした。

コース概要 A. アヤクチョ~B. アンダワイラス~C. アバンカイ
総距離 約420km
走行日数 7日間
難易度 中級者

アンデス高原の特産品キヌアの収穫期
▲キヌアの花を初めて見ました。

周辺おすすめ アンダワイラス 遺跡 湖

アンダワイラスの町周辺には、フラミンゴも生息するパクーチャ湖や、ほぼ富士山と同じ標高のソンドール遺跡を訪れることができます。

▲パクーチャ湖
▲ソンドール遺跡
3500m越えアンデス高原の景色

 

山奥の小さな村の教会

現地の人々

3, 世界の終わり(Fin del Mundo) フエゴ島(Tierra del Fuego) -Patagonia-(Argentina)

最後は、アメリカ大陸最南端、ウシュアイアの町に着くまでのルートです。ウシュアイアは、日本ではアウトドアブランドの方が有名な”パタゴニア”地域にあるフエゴ島(Tierra del Fuego)を走るルートです。

ウシュアイアはフエゴ島という島にあるので、正確にいうと大陸ではないのですが、大陸最南端として、アメリカ大陸を旅する人々にとって、外せない終着地点(または出発地点)です。

到着する際には、4月初旬の秋になっていたので、雪にも降られ、最後の峠は、雪に覆われていました。しかし、パタゴニアの何もない平原と、とてつもない風の中を走ってきた後に見る、この地の原生林や湖、もうそんなに標高のないアンデス山脈を走るのは、ゴールまでもう少し、と旅の終わりを感じることもあり、忘れられないルートとなりました。

コース概要 A. リオグランデ~B. トルウィン~C. ウシュアイア
総距離 約230km
走行日数 3日間
難易度 中級者

フエゴ島の原生林

周辺おすすめ トルウィン

フエゴ島のリオグランデから、ウシュアイアまでのルートで欠かせない中継地点がトルウィンです。綺麗な湖や、体長1mを超えるトルーチャと呼ばれるサーモンの一種を釣ることができることでも有名です。

20年以上、サイクリストを無料で宿泊させてくれている、パン屋さん、ラ・ユニオンは、学生時代に本を読んでから、行ってみたい場所の一つでした。

▲有名なパン屋さん、ラ・ウニオン。

アメリカ最後の峠

ウシュアイアに到着

▲目前にウシュアイアの町
▲アメリカ大陸縦断の旅ゴール

まとめ

今回は、アメリカ大陸の旅中の心に残った、カナダ、ペルー、アルゼンチンのルートをお伝えしました。

カナダは、豊かな自然と、広大な無人地帯、綺麗な湖、野生動物。ペルーは、南米のハイライト、アンデス山脈。フエゴ島では、雪と原生林の中を走ると言ったように、それぞれの魅力の詰まったコースでした。

皆さんもまた走ってみたいと思えるようないいルートに出会えるよう願っています。

▼Hiro インタビュー記事

*旅をサポート頂ける企業、または個人の方を募集中です。特にアウトドア・自転車・カメラメーカー等の企業の方、ご興味あれば、ご連絡ください。

Hiro(津田幸洋 ツダユキヒロ)
自転車旅人。2014 年に日本を立ち、自転車で旅を続けています。オーストラリア、ニュージーランドを経て、アメリカ大陸横断中、COVID-19による、世界パンデミックにより足止め。2022年旅を再開し、アメリカ大陸縦断を達成しました。現在は、パラグアイからブラジルのリオデジャネイロを目指しています。人との出会い、美しい自然、野生動物を探す旅とともに、自転車、訪れた場所の情報、見どころをTABIRINにて発信していきますので、よろしくお願いします。インスタグラム  https://www.instagram.com/yukihirotsuda/
津田幸洋

 

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