自転車の寿命は何年?買い替えの目安やチェックポイントを確認しよう
自転車には買い替えるタイミングや、寿命があります。
そのため、「まだ大丈夫、まだ乗れる」と思って乗り続けるのは危険です。
そこで今回は、自転車の寿命や買い替えのタイミングについてご紹介します。
愛車をチェックして、安全な走行を心がけましょう。
※ 本記事では、主にロードバイクなどのスポーツタイプを想定して記述しています。
目次
自転車の寿命は?
自転車の車種や使用環境によっても異なりますが、自転車の一般的な寿命は10年程度と言われています。
しかし自転車はフレーム、タイヤ、ハンドルなど、さまざまなパーツが組み合わせられて作られています。
そのため、自転車本体を丸ごと買い換えるのではなく、故障・不具合の起きているパーツのみを交換するだけで問題なく走行できる可能性が大いにあります。
故障によって、自転車本体を買い替えるべきタイミングとしては、修理よりも買った方が安く済む場合となります。
そこで次からはまず、自転車のパーツごとによる寿命のサインをご紹介します。
自転車の寿命をパーツ別にチェック
フレーム
自転車の骨格ともなるパーツがフレームです。
そのため、フレームが折れない限り、他のパーツを交換すれば愛車に乗り続けられます。フレームで見るべき点としては錆がないか、曲がりがないかです。
サビは金属を腐食させている状態のため、当然、その分フレームの強度は下がります。
また自転車のフレームは強度が高く、折れることはほとんどありませんが、ロードバイクなど、線の細いフレームを使用している自転車は注意が必要です。
フレームは外部からのダメージを受けることによって、曲がってしまう場合もあります。
そしてフレームが曲がることによって、強度が下がり、最悪は折れてしまうこともあるのです。
これまで転倒して車体を道路に強くぶつけた経験がある方は、まず、フレームが曲がっていないかどうかを確認しておく必要があります。
関連して、中古でフレーム・車体を購入した方は、フレームの曲がりだけでなく、修理履歴がないかどうかも確認しておきましょう。
フレームの曲がりは自転車屋で直すことができますが、修理後は当初よりも強度は下がっています。
一見して曲がっていないように見えても、修理歴がある場合はフレームが折れてしまう危険性が潜んでいるため、購入時の状態などをあらためて確認しましょう。
なお、強度に関してはフレームの素材によっても変わります。以下代表的なフレームの種類と強度をまとめているため、参考にしてください。
素材 | アルミ | カーボン | クロモリ |
特徴 | 軽量で安価、コストパフォーマンスに優れた素材。サビなどで腐食の可能性も低い。 | 軽量性・強度・振動吸収性に優れた素材。 | 振動吸収性に優れた素材。サビに弱い。 |
寿命の目安 | 3~15年(新品性の性能を保てる期間は3~5年が目安) | 5~10年 | 10~20年 |
重量 | 〇 | ◎ | × |
強度(クラッシュ耐性) | ◎ | △ | ◎ |
強度(強度・剛性) | ◎ | ◎ | ◎ |
柔軟性・そり心地 | 〇 | ◎ | 〇 |
価格 | ◎ | △ | 〇 |
タイヤ
タイヤの寿命がくるとブレーキの効きが悪くなります。
タイヤ表面の溝が浅くなり、地面との間で摩擦力がかかりにくくなるためです。また、摩擦を長年受け続けてゴムにひび割れができると、内側のチューブの劣化を早める可能性もあります。
タイヤの耐久年数は約3年が目安と言われていますが、年数よりも距離を基準に寿命を判断します。具体的には約3,000km〜が寿命の目安とされ、1,000kmを超えた時点でタイヤの走行性が落ちてきます。
ただしサイクルコンピューターなどを設置していない限り、距離を測ることはできませんよね。走行距離がわからない場合は、タイヤの溝が浅くなっていないか、タイヤの表面がすり減っていないかを目視でチェックする必要があります。
チェーン
チェーンはタイヤと同様、3,000kmを走行した段階が交換の目安と言われていますが、チェーンの伸びがないかを確認しておくことが必要です。
チェーンが伸びる原因はチェーンのプレートとプレートを繋いでいる、丸いリンクの周りが削れていく現象にあります。チェーンが伸びると、チェーンのリンクに小さな隙間ができ、チェーンの剛直性が低下し、進行方向に対して左右に振れやすくなります。すると、「歯飛び」という、チェーンがかみ合わずに歯の上をくるくるまわる現象が起こりやすくなります。
チェーンも目視によるチェックが欠かせず、もしチェーンが伸びているようであれば、交換を検討する必要があります。
ブレーキ
ブレーキは、年数が経過するほど劣化が激しくなるため、1~2年程度で交換するのがおすすめです。
速い走行スピードで一気に急ブレーキをかけると、ブレーキに相当な負荷がかかるため擦り減りが激しくなります。
特にブレーキシュー(※)のゴムの表面には溝が刻まれており、溝がなくなるとブレーキが効きにくくなるため、危険です。
※ホイールを挟んでブレーキをかけるためのパーツ
変速機
変速機は、外部からのダメージを受けやすく、年数よりも、変速機に歪みがある、使われているスプリングが弱くなって変速操作が重くなった、変速しにくくなったと感じたら寿命のサインです。
特に転倒した後などは入念なチェックが必要です。
また気付かないうちに歪みが生じていることもあるため、1年に1回は自転車店などで点検を受けておきましょう。
ペダル
ペダルは転倒した際に激しく地面にぶつかるパーツであるため、歪みや破損によって使えなくなってしまうことが多いパーツでもあります。
ペダルの寿命は、カップアンドコーンタイプのペダルであれば30,000〜50,000kmが目安となっています。
また走行中にペダルを回すと異音が聞こえたり、メンテナンス後もベアリング(ペダルのなかの軸をなめらかに回転させる部品)で違和感を感じた場合、交換を検討しましょう。
自転車の寿命を延ばそう!具体的な方法をご紹介
管理方法
特にスポーツタイプの自転車は基本的に屋内で管理するのが望ましいです。
屋外で保管すると紫外線が当たり、タイヤやハンドル、サドルのゴム部分の劣化を早めるからです。
また屋内管理では、スタンドなどを使用し、タイヤを浮かせておく保管方法が基本となっています。
なお、屋内での保管が難しい場合はカバーをかけて保管しましょう。
チェーンやフレームが風雨の影響でサビるのを防いでくれます。
定期的なメンテナンス
自転車の定期的なメンテナンスは、自転車の性能をキープするためにも大切な作業です。
常に良いコンディションで安心した走行を楽しむためにも、定期的なメンテナンスを心がけましょう。以下ではパーツ毎によるメンテナンス方法をまとめているので、参考にしてください。
パーツ | メンテナンス方法 |
フレーム | 長距離走行後、もしくは1ヶ月に1回は硬く絞ったウエスやウェットタオルなどで、フレームの他にバーテープやサドルなどを拭きましょう。拭き掃除だけで落ちない汚れは、バイクウォッシュや薄めた中性洗剤で洗浄します。ヘッドパーツやハブ、ボトムブラケットやシートポストなど、水が入りやすい部分は十分注意しながら行います。 |
タイヤ | 週に1〜2回は空気圧の確認をし、異変などがないかを確認しましょう。 |
チェーン | 通勤・通学で使用しているのであれば週に1回、休日のみの使用であれば月に1~2回を目安に注油を行いましょう。また定期的にチェーンチェッカーや目視によってチェーンの伸びを確認しましょう。 |
ブレーキ | ブレーキシューのすり減り方が左右で偏っている場合は、悪化する前に棒ヤスリなどで削って偏りを修正します。 |
変速機 | パーツクリーナーを吹きかけてからペーパータオルや布で拭き取り、軸部分に潤滑スプレーなどで注油します。チェーンの掃除とセットで行いましょう。 |
ペダル | ペダル本体を水洗いし、ベアリング部分に注油します。なお、ペダルの軸受け部分にに注油してしまうと、なかのグリスが流れだしてしまう恐れがあるため注意しましょう。 |
乗り方にも気をつけよう
自転車の寿命は、乗り方にも大きく左右されます。
上述した通り、外部からのダメージに弱いパーツもあるため、強い衝撃が加わると、自転車の寿命が短くなる場合もあります。
そのため、路肩の段差など、できるだけ衝撃を与えないよう、注意しておきましょう。
自転車の買い替えに適したタイミング
なお、故障に限らず、自転車の買い替えを検討している方は、お値打ち価格で購入できる時期をチェックしましょう。
特にフレームやホイールなどの高価なものは、お得な時期を狙うと安く手に入ります。ぜひチェックしてみてください。
モデルチェンジの時期はお値打ち価格になりやすい
自転車のモデルチェンジは秋の10月〜11月です。この時期は、新モデルが入荷されるため、型落ちのモデルは一気に価格が下がる可能性が高いです。
季節に応じたセールスフェアもねらい目
季節に応じてセールスフェアを開催する自転車の取扱店も多くあります。1月から順に、新年セール、新生活開始のためのセール、ゴールデンウィークのセール、夏季ボーナスのセール、サマーセール、ウィンターセール(冬季ボーナス)、クリスマスセールなどです。これらの時期に購入すると、価格が安くなる、または購入店舗先のポイントが貯まるなどの利点を受けることができます。人気の商品はセール前に予約で完売してしまうこともあるため、狙ったアイテムは早めにチェックしておくことも大切です。
定期的なメンテナンスで安全な走行を!
自転車にはパーツごとに寿命があります。
グレードや乗り方、保管の方法にもよりますが、定期的なメンテナンスを心がければ自転車の寿命は伸ばせます。
また、メンテナンスが習慣化されれば、常に自転車のベストな状態をキープでき、安全な走行につながります。
ただし、万が一走行中に違和感を感じた場合、原因が分からなければ、まずプロによる点検を受けることをおすすめします。
特に初心者の方は、パーツの変形や、衝撃によるわずかな位置ずれに気付きにくいでしょう。
少しでも愛車と長く付き合えるように、こまめにメンテナンスを行い、楽しい自転車ライフを楽しんでくださいね。
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執筆:TABIRIN事務局f