【北海道】片山右京さんと行く日本最北端の地「宗谷岬」を目指す2泊3日350kmサイクリング
元F1レーサーで、現在アジアトップのプロロードレースチーム「TEAM UKYO」代表でもある片山右京さんが、小学生のころから憧れていたのが「自転車で宗谷岬へ行く」こと。

その片山右京さんが、仲間と共に北海道の絶景やグルメを楽しみながら日本最北端の地を目指す、2泊3日のサイクリングツアーに同行させていただきました。
目次
TEAM UKYOと参加メンバー
サイクリングメンバーは、片山右京さん、株式会社Kids com等、事業家のMr.ニシヤマさん、ロードレーサーを目指す小学5年生の番場煌さん、声優でYouTuberでもある おかだまさたかさんの4名。

片山右京さん

番場 煌さん

Mr.ニシヤマさん

おおかだまさたか さん
TEAM UKYOバスで帯同するサポートスタッフと共に撮影スタッフとして同行させていただきました。

1日目:当別町から留萌市(約124km)
スタートは、札幌から北へ約18kmにある「北欧の風 道の駅 とうべつ」。札幌市に隣接する当別町は、美しい田園風景が広がる農業の町で、風景がスウェーデンに似ていることからのレクサンド市と姉妹都市提携を結んでいます。

北欧を思わせる風景を見ながらサイクリングスタート。
最初の休憩は「道の駅 275つきがた」
四季が明確な内陸性気候の月形町は、石狩川がもたらす肥沃な大地を活かした稲作のほか、メロン、スイカ、トマトなどの果菜類や、花の栽培が非常に盛んです。

道の駅 275つきがたには、温泉施設「月形温泉ゆりかご(月形温泉ホテル)」が隣接し、サイクリングの休憩だけでなく日帰り入浴や宿泊も利用できます。
「道の駅つるぬま」でスイーツタイム
道の駅つるぬまがある浦臼町は、札幌市と旭川市のほぼ中間に位置し、広大な田園風景が広がる自然豊かな純農村地帯で、加工用ぶどうの作付面積が日本一を誇り、ワインの町として有名です。

道の駅つるぬまでは、豆乳ソフトクリームで休憩。豆乳をふんだんに使用していて、見た目はバニラのようですが、甘さ控えめですっきりとした味わいです。

「道の駅田園の里うりゅう」でランチタイム
雨竜町(うりゅうちょう)は、ラムサール条約に登録された日本有数の高層湿原「雨竜沼湿原」で知られる自然豊かな町。肥沃な大地と清流に恵まれ、米づくり(ブランド米「雨竜米」)を中心とする農業が盛んに行われています。

ランチの後は、うりゅう米UFOキャッチャーにチャレンジ。

ランチの後は、今日の晩御飯ゲットのために、うりゅう米UFOキャッチャーにチャレンジ!キャッチ出来なかったので、潔く、お店でうりゅう米購入。
「道の駅サンフラワー北竜」で小休止
日本一の作付面積を誇る「ひまわりの里」で有名な北竜町。

ひまわりの里に隣接する道の駅サンフラワー北竜は、2頭の巨大な龍が守る門(北竜門)とオランダ風の建物が特徴です。

美葉牛峠を超えて留萌市へ
のどかな田園風景を走り美葉牛峠(びばうしとうげ)を超えて日本海に面した留萌(るもい)市へ。


一日目の宿泊地は「ゴールデンビーチるもい」。道北エリア最大級の人工海水浴場ゴールデンビーチるもいは、全長1kmにわたる美しい砂浜と、突堤や水中リーフに囲まれた波の穏やかさが特徴です。

1日目は約124km(獲得標高 416m)を走って終了。
日本海に沈む夕陽を見ながら夕食
サイクリングを終えたら、ライダーとスタッフ一緒に夕食の準備。
料理はMr.ニシヤマさんが担当し、道の駅で購入した雨竜米や北海道の食材で腕を振るいます。
日本海に沈む夕陽を見ながら、北海道の味覚を楽しんで一日目が終わります。

2日目:留萌市から天塩町(約117km)
朝もメンバー全員で朝食。留萌市から天塩町を目指します。


留萌市と旧留萌駅
ゴールデンビーチるもいをスタートして、まずは旧留萌駅へ。

JR北海道留萌本線の主要駅だった留萌駅は、羽幌線などが分岐する交通の要衝として栄えましたが、2023年3月末の留萌本線の一部廃止に伴い100年以上の歴史に幕を下ろし廃駅となりました。
かずのこの加工生産量が日本一として知られる留萌市は、ニシンと炭鉱の町として繁栄していましたが、いまは人口減少が深刻化しています。
北海道の美しい自然や海の幸という魅力を感じながらも、この静まり返った駅舎と錆びた線路が残る旧留萌駅には、様々な問題を抱える現実を痛感させられます。
「道の駅おびら鰊番屋」で小休止
オロロンライン(国道232号)を北上して、道の駅おびら鰊番屋。

留萌市の北に位置する小平町(おびらちょう)は、留萌市同様にかつてはニシン漁や炭鉱で栄えましたが、現在はメロンなどの農産物や、ホタテやタコなどの海産物が豊富な地域として知られています。
道の駅に隣接する小平町郷土資料館には、北海道の歴史や自然を伝える展示の一環としてヒグマの剥製が展示されています。

甘エビファクトリーでランチタイム
水揚げ量日本トップクラスを誇る「甘エビ」が有名な羽幌町の、甘えびファクトリーでランチタイム。

甘えび漁船の直営専門店で、イートインスペースやテラスで「えび丼」や「えびたこ丼」、「漁師カレー」などを味わえます。

「道の駅 ☆ロマン街道しょさんべつ」で小休止
海岸沿いの坂をいくつか超えて初山別(しょさんべつ)村へ。

道の駅☆ロマン街道しょさんべつは、日本海に面した絶景スポット「みさき台公園」全体が道の駅として登録された大人気のアウトドア複合型施設です。


人口約900人の自然豊かな初山別村は、ふぐやタコなどの海産物やハスカップなどの特産品のほか、日本海に沈む夕日と満天の星空も有名で、しょさんべつ天文台は、「星を浴びる体験」ができるスポットとして人気です。

「道の駅えんべつ富士見」で小休止
牧場風景を望みさらに北を目指し、道内では比較的温暖な気候を生かした「日本最北の稲作地帯(米どころ)」として知られている遠別町へ。

道の駅えんべつ富士見は、日本海と利尻島(利尻富士)の絶景を一望することができます。

天塩町鏡沼海浜公園で温泉と夕食
北海道らしい真っ直ぐな一本道を走りラストスパート。

天塩(てしお)町の鏡沼海浜公園で2日目約117km(獲得標高739 m)のサイクリングを終了。

公園に隣接する「てしお温泉夕映」は、天塩町営の天然温泉宿泊施設で、日本海に沈む夕日と利尻富士を望む絶景の立地で、ヨウ素を含んだ茶褐色で独特の香りがする「美肌の湯」が特徴です。

温泉で汗を流したらBBQ場で夕食。公園内には多目的交流施設(バーベキューハウス)があり、雨や風を気にせずに屋内でバーベキューを楽しめます。
ここでもスタッフ全員で準備し、Mr.ニシヤマさんの料理で北海道グルメを堪能。


3日目:天塩町から稚内市・宗谷岬(約106km)
当初は3日目とも晴れ予報でしたが、雲行きが怪しくなってきそうな3日目。

旭川から医師の森山寛也さんが合流。5名でゴールの宗谷岬を目指します。


オロロンラインの風車
小樽市から日本海沿いに稚内へと至る総延長380キロの海岸線「オロロンライン」を、天塩から更に『宗谷サンセットロード』へ、日本海越しの利尻富士を直近に見ながら北上。

オロロンラインの風車は、サロベツ原野にそびえ立つオトンルイ風力発電所の巨大風車群。一本の直線道路沿いに28基の風車が約3.1kmにわたって並ぶ風景は圧巻。
本格稼働から20年以上が経過し、設備の老朽化に伴う建て替え計画(リプレース)が進められているため、現在の「28基が一直線に並ぶ光景」が見られるのは残りわずかな期間となっています。
北緯45度モニュメント
サロベツ原野の中を利尻富士を望みながらどんどん北上します。

赤道と北極点の中間地点(北半球の真ん中)である北緯45度線が通過する北海道の道北エリアに設置された記念碑「北緯45度モニュメント」。
道内にはいくつかモニュメントがありますが、幌延町のモニュメントはアルファベットの「N」を斜めにしたような近代的な金属製オブジェが特徴です。

こうほねの家で小休止
少し海岸に出てで利尻富士を眺めたあと、稚内市浜勇知(はまゆうち)にある展望休憩施設「こうほねの家」へ。

ここからついに小雨が降りだします。宗谷岬まであと59m、雨が強まらないことを願いゴールを目指します。

本州・九州の鹿と違って体調が大きい「エゾシカ」にも出会えます。
ノシャップ岬でランチタイム
徐々に雨脚が強くなるなか、野寒布(ノシャップ)岬へ到着。
まずは、新鮮なウニやホタテなどの海鮮丼で知られる樺太食堂でランチタイム。

根室市の「納沙布岬(のさっぷみさき)」と混同されることも多いようですが、ここは「ノシャップ岬」。
雨が降りやまないなか、宗谷岬まで36km!ラストスパートです。

最北端の地「宗谷岬」
宗谷岬への距離表示がどんどん短くなってきます。

雨と風の影響で、6月ながら気温14℃という寒さのなか、17:58ついに宗谷岬へ到達!

宗谷岬は、北海道稚内市にある一般人が淘汰値出来る日本最北端(北緯45度31分)の地です。

寒さを堪えながら、メンバー全員で最北端の地を踏みしめ、それぞれの頑張りを称え合います。


3日目は約106km(獲得標高72m)、距離や獲得標高以上に、雨と風そしてどんどん下がっていく気温と戦いながらの厳しい一日でした。

そして3日間の走破距離は約350km(獲得標高1226m)。数字以上に過酷な道のりでししたが、北海道の大自然やグルメを堪能できる素晴らしい旅でした。
片山右京さんが宗谷岬を目指した意味
少年時代からの夢への挑戦
片山右京さんがF1に出会うもっと前の小学生時代。自転車で遠くへ行くことが好きだった当時、漫画雑誌に連載されていた「サイクル野郎」という自転車漫画が大好きでした。
友人たちと自転車で日本一周に挑む冒険や青春を描いた作品の中でも、北海道に上陸した3人が、それぞれ異なるルートで北海道を一周し、「6月30日の夕日が落ちるまでに、日本の最北端・宗谷岬で合流する」という約束を交わして別行動をとり宗谷岬を目指すシーンは、北海道編のクライマックスにあたる作中屈指の感動的かつ過酷なエピソードだそうです。
自分もその場所へ自転車で行きたい!小学生の頃に夢見た景色を見るためのチャレンジ。それがこのサイクリングのテーマのひとつでした。
最後は雨風という困難のなか、仲間と一緒に「6月19日の夕日が落ちるまでに宗谷岬」のチャレンジを達成しました。

青少年の育成
片山右京さんが校長を務める、子ども向けアウトドア・スポーツ体験「チャレンジスクール」。アウトドア体験や自転車競技などを通じて、「頑張ることは恥ずかしくない」を合言葉に、競技の勝ち負け以上に「失敗を恐れず挑戦すること」「前回の自分を超えるために努力すること」「仲間への思いやり」を育むことを目的としています。
その生徒でもある番場煌さんと共に宗谷岬を目指したことは、未来を担う子どもたちへのメッセージでもあります。


いくつになってもチャレンジ
63歳の片山右京さんは、TEAM UKYOでツール・ド・フランス出場や世界の頂点を目指すほか、世界最高峰エベレストの登頂など、まだまだ世界に向けて挑戦を続けています。
人生の先輩でもあるMr.ニシヤマさんとの宗谷岬は、誰でも「たった一度の人生、いくつになってもチャレンジできる」ことのメッセージです。
Mr.ニシヤマさんの「諦めない精神」も、自分のペースでしっかりペダルを踏んで前へ進むことは、自転車だけでなく人生観につながるメッセージです。

自転車で旅する楽しさ
自分の足で前へと進み、美しい風景や風や音を感じ、美味しいものを食べる「自転車の旅」。それは心と身体を健やかにしてくれます。
TEAM UKYOとして、ロードレース(スポーツとしての自転車)だけでなく、誰もが楽しめる自転車の魅力を伝えて行きたい。それもメッセージのひとつです。

動画レポート
コース紹介
全コース距離:347.6km(獲得標高1,226m)
まとめ
札幌から北上すれば、色々な町と出会い、どんどん移り変わる風景、それぞれの地域の特産や魅力などを知ることができました。北海道サイクリングの魅力を伝えることもでき、協力いただいたスタッフの皆さんにも感謝いたします。
また、3日間サイクリングツアーに同行させていた中で、「挑戦(チャレンジ)する」「諦めない」「育てる」そして「キツイけど楽しい!」「美味し!」という言葉をメンバーから何度も何度も聞きました。
TEAM UKYOが目指す自転車の魅力発信や取組みを、これからもTABIRINとして紹介していきたいと思います。
最後に、スタッフがアドバイスしてくれた「これも北海道らしい景色」の一枚です。
協力:TEAM UKYO
執筆:花田 康

