【静岡県/山梨県】日本&インドネシア交流フジイチ(富士山一周)サイクリングイベントレポート
富士山1周(フジイチ)を舞台に、日本とインドネシアの交流サイクリングイベント「Tour de Fuji-yama(ツール・ド・フジヤマ)」が、2025年4月19日に開催されました。イベント開催の経緯やイベント内容をご紹介いたします。
目次
Tour de Fuji-yamaとは
主催は大阪を拠点に、日本人とインドネシアのサイクリング交流活動に取り組むOGT(Osaka Gowes Tour)。
主に日本在住インドネシア人と日本人のサイクリング交流に取り組んでいますが、インドネシアからのインバウンド需要も増え、多くのサイクリストが日本を訪れています。その中でも、富士山を望むサイクリング需要は年々増加しています。
年に一度でもいいから、インドネシア人サイクリストが来日してサイクリングできるイベントを開催したい。という思いからこのイベント開催に至りました。
インドネシアでは、富士山は「Mt.fuji」や「Fuji-san」より『Fuji-yama』と表現されることが多いため、このネーミングとなっています。
2026年の本格的なイベント開催に向けて、まずは少人数で開催し、参加者の声やスタッフ体制などを検証することを目的としています。
参加者はSNSのみで募集。日本在住のみならず訪日インドネシア人と日本人サイクリストやサポートライダー合わせて30人弱での開催となりました。
サポートライダーは、NPO富士山ごてんばサイクリングプロジェクト(FGCP)が協力しています。
スタートはJR御殿場駅
スタート場所に選んだのはJR御殿場駅前。輪行に便利なだけでなく、車で来る人には周辺に駐車場が多く、前泊者にはビジネスホテルがあるのも便利です。
集合時間は7:30。東京駅を始発で出発したメンバーは7:23に御殿場駅に到着です。
参加受付をして準備が整えばブリーフィング。参加者をスキルに合わせて3グループに分け、それぞれサポートライダーが付きます。サポートライダーとスタッフ(グループ前方と後方にサポートカー)は、WhatsAppアプリで位置情報を共有し、安全管理を行います。
8:00すぎ、各チーム御殿場駅前をスタート。
篭坂峠から山中湖
御殿場駅から富士山方向に向かって走り、道の駅すばしりを過ぎれば、最初の難所篭坂峠を越えます。
峠を越えたら山中湖。ここで1つ目のエイドとして全グループの状況チェックと、補給食とドリンクを配布。
補給食はインドネシアのシリアルバー「Fitbar」、ドリンクは「ポカリスエット」。いずれもこのイベントに協賛してくれた会社からの提供です。
10:50、休憩を終えて各グループ山中湖から河口湖を目指します。
河口湖とほうとう
河口湖畔を走り、湖の北西に位置する「おふくろうどん」でランチタイム。
一軒家の座敷で”ほうとう“が頂けるこのお店は、インドネシアのみならず様々な国のサイクリストや観光客に人気。到着したグループから順に、野菜たっぷりアツアツのほうとうをいただきます。
食事の後は抽選会。サイクルキャップやジャージ、お店から提供いただいたブドウジュースをはじめ、富士山をモチーフにした機械式腕時計など盛りだくさん。
イベントボードをバックに記念撮影をして13:15、順次各グループスタート。
時間に余裕があるグループは、満開の桜を堪能してからスタート。
あさぎりフードパークでスイーツタイム
あさぎりフードパークに着いたグループから、朝霧乳業のソフトクリームで小休止。
周辺は美しい富士山を望む撮影スポットも多く、写真撮影も堪能。
ここからは富士山こどもの国を目指し、約38kmをひたすら走ります。
富士山こどもの国で最後の休憩
長い坂を登り、富士山こどもの国前の芝地で最後の休憩。各グループの状況確認と補給食とドリンクが配布されます。
時間は17:00。日没前のゴールを目指してラストスパート。
御殿場駅で順次ゴール
18:00すぎのJR御殿場駅前、各グループが順次ゴールします。
ゴールでは参加者全員に、完走メダルと完走証、お土産品が手渡され、順次記念撮影をした人から終了です。
最後のゴールは日没時間ちょうどの18:20。全員事故もなく無事にゴールしました。
参加者の声
イベント終了後、SNSに投稿された参加者のコメントを紹介します。
インドネシア人参加者の感想
Tour de Fuji-yamaの運営者は非常によく組織されていて事故がありませんでした。日没前にゴールでき、時間内に終了することができました。
休憩ポイントは、全サイクリストに適していて、ドリンクや補給食、食事やスイーツなど非常に適切だったと感じています。
サイクリストの能力に応じたグループ分けも非常に効率的でした。これによってサイクリストが取り残されることがなく、グループ内はそれほど遅れていないまま走行できました。
また、初心者サイクリストへ対応するサポートカーも配備され安心感がありました。
主催者スタッフは、サイクリング中の様々な調整や、補給食などの提供を非常に効率的に行ってくれました。御殿場サイクリングクラブのスタッフは、ルートを非常によくマスターしていて非常に安心して走れました。
このイベントは毎年開催してほしいです。可能であれば、日本人や他の国のサイクリストをもっと増やして、日本に住むインドネシア人が主催する国際的なイベントになることを願います。
日本人サイクリストの感想
初めての「フジイチ」は、インドネシア人サイクリストの方々との交流サイクリングイベントに参加してきました。 インドネシアの皆さんが良い人ばかりで陽気で、天気も最高で富士山もキレイすぎて楽しすぎる1日になりました!
インドネシア人サイクリストが中心となる自転車チームOGTのみなさんと、地元チーム富士御殿場サイクルプロジェクトのみなさんで運営されたイベント。サイクリングという共通の趣味でつながって、自転車の楽しさを再確認しました。
インドネシアの方々は、多少時間が押してても気にしない(日本人は時間は守るけど遅延したら主催者に文句言うと思う)し、基本「ワッハッハ」と笑ってて見習いたいメンタリティが多々ありました。
一方でインドネシア人向けサイクリングツアーを開催するOGTメンバーは「アイツら勝手だからガイドすると精神的にメッチャ疲れるんだよ!」と、同じ国民のはずなのに日本在住だと考え方がジャパンナイズドされてることに笑いました。
終始富士山が大きく間近に見えるサイクリングは初めてで、日本人でも富士山ってやっぱり新鮮かつ特別なもの。写真もたくさん撮ってもらえて、しっかりした作りのメダルや完走証も参加者の良い思い出になりました。
動画レポート
コース情報
距離:123.5km 獲得標高:2027m
イベントサイト
https://osaka.gowes.tours/fuji/
まとめ
このイベントに撮影とサポートで参加させてもらい、まず富士山を見ながら走ることができるこのコースに大きな魅力と海外に向けての発信力を感じました。
実際、短期間のSNS募集でありながらインドネシアからの訪日エントリーがあったことも驚きました。
イベントの日は偶然にも朝から日没までずっと富士山を望むことができましたが、こればかりは天候次第。どのイベントもそうですが「富士山」がテーマなので、このリスクをどのように対応していくかは課題と感じました。
とは言え、日本人サイクリストのコメントにもありましたが、インドネシア人はみんな明るく親しみがあるので、どんな天候であれしっかり楽しむメンタルはあるとも思っています。
主催者はこのイベントの反省点を洗い直し、この記事をはじめ参加者のSNS発信などによって、2026年には多くの訪日サイクリストが参加するイベントとして開催されることに期待します。
執筆:花田 康