旅×自転車 記事

【栃木県】佐野市にある美しい湧水池や林道を走り洞窟をめぐる58kmのサイクリング

真夏には猛暑になる事も多い佐野市ですが、今の時期は気持ちよい暑さを感じて走ることができます。
日本名水百選に選ばれた出流原(いずるはら)弁天池湧水や林道を走り峠を越えて美味しい“生姜らーめん”を食べ、ちょっとした探検気分を味わえる洞窟に寄り道します。

佐野駅からスタート

JR両毛線と東武佐野線が乗り入れる佐野駅からスタートします。駅を出て県道151号を北上、県道16号を過ぎると市街地を抜け緑豊かな風景に変わります。

北関東自動車道の下を抜けて丁字路に出たら左折します。東武佐野線田沼駅横の踏切を渡ると右手に赤い鳥居の一瓶塚稲荷神社前を通過。
国道293号を渡り、細い住宅街の道を進むと道路が交差する真ん中に塚がありました。説明看板などはありませんが、庚申塔などの名残でしょうか。

あわしま堂の工場直売所

県道66号と201号の交差点を右折して旗川を渡ると、「あわしま堂栃木佐野工場」が見えてきます。

近くで見ると大きくて綺麗な工場です。
工場の1階に直売所があり、あわしま堂の商品を購入することが出来ます。以前はイートインコーナーがあったそうですが、現在は中止しています。

店内は撮影禁止だったので、写真はありませんが清潔感があり色々な種類の和洋菓子が並んでいました。補給食に買っておきましょう。
愛媛県が本社とのことで柑橘類を使用した「水菓子」「もみじ饅頭」や関西で有名な「タルト」なども販売していました。
こちらの直売所では、佐野市のゆるキャラ「さのまる」パッケージの「栗どら」が1番人気とか。

旗川沿いを走り南下。旗川の水も美しかったですが、次に向かう「出流原弁天池」はSNSで「関東のモネの池」と呼ばれる美しさなので楽しみです。

透明度が凄い出流原弁天池

北関東自動車道の下を抜け国道293号に出て小道を抜けると日本名水百選に選ばれている「出流原弁天池」に到着。年間を通して湧出する清水のため透明度が高く、泳ぐ魚が宙に浮いているように見えると話題です。

太陽の光が差し込むと水が青く見えて絵画のようです。最近大雨が降った後でこの透明度なので、濁りが取れた時はさらに素晴らしい事でしょう!

岩からせり出した磯山弁財天

池の近くにある磯山弁財天に上ってみます。入口に風車が飾られて風が吹くとクルクル回って見た目にも涼やか。

朱色の門をくぐり約130段の石段を登っていきます。

少しすると本殿が見えてきます。鎌倉時代に再建された本殿は、釘を使わない「かけつくり」という建築方法で建てられています。

本殿にお参りして、佐野市内を一望する景色を堪能します。階段を上って来た人が見ることが出来る風景です。

林道長谷場閑馬線を越える

県道175号を北上して林道の入口に向かいます。県道66号に合流してさらに北上。
Y字路を右折して進むと途中、朱色の示現(じげん)神社の横を通ります。

田んぼの脇を右折すると林道長谷場閑馬(はせばかんま)線の起点。錆びた標識が良い感じです。

日差しが強く暑かったですが、林道の日陰に入ると脇に流れている小川から冷たい空気を感じられて気持ちが良いです。
斜度はさほど急ではないのでユルユルと上って行きます。

ピークの金原峠で「あわしま堂」で買った栗どらを食べて休憩。下り側の方見晴らしが良いので、ちょくちょく止まってしまいます。

途中で出てきた切り通しは垂直に近い壁面で迫力があります。落石も多いのか路面に小石が多いので注意して下さい。

小さな峠を越えて葛生へ

県道201号に出たら橋を渡り対岸の集落を走ります。川沿いの土手に桜や紫陽花を植えていて緑が豊か。県道345号の交差点から左折して短い坂に入ります。

古越路トンネルを抜け、秋山川を渡って右折して葛生町に入ります。
葛生駅方面の看板に従って走ると「葛の里壱番館」という施設に到着。
市街地活性化を目的とした施設で、1階には飲食店と土産店2階は有料貸出の多目的大小会議室を併設しています。サイクルラックもありますよ。

絶品の生姜らーめん

葛の里壱番館の1階奥にある「麺や赤堀」は、“生姜らーめん”で有名な「小三郎」で修行をして独立した店です。もともと小三郎のラーメンが好きだったので一度来てみたいと思っていました。

細切りした生姜がトッピングされた「生姜らーめん」は絶品!暑い中走って汗をかいたので塩味がしみわたります。
少し大きめな餃子は佐野のラーメン店に多いですね。こちらの餃子も大きくて美味しかったのでリピート確定です。

腹ごなしに宇津野洞窟へ

食後に鍾乳洞がある宇津野洞窟まで行ってみましょう。国道293号に入って道標に従って進むと、石灰工場の向かいに宇津野洞窟があります。

自転車を置いて階段を上って行くと、洞窟の入口はすぐに出てきます。
入洞は無料で内部は部分的にライトアップされています。洞内の温度は15度程度に保たれているそうで、夏に来ると自然のクーラーという感じ。

水が染み出しているので地面が濡れていて滑りやすくなっています。自転車用SPD-SLシューズだと転んでしまうかもしれません。私はSPDシューズでしたのでギリギリ大丈夫でした。かなりへっぴり腰ですが。

地下水によって石灰岩が溶かされて出来た横穴洞窟で、佐野坂東32番札所にもなっています。そのためか洞窟の中に如意輪観音や護摩焚き場という名前がついた場所があります。

石灰岩が溶けて出来た鍾乳石を間近で観られるのが凄い!

小規模な鍾乳洞ですが見応えありました。外に出るとムッとした暑さを感じたので、やはり中は涼しいのですね!夏にオススメ。

道の駅どまんなかたぬま

来た道を戻り、県道123号を南下し秋山川を渡り県道144号を走ります。
東武佐野線吉水駅手前から右折して県道270号に入ると、道の駅どまんなかたぬまに到着です。大きな道の駅なので最後に大休憩します。

入ってすぐの所に2023年4月に設置されたばかりの「さのまるフォトスポット」がありました。佐野のゆるキャラと記念写真が出来て良いですね!

大きな道の駅には和洋食レストラン・農産物直売所・ミニSL・足湯などあり凄い賑わいです。自転車で走った時の楽しみでもあるジェラートやかき氷もありますよ。

気温が高い時は皆さん考えることは同じようで、店には行列が出来ていました。
「ジェラート倶楽部」は、りんどう湖レイクビューのロイヤルジャージー牛乳と北海道の生クリームと地元の食材を使ったジェラート店です。

佐野駅に戻ってゴール

県道16号で東武佐野線を越え、朝走った県道151号に合流したら一気に佐野駅まで。
スタートは北口でしたがゴールは南口へ。

お疲れさま!とでも言ってくれている様な「さのまる」の銅像がありますよ!

コース紹介


■アクセス

電車:JR宇都宮線「上野駅」から「小山駅」でJR両毛線に乗換「佐野駅」下車
車:東北自動車道「佐野藤岡インター」下車

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

まとめ

佐野といえばラーメン!と関東平野の平地いうイメージが強いですが、神秘的な湧水や洞窟、走りやすい林道と峠などがあり、なかなかディープな場所です。駅前は賑わいがあり、少し走ると里山風景が広がる変化を楽しめます。関東から走りに来るのに丁度良いと思いますよ。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
ロードバイク・ランドナー・ミニベロなどで、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

 

 

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