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【埼玉県】冠水橋をめぐる約55kmのサイクリング

埼玉県は県土に占める河川面積の割合が3.9%で、徳島県に続き全国第2位という川の県です。
そんな理由からか、川が増水しても流されにくい冠水橋(沈下橋)が多いです。
冠水橋と呼ぶのは主に荒川水系のようで、全国では「沈下橋」「潜水橋」「沈み橋」などと呼ばれています。増水時に川に沈み、川の流れを妨げにくい構造になっています。そのため造りは木造だったりコンクリートの単純なモノが多くコストがかからないというのがメリットです。
木製の冠水橋は風情がありますが、劣化とともに撤去されたり頑丈な素材で作り直されたりしているので少し残念です。
そんな冠水橋が点在している荒川水系の河川をグルッと走ってめぐってみようと思います。

鶴ヶ島駅からスタート

東武東上線「鶴ヶ島駅」西口から線路沿いの道を走り、県道114号を左折します。東洋大学川越キャンパスを横目に進むと、小畔川(こあぜがわ)に出ます。左折して土手沿いの道に入ります。

土手の道を走っていると、対岸になぐわし公園が見えてきます。この公園の前には桜並木があり、春に走ると綺麗ですよ。

鎌取橋を渡る

県道256号を渡って少し進むと1つ目の冠水橋「鎌取橋」に到着です。
こぢんまりした橋なので、うっかりするとそのまま通りすぎてしまいそうです。
今回紹介する冠水橋で1番短い冠水橋でもあります。

橋面は木製ですが橋脚はコンクリートでシッカリしています。
それでも渡る時にガタゴト音がするので風情を感じられますよ。

小畔川から越辺川へ

国道254号に架かる落合橋を渡り、越辺川(おっぺがわ)へ。落合橋は交通量が非常に多いので歩道で渡るのをオススメします。
橋を渡り左折すると越辺川左岸0km看板があります。

少し進むと右手に真っ黒い建物が見えてきます。ここは老舗醤油蔵「笛木醤油」が運営する「金笛しょうゆパーク」です。2019年にオープンした施設で、レストランやカフェ、醤油づくりを学べる場所です。気になる人は立ち寄ってみては。

彩の国景観賞を受賞した八幡橋

土手を下りて一般道を走り、圏央道をくぐったら左折し川沿いへ。
八幡橋は2022年6月の大雨で一部破損してしまったのと、一部橋脚の腐食が見つかり現在は通行止めになっています。なので、近くから眺めるだけにします。

木造冠水橋なので、様々なドラマや時代劇に使われています。
また渡れるように、復旧して欲しいですね。

白鳥の飛来地

八幡橋から土手の道でも行けますが、細かい砂利道です。平気な人はそのままでOKですが、砂利はNGという人は、土手下の舗装路を進みましょう。

大きな工場横に「白鳥の飛来地駐車場」という看板が見えたら、駐車場に自転車を置いて土手を越えて白鳥を見に行きます。

細い道を進むと河原に出て白鳥の姿が見えました。毎年11月中旬〜3月上旬にかけてコハクチョウが飛来してくる場所です。

かなり近い場所で見る事ができます。白鳥を驚かせないように静かに観賞しましょう。

木造の島田橋

天神橋を渡り右折して再び越辺川の土手道へ。
薄緑の越辺川水管橋をくぐると目の前に赤城山が見えます。

道がカーブすると、奥武蔵の山々もクッキリと見えます。

しばらくすると右手に木造冠水橋が見えてきました。2014年に大雨のため橋が全て流されてしまいましたが、2015年に新たな木造冠水橋として完成した島田橋です。見た目は趣ある木造ですが、裏にワイヤを通し強化されているとか。

この橋も八幡橋同様、多くのドラマや時代劇に使われています。NHK大河ドラマ「新撰組!」「風林火山」「龍馬伝」TBS「JIN-仁-」などなど…ドラマで知っている橋が出てくるとテンション上がりますよね。

川の上流側にあるのは流木避けで、増水した時に流木が橋に直撃しないようになっています。

比企自転車道を走る

国道407号を渡ると比企自転車道に入ります。九十九川沿いの自転車道は埼玉県こども動物自然公園の近くまで続いています。空いていて走りやすいですよ。

こども動物自然公園交差点から一般道に進みます。
岩殿観音参道前を通り、ゆるやかな坂道を上って行きます。

ピークには手作りの峠看板があります。坂を上って峠看板があると嬉しいですよね。
高本山峠から激坂を下ります。こちらから上らなくて良かったと感じさせる坂です。

コンクリートの稲荷橋

坂を下るとすぐに次の稲荷橋に出ます。ここは今までの橋と違い、完全なコンクリート橋です。丸みを帯びたフォルムでドッシリして頑丈そうです。

地元の生活道路として利用されているのか、続々と車が渡っていました。車の運転に自信がない私は絶対に無理!

都幾川にかかる神戸大橋を渡ります。橋の横には都幾川水管橋がありますよ。
橋を渡るとすぐ右折して土手道へ。

土手道が終わると「くらかけ清流の郷」があります。
夏にはBBQを楽しめる施設ですが、現在は都幾川改良復旧事業のため休業しています。

赤い橋脚が目を引く鞍掛橋

鞍掛橋は橋脚が赤い鉄骨製で頑丈そうです。昭和の後期まで木造だったらしいので、橋脚の多さはその時の雰囲気が残っているから?

前の稲荷橋と同様に、車の行き来が激しいですのでタイミングを見て渡りましょう。

キャンプで人気の学校橋

都幾川の土手道を走っていると学校橋河原に出ます。ここはBBQやキャンプが出来る場所で環境美化協力費を支払えば誰でも楽しめます。この日もテントがズラッと並んで賑わっていました。

そのまま都幾川桜堤の道を走ります。春になると桜並木が美しい場所ですが、今はひっそりとしています。

地元の豆腐を使ったランチ

ときがわ町にある一軒家カフェDAYSでランチにします。
民家の奥にあるカフェで自転車ラックもあります。白い壁とグリーンのドアが北欧っぽくてオシャレな外観です。

店内も木をふんだんに使用して暖かみがあります。
テラス席もありますが、今は寒いので店内でいただきます。夏だったらテラス席が気持ちよさそうですね。

日替りランチとお豆腐ランチとカレーランチから選べます。
地元ときがわ町の有名豆腐店2軒の美味しい豆腐を使ったお豆腐ランチをチョイス。
ヘルシーで優しい味だけど、思ったよりボリュームもあり満足感ありますよ。

人工再生木材を使った若宮橋

カフェを出て県道171号を走ります。道なりに走り鳩山町を通過して坂戸市へ。
小山交差点の次にある信号を右折すると高麗川沿いに出ます。そのまま土手に上がると若宮橋が見えてきます。

以前の若宮橋は木造冠水橋でしたが大雨で被害に遭ったため架け替えられました。
新しい若宮橋は人工再生木材(ドゥーザー)という素材で出来ています。

多和目橋と多和目天神橋

高麗川沿いの裏道を走り、東武越生線の踏切を渡ります。
城西大学坂戸キャンパス下にある多和目橋に到着です。

今までの冠水橋と違うのはガードレールの様な柵があるところでしょうか。
橋面は木造なので、車が通過するとガタゴト音が鳴ります。

多和目橋から遊歩道を通ります。ここは自転車から降りて利用するように書いてあるので、押し歩きします。

押し歩きが面倒な場合は、一般道を使って回り込むようになります。
最後の冠水橋「多和目天神橋」に到着しました。木造冠水橋に見えますが、橋脚の一部は鉄製です。それでも木造の風情を感じる冠水橋です。

高麗川駅でゴール

橋を渡り、日高市役所前の市役所通りを進む。途中JR川越線とJR八高線の踏切を渡ると高麗川駅に到着です。

高麗川駅前に漫画「のだめカンタービレ」のカラーマンホールがあるので探してみましょう。作者の二ノ宮知子さんが市内在住という事で市制施行30周年を記念したマンホールが去年設置されました。日高市役所前とJR川越線武蔵高萩駅前にも設置されているので興味がある人はそちらも見て回ってみては?

TABIRINオリジナル モバイルバッテリーバッグ

アプリなどを確認しながら走ると、スマホのバッテリーが不安になります。
そこでTABIRINオリジナルモバイルバッテリーバッグを使用して走りました。

カラーは「ブラック」「ブラウン」の2種類ありますが、私はロードバイクの雰囲気に合わせてブラックです。ストラップで装着できます。革製で高級感もありますね!

一般的なモバイルバッテリーが入るサイズで大きすぎずハンドル操作の邪魔にはなりません。バッテリー残量を心配しながら走らなくても良いので安心出来ますよ。

コース紹介

アクセス
電車:「池袋駅」から東武鉄道東上本線「鶴ヶ島駅」下車
車:関越自動車道「鶴ヶ島インター」から約15分

まとめ

ぐるっと走って8つの冠水橋をめぐるルートを紹介しましたが、もっと足を延ばせば埼玉県にはまだまだ冠水橋が多くあります。
車でめぐると細い道が多く不便ですが、自転車なら楽に行くことが出来るのでオススメです。

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
ロードバイク・ランドナー・ミニベロなどで、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

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