旅×自転車 記事

【わたしのまちの自転車屋】茨城県・笠間市 日本一敷居の低い店を目指して『セーフティショップおおしま』

自然豊かな茨城県・笠間市に店を構える『セーフティショップおおしま』。
自転車を単なる移動手段ではなく、ひとつの娯楽として捉え、店を訪れるお客さんに自転車の魅力を発信しています。自転車店の3代目でありながら、店を継ぐ前は自転車が大嫌いだったという店主の大嶋さんは、当時の思いが今の店づくりにつながっていると話します。

店を継いで初めて気づいた自転車の魅力

大嶋さんが自転車を始めたのは家業を継ぐため実家に戻ってきたのがきっかけだそうで「スポーツ自転車の妙に敷居が高い感じが苦手だったんです。
あくまでも個人的な主観でかなり誤解していた面もありますが、当時はヘルメットにサングラスでピチピチウェアの異様な集団…どこか近寄りがたく一般の自転車屋さんを見下しているような雰囲気がどうしてもあってなんとなく避け続けていました。」と当時のことを振り返ります。
先代まではオートバイと自転車を取り扱っていたものの、“これから先、オートバイでやっていくには難しいだろうな”と思った大嶋さんはこれまで避け続けていたスポーツ自転車に少しずつ目を向け始めました。

「自転車屋の息子でありながら、本当にスポーツ自転車のことは何も知らなかったんです。
だから、まずは自分で乗ってみることから始めました」と大嶋さん。「いざ、自転車に乗ってみると風を切る爽快感や達成感に加え、漕いだ後のご飯がとてつもなくおいしかったり、健康診断の結果が良くなっていたり…と、とにかくいいこと尽くしだったんです」。

「あれだけ嫌っていたもんだから、だれかに見られるのが恥ずかしくて(笑)」。
毎日一人でこっそり朝練を続けていくうちにどんどん自転車の魅力に取り憑かれていった大嶋さん。
「僕自身が自転車のことを好きになっても、お客さんに販売するとなるとやっぱりハードルが高くって。だから最初は『一緒にロードバイクを覚えていきましょう!』というスタンスで、ビギナーの方を集めてサイクリング会を始めたんです。もちろん服装はヘルメットなしの私服で!当時もまだピチピチには抵抗があったので(笑)」。
お客さんと一緒に楽しむことが、大嶋さん自身の自転車の間口を広げる第1歩だったと話してくれました。

「〇〇じゃないといけない」はない

大嶋さんのモットーは「押し付けない、無理をしない、とにかく楽しむこと」。
「サイクリストの間では常識とされることでも、絶対にこうしなきゃなんてことはない。『ビブパンツを履かないといけない』『100㎞は乗れないといけない』といったことはお客さんには言わないようにしています」。

また、自転車はとにかく継続することが大切だと話す大嶋さん。「いつでも好きなタイミングで来てくれたらいい」と、セーフティショップおおしまでは毎週日曜の午前中にサイクリング会を開催し、自転車の扱い方やマナー、整備の仕方をサイクリングを通してレクチャーしています。
また、毎月第2日曜は“ゆるポタデー”と題し、初心者向けのサイクリング会を実施。時速25㎞以下のゆったりとしたペースでポタリングを楽しめるのだそうです。

旅先でのサイクリングから興味をもってもらえれば

「旅行で訪れた人も気軽にサイクリングを楽しめるようにお店ではクロスバイクのレンタルもやっています」。お店のある笠間市は盆地で起伏もあるので、サイクリングにはぴったりなんだとか。
「稲刈り前の黄金色に染まった田んぼの中を走るのは最高ですよ。笠間は陶芸の町なので、笠間焼のお店をめぐったり、陶芸体験をしながらサイクリングするのもいいかもしれませんね」。

まとめ

「少しでもお客さんとの接点を増やせれば」と修理のサブスクリプションなど、新しい試みにも挑戦する大嶋さん。「うちが目指すのは日本一敷居が低い店です」と自転車の魅力を発信し続けます。

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■セーフティショップおおしま
住所:茨城県笠間市笠間1728
TEL:0296-72-0475
営業時間:10〜19時
定休日:火曜、第2・4月曜

■サイクルショップデータ
取り扱い製品 シティサイクル/電動アシスト自転車/折りたたみ自転車/スポーツサイクル
自転車部品/アクセサリー/ウェア
修理・メンテナンス 可
レンタサイクル あり

執筆:高島夢子

 

 

 

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