【神奈川県】清流と新緑を巡る 愛川町・清川村サイクリング62km
神奈川県西部の愛甲郡には豊かな自然と水の郷が広がります。愛川町を流れる中津川、清川村に横たわる宮ヶ瀬湖、そして山間部の清々しい空気。マイナスイオンを浴びながら走るのは爽快です。広大な水田や、美しい渓流と湖、そしてフランス式庭園を巡る、愛川町・清川村のサイクリングを紹介します。
愛甲郡
愛甲郡は一町一村で構成されます。清川村は神奈川県唯一の村で、その全域が「丹沢大山国定公園」もしくは「県立丹沢大山自然公園」に含まれます。また全国「水の郷百選」にも選ばれています。愛川町は段丘に田畑を抱え、町の中央には清流・中津川が走ります。
原当麻駅から内陸工業団地へ
JR相模線の原当麻駅(はらたいまえき)からスタート。折りたたみ自転車を展開し相模川に向かいます。
昭和橋を越えると厚木市です。
橋の袂には「依知(えち)神社」があり、樹齢500年の大銀杏が聳えます。
愛川町に入ってすぐに「内陸工業団地」が現れます。段丘上に広がるこの平地には、かつて陸軍の相模飛行場がありました。その跡地に作られた工業団地は区画が碁盤の目のように整理されています。
水道坂と箕輪耕地
県道63号を北上し、「中津」の交差点で「水道みち」に入ります。切り通しを越えると唐突に視界が開け、そこに「箕輪耕地」が広がります。この坂は「水道坂」と呼ばれます。
「水道坂」から伸びる「水道みち」。この先の水源から採られた水はこの道を通って、遠く横須賀の地まで運ばれていたそうです。
ちょうど水田に水が引かれ、清らかな水鏡や美しい菖蒲を楽しむことができました。「箕輪耕地」は朝の景色も見事ですが、夕暮れ時には水田がオレンジ色に染まって、素晴らしい景観が広がるそうです。
「馬渡橋(まわたりばし)」まで来ると、中津川は渓流の相を見せます。
流れる水は新緑を映して緑色。釣り人がフライフィッシングを楽しんでいました。
オギノパン
「半原日向(はんばらひなた)」の交差点から、短いながらも登坂が始まります。登り切ると「オギノパン」が迎えてくれます。
定番のアゲパンをいただきました。サクサクふわふわの食感がたまりません。
エネルギーを補給したら、宮ヶ瀬湖に向けて再び登坂です。
宮ヶ瀬湖
宮ヶ瀬湖は、中津川を堰き止めて2000年に完成したダム湖。景観スポットには「ダムサイト」、「湖畔エリア」、そして「鳥居原エリア」の3つがあります。
今回は「鳥居原エリア」で一休み。
ここから「宮ヶ瀬虹の橋」が眺望できます。段丘には一面にドウダンツツジが植えられており、時期が合えばカラフルな景色が楽しめます。
「湖畔エリア」で「水の郷大吊橋」を横目に見つつ、県道64号を南下します。清々しい空気に元気をもらえます。
鐡馬厩
山間部が終わりお腹が減っていることに気づきます。古民家カフェ「鐡馬厩(てつまや)」でランチです。
築250年以上の古民家をリノベーションした店内。とても雰囲気があり、ゆったり過ごすことができます。
「角煮定食」をいただきました。とろとろの食感と優しい味が体に染み渡ります。地元産の美味しい卵を使った「卵焼き定食」や、「手打ちそば」もオススメ。夏はかき氷も楽しめます。
お店の一角にはオーナーのハーレーが置かれています。
相模川と道保川緑地
国道412号を南下。「座架依橋(ざかえばし)」を渡り、今度は相模川に沿って北上します。道沿いの樹木の中を、木漏れ日を受けながら走ります。
「鳩川」が合流するポイントで右折すると「道保川(どうほがわ)緑地」が現れます。散歩道と川の高さが近いからでしょうか。小さな緑地であるにも関わらず、自然を満喫できる気がします。
相模原公園
河岸段丘を登ると「相模原台地」です。JR相模線を越えたところに「神奈川県立相模原公園」があります。園内にはフランス式庭園や菖蒲園、大温室などの施設が整備されています。フランス式庭園では、噴水を囲むようにメタセコイヤの並木が配置され、その造形美に驚きます。
メタセコイヤの葉が風になびき、木漏れ日が揺れていました。公園を少しだけ散策したら、スタート地点の原当麻駅に戻り、サイクリングは終了です。
コース紹介
距離:61.7m
まとめ
愛甲郡は、豊かな自然に囲まれた水の郷。中津川と宮ヶ瀬湖を巡れば、マイナスイオンを肌で感じ、清流と新緑を存分に楽しみながら走ることができます。山間部を走るのでアップダウンはありますが、その分、平地に比べ気温も低く感られます。暑さが疎ましく感じられるこれからの季節、心身のリフレッシュを兼ねて、愛川町と清川村にサイクリングに出かけてみてはいかがでしょうか。
執筆:Shin
東京都府中市在住。会社員。週末は、四季折々の美しい色彩を求め、折りたたみ自転車「Brompton」で輪行旅を楽しむ。愛車購入を機に始めたInstagram(@knowcarma)では、多くの人に自転車と自然を楽しんでもらえるよう、旅の景観や体験を発信している。 |