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記事タグ: レポート

【茨城県】神栖(かみす)市 電動アシスト自転車 体験乗車会

【茨城県】神栖(かみす)市 電動アシスト自転車 体験乗車会

2021年11月13日(土)、茨城県民の日に、神栖市で高齢者に向けた「電動アシスト自転車体験乗車会」が行われました。
「働く方の健康づくり」や「環境にやさしいまちづくり」を目指す一環として、市内の60歳以上の方たちのスポーツ大会「かみす健康スポーツまつり」会場でのイベントをご紹介します。

神栖市の取り組みについて

神栖市は、茨城県の東南部鹿島地域にあり、太平洋と利根川に面した県境にある市。
東京からは100km圏内、成田空港からは30kmほどのところに位置しています。

神栖市は、自転車の利用促進による「働く方の健康づくり」や「環境にやさしいまちづくり」を目指しています。
「神栖市自転車活用推進計画」のコンセプトは、「国内有数の工業地帯かみすにおける自転車フレンドリーなまちづくり」で、鹿島臨海工業地帯を擁するため、通勤時の渋滞緩和や働く人たちの健康維持・増進、環境負荷の低減に取り組む必要があるとしています。

電動アシスト自転車 体験乗車会

神栖市にある神之池(ごうのいけ)緑地公園 陸上競技場では、市内の60歳以上の方たちのスポーツ大会「かみす健康スポーツまつり」が行われ、その会場のすぐ側で体験乗車会が開催されました。
朝、スポーツまつりが始まるころに体験乗車会も始まりました。
最初はスポーツまつりの受付と間違われてしまうこともありましたが、良い宣伝になったのか、徐々に体験乗車会の申し込みにも列ができます。

体験希望者には、受付で注意事項を読んだうえで参加用紙に名前などを記入していただき、タブレット端末を利用した電動アシスト自転車の使い方、乗り方、自転車走行のルールなどの動画を視聴してもらいます。


約10分の動画は、ブリヂストンサイクルが作成したものです。皆さん真剣に視聴されていました。

動画の視聴が終わったらヘルメットを被ります。
後ろにつまみがあるヘルメットです。つまみで調整するタイプのものを初めて被ったという方がほとんどで、中には付け心地に感動されている方もいました。
体験乗車では、ブリヂストンの電動アシスト自転車に乗っていただきます。

「電動アシスト自転車」にも色々な種類がありますが、用意したのは20インチと、24インチのタイヤが小さめのタイプで。車体の重心が低く、安定感があります。
また、足を高く上げる必要がないので高齢者にも優しい作りになっています。

絶妙なカラーリングとサイズ感に目を奪われました。可愛いです。この自転車で出かけたら鼻歌を歌ってしまいそうです。

そして、道幅約5m、片道約25mのコースを往復。 スタッフが側について安全には十分な配慮。


体験後は、感想など簡単なアンケート用を記入し、神栖市のサコッシュなどのお土産をお渡しして体験乗車は終了です。

まとめ

体験された方の中には、普段から自転車に乗るという方もいれば、「自転車にのるのは50年ぶり!」「自転車に乗ったことがない」という方もいて様々な方に電動アシスト自転車の乗り心地や魅力、どんなものなのかを知っていただく良い機会になりました。さらに、動画などを通して安全に乗るための意識を再確認していただけたのではと思います。

幅広い世代の人が自転車を活用できるようになり、小さい子供から高齢者まで安全に安心して自転車に乗れる街が増えていくといいですね!

執筆:水越恭子

【オーストラリア】オージーの国民食!ミートパイを求めて走る「ヤタラパイ」ライド

【オーストラリア】オージーの国民食!ミートパイを求めて走る「ヤタラパイ」ライド

オーストラリアの名物料理と聞くと、どのような食べ物を思い浮かべるでしょうか?
多国籍・多民族のオーストラリアではいわゆる「オーストラリア料理」と呼ばれるものはほとんどありません。
ですが、人種・国籍問わず広く国民に愛される食べ物はあります。その一つが「ミートパイ」です。オーストラリアの味を求めて、往復34km自転車で走って来ました。

オーストラリアのミートパイとは?

オーストラリア人にとってミートパイは言わば「国民食」。円形で1人分サイズの冷凍パイはスーパーでも定番の食品です。日本でも外資系のまとめ売り大型スーパーなどで売られているので見たことがある方もいるかもしれません。
冷凍品でも十分美味しいのですが、やはりローカルのお店で手作りされたパイほど美味しいものはありません。特に、オーストラリアのワインの名産地、バロッサバレー(南オーストラリア州)の赤ワインといただくと絶品です。

中でも有名なのが、Yatala Pies(ヤタラ・パイズ)。
市内から南へ約40km行ったヤタラという地域にあるローカルのパイショップです。

ヤタラ・パイズは130年以上続く老舗であり、ブリスベンからゴールドコーストへ向かう高速道路パシフィック・モーターウェイ(通称M1)の出口沿いという便利な立地。
高速道路の38番出口の案内標識には Exit Yatala Pies と、「ここで降りて!」と言わんばかりに明記されているほどです。

週末ともなると、近隣住民はもちろん、車で遠方から買いに来る常連客でにぎわいます。
私も2017年のオーストラリア留学から帰国後、「オーストラリアの味」として「やたら」食べたくなるのは、いつもここのパイでした。

「IKEAローガン店」を目印にスタート

スタートはブリスベン市の南側に隣接するローガン市にある、IKEAローガン店から。日本にもIKEAはありますが、オーストラリアでもIKEAの家具や雑貨は大変親しまれています。

ちなみに日本語では「イケア」と発音しますが、英語では「アイケア」の音に近い発音です。最初に聞いた時は「eye care!? 眼科のこと⁉?」と勘違いした思い出があります。
車社会のオーストラリアは、日本のように市内と店舗を結ぶシャトルバスは走っておらず、皆、自家用車で来てそのまま持ち帰るのが一般的。そのため駐車場も広々としています。

ちなみにここ、IKEAローガン店は、ローガンサイクリングクラブの土曜朝ライドの発着場所にもなっています。
毎週土曜日の朝7時になると、老若男女、ローガン市内各所から20〜30名ほどのサイクリストたちが集まってきます。

皆でエクササイズがてら30kmほど走り、IKEAに隣接するカフェでコーヒーを楽しんで解散する、というのが定番スタイルです。

ゴールドコーストへと続く自転車ルート「V1」をたどって

ブリスベン〜ゴールドコーストまでは主に幹線道路M1沿いのサイクリングルート「V1」を通って行きます。
このルートはクイーンズランドの中でも「アイコニック・サイクリングルート」と位置づけており、サイクリストにも人気のコース。年に1回開催されるクイーンズランド州最大級の自転車イベント「ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ」のルートにもなっています。


自転車専用道・車道と並行するバイクレーンを組み合わせたコースで、要所要所に「V1」を示す標識が立てられています。

▼M1沿いには主要スポットの標識も立っています。

IKEAローガン店から5km地点、巨大ショッピングモール「ハイパードーム」が見えてきました。

オーストラリアのショッピングセンターはだいたいどこも同じようなスーパー、日用品店、飲食店のフードコートが入っているのですが、なんといっても施設も駐車場もビッグサイズです。広大なオーストラリアの大地をここでも感じます。

ちなみに、日本でもおなじみの「バーガーキング」はオーストラリアでは「ハングリージャックス」の名前で呼ばれています。

自転車でゴールドコースト方面へ向かう場合、イーグルビー(Eagleby)というエリアでいったんM1沿いを東方向に離れ、再びM1沿いに合流し南を目指していくことになります。
とはいえここにも自転車ルートの標識はあるので心配は無用です。

スタートから12km地点、イーグルビーに入り、ゴールドコーストのメインビーチ、サーファーズ・パラダイスまでの標識が見えてきました。

しばらく走ると住宅街に突入。
道沿いの民家の前に、赤・黄色のフタとキャスターが付いた大きなプラスチックのゴミ箱が並んでいます。一見業者用ですが、実はこれ、オーストラリアの家庭用のゴミ箱なんです。

クイーンズランド州では、週に一度、家の軒先にこのゴミ箱を出しておくと、回収車が来て回収してくれるシステム。ちなみに日本のように手作業ではなく、車体に付いた巨大アームで掴み取り、中身をゴソッと回収車の中に放り入れる仕組みです。

ヤタラ・パイズに到着!

イーグルビーの住宅街エリアから再びM1沿いの道に戻り、ようやくヤタラ・パイズの赤い屋根が見えてきました。

IKEAローガン店から漕ぐこと約17km。
ラウンドアバウト(ロータリー)を回り、ヤタラ・パイズに到着です。

店内とテラスに席があるのでお店での飲食も、持ち帰りも可能です。
店頭のショーケース越しにお揃いのユニフォームを着た店員さんに口頭で注文を伝えます。


店の奥には厨房があり、パイが次々と焼き上がっていく様子が見えます。どれも美味しそうで見ているだけでよだれが出そうです。

定番は「ステーキ&マッシュルームパイ」(1人前$6.4)。
サクサクとした焼きたてのパイ生地の中に、黒胡椒の刺激が効いたマッシュルームとオージービーフがギュッと詰まって食べごたえ満点です。

惣菜系のパイだけではなく、アップルパイや、バニラクリーム、カスタードクリームがたっぷり入ったスイーツ系のパイも充実しています。
この日はアップル&クリームパイをフラットホワイトと共にテラス席でいただきました。
ステーキ&マシュルームパイはメッセンジャーバッグに入れてお土産に。

ちなみに、カタカナ英語では「イートイン」「テイクアウト」という表現が一般的ですが、オーストラリア英語ではそれぞれ “Dine in” , “Take away” と言います。店頭で “Dine in, or take away?” (店内飲食、持ち帰りどちらですか?)と聞かれたら、スムーズに答えられるようにしたいですね。

ファミリーサイズもあり、こちらは$19と手頃なのも家族連れに人気の理由かもしれません。

ドライブスルーも可能で、ブリスベン〜ゴールドコーストのドライブの道中に立ち寄るお客さんも多く見られます。

お腹を満たしたところで再びIKEAローガン店を目指し引き返します。
公園内の自転車専用道を折り返しながら、美しい夕焼け空が見えました。

▼暗くなってきたら車道沿いのバイクレーンより自転車専用道を通るのがより安全。

▼公園内にはスケートボード・BMXの練習場も。

▼夕焼け空に浮かぶ “Goledn M” のサイン。

ライド土産はIKEAのタラコチューブ

パイのお土産が入ったメッセンジャーバッグを背負いつつ、せっかくなので、IKEAの食料品コーナーでお土産を見繕うことに。

IKEAの食料品コーナーは、スウェーデンの珍しいお菓子が買えるのはもちろんですが、北欧の特産品でもある、サーモンの切り身など魚製品が手頃に手に入るのがうれしいポイント。

ブリスベンは肉と比べると、魚はどうしても割高なので、家具・雑貨ではなく魚目当てで買い物に来るIKEAユーザーも。

特にここのタラコチューブはトーストやパスタに気軽に使えて便利です。ライド後に塩気が欲しい時にももってこいです。

コース紹介

まとめ

国内外問わず、旅は出会った人、見た景色はもちろんですが、食べた味もまた、旅の印象に大きく影響を与え、思い出に残るものではないでしょうか。ガイドブックに出ている有名なレストランももちろん美味しいですが、ローカルなお店こそ、その土地の人柄や文化が垣間見えて面白いものです。ブリスベン・ゴールドコーストにいらした際はぜひ、ヤタラ・パイズを食し、「オーストラリアの味」の記憶を旅の思い出として持ち帰ってもらえれば幸いです。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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【広島県】あたりまえの風景から広島の力強さを感じる「sokoiko!広島 PEACE TOUR」

【広島県】あたりまえの風景から広島の力強さを感じる「sokoiko!広島 PEACE TOUR」

「ガイドブックに載っていない旅」をコンセプトに、ここにしかないストーリーを感じることができるツアー「sokoiko!」
広島市のまちなかを巡る「sokoiko!広島 PEACE TOUR」では、広島市のシェアサイクルをはじめ、電動自転車を利用します。
電動自転車なので、体力に自信のない方でも安心してツアーを満喫することができます。

集合場所の平和記念公園レストハウス

梅雨明けの強い日差しの中、木陰に避難し、参加者の紹介とツアーの概要説明をしてもらいます。

「広島の地名の由来は?」「どうやって発展してきた街だったの?その背景にあったものは?」「本日のコースの狙いは?」など。
わずか数分で引き込まれてしまうガイド・トビーさんの話術に感動しながら、sokoiko!ツアーの世界にいざなわれていきます。

レストハウスから少し歩いてレンタサイクルのポートへ

この日は広島市のシェアサイクルを利用しました。

隊列走行のルールのレクチャーを受けて、いよいよツアー開始。ツアー参加者全員の「sokoiko!」号令で本格スタート。

スタート地点から広島城周辺へ

かつては、時代の流れから軍の重要な拠点としての顔をもっていた広島。現在は様々な建物に囲まれている広島城ですが、明治時代には全く違った景色が広がっていたそうです。

広島市中心部に投下された原子爆弾。この爆風や熱線を受けながら残った建物などを被爆遺構といいます。

「被爆鳥居」と「なぜか爆心地の方角に向かって成長する被爆樹木」
広島市内にはたくさんの被爆遺構が残されており、そのそれぞれから当時の物語や被害の大きさを感じることができます。

この写真に写る風景にも、「街づくりの中心となった広島城」「戦後復興の中でできた高層ビル群」「広島平和都市記念都市建設法の中で様々な人の思いとともに変化してきたまち」
など、広島を語る上で重要な多くのまちの要素が隠されています。

広島が舞台のマンガ「夕凪の街 桜の国」に登場する河川敷は、週末になると多くの人がここでバーベキューやスポーツを楽しんでいます。

トビーさんお気に入りの景色。

ここにも戦前、戦後、現代まで様々な時代に作られた広島があります。

平和記念公園

ここでいったん平和記念公園に帰ってきました。

ここまで、戦前・戦後・現代の広島を見てきましたが、もう一度、1945年8月6日 8時15分に何が起こっていたのかを振り返ります。

その時、広島のまちなかにいた人たちが見ていた景色はどんなものだったのか。
平和や戦争、8月6日に対する学びについての向き合い方が、少し変わるお話を伺うことができました。

広島のまちなかを南北に貫く「丹下ライン」

「平和記念公園のデザインを手がけた丹下健三氏がデザインに込めた想いとは?」

平和記念公園から広がった南北のライン、そこには時代を超えて紡がれてきた想いが形となって現れています。

ここから観光地エリアを少し離れて住宅街へ

ここでは、原爆投下直後に広島のまちを何とか助けよう、支えよう、前を向かせようとした人たちのストーリーに出会うことができます。

赤十字原爆病院は、たくさんの失われた命、でもそこには救おうとした人の想いや行動もあったということを気づかせてくれる場があります。

原爆投下からわずか3日で運転を再開した広島の路面電車。

ここにも、原爆投下直後からなんとか生きていこう、広島を支えていこうとした方々の力強い想いを感じることができるエピソードがあります。
参加者で感想を共有してFinish!みんないい顔でツアーを終えることができました。

コース紹介

まとめ

少し重いテーマのツアーなのかなと感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、このツアーを通して、力強く発展してきた広島には、つらい状況を何とか乗り切ろうとしてきたたくさんの「あたたかさ」があったことを感じ、それを知ることで、自身が広島というまちにかかわりを持てたことを誇りに思うことができました。

広島で暮らす人、仕事に来た人、観光に来た人、それぞれが知ってほしい広島を当たり前の風景から伝えてくれます。
ガイドさんの広島愛、ツアーへの想いに触れながらめぐるこのツアーは他にない唯一無二の体験です。

sokoiko!ツアーは広島市以外でも各地で展開されています。今回「平和」が大きなテーマでしたが、地域によってテーマはそれぞれ。
ぜひ普段とは一味違った自転車ツアーをsokoikoツアーで体験してみてください!

sokoiko!
https://www.sokoiko-mint.com/jp/

執筆:AKO

静岡県出身。大学時代は大阪で過ごし、現在は社会人として広島在住。
大学時代に自転車の撮影に関わったきっかけで、サイクリングの魅力を知り、広島での休日を自転車で楽しんでいます。
愛車は、輪行旅にも便利な折り畳み自転車「CARACLE-S」。

南米のスイス「サン・カルロス・デ・バリローチェ」をサイクリング

南米のスイス「サン・カルロス・デ・バリローチェ」をサイクリング

アメリカ大陸を縦断中、これまで通ってきた、褐色の乾いた大地とはひときは違った、素敵な町に到着しました。そこは、アルゼンチン一番人気の観光地、国立公園でもある綺麗な湖があり、ハイキング、釣り、スキーなどのたくさんのアクティビティーを楽しむことができます。

「南米のスイス」バリローチェの町を紹介します。

バリローチェのまちって?

サン・カルロス・デ・バリローチェ。通称バリローチェは、人口12万人の町ですが年間80万人の観光客が訪れる、アルゼンチン屈指の観光地。国立公園でもある湖、ナワル・ウワピが眼前に広がるきれいな町です。夏季には、湖と、ハイキング。冬は、スキー、スノーボードを楽しむ人々で賑わいます。美しい山並み、湖がまるで、スイスのようだということで、「南米のスイス」と呼ばれています。

多くのドイツ人移民が移り住んだ影響で、美味しいチョコレートを味わうことができ、夜には、地元のクラフトビールを飲むことができる、バーが立ち並びます。

アルゼンチンのネウケン州から、リオネグロ州に入ると、バリローチェの町に到着します。

バリローチェに着くまでの約200kmの道のりは、「カミノ・デ・シエテ・ラゴス」と呼ばれる、景色の綺麗な山道です。「7つの湖の道」という、直訳でその名の通り、たくさんの湖沿いを走るルートで、3日間かけて、キャンプをしながら、走り切りました。

 

3週間の滞在となった、バリローチェの町は、アルゼンチン滞在の一番のおすすめスポットです。

 

レンタサイクルを借りて、バリローチェの町を散策

バリローチェには、いくつかのレンタルバイクショップがあります。

その一つ、ジュラシックバイクスで自転車を借りて、サイクリングに出かけます。

 

店名 Jurassic Bikes
住所 A. Panozzi 63 L3, San Carlos de Bariloche, Argentina
営業時間 月〜土: 9:00 ~ 19:00
日   定休日
価格 終日(9~19時)2,500 ペソ
5時間 1,800ペソ
2時間 1,200ペソ
1時間 800ペソ
website https://instagram.com/jurassicrental?igshid=YzA2ZDJiZGQ=

※2021 年2月時点。

バリローチェの中心部

モニュメント・ヘネラル・ロカ<地図A地点>

バリローチェ観光の起点となる場所です。眼下にナワル・ウワピ湖を望むヘネラル・ロカの銅像が目印です。

ヘネラル・ロカは、元アルゼンチンの軍人で、2度大統領を務めた人物。

ツーリストオフィス

木造と石造のミックスが綺麗な、ツーリストオフィス。<地図B地点>

ナウエル・ウアピの聖母大聖堂<地図C地点>

カトリック様式の大聖堂で、ナワル・ウワピ湖のほとりにあり、外部はドームを備えたシンプルなネオゴシック様式、内部は、ビザンチン時代のステンドグラスなどがある古典的なつくりとなっており、新旧の調和がとれた美しい建物です。

 

エル・モノリート<地図D地点>

高さ15mの記念碑。バリローチェの湖沿いの道を進むときには、何km地点で曲がるとか、何kmのビーチといったように、km表示で、説明されることになりますが、ここはそのkm0地点。モニュメントのあるプラザと同様に、町の中心となるスタート地点です。

アート工房

バリローチェに到着する際に立ち寄った工房。金属のリサイクル品で作ったアートを購入することができます。

来る途中で、折れてしまった、自転車のキャリアを溶接して直してくれる優しい店主でした。

フクオカショップ<地図E地点>

メインストリートにあるフクオカショップは、中国人経営の雑貨屋さんの店構えなのに、どうしてフクオカなのかと思い、中へ入ってみました。

店名の由来は、サスティナブル農業の第一人者である福岡正信さんにちなんで「フクオカ」という店名にしたそうです。

福岡正信さんは「引き算の農法」という、自然農法の実証・検証・確立をおこない、世界中を歴訪された方で、本も出版されていて、農業の本でありながら、哲学書でもあり、アルゼンチンでも尊敬されている日本人の一人として知られているそうです。

 

綺麗な建物たち

森林資源が豊富なバリローチェでは、これまではみることのなかった、木材を多用した、建物を見ることができます。

スケートパーク

バリローチェ周辺の湖

ナワル・ウアピ湖

国立公園でもある、ナワル・ウワピ湖は、バリローチェの町の象徴。

全長70km、最大幅10.2km、表面積557km²、最大深度464 mという、巨大な湖で、パタゴニア地方を代表する場所の一つです。

澄んだ水、島々、そしてそれを取り囲む風景は、アルゼンチン南部で最も魅力的な場所のひとつであり、国内外の観光客を惹きつけています。バリローチェの町もこの湖を囲むように作られています。

プラヤ・モレノ

町の中心部から12kmのモレノビーチ。

 

プラヤ・ボニータ

中心部から8kmのボニータビーチ町から、近いビーチなので、たくさんの人が訪れます。

 

シークレットビーチ

このビーチは、知る人ぞ知るビーチで、小さいですが他のメインビーチより人が少なく、風も吹かないため穏やかでした。中心部から16km。

 

グティエレス湖

グティエレス湖<地図F地点>は、バリローチェの南側に位置し、風が比較的弱く、水も澄んでいます。

アルゼンチンの音楽

タンゴ

夜は、バーでタンゴの演奏を楽しむことができます。タンゴは、アルゼンチン の代表的な音楽です。

右側の人は、バンドニオンという楽器を演奏していて、以前は、日本でも演奏していたそうで、日本語も少し話していました。CDをプレゼントしてもらいました。

パーカッションアフロ

パーカッションアフロは、アフリカの太鼓です。アフリカから、ブラジルに伝わり、それから、アルゼンチンに伝わりました。アフリカ特有のリズムで演奏することもあれば、ラテンミュージックに合わせて、演奏することもあります。

バリローチェの食

マテとメリエンダ

アルゼンチンといえば、マテ茶。人々は、出かける際には、必ず、マテを持って出かけ、それぞれのお気に入りの居場所で、友人たちと談笑しながら、または、ひとりでゆったりとした時間を楽しみます。パンと、レバーパテと共に。

マテ については、以前、詳しく記事にしてあるので、そちらもご覧ください。

ページが見つかりません。 - TABIRIN(たびりん)
ピザとクラスフビール

アルゼンチンは、イタリアからの移民が多いため、ピザが国民食と言っても過言ではありません。バリローチェ名産のクラフトビールと一緒にどうぞ。

ベジタリアン料理

フードトラックも各所に点在しています。

チョコレートとアイスクリーム

バリローチェは、ドイツから伝わった製法での本格的なチョコレートとアイスクリームも味わうことができます。

ラパ・ヌイ(Rapa Nui)

アルゼンチンで一番美味しい、チョコレートを味わえるのがここ、ラパ・ヌイです。

マムーシュカ(Mamuschka)

可愛らしい、マトリョーシカが目印のマムーシュカ。

バリローチェ周辺のアクティビティー

バリローチェでは、数々の自然の中で楽しめるアクティビティーも外せません。

スタンドアップパドルとカヤック

ロッククライミング

釣り

トルーチャと呼ばれる、サーモンのようなの魚を釣ることができます。

まとめ

今回は、美しいバリローチェの町を紹介しました。夏には、湖とビーチにハイキング。冬は、深い雪に覆われ、たくさんのスキー、スノーボード客が訪れます。

毎日、湖や、ハイキング、自転車などのアクティビティーを楽しんでいたため、予定よりも長い滞在になってしまいました。

皆さんもアルゼンチンを訪れる際には、バリローチェの町を訪れてみるのはいかがでしょうか。

▼Hiro インタビュー記事

【インタビュー】自転車旅人「津田幸洋」さんのプロフィールに迫る!
2014年5月に日本を出発して以来7年世界中を旅している「津田幸洋(つだ ゆきひろ)」さんに、TABIRINでは、リアルタイムの自転車旅の情報や、訪れたまちの自転車情報や都市情報また、エッセイなどの記事を執筆いただくことになりました。今回は、第1弾として、津田さんの「これまで」の自転車旅と「これから」の自転車旅の予定についてご紹介します。 ソルトレイクシティー(アメリカ合衆国)プロフィール名前津田 幸洋よみがなつだ ゆきひろ何年生まれ昭和60年出身地福岡県福岡市プロフィール父親は、漁師で漁師町で、幼少期を過...

*旅をサポート頂ける企業、または個人の方を募集中です。特にアウトドア・自転車・カメラメーカー等の企業の方、ご興味あれば、ご連絡ください。

Hiro(津田幸洋 ツダユキヒロ)

自転車旅人。2014 年に日本を立ち、自転車で旅を続けています。オーストラリア、ニュージーランドを経て、アメリカ大陸横断中、COVID-19による、世界パンデミックにより足止め。2022年旅を再開し、アメリカ大陸縦断を達成しました。現在は、パラグアイからブラジルのリオデジャネイロを目指しています。人との出会い、美しい自然、野生動物を探す旅とともに、自転車、訪れた場所の情報、見どころをTABIRINにて発信していきますので、よろしくお願いします。インスタグラム  https://www.instagram.com/yukihirotsuda/

津田幸洋

【愛媛県・広島県】高速道路を走る日本最大のサイクリングイベント「サイクリングしまなみ2022」

【愛媛県・広島県】高速道路を走る日本最大のサイクリングイベント「サイクリングしまなみ2022」


参加人数が6000人を超える大規模サイクリングイベント「サイクリングしまなみ」。しまなみ海道の高速道路部分を交通規制して自転車で走るイベントとして2014年に初開催され、以降全国のサイクリストから絶大な人気を集めています。その2022年大会が、4年ぶりに開催されました。

「サイクリングしまなみ」は、大規模大会が4年に1回、規模を縮小した中規模大会がその中間に開かれています。つまり前回の大規模大会は2018年、そのあとの中規模大会が2020年(コロナ により中止)でした。今回は国内46都道府県(青森県からは参加がありませんでした)から、そして海外33の国と地域から、合計6191人が出走する盛大な大会となりました。

コースは合計8ルート

愛媛県の今治市と、広島県の尾道市を結ぶしまなみ海道。サイクリストにはサイクリングコースで有名ですが、一方では高速道路(西瀬戸自動車道)として地域のインフラや観光をになう幹線道路です。その重要な道路を通行規制して行うこの大会は、地元でも一大イベント。何日も前から高速道路通行止めの告知をするなどして、地元が一体となって大会をバックアップしていきます。

大会コースは今治をスタートして尾道まで、または尾道から今治までをワンウェイで走るコース、そして今治・尾道を往復するコース、さらには途中で折り返すコースや弓削島などのゆめしま海道へ立ち寄るコースなど、30kmから140kmの全8コース。人気のあるコースはあっという間に定員に達して抽選になってしまう、参加競争倍率の高いイベントです。

今回参加したのは、今治をスタートして大三島まで高速道路を走り、下道で大三島を周回して、おなじみのしまなみ海道(高速ではないルート)で再び今治へ戻ってくる100kmコース。もっとも盛り上がる今治の会場を楽しみながら、アクセスにもすぐれた人気ルートです。

エイドステーションは4カ所。どんなエイド食が振る舞われるのか、楽しみです。

早朝からクルマで指定された駐車場へ、そこから少し走ってスタート地点の今治ICへ向かいます。最初のゲートで腕にラバーバンドを巻いてもらいました。

いよいよ高速道路を走ります

インターチェンジに入っていく道路が待機場所。ゼッケン順にグループで待機したあと、いよいよスタートを迎えます。合図とともに料金所のゲートを抜けて高速道路に。ついに始まりました!

愛媛県警バイシクルユニットからも4人が参加、実際に走りながら参加者をサポートしていました。これを警察官のコスプレだと思っていた方。ホンモノですから。

走り始めてすぐ、道路沿いには応援の人がこんなに。

来島海峡大橋手前。左側に見えるのは立哨スタッフを運ぶバスと、テントはトイレ。とにかく驚くほど立哨やエイドステーションスタッフなど多くの人が関わっています。

しまなみ海道でいちばん大きな橋、来島海峡大橋。ふだんはクルマでしか走れない道路ですが、この日ばかりは自転車の占有です。

橋などに見られる道路の継ぎ目には、自転車がハンドルをとられることのないよう、すべてカバーがかけられています。このためにものすごい数のカバーが用意されました。

来島海峡大橋に、中村時広愛媛県知事たちのグループがやってきました。中村知事はじめ、湯﨑 英彦広島県知事ら、エリアの首長たちが数多くこのイベントに参加しています。

高速道路上のコースのところどころに配置されたAEDと空気入れ。このボランティアさんは、しっかりAEDの扱い講習を受けているそうです。

高速道路ではない、通常の自転車道を走りながら撮影していたレースカメラマンとしても有名な辻啓さん。「疲れるよー!」と言いながら高速を走る参加者を抜く激走ぶり。今回は大会オフィシャルカメラマンとして活躍していました。

大三島のインターチェンジで高速区間は終わり。あっという間です。

エイドステーションは大行列

最初のエイドステーションは多々羅しまなみ公園。そこには長蛇の列が。なんだろう?と思ったら、エイドのドリンクやフードの列でした。ガマンして並ぶと、ドリンクやパン、せとうちのミカンゼリーなどがもらえます。


なんで頭にアヒルつけてるんですか?と聞くと、「仲間がすぐにわかるように目印でつけたんですけど、集まると目立ち過ぎますね」

事前に購入できる大会オフィシャルジャージを着て参加のご夫婦。素敵です。

大三島上浦の「海道夢太鼓」による演奏で参加者を応援。獅子舞も披露された。

地元の方々の応援が素晴らしすぎる

エイドステーションを出て、大三島を時計回りで一周します。電光掲示板には高速道路通行規制の表示が。

海岸沿いを快適に走る。ブルーラインが引かれているのがしまなみ海道の正規ルートだ。

ルートミスしやすい場所には標識を持ったボランティアさんが。ありがとうございます。

この開放感。まさしくサイクリングの聖地。

モトマヴィック発見。今日は大三島を巡回しながら、メカトラブルにあった参加者をサポート。ありがとうございます。

素晴らしい景色のなかを走る。途中の写真スポットで脚を止めて撮影する参加者もたくさんいた。この大会はグループ走行をしなくてもいいので、自分のペースで走れるのがいい。

沿道には地元の人たちがスティックバルーンを振り鳴らしながら応援してくれている。こんな光景がほぼすべての集落で見られました。感動です。

昼食は地元高校生の吹奏楽演奏を聞きながら

第2エイドは大三島支所。ここでしっかり昼食をいただきます。しまなみのイベントでは定番の鯛めし。
いっしょにいただいたパンは、四国乳業らくれん牛乳を使った「ミニクリームパン」。パッケージにイベントのマーク入り。ファミリーマートで中四国限定販売されたものです。

エイド会場では恒例の地元高校生による吹奏楽。みんな制服が違うところを見ると、今治市の各校選抜かな?

大三島支所エイドを出て、またしても絶景のなかを走ります。

島を一周して、最初のエイドだった多々羅しまなみ公園に戻ってきました。ここには「サイクリストの聖地」碑があり、今回は渡らなかった多々羅大橋をバックに記念撮影ができます。多くの人が立ち寄って休憩していました。

路面に発見したのは、ナショナルサイクルルートのペイント。
「日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルート」としてビワイチやつくば霞ヶ浦りんりんロードと同時に最初に認定されたのがしまなみ海道サイクリングロードです。

第3エイドは南国気分

次のエイドステーションは道の駅「伯方S・Cパーク」。Sはスポーツ、Cはカルチャーを意味するネーミングだそう。海岸にはパームツリーが並び、南国イメメージが漂います。

ここで提供されたフードはレモンジュレ、伯方の塩羊羹などのスイーツ類。そろそろ疲れてきた参加者のために、マッサージのサービスもありました。

ここでちょっと小ネタを。参加者がバイクに付けて走ったフロントのゼッケン。
この裏にはなにやら基板のようなものがプリントされている。じつはこれが今回の計測チップ。従来の回収型(タイラップでフロントフォークに取り付けるタイプ)だと、どうしても返却もれがあるので、回収しなくていいこういったタイプが今後は多くなるんだそうです。
自転車のイベントで使われるのは初めてだということでした。

伯方・大三島大橋を渡り、じわじわと今治に近づいてきました。

そして現れた大島名物(?)の心臓破りの坂。ルート後半になって現れた長い上り坂に、歩いてしまう参加者もいました。

よしうみバラ公園で最後の補給

最後のエイドステーション、よしうみバラ公園に到着です。ここまで来ればゴールまでは時間の問題。
ゆっくり休憩する参加者がくつろいでいます。島じゃこ天、焼豚、冷凍ブルーベリーなどで最後のエネルギーチャージ。

ゴールも近いということで余裕ができ、ビューポイントには多くの参加者が脚を止めています。
写真を撮らせてください、と声をかけたら、そのなかのひとりがカッコいいポーズをキメてくれました。来島海峡大橋をバックに大会公式ジャージが映える!

名物のループを抜けると、いよいよ来島海峡大橋。行きは高速道路部分を走りましたが、帰りは自転車歩行者部分を走ります。
高速部分の交通規制はすでに解除されています。だんだん夕方の光線になってきました。

感動のフィニッシュは今治の市街地で

来島海峡大橋を渡ってしばらくすると、今治の市街地へ。
フィニッシュラインに近づくと、一般道を車線規制してサイクリストを安全に導いてくれます。

そして今治市の広小路で感動のゴール。こうして市街地にフィニッシュするのは今回が初めての試みなんだそうです。

フィニッシュラインを越えると、そこには大行列が。こ、これはなんの行列なんでしょうか?
その行列のいちばん先にあったのは、大会の記念パネル。みんなここで記念撮影したくて、列を作って待ってたんですね。
でもこの行列、きっと待ち時間1時間はあったんじゃないかな。次回はパネルの数を増やしてくださーい。

フィニッシュラインを過ぎると、さらにアーケード街のなかを走るように誘導されます。

そして現れたのが、ステージやブーステントが立ち並ぶ「どんどび芝っち広場」。
ここがフィニッシュ後のイベント会場です。ステージではトークショーやダンスパフォーマンス、県警音楽隊の演奏などが行われ、テントではフードが配られています。
航空会社のANAが提供していたスープは、飛行機の中で飲むのと同じものだそう。

メインのガッツリフードは、数々の賞を獲得した今治のB級グルメ「今治焼豚玉子飯」。これがボリュームもあって暖かくてうまい!

グループで参加した愛媛信用金庫のみなさん。

今治市をイメージしたPRマスコットキャラクター、バリィさん。今日はハロウィーンバージョンでの登場。
NHK松山放送局のブースでは弱虫ペダルのパネルを設置。

会場にはライドを終えて楽しそうに仲間と一日を振り返っているグループがあちこちに。

円座になってフードをほおばっていたグループ。走ってみてどうでしたか?「地元の人たちの声援がすごくて感動しました。また次回も来たいです!」

リンク

▼サイクリングしまなみ2022
https://cycling-shimanami.jp/

▼道の駅多々羅しまなみ公園
https://toll-road-rest-stop-261.business.site/?utm_source=gmb&utm_medium=referral

▼道の駅伯方S・Cパーク
http://imabari-shimanami.jp/hakata/

▼よしうみバラ公園
https://www.city.imabari.ehime.jp/kouen/yosiumi/

まとめ

参加人数、規模とも日本最大のサイクリングイベント。
しかも高速道路を止めて自転車を走らせるという、どう考えても無茶なイベントをやり遂げるエネルギーが大会全体からあふれ出ている。
これが「世界のしまなみ」の原動力なのだと思い知らされました。
そして海沿いの景観や橋を渡るダイナミックさなど、しまなみのサイクリング環境は別格なのだと改めて思いました。
また参加者たちがそれを思いっきり楽しんでいるのが印象的でした。また4年後は別のコースを楽しんでみたい。
そしておそらくさらに進化しているであろう「しまなみ海道」と「サイクリングしまなみ」に会いにきたい。そう強く思わされました。

▼イベント情報

大会名:瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会 サイクリングしまなみ2022
開催日:2022年10月30日(日)
開催地:愛媛県今治市・上島町 広島県尾道市
主催者:サイクリングしまなみ2022実行委員会

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓蒙活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

【大分県】ハワイチームが日本を観光×サイクリングツアー〜中津から耶馬渓〜

【大分県】ハワイチームが日本を観光×サイクリングツアー〜中津から耶馬渓〜

2022年10月下旬、大分県北部で「大分おんせんライドツアー」が開催されました。
外国人向けツーリズムを手掛ける東京の旅行会社が県内で初めて主催したものです。

ハワイからサイクリングチームを招き、県北部の観光スポットを巡り、日本や大分の歴史と文化に触れながら全180㎞のサイクリングを楽しむツアーです。
ツアーの一部にあたる「中津市から深耶馬渓」のコースと「深耶馬渓から別府市」のコースを3日間に渡って取材してきました。

初回は、ツアー初日と「中津市から深耶馬渓」までの約50kmのコースツアーをレポートしていきます。

日本文化でおもてなし〜神社やお城、家庭料理で


ツアー初日はバス観光です。
ハワイのサイクリングチームは、大分県北部に位置する宇佐神宮や中津城といった日本の歴史に触れていました。

中津城を見学後、中津市がおもてなしのセレモニーを開催。
日本らしい文化の剣舞やお琴を披露しました。

サイクリングチームのメンバーも着物を羽織りお琴を体験。
貴重な体験に喜ぶメンバーの素敵な笑顔が見られました。

ゲストハウス「すえひろや」でウェルカムパーティー


セレモニー後、中津城からほど近い場所にあるサイクリスト向けゲストハウス「すえひろや」に移動し、ウェルカムパーティーが開かれました。

ウェルカムパーティーでも日本の文化を楽しんでもらおうと茶道、日本の家庭料理であるしゃぶしゃぶや餃子作りをサイクリンググループに体験してもらうスタイルのパーティー。

和気あいあいと料理を楽しむ姿が、初対面とは思えないほどアットホームな空間でした。
明日からはいよいよ長距離の「大分おんせんライドツア」ーがスタートします。

大分おんせんライドツアーのはじまり~「中津市から深耶馬渓」50kmコース


サイクリング1日目。
中津城を出発し、深耶馬渓にある宿泊先に向けて、観光や体験を楽しみながらサイクリングをするツアーです。

観光では耶馬渓にある「青の洞門」「羅漢寺」を、体験では農家民泊でファーム体験や日本の伝統餅つきを行います。
深耶馬渓までの道のりは、起伏の激しい山道も待ち構えるコースです。

中津城でサイクリングツアー出発式


小春日和の青空のもと、サイクリングチームは、日本のサイクリングガイド松永皓史さんを先頭に、列となって自転車で中津城へやってきました。

中津市の職員と中津市のゆるキャラ「くろかんくん」に出迎えられます。
「くろかんくん」に頬を緩め、緊張感がありつつも、どこかにこやかな表情のメンバーたちでした。

出発の前に、中津城横にある中津神社でサイクリングツアーの安全と成功を祈って参拝をしています。

中津城から青の洞門へ


出発式を終え、市の職員方からの温かい声援に見送られ、中津城を出発しました。
ここから一般道を約20〜30kmの速さで走っていきます。
まず目指すのは、中津市耶馬渓にある「青の洞門」です。

歴史ある「青の洞門」

禅海和尚が手で掘ったことで有名な青の洞門。

耶馬渓の歴史が感じられる観光スポットです。秋には紅葉が美しく、水のきれいな山国川(やまくにがわ)が流れており、観光客で賑わいをみせます。

青の洞門をくぐるサイクリスト


サイクリングチームは、出発してから約1時間後に青の洞門をくぐりました。
時速20〜30kmとはいえ、目の前を通過するスピードはとても速いです。

サイクリングチームは青の洞門で休憩し、禅海和尚像の前で記念撮影を行いました。

山と川の自然を感じながら羅漢寺へ

自然が美しい道路を通りながら向かう次の場所は羅漢寺です。

車の交通量も少なく、のどかな景色を堪能しながら羅漢寺に向かいます。

日本三大五百羅漢「羅漢寺」

巨大な岩山の中腹に位置する羅漢寺は、「青の洞門」から車で5分ほど走ったところに位置します。
今から1300年以上も前にインドの僧侶が修行したことが始まりとされる寺で、日本最古の五百羅漢が安置されています。
羅漢寺の隣には「古羅漢」といわれる山もあり、トレッキングをすることもできます。

「羅漢寺」を観光


羅漢寺駐車場に到着したメンバーは、シューズを履き替え羅漢寺に向かいます。


羅漢寺まではリフトを使い、英語が堪能な日本人ガイドさんとともに羅漢寺を観光。
羅漢寺からの見晴らしは、日本人の私でも圧倒される美しい景色です。

赤みがかった紅葉と日本らしさを感じる門に「It’s beautiful!」の声が聞かれました。

次はお楽しみのランチ!向かうは農家民泊の「みどりさん家(ち)」です。

「みどりさん家」では、ファーム体験や餅つき体験を行います。

「農家民泊みどりさん家」でファーム体験と餅つき体験


農家民泊みどりさん家に到着すると、スタッフの方や市の職員の方など多くの人が拍手で出迎えていました。
サイクリングチームは早速畑へ移動し、芋掘り体験を行います。



さつまいもの他、大根やピーナッツも収穫しており、野菜が穫れるたび「ワー!オー!」と笑顔と歓声が上がりました。

畑のバックも素晴らしい景色です。

お待ちかねの和食ランチタイム


ファーム体験のあとは、日本食でランチタイム。
中津名物のからあげや野菜の煮物、中津特産の牡蠣「中津美人」が振る舞われ、サイクリングでの空腹を美味しい料理で満たしました。

杵と臼で餅つき体験


食事を楽しみながら、次は餅つき体験です。
まずは日本人が杵と臼で餅つきをしてみせます。

興味津々で写真や動画に収めるメンバーもいました。
次はメンバーたちが体験します。

少しぎこちなさのある餅つき、杵と杵がぶつかる音に笑いもおきました。

教わりながらお餅を丸めるメンバーもいて、日本の食文化を堪能したことでしょう。
いよいよ次は、1日目のラストスパート。最後の目的地は、深耶馬溪にある宿泊先「小さなお宿つきのほたる」です。

深耶馬渓までは美しくも過酷なコースを選択

農家民泊「みどりさん家」から「小さなお宿つきのほたる」へと向かうコースは、2つあります。距離が短い「一般道を通るコース約17km」と、美しいけど起伏の激しい「山間道路を通るコース約25km」です。
耶馬渓の美しさをみてもらうため、あえて起伏の激しい「山間道路を通るコース約25km」を走りました。

山間道路を通るコースの美しい景観

耶馬渓には自転車が走るためのサイクリングロードがあります。1975年に廃止となった鉄道跡を利用してできたものです。
鉄橋もサイクリングロードとなっていて、日本の中でも珍しい場所となっています。サイクリングチームも赤い鉄橋を走っていきました。伊福盆地を囲うようにそびえ立つ「伊福の景」。渓谷耶馬渓の美しさを物語る風景の一つです。
山の岩肌が見える「伊福の景」は秋が深まれば、紅葉を間近で見られること間違いなしの絶景ポイントになります。

山間道路を通るコースの過酷さ


コースとなっている山間道路には、長い坂道とカーブがあります。
伊福の美しい景観を横目に急な坂が長く長く続き、サイクリングチームも絶景の長い坂道を必死に登っていきます。
自転車に慣れ親しんでいるメンバーも、このときばかりは顔をしかめます。自転車を手で押して歩くメンバーもいるほどでした。
坂を登りきった地点で一休みです。休憩しながら、メンバーが揃うのを待ちます。
そんな中、軽快に坂を下ってきた女性がいます。
彼女は、「先に行ってもいい?」というニュアンスの英語を伝えてきました。
何とか「Wait」と伝えられ、チームを待っていた彼女ですが、あの坂を登ってきたのに、まだ体力が余っているのかと驚いてしまいました。
さらに驚いたのは、彼女が御歳70才を超えているということです。
実は、ハワイからのサイクリングチームはトライアスロンの経験者!見事な走りでした。

メンバーが揃い、彼女も出発します。
目的地の宿泊先「小さなお宿つきのほたる」まであと少しです。

のどかな風景に佇む「小さなお宿つきのほたる」到着


起伏の厳しい山道を越え、しばらく田舎道を進むと目的地の宿「小さなお宿つきのほたる」に到着しました。
中津城から約50kmの道のりを自転車でやってきたサイクリングチーム。
到着した頃にはみんなが笑顔で、ワクワクしている気分が伝わります。

宿の前には折戸温泉、裏側には見事な田園風景が広がっています。広々したのどかさに心が癒やされ、疲れが吹き飛んでしまいそうな景色です。

自転車は宿の倉庫にしまい、サイクリングチームは初日の疲れた身体を休ませ、明日のサイクリングツアーに備えるのでした。

コース紹介

▼中津城
https://www.facebook.com/nakatsu.castle

▼青の洞門
https://nakatsuyaba.com/?introduce=doumon0815

▼羅漢寺
https://nakatsuyaba.com/?introduce=rakanji-2

▼農家民泊みどりさん家
https://ny-ikik.net/midori/

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

中津城~深耶馬渓

まとめ

ハワイからサイクリングチームを招いた「大分おんせんライドツアー」が大分県中津市で開催されました。初日は日本の文化でおもてなしをし、翌日には、日本の歴史や文化に触れながらのサイクリング観光ツアーです。
起伏の激しい道のりを含め、約50km。宿につくと「まだまだ元気よ!」というような笑顔をみせてくれたメンバーたちでした。
ちょっと刺激のあるサイクリングを楽しみたい方は、トライアスロン経験者でもあるハワイのサイクリングチームが走った「中津市から深耶馬渓」のコースを同じように体験し、挑戦してみるのはいかがでしょうか。

次回は、耶馬渓〜安心院〜別府のコースとツアー内容をお伝えします。

執筆:結の秋(ゆいのあき)

大分県出身/大分県中津市在住
フリーランスwebライターとして活動中。
スポーツバイクは未経験だが、家族そろってサイクリングロードを走ることを楽しんでいる。
中津市にあるサイクリングロードや近郊の美しい景観を楽しめるコースなどを紹介するため、取材に励んでいる。

 

【オーストラリア】日本から参加しやすさ抜群!ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ

【オーストラリア】日本から参加しやすさ抜群!ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ

数あるクイーンズランド州の自転車イベントの中でも、州最大級の参加者が集まるイベントが「ブリスベンtoゴールドコースト サイクルチャレンジ」(通称B2GC/ビーツージーシー)(NPO バイシクルクイーンズランド主催)。その魅力をお伝えします。

ブリスベン to ゴールドコースト サイクルチャレンジ(B2GC)とは

B2GCは参加者数が実に3,700名を超えるマンモス大会。
ブリスベン市内にあるクイーンズランド州立大学(セントルシアキャンパス)敷地内のエレナーショネルブリッジからスタートし、ゴールドコーストのサウスポートエリアにあるブロードウォーターパークランズのゴールを目指すファンライドイベントです。クイーンズランド州立大学はクイーンズランド州の中で最も歴史と権威のある大学の一つで、広大な芝生の上にそびえ立つ煉瓦造りの美しいキャンパスが印象的です。

100kmコースではキャンパスをスタートし、ブリスベンの市内を南下、ブロードウォーターパークランズまで、途中2カ所のレストストップをはさみながら、郊外、カントリーサイド、そしてシーコーストへの道のりをワンウェイで辿ります。

100km・60km・40kmの3コースが設定

B2GCレースではなくあくまでファンライド、自分のペースで仲間と楽しく走るイベントで、タイム計測はありません。

先の100kmコースでは朝6時台にスタートして、早い人は平均時速35km〜40kmで走るので、午前9時前にはゴールします。この早朝スタートも、普段から朝一番に走るサイクリストの多いオーストラリアならでは。

40kmコースは、ブリスベン市内から途中のローガンのオリバーズスポーツコンプレックスまで。60kmコースは、オリバーズスポーツコンプレックスから100kmコースと同じブロードウォーターパークランズのゴールを目指します。
2017年、2019年大会と過去100kmコースに参加し完走しました。
比較的アップダウンの少ないコースなので、これまでロングライドの経験が少ない方でも、体力や経験に合わせたコースを選び、完走にチャレンジすることができます。

若者からシニアの方まで、人種・国籍を問わずたくさんのサイクリストたちが、ブリスベンからゴールドコーストの青い海を目指して走り抜ける様子は、見ているだけでも迫力があります。その中で一緒に走る、その爽快感はたまりません。

現地の医療研究・慈善団体への募金も呼びかける当イベント。職場や友人同士でグループ参加して、イベントには直接参加しない仲間からも寄付を募るといった習慣も根付いています。健康な心身でサイクリングができることの喜びを改めて噛み締めることができるイベントでもあります。

オーストラリア屈指の2都市の魅力を一度に味わう

B2GCの魅力はなんと言っても、オーストラリアの雄大な自然を感じながら、2都市の魅力を一気に体感できることです。
2032年にオリンピック・パラリンピックの開催が決定し、橋やメトロはもちろん、自転車専用道の整備も含め発展が著しいリバーシティのブリスベン。2018年にイギリス連邦の国際スポーツ競技大会「コモンウェルスゲームズ」を主催し、国際的スポーツリゾートでもあるゴールドコースト。
両都市間を自転車で駆け抜けるB2GCはまたとない海外ライド体験になるはずです。

2つの都市とその間に広がる緑豊かな郊外、小川が入り組む河口岸、ビーチと並走する海岸沿い等を自転車でめぐり、様々な景観を楽しめます。
ゴール地点のブロードウォーターパークランズは広々とした芝生の会場で、フードトラックや音楽の生演奏もあり、参加者の家族や友人たちも駆けつけ、さながら野外フェスのような雰囲気。
15年以上にわたり地元で長く愛されてきた理由も納得です。

イベントが開催される10月はオーストラリアは春。透明感のある紫色のジャカランダが、まるで日本の桜のように街のあちこちで咲き乱れる季節です。
ゴールドコーストまでの道中もシュガーケーン(サトウキビ)畑や、マングローブ、ブーゲンビリアといった亜熱帯のクイーンズランド州ならではのトロピカルな雰囲気を味わえます。

また、ライダーとしてではなく大会運営ボランティアとしての参加も人気です。サイクリスト同士ではもちろん、レストストップでのローカルボランティアたちとの交流もまた楽しいひとときです。

ワンウェイライドならではのサポートも充実

B2GCはブリスベンからゴールドコーストまでの片道を駆け抜けるワンウェイコース。ブリスベン・ブリスベン、ゴールドコーストそれぞれに在住・滞在する参加者がどちらも参加しやすいようサポートサービスも充実しています。

ゴールドコーストからの参加者向けには、大会当日早朝にブリスベンへと向かうサイクルトレインが、ブリスベンからの参加者向けにはゴール後に自転車を乗せてブリスベンへと戻るシャトルバスがそれぞれオプション(有料/要事前申込)として提供されています。

日本からの参加しやすさも抜群

クイーンズランド州と日本の時差はたったの1時間(日本+1時間)。時差が少ないため移動前後の負担も少なく、短期日程でも十分に滞在を満喫することができます。
車道は日本と同じ左側走行なので、初めての海外ライドでもスムーズに馴染めます。

サイクリング中のアクシデントのサポートも万全。各レストストップにはメカニックが常駐し、無料でメンテナンスをしてくれます。

日本では、ハワイの自転車イベント『ホノルルセンチュリーライド』、ニューヨークの『バイクニューヨーク』と並ぶ『グローバルライド』シリーズとして紹介されています。

2019年大会では、「そんなの関係ねぇ!」でおなじみ、芸人の小島よしおさんが宣伝番長を務め、日本からツアーも企画され、約50名のサイクリストが参加しました。

2022年11月末からはブリスベンー羽田空港のカンタス直行便も就航予定。所要約9時間で愛車と共にひとっ飛び。ますます日本からブリスベンが身近になります。

イベント前後に寄りたい!ブリスベンのおすすめ観光スポット

自転車を携えてブリスベンに滞在するならぜひ、川沿いの自転車専用道をサイクリングしたり、定番から最新の観光スポットも楽しみたいところ。

Mt.クーサヒルクライムとレガッタホテル

ブリスベンの市内からほど近い、Mt.クーサはブリスベンのサイクリストたちのヒルクライムの定番スポット。頂上の展望台からは街の真ん中を蛇行するブリスベン川と高層ビル群が共生する自然豊かな都市、ブリスベンの様子を一望できます。

下山後はブリスベン川沿いの老舗レガッタホテルで、ぜひエッグベネディクトをご賞味あれ。

ストーリーブリッジとフェロンズブリューワリー

イベント当日に打ち上げをするならぜひ、ストーリーブリッジの麓にあるフェロンズブリューワリーへ。
リバーシティブリスベンには個性的な橋がいくつもかかっていますが、その中でもストーリーブリッジはブリスベンを代表するアイコニックな橋です。

また、ワインだけではなくクラフトビールの人気も根強いオーストラリアでは各地に趣向を凝らしたブリューワリーが点在。
ここフェロンズブリューワリーでは、できたての香り高いクラフトビール、シーフード、ステーキといった料理と夜景を一度に堪能することができます。

ローンパインコアラサンクチュアリ

オーストラリアと言えばコアラやカンガルーといった動物を思い浮かべる方も多いでしょう。
ブリスベンにあるローンパインコアラサンクチュアリは1927年にオープンした世界最長の歴史を持つ、世界最大のコアラ保護区。コアラはもちろん、カンガルーやエミューといったオーストラリアを代表する動物たちを間近で見て触れ合うこともできます。

オーストラリアは州毎に法律が異なり、コアラへの接触ができない州もありますが、ブリスベンのあるクイーンズランド州ではコアラを抱っこして記念撮影(有料)もすることができます。

ぜひ旅の思い出に訪れてみてはいかがでしょうか。

ゴールドコーストでリゾートを満喫

世界屈指のリゾート、ゴールドコーストもイベントだけで終わらせてはもったいないです。ショッピングやレストランはもちろんですが、やはり57kmの雄大な海岸線は見逃せません。

サーファーズパラダイス

世界中のサーファーの聖地の一つ、サーファーズパラダイスは国際的にも有名なビーチ。
一年を通して比較的温暖なためビーチでは季節を問わずサーフィン、スタンドアップ・パドルボードといったマリンスポーツはもちろん、日光浴を楽しむ老若男女の姿を見ることができます。

海に入らなくても砂浜を素足で歩くだけでも十分。きめ細かい白い鳴き砂のキュッキュッという音と感触をぜひ体感してみてください。

Q1リゾート&スパ スカイポイント

 Q1リゾート&スパは、オーストラリア第1位・世界第19位の高さの超高層ビル。 高層マンションにもなっていて、2011年にドバイのザ・トーチが竣工するまでは住宅としては世界一の高さでした。
展望台スカイポイントからはオーストラリアが世界に誇る57kmの真っ白い海外線を一望できます。透明感溢れるクイーンズランドブルーの海、白い砂浜、抜けるような青い空は忘れられない景色になるでしょう。

イベント後に登って、ブリスベン〜ゴールドコーストまで走り抜けたコースを振り返ってみるのもおすすめです。

コース紹介

 距離:約100km(クイーンズランド州立大学(ブリスベン)〜ブロードウォーターパークランズ(サウスポート))

▼NPOバイシクルクイーンズランド ブリスベンtoゴールドコーストサイクルチャレンジ公式Webサイト(英語)
https://b2gc.com.au/

▼グローバルライドイベント事務局 B2GC日本語案内Webサイト
https://b2gc.jp/

2022年大会のレビュー、そして2023年開催に向けて

2022年10月23日(日)開催予定でしたが、あいにくの大雨のため大会は事前に中止となりました。
参加者たちは参加費の払い戻し・もしくはそのまま慈善団体への寄付の2択を選べた、というのもまた寄付文化の強いオーストラリアならではのカルチャーです。
当日は予報通りの大雨でしたが、代わりに当日朝7時から、オンラインバイクトレーニングアプリ「Zwift」を使ったソーシャルライドイベントが開催されました。

雨の音を聴きながら自宅でスマートトレーナーを使いペダリング。本大会は中止となりましたが、画面上でたくさんのローカルライダーたちと早朝ライドを楽しみました。

2020、2021年はコロナの影響で、2022年は雨天で中止となりましたが2023年こそはお天気にも恵まれ、4年ぶりに開催されるのが今から楽しみです。
2023年はぜひ、B2GCで海外自転車イベントデビューしてみてはいかがでしょうか。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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【大阪府】豊中市服部緑地公園から「足の神様」服部天神宮へお参りサイクリング

【大阪府】豊中市服部緑地公園から「足の神様」服部天神宮へお参りサイクリング

1200年以上前から「足の神様」として知られる、大阪・豊中市の「服部天神宮」。サイクリストにとっても大切な「足」の話しを聞くため、サイクリングを兼ねてお参りに行ってきました。周辺スポットもめぐってきましたのでご紹介します。

服部緑地公園から服部天神駅へ

大阪四大緑地(服部・鶴見・久宝寺・大泉)のひとつとして知られる豊中市の「服部緑地公園」。その南側にある第2駐車場からサイクリングスタート。

天竺川沿いに約1km南下して、西側へ走り国道176号線を渡れば、阪急電鉄宝塚線「服部天神駅」。

阪急では最古の駅のひとつ「服部天神駅」の構内には、服部天神宮の境内にあった御神木の楠が残されています。
開業当初は現在と同じ「服部天神駅」という駅名でしたが、「服部駅」に改称され、2013年再び「服部天神駅」に改称されました。

「服部天神駅」から「服部天神宮」までは100m程ですが、国道176号線に出て表参道から参ります。

足の神様「服部天神宮」

交通量の多い国道から参道に入れば、一気に空気が変わります。穏やかな空気感の短い参道を歩いて境内へ。
鳥居をくぐれば、境内のサイクルラックに駐輪できます。

服部天神宮について

服部天神宮について、禰宜(ねぎ)の加藤大志さんにお話を聞きました。
※禰宜とは、神職の職称の一つです

服部天神宮は、1200年以上前から「足の神様」といわれてきた神社です。
この辺りはかつて能勢街道の木材等を運ぶ中間地点でもあり、江戸時代には宿場町としても役割もありました。
そのため、多くの飛脚の方々が神社に立ち寄られました。江戸時代に奉納された草履が今も多く残っています。

その後は「足の神様」ということで、足に病を抱えている方が回復を祈願するためにお参りに来られることでも知られるようになりました。
そのため神社内は足が不自由な方でも、不自由なくお参りして頂けるようバリアフリーになっています。

境内の「菅原道真公の像」は、多くの参拝者が膝や足をなでるので、色が変わっています。


近年はスポーツの発展もあり「いつまでも元気に歩けるように」「ランナーは健脚でいられるように」といった方々もたくさん来られるようになったそうです。

ランナー以外にもサッカー選手やサイクリストの参拝も多くなっています。
サイクリストは箕面の「勝尾寺」に向っていく途中で立ち寄る人も多いとのこと。
そして、服部天神宮では、自転車のご祈祷も行ってくれます。ご祈祷の際には特別に「オレンジ色」のサイクルラックを用意してくれます。

服部天神宮の「足守り」

お守りは自分で買うより人に渡す機会が多い。だから、もらっても困らないようなお守りで、きちんとデザインされているものが良い。
そんな思いから、服部天神宮だけのお守を熟考して作られたのが「足守り」。シューズの紐に通して使えるお守りで、2021年8月から始めたそうです。

服部天神宮から伊丹空港へ

服部天神宮参拝の後は、近くの「うどん屋 山善」で昼食。

昼食を終えて、約3km先の「千里川の土手」へ向かいます。

伊丹空港(大阪国際空港)の南端に接する千里川の土手では、着陸目前の飛行機が頭上をかすめるように見られる迫力満点のスポット。
全国から多くの人が飛行機の着陸を見に来ます。

まさに、飛行機の「足」が間近に見られるスポットです。
着陸シーンだけでなく、迫力ある離陸シーンも見ることができます。

周辺には駐車場が少ないので、自転車やシェアサイクル利用が便利です。

帰りは約3.3km東へ走って、服部緑地公園へ戻りサイクリング終了です。

コース紹介


距離:9.7km

シェアサイクル情報

▼ハローサイクリング「大阪空港駐輪場ポート」
https://www.osaka-airport.co.jp/service/notices/share_cycle

▼ハローサイクリング
https://www.hellocycling.jp/

服部足祭り

2022年10月1日(土)、服部天神宮で初めての「服部足祭り」が開催されました。

発起人は、ここに何度も参拝している、アドベンチャーランナー北田雄夫氏。
世界7大陸アドベンチャーマラソンを日本人初走破した北田氏が、服部天神宮を参拝した時に、加藤禰宜が声かけしたことから、縁が深まり、やがてお祭りの話が始まりました。

お祭りの取り組みは、伊丹空港が近いことで、飛行機の“足まわり”に手水舎の水をかけて祈祷する「ジェイエア」や、人を運ぶ”あし”繋がりで神社のコンセプトに共感する「阪急電鉄」など、様々な企業や人々が関わっていくようになりました。

そして迎えた「服部足まつり」当日は、晴天にも恵まれ沢山の人が集まり賑わいました。


▼服部天神宮
https://hattoritenjingu.or.jp/

▼服部足祭り
https://www.footfes.com/

まとめ

「足が健康であることは大事なこと。そして楽しむことはスポーツにおいて大事なこと」。
『サイクリングを楽しむ方々に「こんな良いことがあった」「今からどこそこへ行ってきます」など、気軽に立ち寄って報告や参拝し楽しんでもらえる神社でありたい』と、加藤禰宜が話してくれました。

服部天神宮は、大阪駅から8km弱、伊丹空港から5kmほどの場所にあります。関西のサイクリストだけでなく、全国や海外からも、大阪へ来たときは気軽に立ち寄って「足の神様」に色々な報告をしてみてください。
そして伝統ある神社の歴史にも触れてみてください。

執筆:HANADA

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【千葉県】房総半島サイクリングハンドブック完成イベント 南房総の素掘りトンネルを巡る

【千葉県】房総半島サイクリングハンドブック完成イベント 南房総の素掘りトンネルを巡る

房総半島のサイクリングを盛り上げようと、木更津市と南房総市が、地元サイクリストが提案する魅力的なサイクリングコースを掲載したガイドブックを制作。
そのPRを兼ねたイベントが、12月10日に南房総市にあるサイクリング施設「HEGURI HUB」(平群ハブ)で開催されました。それに合わせて行われた体験ライドに参加したので、その模様を紹介します。

素掘りトンネル巡りコースに参加

ガイドブックに掲載されたコースは、地元千葉の内房レーシングクラブ、Sakata Racing Club、千葉県サイクリング協会、そして房総神社サイクルライド推進委員会の4団体が、南房総(あわの国)サイクルツーリズム協会の呼びかけに応じて作ったもの。それぞれ魅力的なコースで、房総の美しい海岸線や素朴な里山を駆け抜ける計6コース。
今回はそのうち房総半島に多い素掘りトンネルを巡るコースの一部を体験させてもらうことに。コースを監修した千葉県サイクリング協会の副会長、森浩文さんといっしょにHEGURI HUBを出発しました。

ハンドブックはA5サイズ32ページ。千葉県内外の観光施設やサイクリング関連施設で配布予定。またコースはRIDE WITH GPSのデータでも確認できます。

コース紹介


房総半島に高い山はありませんが、海沿い以外には細かいアップダウンが。ガイド役の森さんは小径車でそんなアップダウンを軽々とこなしていきます。
これはついていけないかもしれないなあ、と思ったところで森さんが一時停止。小向ダムです。

小向ダムは1975年に完成。南房総市の水源確保のために作られた上水道用水専用ダム。天端(てんば)まで入っていくこともできます。

森さんの後について里山をどんどん走っていきます。

防空壕としても使われた内郷トンネル

森さんについて脇道へ。クルマが走れないほどの細い道。急勾配で、しかも路面が苔むしていて、スリップしそう。慎重に上っていくと森さんが、「着きました」。内郷トンネルです。うっそうとした森の中に、突如として現れる小さな入り口。おおーっと思わず声が出てしまいます。

苔でスリップしないように慎重に走ります。

内郷トンネルの入り口。岩の層がワイルドに露出、砂岩や泥岩が幾重にも重なって地層を形成しているのがわかります。それが縞模様に見えています。

トンネルの内部に照明はあるものの、かなり暗く、足元には注意が必要。また路面は舗装されていないため荒れていて、ロードバイクは走らないほうがいいでしょう。
素掘りというだけあって、重機を使わずにツルハシなどを使って人が掘り進んだトンネルの壁面は、その削掘跡が縞模様になって残っています。

路面は荒れ、壁面にも荒々しい削り跡が。

このランダムな削り跡が、人力で掘られたことを伝えている。

房総半島は穴だらけ

森さんによれば、こうした素掘りトンネルは江戸時代から昭和初期に作られたものが多いということ。

房総半島の南半分は、大昔に海だったのが隆起してできたそうで、海底で砂や泥が堆積した「積層岩」の地層が特徴。砂岩や泥岩は掘りやすく崩れにくい。そのせいで房総には素掘りトンネルが多いのだといいます。

こういったトンネル以外にも、水路のトンネルを掘ったりして川の通りを変えて田畑にする「川廻し」と呼ばれる農地造成事業が、このエリアだけで450箇所も確認されているということです。横井戸、農業用水路、防空壕や軍事用として掘られた穴も多く、とにかく「房総は穴だらけ」なんだそうです。

内郷トンネルの中には、金網で入れないようになっている横穴が数カ所あります。戦争中の防空壕かなという気もしますが、それにしては大きいです。

トンネルの反対側入り口近くには「牛頭観音」と記された石碑が。馬頭観音はよくあるけど、牛頭とは? 千葉県は日本酪農発祥の地とされ、牛は昔から大切な財産だったはず。その牛に作物や農機具を負わせてこのトンネルをとおって農業をしていたので、それが死んだときにはこのようにして祀ったのではないか、というのが森さんの推測。

牛頭(ぐず)観音には新しいものもあります。

そんな昔の出来事に思いを馳せていたら、地元のお婆さんが大きなカゴを台車に載せて歩いてきました。すかさず森さんが、ここの横穴はなんですか?と聞くと「ああ、大東亜戦争の防空壕だ」と。大東亜戦争という言葉に時代を感じながら、疑問が解けた気がしました。

お婆さんはこのあと、カゴだけを背負って、先の畑の様子を見に行きました。

道の駅ローズマリー公園で休憩

そこからは次のトンネルを目指し、いったん和田の海沿いに出ます。天気もサイコーで、すごく気持ちがいい!

海岸沿いのサイクリングロード、和田白渚海岸、サーフ橋などをへて、道の駅ローズマリー公園へ。ここは産直の店「はなまる市場」と、シェイクスピア・カントリー・パーク(現在閉館中)、ローズマリーガーデン、リバーサイドプラザの3つの公園からなる複合施設。

ここで南房総名物であるビワ味のソフトクリームで休憩。

地元産品の店と、ヨーロピアンな建物。インスタ映えするスポットとしても有名。

サイクリストはソフトクリームが好き!

ほかに「くじらコロッケもおいしいよ!」と森さんが教えてくれました。

きれいに作られた名もなき素掘りトンネル

休憩を終えて、ここから再び内陸へ。また横道にそれてどんどんディープなエリアに入っていく森さん。

またしても脇道にズイズイ入っていきます。

その先に現れたのは次なるトンネル。トンネルの名称を森さんに聞くと、森さんも知らないということ。観光名所ではないので、表示版も案内もまったくありません。でもこういう観光地ではない場所をおもしろがるのが、新しい観光スタイルなんじゃないかという気もします。

入り口のアーチ型がきれいなので、ぱっと見は素掘りに見えません。路面はコンクリートで固められています。なんとか軽自動車なら通れるくらいの幅があります。

壁面上部にはトラック(?)がボディを擦った跡が。

ここにもきれいな削掘痕が。素掘りトンネルツアーにはライトが必携です。

反対側は草が覆いかぶさってジャングルっぽい。

本来のコースはさらに素掘りトンネルを見てまわるのですが、今日のトンネルツアーは時間の都合でここまで。スタートしたHEGURI HUBを目指すことにします。

名前のわからない素掘りトンネルまでの道を引き返します。

土曜日なのにクルマがほとんど通りません。ちょっとペースをあげてお弁当が待つHEGURI HUBへと急ぎます。

コース制作者による説明会

お昼前にはHEGURI HUBに到着。別のコースを試走してきたグループが、すでに弁当を楽しそうに食べています。なんと木更津市長、南房総市長まで来場していて、両市のサイクリングに対する期待がうかがえます。

HEGURIU HUBの芝生で楽しく歓談するイベント参加者たち。

君津のCYCLE SPORTS KYOTOをベースに活動するSakata Racing Clubのみなさん。

12時からは今回の房総半島サイクリングハンドブックのコース発表&意見交換会です。両市長のあいさつに始まり、各コースを作ったチームの担当者が、ポイントを説明していきます。会場はお弁当を食べたりコーヒーを飲んだりと、リラックスした雰囲気。

HEGURI HUBはもと保育所をリノベーションした施設なので、スペースには余裕があり、こんなふうにイベントにも使えます。

渡辺芳邦木更津市長(左)、石井裕南房総市長(右)。これからの房総半島のサイクリングによる振興と、各自治体の連携が必要だと強調しました。
木更津の渡辺市長はトライアスリートだということで、午前中の内房レーシングクラブとのライドで、その速さを見せつけたということです。

千葉には神主さんたちのチームがあった

内房レーシングクラブを主宰するカヤギサイクルの茅木孝さんは、房総半島の南側、千葉県の形をしたチーバ君の半分をまわる「半チーバくん」コースを説明。総距離211km!

この半チーバくんコースを完走すると、記念ステッカーがもらえます。スタート&ゴール地点である木更津市の金田地域交流センターのスタッフがサイコンやアプリで走行を確認して渡すということです。

ちょっとおもしろいチームがありました。「房総神社サイクルライド推進委員会」は、房総半島にある神社の神主さんたちのチーム。もともと神社には横の連絡組織があるそうで、そこでの若手神主の会合で「自転車でおもしろいことができるんじゃないか」と話が出たのがきっかけで結成されたといいます。代表の岡野大和さんも、鴨川市の天津神明宮の神主さん。「いろんな人たちと連携して、楽しいことをやっていきたいですね!」

今回のイベント参加者で記念撮影。「房総半島サイクリングを楽しんでくださいねー!」

まとめ

房総半島をサイクリングで活性化しようということでコースが提案され、それをハンドブックとして配布し、さらにそれをPRするためにこういった発表イベントが実施されました。
あとはTABIRIN読者のみなさんがこのハンドブックを手にしてサイクリングを楽しむ番です。個人的には今回参加したHEGURI HUB発着の素掘りトンネル巡りコースがおすすめ。
最近は派手な観光地よりも、こういったひっそりした「自分だけのスポット」的な場所を探して、地理や歴史に触れて地元の人たちと交流して、というのが楽しいかな。そういう走り方に、房総半島はぴったりだと思います。
私も千葉県民ですので、今回の取り組みをメッチャ応援しています。房総半島にサイクリングに来てねー!

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

記事情報リンク

▼南房総(あわの国)サイクルツーリズム協会
http://minamiboso-cycle-tourism.jp/

▼HEGURI HUB
https://hegurihub.com/

▼内房レーシングクラブ
https://www.facebook.com/uchibo/

▼Sakata Racing Club
https://cskyoto.com/club.html

▼千葉県サイクリング協会
https://www.chiba-cycling.org/cca/

▼房総神社サイクルライド推進委員会
http://boso-ride.jinja.ne.jp/ja/about.html

詳細は以下でもご覧いただけます。

HEGURI HUB発着 素掘りトンネル巡り

【インタビュー】荒サイのコミュニケーションスペースKURU。SAN-ESU BASE 羽根倉通り(前編)

【インタビュー】荒サイのコミュニケーションスペースKURU。SAN-ESU BASE 羽根倉通り(前編)

埼玉県志木市、荒川サイクリングロード(荒サイ)の羽根倉橋のたもとに2022年7月にオープンしたSAN-ESU BASE(サンエスベース) 羽根倉通り。
ディズナ、ワンバイエス、グランジといったオリジナルブランドで、そしてさまざまな海外ブランドの輸入会社としてサイクリストにはおなじみの東京サンエスがプロデュースする、新しいサイクリストステーションです。
SAN-ESU BASEには、ソフトクリームのお店KURU(クル)と、東京サンエスのショールームUX(ユーエックス)を併設し、営業日である土日は多くのサイクリストで賑わっています。ここを立ち上げた方々にその思いを聞きたいと思い、荒サイを走ってサンエスベースにうかがいました。
今回はその前編、東京サンエス社長の坂井美紀さんのお話を聞きます。


2017年に父親である先代社長から会社を引き継いだ坂井美紀さん。 以前からの夢だったソフトクリーム店を開業した。

この場所に出会ってしまった

2022年の7月16日にオープンしたんですが、構想はその1年前くらいからありました。そもそもは倉庫を探していて、この場所に「出会ってしまった」んですよね。

もともと先代社長が元気だったころ、本社(東京・御徒町)の1階をショールームにしようという話がありまして。そこでソフトクリーム屋をやりたいという話もちょっとだけありました。でもスペース的な問題や、そこがサイクリングしやすい場所でもなかったので断念しました。


羽根倉橋のたもと、荒川サイクリングロード(右岸)の土手から見えるサンエスベース。 この黄色い建物が目印だ。

でもその後、本社近くにあった倉庫が老朽化して、ほかの場所を探すことに。そこでここに出会って、なんだこの場所は!っことで。倉庫以外にかなり使えるスペースがあったし、なんといっても荒サイのすぐそば。ここで一気にソフトクリーム屋の夢が現実味を帯びたんです。

自転車で生業を立てている者として、何かユーザーのためにできることはないかというのはいつも考えていました。コロナ禍だったこともあり、ユーザーとコミュニケーションをとりたいという思いがつのっていたんですよね。だからソフトクリーム屋というより、コミュニケーションスペースを作りたいという気持ちが先にありました。

そして、いろんな人に来てもらいたい、自転車乗りだけじゃなくて近所の人にも来て欲しい、ここが楽しい場所になっていれば、近所の人も応援してくれるんじゃんないかなんて、夢がどんどん広がっていって。

サイクルラックは店頭にも店内にもたくさん用意。いろんなスタイルの自転車乗りが集まってくる。

いろんな人が来てくれる場所に

みなさんが来やすくて、笑いが絶えないとか、そういうイメージで始めました。だから身の丈を越えない、楽しくやれるペースでやりたいと思っています。たとえば雨の日はみなさんも走りに来ないだろうから休みまーすとか、私たちも無理しないでね。

ここでの売上だけではそもそも運営できませんので、夏は無料で水が飲めるし、秋からはほうじ茶をサービスしたりとか。ソフトクリーム食べなくても、休憩だけでも全然オーケーなんです。私自身がここで出会った人たちとしゃべることを大切にしたいので。

近所の人がただほうじ茶を飲みに来たり、サッカー少年たちがソフトクリームの看板見て来てくれて、「ここ自転車の施設なんだー」って話しているのを聞いたり。いろんな人が来てくれる施設になりつつあります。思ったような雰囲気になっていますね。

自転車を知らない人にサイクリストが楽しんでいる姿をみてもらって、同じ時間と空間を共有して欲しいと思っていたんです。そこからいろんなコミュニケーションが始まるといいなと思って。


社長みずからが厨房でソフトクリームを巻き、トッピングしてお客さんに出す。「でも厨房に入っているより、客席スペースにいる時間のほうが長いかも。だから一人のときは大変なんですよー」


「ネーミングはみんながカンタンに呼べるものがいいと思って。みんなが来る、クルクル回る車輪、ソフトクリームのクルクルなどをかけたネーミングです。まーるい感じ、やさしい感じが気に入ってます」

冬用にスープを出したいと思っていたときに、スープだけじゃなあと思っていたら、近所のとてもおいしいパン屋さんとつながったことでラスクを提供できるようになりました。そうしたらパン屋さんのお客さんがこちらに来てくれるようになったり、その逆にサイクリストがそのパン屋さんに行ってくれたり。

この場所の特徴は、誰でも来られるような雰囲気かな。近所の人も子供も来られるような雰囲気にしたかったんです。昨日も高校生が来て、ソフトクリーム300円で「安っ!」て言ってたりとか。近所の子供が300円握り締めて来てくれたりもします。

年齢も性別も、できれば地域も関係なくいろんな人が来てくれれば、楽しいことにつながっていくんじゃないかなと思って。


ソフトクリームは全種類300円(税込)。「ソフトクリーム屋をやりたかったのは、私が好きだから、それだけです(笑)。クリームが好きなんです。生クリームとか。身の丈を考えたときに、自分の好きなものでないと続けられないと思って。ソフトクリームは夏のものだけど、私は冬でも食べたいんですよねー。だから冬に売れないとか、全然考えませんでした」


トッピングの名前が、すべてブランドの名前になっている。「これはずっとやりたかったんです。ブランドの読み方を知らないお客さんがいるんです。お問い合わせのメールでディグズナとか、グルンゲとか。でもそれを否定したくない。自然にわかってほしくて。だからメニューの名前にしてみました。一番人気はワンバイエス(生姜)と、ロコゴワ(黒蜜抹茶)です」


冬限定メニューのクラムチャウダー ラスク添えは400円(税込)。近くにあるパン工房ラパンのラスクを使っている。冷えた体にしみる。

新しいことをやろう

私、自転車でブランドとか決まったスタイルに「こうでなくてはいけない」としばられるのが苦手で。どんな自転車でもスタイルでも否定せず、それもありだよねと受け入れるようにしたいと思っているんです。だから自転車だけじゃなくて、このKURU自体がそういう場所になりたいですね。

うちのパーツを一切使っていない人も来てくれる。それもうれしいんです。気兼ねなく来られる場所だってことだから。こういう自転車じゃないと、あのパーツをつけていないと、そういうウエアでないと入りにくい、みたいなお店にはしたくないんです。


店の出入り口のドアは、東京サンエス本社の近くにあった「東京自転車製造卸協同組合」のビルが解体されたときに譲り受けたもの。昭和30年ころに作られたときの文字をそのまま残していて、レトロな雰囲気が漂う。

コミュニケーションを大事にとか、新しいことをやろうとか、アットホームにしたいとか、人に優しくありたいとか、そういうのは東京サンエスの社風なのかもしれませんね。先代社長である父も「新しいことしなきゃね」って常に私に言ってました。おんなじことことばっかりやっててもダメだよね、って。

「きづきベル」を作ったときがそうだったんですけど、自転車に乗らない人が「自転車乗ってる人って怖いよね」と言ってたんです。後ろからいきなりベル鳴らされてびっくりしたって。それできづきベルが生まれたんです。

サイクリストのためになることを、自分たちができることを身の丈で一生懸命やろう。それがいままでやったことのない新しいことにつながり、最終的に多くの人が笑顔になったら嬉しいです。
東京サンエスのきづきベル。ベルを鳴らさなくても、後方から聞こえる涼やかな音色で、歩行者が自然に自転車の存在に気付いてくれるようにと開発された。


店内にはTABIRINマップをはじめ、荒川周辺のサイクリング情報が掲示してある。「KURUはここにありまーす」

これからはこの場所をもっと知ってもらうことが大切だと思うんですけど、あんまりお客さんがいらっしゃるとお客さんと話をするどころか、どんな人が来たかも見られない状況で。夏に150人もいらした時は、ソフトクリームを出すことに精一杯になっちゃって。逆に1日50人くらいだと、ゆっくりお話もできますね。

自転車ってすごい、KURUもすごい

何度もいらしてくれるお客さんは、その人の職業とか人となりとかがだんだんわかってきて、そういうのも楽しくて。そういうことでここにたどり着いてくれたんだって。
いろんなお客さんがいらっしゃいますね。先日も、ハンドルを換えたら巡航速度が2km速くなったって話している方がいて、それをとなりのテーブルで聞いていたご夫妻が、「何っ!?」ってなって(笑)。そしてそこからお客さんどうしの会話が始まりました。


客さんと話をする時間を大切にしたい。

先日、荒サイを走っている学生さんのグループが9人でいらしていたとき、たまたま私と同年代の女性のサイクリストさんがいて。その女性が学生さんに話しかけたら話がはずんじゃって。それでみんなでここで写真を撮って、最後は同じ方向だからっていっしょに走って帰っていったんです。

そういうコミュニケーションの場にもうなっちゃってるんです。自転車ひとつで性別も年代も超えて仲間になれる、自転車っていいなーと思いました。自転車ってすごいな、この場所もすごいな、って。


「みんなが楽しんでいれば、たぶん見ている人も参加する人も楽しいと思います。だからあんまり深く考えてないんです。でもみんなが笑っていればどうにかなると思います(笑)」

ここはオープンな空間なので人の話がよく聞こえるんです。私もお客さんに話しかけるとき、大きな声で話すので周りの人に聞こえていると思います。

そうすると誰かがそれに反応して、そこからお客さんどうしの会話が始まることも。あと逆に紹介しちゃうこともありますよ。

先日も輪行袋で有名なオーストリッチの社長さんが自転車でいらしてくれて。その場にいたお客さんに「輪行袋のオーストリッチって知ってます?」って聞いたら「もちろん知ってます、使ってますよー!」って言うから「こちら社長です」って(笑)。

今は毎日が一生懸命です。でも無理していないので、飾ることなくナチュラルにフツーにやれています。そのなかで、ここはコミュニケーションをとる場だということを忘れないように、大事にしたいと思います。そうすればおのずとそうなっていくから。

私たちの取り組みを見て、ほかのメーカーやブランドが同じように始めてくれたらうれしいですよねー。どんどんサイクリング が楽しくなってくる。それで地域の人も「ああ自転車っていいね」って言ってくれたら、それがいちばんうれしいですね。


「平日は会社で、ここが土日オープンなので休みはなしです。でも金曜はKURUの仕込みをするので、お休みです。ああ、でもそれも仕事か(笑)。でもここに来ることがリフレッシュになっているし、とても気持ちいいんです」

施設情報


▼KURU@サンエスベース
https://tsss.co.jp/kuru/

▼東京サンエス株式会社
https://tsss.co.jp/

まとめ

サイクルカフェや、サイクリストが集まる店はたくさんあります。でもこんなにオープンで、気軽に寄れて、しかも店主(社長!)と気軽に話ができるのはここだけだと思います。それだけではなく、お客さんどうしの会話が自然に始まる雰囲気作りが、うまくできている気がします。それはこの店を利益のためにやっているんじゃなくて、サイクリストを、サイクリング全体を盛り上げていきたいという、坂井社長の、そして東京サンエスという会社の思いが、来る人にも伝わるからじゃないかと思うんです。荒サイの新名所サンエスベース。サイクリングの途中にふらっと寄る、ウワサを聞いて遠方から来る、どちらでも満足度二重マル請け合いです!

そして。このサンエスベースで忘れてはならないのがUXの存在。こちらはサンエスのオリジナルパーツのほぼすべてのモデル、すべてのサイズがそろうショールーム。そしてそこに開発の多くを手がけている東京サンエスの専務が、お客さんに対応してくれる、世界でも類を見ない施設。サンエスベースのご紹介、後半はこのUXについて同社の上司辰治専務に聞いてみました。そちらもぜひご覧ください!

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

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【オーストラリア】真夏のクリスマスマーケット散策ライド

【オーストラリア】真夏のクリスマスマーケット散策ライド

日本のクリスマスと言えば寒い冬のイメージですが、南半球のオーストラリアではクリスマスは真夏のシーズンです。
サーフィンやビーチで日光浴と海辺で過ごすのはもちろん、街中・郊外問わずランニングやサイクリングなど、人々がアクティブに過ごす様子が見受けられます。
そして、クリスマスの風物詩であるクリスマスマーケットも、12月になると毎週末のように各地で開催されています。
ブリスベン市の南に隣接するローガン市にある Kingston Butter Factory Cultral Precinct のクリスマスマーケットを訪ね、30kmほど緩やかに走ってきました。

スタートはショッピングセンターから


ブリスベンの市内中央から南へ約30km、ローガンの Parkridge Shopping Centre からスタートします。
日本と違いコンビニの少ないオーストラリア。街中では駅構内やバス停の付近にありますが、郊外では独立型店舗はほとんどなく、ガソリンスタンドと併設していることが大半です。
反対に郊外に多いのは大きな駐車場や駐輪スペースを備えたショッピングセンターです。
郊外を中心にライドをする場合は、スーパーマーケットで水や補給食を購入するのがおすすめです。

オーストラリアの大手ショッピングセンターの一つ Woolworths(ウールワース)では、ナッツやシリアルバーなどライドの補給食も充実しています。
Park Ridege Shopping Centre の近くには州立高校も併設しています。
School Zone の表記を見たら、注意して走行しましょう。
この標識の場合は「学校がある日は午前7-9時及び午後2-4時、車両は時速40km制限」の意を表しています。

オーストラリアならでは!?目印となるスポットを頼りに走る

オーストラリアでの道路標識は、ランドアバウト(ロータリー)や、大きな分岐点にこそ方面を表す標識はあるものの、日本のように信号ごとに名称・標識は付いていません。
「〇〇ストリート」「〇〇ドライブ」「〇〇ロード」といった道の名称や「〇号線」といった道路番号が目安になります。

とはいえ道幅も標識の間隔も広いのがオーストラリアの道路。
自転車で走る時は、分岐となる通りの名前はもちろんですが、分岐点にある施設などを目印に辿って行くと初めてのルートでも迷うことが少ないでしょう。

Park Ridge Shopping Centre から64号線を真っ直ぐ西に進み、最初の目印となるのは5.3km先の216 Coffee。個人経営でやっているドライブスルーのカフェです。

のぼりの「CUPPA」は 英・豪の口語で「1杯の紅茶・コーヒー」のこと。 a cup of tea の音が縮まったものだそう。コーヒーが人気のオーストラリアでは非常によく使う英単語です。
216 Coffee の先にある突き当たりのガソリンスタンドを左折し、59号線に入ります。

オーストラリアのガソリンスタンドでよく見かけるのがパイ専門店の Pie Face です。2003年にシドニーで創業し、日本でも浅草や京都駅構内に店舗があります。
小腹が空いたら立ち寄ってみるのもよいでしょう。
59号線を5km北上すると次の分岐点に到着です。
ここでの目印はビビッドな黄色の蛍光色が目を引くペットショップ Marsden Pet & Produceです。

ちなみにブリスベン・ローガンのあるクイーンズランド州では犬・猫の店頭販売が州法で禁止されています。(シェルター等動物保護施設で保護された動物の販売は除く。)
そのため「ペットショップ」と名の付くお店でも、金魚・熱帯魚やハムスターといった小動物は売られていますが、犬・猫については餌やケア商品のみの取り扱いとなります。
ペットショップの向かい側の一角には Lancaster Park があります。

12月初旬には白いバラが一斉に開花していました。

要所要所に自転車・歩行者専用道の標識も。ブリスベンだけでなくローガンでも自転車専用道や車道での自転車レーンの拡充が進められています。

Marsden Pet & Produce と Lancaster Park の分岐点を左折し95号線を3kmほど走り、電車のKingston駅方面を目指します。
道沿いにある黄色に赤字の「XXXX」看板が目を引きます。これは Four X(フォーエックス)と呼ばれるブリスベン発祥のビールブランドで、オーストラリア全土でもポピュラーなビールです。

Kingston駅から東へ300m行けば、目的地である Kingston Butter Factory Cultural Precinct に到着です。

真夏のクリスマスマーケットを散策

Cultural Precinct は「文化地区」の意味合いですが、なぜここが Butter Factory なのかと言うと、かつてこの地にバター工場があったからです。
1930年代の最盛期には週に40〜50トンのバターを製造していました。ここで生産されたバターが、近くの Kingston駅からクイーンズランド全土に出荷されていた、というわけですね。

1988年に市の200周年記念事業として選ばれ、コミュニティアートセンターに改築、2022年に再整備され、公園やカフェも併設する現在の Cultrual Precinct となりました。

施設の入口には駐車場に加え駐輪スタンドも設けられています。自転車を停めて散策してみましょう。

12月の週末のこの日はクリスマスマーケットが開かれていました。
ヨーロッパのクリスマスマーケットでは小さなロッジ風の建物のお店が並ぶイメージですが、オーストラリアのマーケットは自前の簡易テントを立て、手作り商品を売っているお店が一般的です。

庭に飾るオーナメントや、手作りのバッグ、アート作品など、個性的なお店が並びます。


奥の芝生エリアには、ドイツソーセージのホットドッグ、オランダ風パンケーキなどを売るフードトラックも並んでいます。

クリスマスマーケットの定番と言えばスパイスを効かせたホットワインですが、12月のオーストラリアはなにぶん真夏。売られているドリンクもフルーツジュースなど冷たい爽やかなものが多いです。 

オーストラリアの多様性を表す Butter Factory Museum

マーケットを一通り見たら、赤煉瓦の建物に入ってみましょう。

これがかつてバター工場だった建物で、現在は Butter Factory Museum として展示やミニシアターを備えた文化施設(入場無料)になっています。
入口にはオーストラリア国旗の他、オーストラリア原住民であるアボリジニの民族旗も掲げられています。日本語を含む各国の言語で Welcome の文字が並びます。

ミュージアムのテーマは “Nourish: Food Stories Connecting People, Cultures and Contries”(育む~人・文化・国をつなぐ食にまつわる物語)。

アジア食料品店やローカルなカフェなど「食」をテーマに、現在この地域で働き、暮らす人々の背景に焦点を当てたエピソードが紹介されています。
また、「ファッション」をテーマにした地域の人々のスナップ写真から見える、民族的背景や個人の趣味趣向の多様性を象徴する展示もあります。

自分達が暮らす場所にどのような歴史があるのか、そして現在どのような姿になっているのか、その変遷や「今」を伝える “Living Muesum” という市の取り組みになっています。

個性的な壁紙はよく見るとバター工場が描かれています。地元のアーティストによりデザインされたそう。

 バター工場の歴史がわかる Heritage Museum

同じ敷地内には Heritage Museum という博物館もあります。
入口にはクリスマスツリーとレトロな自転車が飾られていました。

市のボランティアスタッフにより運営されていて、Gold coin donation(硬貨の寄付。通常2ドル程度)をして見学します。

サイクルジャージ姿の私が、受付のオージーの年配男性に I came here by bike.(自転車で来たんです。)と伝えると、 Did you come here by motorbike, or push-bike? と聞かれました。
motorbike はオートバイのこと。push-bike はあまり日本では聞き慣れない単語ですが、イギリス系の会話表現で「自転車」を指します。自動ではなく自分で漕ぐ(push)するから、と言うことでしょう。

さて、先の Butter Factory Museum が「今」を伝える展示ならば、こちらは言わば歴史展示です。

バター工場時代の写真、実際に使われていた道具、当時の車、おもちゃ、タイプライターからウエディングドレスまで幅広く揃えられています。
当時の人々の生活や流行に想像が膨らみます。

この時季ならではのオーナメントの展示も。トナカイもどこかレトロですね。

スタッフの方と談笑を楽しんだ後、向かいのカフェのテラス席で一休みしました。

黒板の手描きのメニューが可愛らしいですね。

オーストラリアのライドではやはりコーヒーは欠かせません。
カフェの定番はバナナブレッドやアーモンドクロワッサンですが、珍しくスコーンがあったのでチョイス。

往路と同じルートで帰路に就きました。

なお、観光地や文化施設のパンフレットは英語の勉強にもなるので、ぜひサイクルジャージのポケットに入れて持ち帰るのをおすすめします。

ブリスベン市内のクリスマス模様

ローガンと同じく、ブリスベン市内も11月末から一気にクリスマス色が強まります。
【オーストラリア】e-bikeシティサイクル Beam でブリスベンをポタリング
でご紹介した、ブリスベンシティの目抜き通りクイーンストリートモールには、サンタクロースやトナカイなどのさまざまな巨大オーナメントが登場。


装飾は毎年変わるので、観光客はもちろん住民も楽しみにしています。
シティホールの時計台の前には22mの大きなツリーが登場します。
クリスマスの期間は毎晩プロジェクションマッピングが投影され、誰でも無料で楽しむことができます。

ツリーの前にはサンタクロース宛の専用郵便ポストもあります。
投函するとサンタクロースから返事が届くかも…!?

川沿いのサウスバンクエリアは、ビビッドなピンク色が美しいブーゲンビリアのトンネルにイルミネーションが施されています。
公園内のステージではサンタクロースやエルフが登場する子ども向けのクリスマスショー(有料)も上演されます。

無料の人工ビーチにはスクリーンが掲げられ、プールに入りながらのクリスマス映画の上映会もあります。
まさに夏のクリスマスならではの催しですね。

コース紹介

距離:約30km

まとめ

北半球の日本とはまた一味違う、南半球オーストラリアの真夏のクリスマス。
北半球出身の人間には少し不思議な感じもしますが、夏ならではで人々がアクティブになり、どこも活気に溢れていています。
「恋人」や「ロマンチック」よりも「家族」「友達」「アットホーム」といった言葉がどこか似合う印象です。
ぜひ一度、オーストラリアでのクリスマス散策ライドも体験してみてはいかがでしょうか。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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【インタビュー】UXでオリジナルパーツ全モデル全サイズを体感。SAN-ESU BASE > 羽根倉通り(後編)

【インタビュー】UXでオリジナルパーツ全モデル全サイズを体感。SAN-ESU BASE > 羽根倉通り(後編)


荒川サイクリングロードの羽根倉橋のたもとに2022年7月にオープンしたSAN-ESU BASE(サンエスベース) 羽根倉通り。
前編では坂井美紀社長に、ソフトクリーム店KURUについて、その思いを聞きました。
後編ではもうひとつのスペース、UX(ユーエックス)に注目。ワンバイエス、ディズナ、グランジ、ビバといった東京サンエスのオリジナルパーツの ほとんどすべてのモデル、すべてのサイズが展示されている、じつはすごい場所なんです。
どうしてこんな場所が生まれたのか、専務の上司(かみつかさ)辰治さんに聞いてみました。

東京サンエスの専務、上司辰治さん。「商品開発の多くを一人でやっています。あまり人の意見は聞かないかな。(笑)。ハンドルだったら、針金で芯を作って、そこにクレーを付けていって、モックを作る。そこまで全部一人でやります」

ハンドルだけで100本以上

UXという施設名は「ユーザーエクスペリエンス」の頭文字からとったもの。
お客さんにいろいろな体験をしてもらえる場所にしたい、そういう思いを込めました。まずは製品にさわってもらいたいんです。たとえばサイクルモードなんかに出展しても、展示できる種類は限られてしまいます。サイズも1モデルひとつだし。
だからここでどんどんさわってもらいたいんです。

世界に例を見ない施設じゃないですか、って言われることもあります。ハンドルだけで100何本ここにある。ウチの商品は一流どころで作ってるから、僕は海外のメーカーもいっぱい見てきてるけど、国内海外含めてここまでの展示は見たことないですね。

全モデル全サイズが展示されている圧倒的な状況で、おっ!と思ってもらえたら、ここにはなんでもあるとわかってもらえる。まずはつかみ、ってことで入り口右の壁全体にハンドルをずらりとディスプレイしました。全部、簡単にカチャって外せるようになってる。

モデル、サイズ含めオリジナル商品の80〜90%くらいは置いています。オリジナル以外にもキャラダイスのバッグやサスペンション式のシートポストとか、どこに行っても見られないだろうなというものを少し置いているけど、ほぼほぼうちのオリジナル中心ですね。

「モノ盗られますよって言われるけど、一度も盗られたことはない。お客さんを信じてますから。防犯カメラは外に4つつけてあるけど、それはお客さんの自転車が盗まれないように」

売り物は一切置いてない

以前、本社の4階にショールームを作ったんです。予約制で、ショップの方や一般のお客さんを対象に。ぽつぽつと見にきて来てくれたんですが、オープンは会社がやってる平日だけだし、結局うまく機能しなかった。
社内の事情で、カタログを作る時期になるとその製作部屋になったり。お客さんから注文があったときに在庫がないと、そこから持ち出したり。なかなか倉庫という認識から離れられなかったんです。

だからちゃんとしたショールームが作りたかった。しかも体験型のショールームにしたかったんです。ハンドルにブレーキブラケットをつけてあげてポジションを確認してもらったり、ここに自転車を持ってきてもらって自分の自転車にあてがってもらったり。実際にそうしてもらってます。

「最近はUXを目当てにここに来る人が増えてきています。午前中に来てソフトクリーム頼まずに出ていく人は、たいがいUX目当て(笑)。そういう人は初めて来る人が多い。だから誰かから聞いて来ていると思うんです、SNSとかで。そうやって情報がじわじわ伝わっていくのを感じています」

なんでここで販売しないんですか?とよく聞かれます。でもここには売り物は一切ない。だから傷ついてもいいので、どんどん手にとってさわってくださいと。そう言うとなるほどそういう部屋なんですねと理解してくれる。

もっと言うとここにある製品には、ブランド名とかモデル名とか価格とのタグを一切つけてない。でもそれに対しては、なんでですかと言われたことはほとんどないですね。

ふつう、ショップさんだと値札やポップや値引きやほかの商品やという、いろいろな情報がたくさん入ってきてしまって、純粋に製品そのものと向かい合えない。ここではそういうのが一切ない環境で商品を見てもらえるっていうのが、ちょっと特別だと思うんですよ。ここに来たら、みんな素になってモノを見ている。

これまでのサイクルモードなんかの経験からすると、こういったお客さんの反応はだいたい予想できたけど、実際にさわって、ブラケットまで付けてどう思ってくれるか、どれだけの人がわかってくれるかな?ってのが正直なところでした。確信はあっても自信はなかったかもしれない。でも予想以上に反応がよかった。

「ハンドルメインのセッティングで、全モデル全サイズ置いてみたらどうなるか。若い社員と相談しながらディスプレイなど考えました。彼が壁面に全部へばりつけたらどうかと。いいアイデアでしたね」

先入観のない状態で製品を見てもらえる

おもしろいのは、さんざん見てさわって最後の最後にだいたいどれくらいですか、って聞かれること。いくらですか、じゃなくてだいたいどれくらいですかって(笑)。

で、僕も全部頭に入っているわけじゃないし、カタログから価格が変わってるものもあるので「だいたい3万3000円くらいじゃないですか」っていうと、ああ、そうなんですねってなる。

ブランドや価格や宣伝文句につられて選ぶんじゃなくて、そういうのが一切ない状態でモノを見ているから、価格は二の次なのかもしれない。でもそれがうれしい。先入観のない状態で見てもらってるってことですから。

さんざん見たあげく、このサンエスって会社はなんですか?なんて聞かれるのはしょっちゅうありますね。そんな人がなんだかんだしたあげくカーボンハンドルに行きついて、ショップさんでオーダーしてくれたり。そしてそれを付けて見せに来てくれる。だからすごく楽しいですよ。

お客さんにもいろんな人がいて、悩む人もいればさっと決まる人もいる。先日は女性がサンエスベースに入ってくるなり脇目も振らずUXに直行して。1時間僕の話を聞いて、そのままショップさんに直行してオーダーしてくれた。事実そのショップさんから注文が入るからわかるんですよね。そういうのがうれしい。

実物を手にとってじっくり見られる場所として知られるようになり、ビギナーからマニアまでさまざまなサイクリストが訪れる

ここで見た後、ショップで買ってもらえるから、ショップさんもうれしいし、逆にショップさんもお客さんに、あそこに行ったらなんとかなるんじゃない?って紹介してくれる。ショップさんもハンドル1本でそこまで対応できないでしょうし。しかも僕の作るモノって、説明しにくいものが多くて(笑)。だからショップさんもUXに直接行って聞いてきて、となる。

われわれメーカーは、ショップさんなしには生きていけません。だからユーザーに直接売る気はまったくない。ウチの会社は直接通販はしていないし。でも在庫の確認はここでできる。そんなに潤沢に在庫していないハンドルとかあるからね。ここで見てショップさんで買ってもらう。それでしっかり取り付けてもらって工賃払ってもらって、また来てもらう。これがいちばんうれしいです。

お客さんも、われわれメーカーも、ショップさんもうれしくなる。ここはそれができる場所なんだと思います。

「ひとつお客さんにお願いしたいのは、たとえばここで、このハンドルにしようって決めても、それをショップさんにも相談してほしいってことです。ショップさんの考え方もあるだろうしね」と、説明しにくい商品を手に笑う上司さん

お客さんの声を直接聞ける喜び

僕ね、自分がつくったモノに対する確信は持っているんですがすぐに売れるかは自信はないんです。でもここでの対応がショップからの注文に、つまり売れることにダイレクトにつながっているのを感じる。そういうのは初めての経験ですね。どこどこのショップさんから紹介されてきました、ここで相談しました、そのショップさんから注文きましたってのがすぐにわかるのは、すごい経験ですよ。

で、ここで相談したお客さんが、それを付けて見せに来てくれるんです。その人がまた別の人を連れて来てくれます、すると前の人が連れてきた人に説明してくれるんですよ、僕がしなくても(笑)。

このハンドル付けて初めて乗ってここまで来ましたとか、付けて1200km走っても手が全然しびれませんでしたとかね。開発者からすると、ほんとうにリアルな成功体験になる。お客さんの声を聞くとほんとうに作ってよかった、という気持ちになる。

お客さんの反応を見て、内心「そうそう、それそれそれ、それを感じて欲しかったんだよ」って思うことがよくある。うーん、ってうなっている人を見ると、「そうそう、そこそこ、うーんって言うとこ!」とか(笑)。

「僕ね、これは何用ですかって聞かれるのがいちばんイヤで。これは何用ってしておかないと、お客さんが迷いますよ、って言われるんですけど、それはお客さんが自由に考えてもらったらいいことなんで」

ここは商売商売していなくて、値札とか一切付けてないから、空気感がいいというか風通しがいいんじゃないですか? みなさんそういう言い方をされる。ここは気持ちいいって。だから値札付けたりとか、そういうことは絶対にしたくない。それがいいんじゃないかな、商品を買ってくださいってことで置いてないのが丸見えだし(笑)。

新しい商品は作ってすぐはそんなに売れなくて、2年くらいしてガッと売れることが多い。

フラットタイプのバーにSTIレバーがつくこの「リリーフバー」っていうハンドルでも、最初は反応薄かったけど、今はサイクルモードで若い子が「これカッコいい」とか言ってくれてる。最近はグラベルロードとか出てきて、自転車も多様化している。だからいろんなハンドルに対して目が慣れてきたんじゃないかな。

ジャンルにとらわれない、新しい発想を大切にしたVeno(ヴェノ)のリリーフバー。STIレバーがそのまま使えるので、ハンドルを換えるだけでロードバイクをフラットバーロードにできます。

自分の自転車にここのハンドルを取り付けて、荒サイを走って体感してもらう。そういうことまでできるようになるのがこれからの目標かな。

「このサンエスベースは社長と僕、あと若いスタッフの3人でやってます。でも社長は厨房にいてUXでの僕の対応を知らない、僕も厨房やKURUでのことをあんまり見てない。そのバランスがいいのかなという気がします」

施設情報

開発者(上司氏)がUXに居ない時もありますので、KURUのツイッター、インスタでのカレンダーにてご確認ください。但し、表示していても居ない可能性もありますのでご了承ください。

▼KURU@サンエスベース
https://tsss.co.jp/kuru/

▼東京サンエス株式会社
https://tsss.co.jp/

まとめ

すべての自社オリジナル製品の、すべてのサイズをそろえて誰でも手に取れるように展示する。しかもそこで開発者といつでも直接話ができるようにする。そのダイナミックな、そしてある意味無茶な発想に、ユーザーを大切にする東京サンエスの心意気というか気概のようなものを感じます。だってさらっとお話しされてましたが、平日は会社で仕事して、週末はUXでお客さんと話して。いつ休むんでしょうこの人は?ってことですよ(笑)。でもUXでのお客さんとの出会いを、上司さんは心から楽しんでいるように見えました。

同じサンエスベースにあるソフトクリーム店、KURUがサイクリストどうしのコミュニケーションスペースであるのと同様に、ここUXもユーザーと開発者との、そしてユーザーとパーツとのコミュニケーションの場なんだと思います。

KURUとUX。このふたつの魅力をあわせ持ったサンエスベースが、今後お客さんといっしょにどんな新しい展開をしていくか。楽しみです。

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

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