西日本の廃線跡サイクリングロードとして知られる「片鉄ロマン街道」は、桜並木が美しいことでも有名で、岡山県の東部に位置しているため大阪都市圏からのアクセスが良いのも魅力。
古い駅舎やプラットホームが残るノスタルジックな風景と美しい桜並木をめぐる片道約22km(往復約44km)のサイクリングをご紹介します。
片鉄ロマン街道(旧片上鉄道跡地)とは
片上鉄道(かたかみてつどう)は、かつて岡山県備前市の片上駅から久米郡柵原町(現美咲町)の柵原駅までを結んでいた33.8kmの鉄道路線で、1991年6月30日まで営業を行っていたそうです。
2003年11月24日、線路跡の舗装や駅舎の修復などの整備が進められていた一般県道備前柵原自転車道線が「片鉄ロマン街道」の愛称で開通。
ほんの一部一般道を走りますが、ほとんど自転車・歩行者専用のサイクリング道は、鉄道跡のため起伏が緩やかで初心者でも楽に走ることができます。
コースには桜並木が何か所もあり、4月上旬には廃線跡ならではの駅舎やプラットホームと桜が織りなす美しい風景を楽しむことができます。
スタートはJR和気駅
スタートはJR山陽本線「和気(わけ)駅」。
1991年までは、同和鉱業片上鉄道との接続駅だったので駅の前を「片鉄ロマン街道」が走っています。
鉄道駅なので輪行でも行きやすいだけでなく、駅前のコース隣接に広い駐車場もあるので、車で行く場合にも便利です。
片鉄ロマン街道サイクリング
和気駅から5kmほど走れば見えてくる新田原井堰(しんたわらいぜき)。
江戸時代に吉井川に造られた石積みの田原井堰を、新たに新田原井堰として昭和60年代に造り直し、その後発電所が設けられました。
吉井川は、旭川、高梁川と並び、岡山三大河川の一つとされています。
天瀬駅跡
新田原井堰から800mほどで、「天瀬駅跡」。
プラットホームと駅舎が残る天瀬駅跡と桜の風景は絶景です。ホトトギスの鳴き声も聞こえ、とても穏やかな空気が流れています。
備前矢田駅跡
天瀬駅跡から、岩戸桜並木を走って約3.8kmで備前矢田駅跡。
プラットホーム跡には大きな片鉄ロマン街道案内板があり、他の駅とは違った桜とのコンビネーションショットを撮ることができます。
苦木駅跡
備前矢田駅跡から約4kmで苦木(にがき)駅跡。
駅舎跡には昔懐かしい伝言板が残っています。チョークも用意してくれているので、メッセージを書けばノスタルジックな写真が撮れます。
稲蒔桜並木
苦木駅跡から約4kmの備作大橋を渡れば、サイクリングロードから外れて稲蒔(いなまき)公園方面へ。
公園からは美しい稲蒔桜並木が続いています。
桜並木の先にある古民家カフェ「キママカフェ」でスイーツタイム。カフェには木で作った自転車のオブジェもあります。
吉井川河川公園
キママカフェからサイクリングロードへ戻り約4kmで吉井川河川公園。
穏やかに流れる吉井川と緑が美しい河川敷公園、そして道路の両側に続く桜並木は、鉄道跡地とはまた違った桜の風景を楽しませてくれます。
ここで折り返し、来た方向とはまた違った風景を楽しみながら、JR和気駅へ。
帰りの天瀬駅跡では、ここでずっと草花の手入れをしている地元の方のお話も聞かせてもらえました。
動画レポート
サイクリングの様子を動画でもご紹介します。
コース詳細
往復距離:44.2km 獲得標高:186m
▼大阪駅から和気駅までの所要時間
鉄道:約2時間(新幹線利用なし)
自動車:約2時間(高速道路利用)
▼一般県道備前柵原自転車道線(片鉄ロマン街道)
https://tabi-rin.com/archives/course/17712
まとめ
片鉄ロマン街道は今まで何度も訪れたことはあったのですが、2022年4月にやっと桜の季節に走ることができました。
自動車では走れないサイクリングロードの桜並木を、のんびりと写真や動画を撮りながらのサイクリングは、自転車ならではの贅沢さを感じさせてくれます。
関西圏からは日帰りで行けるアクセスの良さも魅力です。日本中の方にも1泊して一度は走ってもらいたいサイクリングロードですし、海外のサイクリストにもお薦めです。
とても美しい桜の季節に、ぜひ「片鉄ロマン街道」サイクリングを楽しんでみてください。
執筆:HANADA
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