2019年の台風以降、通行止めになっていた県道11号の定峰峠秩父側と奥武蔵グリーンラインの大野峠と秩父を結ぶ林道丸山線が開通しました。秩父に行くにも秩父から戻るにも、なにかと便利な道だったので念願の開通です。
林道丸山線の途中から少し歩けば丸山山頂からの絶景を楽しむ事ができますよ。
西武秩父駅からスタート
朝早くから登山客や観光客で賑わう西武秩父駅からスタートします。2023年3月から西武鉄道では土休日運行のS-TRAINでサイクルトレインを利用出来るようになりました。池袋から1本で到着する西武秩父駅はサイクリストに人気の駅です。
まずは踏切を渡り駅の反対側に出て、修繕工事が終わった旧秩父橋を見に行きます。
県道73号を右折して、国道299号に合流。さらに直進して荒川の手前で右折すると旧秩父橋に到着です。
アニメの聖地「旧秩父橋」
2021年から修繕工事をしていましたが、今年の3月末に工事が終了した旧秩父橋は、タイルの張り替えや花壇やベンチの入れ替えをしてピカピカです。
国道の橋は三代目秩父橋、その間に初代秩父橋の橋脚だけが残っています。
川をのぞくと古い橋脚を見る事ができます。
修繕工事後の旧秩父橋には、秩父が舞台の人気アニメ三部作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ」「空の青さを知る人よ」のデザイン蓋が6枚設置されています。
定峰まんじゅうを買う
県道82号から県道11号に入ってすぐに「坂本屋菓子店」があるので立ち寄ります。店名などが大きく書かれていないので見過ごさないように。
これから上る定峰峠の名前が入った「定峰まんじゅう」と「定峰焼き」があります。今回は定峰焼きが売り切れだったので、定峰まんじゅうを補給食として購入しました。
定峰川沿いに徐々に上っていく県道11号は、空気が少しヒンヤリとしています。
坂の前にジェラート休憩
本格的な上りに入る手前の「ジェラテリアHANA」に寄り道。
緑に囲まれた一軒家カフェで、自家製ジェラートと秩父の食材を使ったピザなどの軽食メニューが楽しめます。
店の一角でオシャレな雑貨を販売する「イニミニアニモArts and Crafts」もあります。
人気の自家製ジェラートは秩父産の素材を中心に日替わりでラインナップしています。
本日の自家製ジェラートから、苺をいただきました。
秩父側から定峰峠へ
秩父市から東秩父村に続く県道11号のピークに定峰峠があります。ジェラテリアHANAから定峰峠までは約6kmで平均勾配は5%ほど。比較的緩やかで走りやすい峠道です。
途中で真新しい道路が出てきました。おそらくここが土砂崩れの場所だったのでしょう。
道路脇には「定峰峠まで○km」という看板があるので、走る目安になります。逆に「まだ○kmもあるのか〜」と思う時もありますが。
定峰峠で定峰まんじゅうを食べる
定峰峠に到着して休憩していると白石峠側からプロチームのさいたまDReVe(ディレーブ)の選手が下って行きました。
ここで上る前に買っておいた「定峰まんじゅう」をいただきます!
薄皮茶まんじゅうで、甘すぎず美味しいです。
林道奈田良線で白石峠
林道奈田良線を走って白石峠に向かいます。定峰峠から鎌北湖までの林道の尾根道が奥武蔵グリーンラインと呼ばれています。(諸説あり)
定峰峠から白石峠までの道は約2.5kmですが、なかなか斜度があるので定峰峠で坂は終わったと油断しているとへこたれます。途中の景色が開けた場所で休みつつ進みます。
白石峠から堂平山まで上る
道が開けた場所に出ると白石峠です。サイクリストの間では聖地と呼ばれる峠で、タイムを競う猛者達が集まる場所でもありますが、私は通り過ぎるだけです。この時も、ときがわ町方面から上って来てタイムを確認する人が数名見かけました。
東屋の横にSNSでよく見かける白石峠と書いた白い石がありました。
白石峠から堂平山まで約2kmの緩やかな上りです。途中の開けた剣ヶ峰駐車場は、パラグライダー離陸場にもなっていて見晴らし最高です。
堂平天文台で絶景ごはん
堂平観測所ドームは1962年(昭和37年)に東京大学東京天文台の観測所として建設され、天文学を支えてきた施設です。その後閉鎖され、ときがわ町に移管後リニューアルされ「星と緑の創造センター」になりました。今でも「星空観望会」などが開かれて利用されています。
少し奥に進むと「堂平山」山頂の碑があります。山頂ではグルッと360度景色を見渡すことが出来て気持ちが良いです。ハイカーやトレランの人がお昼を食べるポイントにもなっていて賑わっています。
堂平天文台の食堂でゴハン
堂平天文台で土・日・祝日限定で豚汁やおにぎりなどの軽食を販売する店が営業しています。天気が悪い日は休みになるそうです、出店情報は「食堂便り」というブログでお知らせしています。
この日は天気が良く来店した人が多かったのか、12時過ぎに豚汁が売り切れました。私はギリギリ買うことが出来ましたが、ここまで来て売り切れだとショックが大きいですよね!
豚汁とおにぎりとお惣菜セットを購入して、ベンチでいただきます。
堂平山からは「ときがわ町」「小川町」「東秩父村」が良く見えます。
東秩父村側はパラグライダー離陸場もあり開けた景色を楽しめる。
大野峠まで奥武蔵グリーンラインを走る
白石峠から奥武蔵グリーンラインを走ります。最初は上りますが、高篠峠の手前から一気に下る。高篠峠は林道が交差する十字路になっていて広々としています。
この先にある大野峠は奥武蔵グリーンラインの中で1番標高が高く850mです。高篠峠からはずっと上りますが最後の上りなので頑張ろう!
大野峠は奥武蔵グリーンラインと林道丸山線が交差した三叉路。峠の標柱と案内看板があるので解りやすい峠です。
林道丸山線も2019年の台風被害にあってから長らく通行止めになっていました。ここも秩父に行くにも秩父から戻るにも便利な林道なので開通して嬉しいです。
林道丸山線は大野峠から寺坂棚田まで約12kmあります。前半は比較的平坦な道を進みます。広葉樹が多いので杉林の道を走るより明るくキラキラして気持ちが良い。
少し走ると真新しいアスファルトが出てきました。ここが長らく通行止めになっていた原因の場所なのでしょうね。
丸山展望広場までプチハイク
埼玉県県民の森の駐車場に自転車を置いて、丸山山頂までプチハイクです。
山頂まで約15分のハイクですが、歩きやすい靴で向かう事を推奨します。
アスファルトの道を進み「丸山山頂」の道標に従って階段を登ります。
その後は普通の登山道になります。道は解りやすく歩きやすいです。
山頂には驚くほど立派な展望台があり、階段を上ると360度見渡せる展望台に出ます。これから下りる秩父の町並みや武甲山がハッキリ見えました。
駐車場まで下りて、林道丸山線を進みます。路面がかなり荒れている個所があるので、注意しながら安全運転で下りましょう。
下り道の途中に、武甲山が木々の間からドーンと見える場所があります。目の前に大きな武甲山が現れると感動しますよ。
寺坂棚田の風景を楽しむ
林道丸山線の後半は、特に路面が荒れているので注意して下さい。
木々が茂る薄暗い林道を抜けると、丸山鉱泉旅館が出てきて寺坂棚田に到着です。
約330枚の田んぼで出来た埼玉県最大級の棚田で、四季折々の景色を楽しめるスポットです。
夏には「かがり火」を点灯するイベントが行われ、秋にはあぜ道を彼岸花が赤く染めます。棚田の先には武甲山があり、その間にあるセメント工場と一緒に写真が撮れるとカメラマンにも人気です。
西武秩父駅でゴール後も満喫
国道299号から国道140号を通り、西武秩父駅にゴール。
西武秩父駅には、西武秩父駅前温泉祭の湯という「祭」をコンセプトにした複合型温泉施設が隣接しているので、ゴールした後も楽しめます。
フードコートで秩父の名物を食べて、物販エリアで秩父土産を購入して、祭の湯で汗を流して帰るというのはいかがでしょうか。
コース紹介
▼アクセス
電車:西武鉄道「池袋駅」から特急ラビュー・レッドアロー号で「西武秩父駅」下車
車:関越自動車道「花園インター」から国道140号で約45分
▼西武鉄道「サイクルトレイン」ご利用案内
https://www.seiburailway.jp/railways/ike_cycletrain/
今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。
まとめ
4年ぶりに開通した県道と林道を紹介しました。東秩父村と秩父市を行き来するのに便利な道なので、開通を心待ちにしていた人も多いはず。この4年の間に自転車を始めた人にとっては走った事の無い道だと思うので、ぜひ走ってみて欲しいと思います。
執筆:小曽根彩
大分県出身、埼玉県在住。 |