紅葉が美しい「いろは坂」や「小田代ヶ原」を楽しむために、スタート地点を日光宇都宮道路の清滝インター周辺のパーキングからとします。
電車で向かう場合は、少し距離が伸びますがJR日光線か東武日光線の日光駅からのスタートになります。
紅葉が美しい「第二いろは坂」を上る
駅からのスタートと違い、清滝インター周辺からのスタートなのでウォーミングアップもそこそこに「いろは坂」に突入することになります。
それでも周辺の景色の美しさで、普段より足取りも軽い気がします。
いろは坂馬返し駐車場から「いろは坂」は上りと下りが分かれ、一方通行に入ります。
坂に入る前に公衆トイレを利用できるのはここが最後のポイントです。
第二いろは坂(上り)に入ると大谷川(だいやがわ)と男体山が両方見えるポイントがあります。
これから標高が上がるにつれ濃くなる紅葉に期待が高まります。
車に注意しながらのんびり走る
昔は対面通行で合計48のカーブがあったので「いろは48音」に例えて「いろは坂」と名付けたそうです。
その後はカーブを改良し上りと下り専用に分け、現在では第二いろは坂には「い」から「ね」までの20のカーブ、下りの第一いろは坂は「な」から「ん」の28のカーブを合わせた48カーブを「いろは坂」と呼んでいます。
最初はカーブの数を数えながら上っていましたが、景色を楽しんでいるうちに忘れてしまいました。
細かいヘアピンが続いて、大きくカーブした「れ」と「そ」の間に黒髪平展望台が現れます。小さな駐車場ですが「日本の道100選」の石碑がありました。展望台から上ってきたつづら折りの道を一望できます。
紅葉もだんだん鮮やかになって、男体山もチラチラと見える中を走ります。
上り専用とはいえ、紅葉の時期は車やオートバイが多いので充分に気を付けておきましょう。
明智平ロープウェイ展望台からの景色
カーブの先に観光バスが停まっているのが見えてきました、もう少しで明智平ロープウェイ展望台です。
標高1274mの明智平に到着したら、男体山とロープウェイが楽しめる場所で景色を眺めつつ大休憩をとりましょう。
すぐ目の前を真っ赤なロープウェイが行き来するのが楽しめますよ。
ロープウェイに乗って展望台まで行くと、日光華厳の滝を眺めることが出来るとか。
今回は時間がないので乗りませんでしたが、機会があれば乗ってみたいですね。
中禅寺湖から半月山までヒルクライム
明智第二トンネルを抜けて坂を下ると、中禅寺湖に到着です。ここまで来ると気温が大分下がった感じがします。
中禅寺湖を右手に眺めながら英国大使館の前を通過して、中禅寺湖スカイラインの約7kmの上りに入ります。
中禅寺湖スカイラインは「いろは坂」ほど車も多くなく、坂の途中で中禅寺湖が眺められ景色の良い道です。
半月山でプチハイク
半月山駐車場の手前に茶ノ木平展望所や中禅寺湖展望台がありますが、半月山でプチハイクをして絶景を眺める予定なのでスルーして進みます。
広い駐車場のある場所でプツリと道路が終わった印象が気になります。調べると、もともと道は足尾側まで延びる予定だったのですが半月山で工事は終了したようです。
駐車場から足尾銅山側の山が眺められます。
足尾銅山側の山肌が枯れた様になっているのは、精錬所から排出された煙害のためだとか…その後何年もかけて森林復旧の緑化が進み、少しづつ緑が蘇っているようです。
半月山で途切れた道路がもの悲しい感じですね。
ここからは自転車を止めて、片道約30分のプチハイク開始です。
しっかり山道なので歩きやすいSPDシューズを推奨します。
細い山道を登って行くと木製の展望台が見えてきました。
ここから中禅寺湖を眺めることが出来ます。
グラデーションが美しい八丁出島
半月山展望台から中禅寺湖を見ると、湖に突き出た八丁出島が目立ちます。
紅葉の時はカラフルに染まった八丁出島を見ようと多くの人が訪れます。
絶景を楽しんだら来た道を戻って中禅寺湖までダウンヒルです。
下りが長いので、寒がりの人は防寒着を多めに持ってきた方が良いかもしれません。
老舗ホテルの百年ライスカレー
中禅寺湖まで戻って来たら、お昼ゴハンにします。
日光の老舗ホテル中禅寺湖金谷ホテルの入口に建つログハウス風の「コーヒーハウスユーコン」で百年ライスカレーをいただきましょう。
自転車漫画「ろんぐらいだぁす!」でも紹介されていた百年ライスカレーは、大正時代(約100年前)に考案されたレシピを再現した伝統のカレーです。
ダイナミックな竜頭の滝
コーヒーハウスユーコンの近くにある竜頭の滝に立ち寄ります。
龍頭之茶屋のテラスから見る滝は、よくTVの中継でも利用されるスポットです。
茶屋でお茶しながらや、お買い物ついでにテラスを利用させて頂きましょう。
国道120号で茶屋の裏側にまわり竜頭の橋から見る湯川の様子もオススメです。
千手ヶ浜に続く市道を走る
国道120号を進み赤沼茶屋手前の左手にゲートが閉まった道に入って行きます。
この千手ヶ浜に続く日光市道1002号線は、自然保護のため一般車両は通行禁止ですが「歩行者・自転車・低公害バス」は通行可能です。ゲートに自転車の利用注意事項が書いてあるのでちゃんと読んでから入りましょう。
ゲート横に歩行者と自転車が通れる程のスペースがあるので、そこから入ります。
市道に入ると、国道を走っていた時の様な自動車の音が聞こえず静寂が広がります。
たまに来る低公害バスに注意しつつ走ると、小田代ヶ原に到着です。
周囲2kmほどの湿原の中で目を引く1本のシラカンバの木は、通称「貴婦人」と呼ばれ写真愛好家の間で有名です。確かに遠くに1本見える白い木は目立ちます。
幻の小田代湖
ちょうど行った日の前まで大雨が続き、湿原に幻の湖が現れていました。
過去10年の記録を見ても3回しか出現していないという「小田代湖」。
訪れた時に湖が広がっていたらラッキーですね。
写真を撮っていると、雲の隙間から光が差して虹が!なんともいえない神々しい景色でした。
小田代ヶ原を過ぎると、千手ヶ浜まで基本的に下り道になります。
自動車やオートバイが走らないので、シーンとした森から鹿の鳴き声が聞こえることもありますよ。
市道の終点に千手ヶ浜があります。
6月にはクリンソウが咲き色鮮やかです。秋は湖畔から紅葉を楽しめます。
秋の日は短いので、来た道を戻りましょう。
国道まで戻って中禅寺湖に向かっていると、ちょうど日が差した中禅寺湖が見えて綺麗でしたよ。
第一いろは坂で戻る
夕陽が綺麗だったので中禅寺湖の遊歩道まで自転車を押して行ってみました。
ゆっくり散策したい所ですが、日が暮れると真っ暗になってしまうので、そろそろ下山します。
下り専用の第一いろは坂に入って慎重に下ります。
カーブがキツい場所が多く、ブレーキを握る手も痺れます。
九十九折りが続く坂の途中に「日光いろは坂剣ヶ峰展望所」という展望スポットがあるので休憩します。
ここから2本の滝が見えるそうなのですが、1本は良く見えましたが、もう1本はうっすらとしか見えませんでした。
いろは坂馬返し駐車場まで出てくれば、あとは国道120号を駐車場まで下って終了です。
コース紹介
アクセス
電車:浅草駅〜東武日光駅(約1時間50分)新宿駅〜東武日光駅(約2時間)
車:東北自動車道「宇都宮インター」から日光宇都宮道路「清滝インター」下車
▼コーヒーハウスユーコン
https://www.kanayahotel.co.jp/ckh/restaurant/yukon/
まとめ
距離だけ見ると71kmありますが、半分は下り坂ですし、景色が最高なので頑張って上ってみて欲しいと思います。ただ紅葉の時期は車やオートバイが多いので、平日に行けるとベストかもしれません。
執筆:小曽根彩
大分県出身、埼玉県在住。 |
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