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記事タグ: ツーリング(10~50km)

【東京都】サイクリング初心者におすすめ。多摩川サイクリングロードから調布・深大寺に向けて走る15kmのグルメポタリング

【東京都】サイクリング初心者におすすめ。多摩川サイクリングロードから調布・深大寺に向けて走る15kmのグルメポタリング

まだ長い距離を走るのが難しい、自転車の楽しみ方を見つけたい。サイクリング初心者の方におすすめの、グルメポタリングコースをご紹介します。
小田急線「和泉多摩川駅」から多摩川サイクリングロードを走り、美味しいお蕎麦やかき氷を楽しむライドです。

和泉多摩川駅~多摩川サイクリングロード

多摩川サイクリングロードからほど近い、小田急線「和泉多摩川駅」よりスタート。

駅の近くの商店街には、自転車乗りに嬉しい「サイクルラック併設カフェ」があります。小さい商店街もあり、落ち着いた雰囲気が魅力な駅です。

多摩川サイクリングロード

駅を出てバスロータリーを抜け、大きい交差点を曲がると多摩川サイクリングロードが見えてきます。サイクリストの間で、「多摩サイ」と呼ばれ親しまれています。

看板の奥には橋があります。

神奈川県川崎市と東京都狛江市を結ぶ「多摩水道橋」というアーチ型の橋です。

かつてこの場所には、「登戸の渡し」という渡し船があったそうです。

サイクリングロードを進む

橋の手前にある道が、サイクリングロードです。信号を渡り、早速目的地へ走っていきます。

多摩サイクリングロードの東京側(左岸)は、道も広く走りやすいのが特徴です。
サイクリング初心者の方でも安心して走ることができます。
土日等の休日に関しては、ジョギングやお散歩をしている人も多いため注意が必要な場面も。

振り返ると、「多摩水道橋」の美しいアーチが鮮明に見えてきます。

東京都稲城市にある、「読売ランド」が遠くに見えます。

東京オーヴァル京王閣

多摩川サイクリングロードを進んでいくと、右側にひときわ大きい建物が。「東京オーヴァル京王閣」と言う競輪場です。

過去には、競輪選手とバンク(競輪レース専用滑走路)内を走行体験できるイベントもやっていたとか。
滅多にできる体験ではないので、次回は是非参加してみたいと思いました。

多摩川原橋

多摩川サイクリングロードからここで離れます。東京都調布市と稲城市を結ぶ、「多摩川原橋」が目印です。

橋は渡らず、多摩川サイクリングロード沿いから右折して、目的地を目指します。

鬼太郎ひろば

東京都調布市は、「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターたちがあちこちに居ます。
深大寺に向かう道中にある、「鬼太郎ひろば」です。

ひろばに入ってすぐ、鬼太郎がお出迎えをしてくれます。


中でも有名なのが、とても長い「一反木綿」。

長さは約12メートルほど、あまりの長さに驚いてしまいます。
このほかにも「鬼太郎の家」や「ぬりかべ」などのオブジェクトがある鬼太郎ひろば。
広い公園なので、休憩場所にもぴったりです。

深大寺

鬼太郎ひろばから2kmほど、少し坂道を走ると「深大寺」の西参道に到着します。

深大寺本堂まではまだ少し距離がありますが、参道を走るとたくさんのお蕎麦屋さんが。
「深大寺そば」が有名になった理由については諸説あり、江戸時代から長く親しまれています。周辺には、現在20店舗ほどのお蕎麦屋さんがあります。
深大寺に併設されている駐輪場に自転車を停め、深大寺を散策します。

散策の前に

ロードバイクを乗る人の多くが履いている「ビンディングシューズ」。
そのまま歩くのは少し歩きづらく、「クリート」も壊れやすい為「クリートカバー」を付けて歩くのがおすすめです。

黄色の内側のものが「クリートカバー」。
各段に歩きやすくなりますので、是非購入してみてください。1,000円ほどで購入できます。

深大寺参道


深大寺の参道を入ってすぐ、「鬼太郎茶屋」という甘味処あります。その手前には、ゲゲゲの鬼太郎の仲間たちが描かれた車が。

残念ながら、「鬼太郎茶屋」は定休日でした。「鬼太郎茶屋」のスイーツはとても美味しいので、是非味わってみてください。

深大寺 青木屋

たくさんのお蕎麦屋さんがひしめく深大寺。テラス席の解放感が素敵な、「深大寺 青木屋」さんでお昼ご飯をいただきました。


テラス席はペットとの利用も可能。

天もりせいろとノンアルコールビールをチョイス。
しっかりしたコシのある「二八そば」、少し甘みのあるそばつゆと相性抜群です。

深大寺本堂へ

深大寺は、厄除け、縁結び・良縁成就、浄化など様々なご利益があるとされています。

お参りをして、深大寺を後にします。

天神通り

深大寺を後にし、「ゲゲゲの鬼太郎」の仲間がたくさんいる天神通りへ向かいます。

来た道を少し戻り、「旧甲州街道通り」を進みます。
しばらく走ると、調布駅そばの「天神通り商店街」に到着。

天神通り商店街入口から、鬼太郎がお出迎えしてくれました。
「天神通り商店街」は飲食店も多く、いたるところに「ゲゲゲの鬼太郎」の仲間たちのオブジェクトが。
調布で有名な、「沼田」というもつ焼き屋さんもこちらにあります。今回は自転車ですので、また別日にお邪魔したいと思います。

食後のスイーツ

旧甲州街道をまっすぐ進み、小田急線「狛江駅」を目指します。
狛江駅からほど近い「komae café」さんでかき氷をいただきます。

お店の前に自転車を停める際は、お店の方に一言お声がけをお願いします。
かき氷はたくさん種類がありましたが、「黒蜜きなこかき氷」をいただきました。

甘すぎず、ほんのりきなこの塩味を感じるかき氷は自転車で走った体に染みわたりました。

コース紹介

▼深大寺 青木屋
https://chofu.com/aoki_ya

▼深大寺
https://www.jindaiji.or.jp/

▼komae café
https://komaecafe.com/

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

深大寺ライド

まとめ

自転車を始めたばかりの人でも辛くない、短距離のグルメポタリングをご紹介しました。
多摩川サイクリングロードを出てからも、広い道が多いため走りやすくおすすめです。深大寺周辺には、今回ご紹介した以外にも様々なお店があります。
自転車旅の目的地として、是非選んでみて下さい。自転車旅の醍醐味、「グルメポタリング」。
実際に走って体験していただければと思います。

執筆:Risa/酒呑みローディー

神奈川県出身。
「自転車に乗った後に美味しいお酒を呑む!」をモットーにInstagram&YouTubeにて活動。
現在はフリーランスとして動物関係の仕事をしている。
2023年2月に自転車デビュー。その後自転車メーカー「EFILOA」の公式アンバサダーとなり、ブランド認知度アップのため日々奮闘中。

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【オーストラリア】春を告げるお祭りと苺スイーツライド40km

【オーストラリア】春を告げるお祭りと苺スイーツライド40km

 

 


8月中旬、クイーンズランド州ブリスベンでは毎年 ”Royal Queesland Show” 通称 “Ekka”(エッカ)と呼ばれる春の始まりを告げるお祭りが約10日間に渡り開催されます。
移動遊園地、小動物とのふれあいコーナーや食品の品評会などのイベントで大いに盛り上がります。

その中日は毎年 “Ekka Wednesday” として祝日となり、人々はEkkaに行くのはもちろん、ビーチに行ったりピクニックをしたり思い思いに過ごします。
そんなEkka Wednesdayにブリスベンの南エリア〜隣町のローガンを中心に、春らしい苺スイーツとお祭りをめぐるライドをしてきました。

スタートはグリーンバンクRSLパーク&ライドから


スタート&ゴールはブリスベンのシティ中心部から南へ約30km行った、ローガン市にあるグリーンバンクRSLパーク&ライド(Greenbank RSL park ‘n’ ride)です。

「パーク&ライド」とは、自家用車向けの駐車場を備えたバス停や駅のこと。
平日はここからシティ中心部のビジネス街に直接向かう市営の急行バスが出ており、多くの通勤客で混み合います。

ここから16km先の、ブリスベンの南のサバーブ(郊外の地域)「ランコーン」エリアにあるカフェ、マウンテンリバー・パティスリーを目指します。

ローガンとブリスベンを結ぶ幹線道路マウント・リンゼー・ハイウェイ沿いには歩行者・自転車専用道が整備されています。
高架も含め、車道としっかり隔てられているので安心して走ることができます。


オーストラリアの歩行者・自転車用信号は主にボタン式です。
コロナの時の名残で、指ではなく肘で押すことを促す ”Bump” のステッカーが今でも貼られています。


オーストラリアで展開する大手スーパーの一つ、ALDIの看板が見えたら右折し、一般道・イラウィーナストリートのバイクレーンを進んで行きます。

スレットンステートカレッジ〜ランコーン

イラウィーナストリートを1.4kmほど進み、スレットンステートカレッジが見えたら左折し北上していきます。


キャンパスの一角で見かけたこの鳥はガラ・クカトゥー(オカメインコ)です。
その羽の色から「ピンク&グレー」の名称でも親しまれる、オーストラリア特有のオウムです。
オーストラリアでは緑地公園はもちろん、キャンパスや住宅でも色鮮やかな野鳥を多く見ることができます。見たことのない品種に出会うのもまた楽しみの一つです。

スレットンステートカレッジから約7km北上し、ランコーン駅とフルーツグローブ駅の間の線路を渡ります。
車社会のオーストラリアは日本ほど鉄道が発展していないため、ライド中に電車に出会うのは少し珍しいかもしれません。

人気カフェ:マウンテンリバー・パティスリーの苺モンブラン


小一時間ほど走ったところで、ランコーンエリアのカフェ、マウンテンリバー・パティスリーに到着です。
カフェ文化の盛んなオーストラリアでは、ブリスベン市内にもカフェが数えきれないほどありますが、2017年にオープンしたマウンテンリバー・パティスリーは特に人気のお店。
週末の昼になるといつも多くの人で賑わいます。

マウンテンリバー・パティスリーの特徴は、日本の和菓子・洋菓子のテイストを取り入れていること。

抹茶・ほうじ茶・柚子といった和テイストを取り入れたチーズケーキを始め、期間限定の特別ケーキ、おにぎりやキッシュといった軽食メニューも人気です。コーヒーはもちろん、抹茶ラテやほうじ茶ラテのドリンクも充実しています。
店内では日本から仕入れている抹茶、茶道具、お香や和雑貨も販売しており、日本人にとってはブリスベンにいながら日本を味わえほっとできる貴重な空間になっています。

この日いただいたのはロングブラックコーヒーと、この週限定のストロベリー・モンブラン。アーモンドメレンゲの上にバニラクリーム、苺ピューレ、そしてフレッシュな苺がトッピングされたスペシャルなケーキです。
繊細に絞られた苺ピューレの淡いピンクは日本の桜を彷彿とさせます。

「海外のケーキは甘い」というイメージが強いかもしれませんが、ここのケーキはどれも控えめな甘さで上品な味わい。フレンチコースの最後のデザートを食べているような贅沢感があります。
スタッフたちは京都・嵐山の老舗和菓子店を尋ねるなど、日本の菓子文化への知見が深く、日本人顔負けです。ぜひ日本からの旅行客の方にも味わってほしい、地元で深く愛されるお店です。

カラワサフォレスト

コーヒーとケーキを堪能したら5km先のカラワサ・フォレストを目指します。

ブリスベン・ローガンにはコアラなど野生動物が今も生息している森が点在しており、その多くは、トレッキングやグラベルライドを楽しめる公園としても整備されています。
オーストラリアならではの街づくりと言えるでしょう。

この日は祝日だったため、野生動物や環境保護に関する展示施設「ディスカバリー・センター」は休館でしたが、公園内にはBBQやピクニックをする家族連れやウォーキングを楽しむ人の姿が見られました。

公園の敷地内には子供達が昆虫や動物に親しめるアートや仕掛けが工夫されています。

トレイルの入口の自転車マークの部分には “Designated Tracks Only” (指定コースのみ)の標識がありました。
ロードバイクで進むのは少し厳しそうですが、グラベルバイクやMTBでぜひ試してみたくなりますね。

 ローガン・アートギャラリー

 
カラワサ・フォレストから4kmほど南下すればローガン市の行政の中心部ローガン・セントラルのエリアに入ります。その一角にあるのがローガン・アートギャラリーです。
ローガン・アートギャラリーではブリスベンやローガンにゆかりのある地元アーティストの企画展示を行っているアートスペース(入場無料)。
毎年地元の高校生たちの作品展も行うなど、市民が気軽にアートに触れることのできる空間です。

オーストラリアは特に2020年〜2021年の間、コロナによる厳しいロックダウンや国境封鎖の政策をとっていました。
その影響もあって、現代美術展では「コロナによって自分たちの価値観がどのように変わったか」をテーマにした作品がよく見られるようになったのが印象的です。

ギャラリーの外壁にはオーストラリアの原住民であるアボリジニの伝統柄の壁画が描かれています。

ブラウンズプレインズ・ファミリーフェスティバル


ライドも終盤、スタート地点のグリーンバンクRSLへと戻って行きますが、少し寄り道です。ローガン・アートギャラリーから7kmほど走ったウォーラー・パークを覗いてみましょう。

この時期、Ekkaはもちろんですが、ブリスベン周辺の町でも各所で小さなお祭りが開催されています。
ローガンのウォーラー・パークではブラウンズ・ファミリーフェスティバルが開催中。
移動遊園地にくじ引きなどの出店、小動物とのふれあいコーナーなどさながら「ミニEkka」といった感じです。

“Show Bag” はお祭り限定のキャラクターの文房具やぬいぐるみが入った言わば「福袋」です。ディズニー、ポケモン、ハリーポッターなど日本でも人気のキャラクターたちの顔が並んでいます。

チップスやホットドッグといった屋台グルメも充実しています。このお祭りならではのポテトは日本でも見かけたことがあるような…

乗り物のポップでどこかレトロな色合いは、日本の昔ながらの遊園地を彷彿とさせます。

どこの国もお祭りに浮き足立つのは子供も大人も一緒のようで、期間中は平日・休日問わず多くの人で昼から夜まで賑わいます。

クイーンズランド拠点のコーヒーチェーン:ザラファズコーヒー


最後に、近くのザラファズコーヒー(ZARRAFFA’S COFFEE)でロングブラックとビーフロールパイで一息。

ザラファズコーヒーはクイーンズランド州に拠点を置くオーストラリアのカフェチェーンです。店内やカップはキリンをモチーフにデザインされているのが特徴です。

ぜひこちらもクイーンズランドに来たら、店舗を見つけてみてくださいね。

コース紹介

▼マウンテンリバー・パティスリー
https://www.mountainriverpatisserie.com/

▼カラワサフォレスト・ディスカバリーセンター
https://www.brisbane.qld.gov.au/clean-and-green/natural-environment-and-water/environment-centres/karawatha-forest-discovery-centre

▼ローガン・アートギャラリー
https://www.loganarts.com.au/venue/logan-art-gallery/

まとめ

ケアンズやブリスベン、ゴールドコーストがあるクイーンズランド州は亜熱帯地域に属しているため、春の初めになるとブリスベンも日中は24度前後になり半袖ジャージでも十分走ることができます。
旬の苺のスイーツ、春を告げるローカルなお祭りと、その季節ならではのものを見つけに走るのも楽しいものです。
どのシーズンに来ても楽しめるブリスベンですが、ぜひ春もおすすめですよ。

執筆:Ayaka

2011年に社会人になると同時に始めた自転車で「自転車×旅」の魅力にハマる。
ニュージーランドでのワイナリーロードレース、タイの寺院巡り、ドイツ古城巡り、インドネシアでの遺跡巡りなど世界各地で自転車旅を催行し、その様子を雑誌『Cycle Sports』に寄稿。
2017年には自転車ツーリズムを探究しにオーストラリアへ留学。現地の様子を『Cycle Sports.jp』にて『G’day, Australia! 〜ブリスベンからの自転車だより』として1年間連載。帰国後は英語教材編集者の傍ら、自転車イベントで通訳・MC・PR担当等を務める。
2022年4月、オーストラリア クイーンズランド州ブリスベンへ移住。
座右の銘は「好きにまみれろ、夢中で生きろ」。

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【滋賀県】湖東三山の寺社仏閣と太郎坊宮をめぐる初・中級サイクリング

【滋賀県】湖東三山の寺社仏閣と太郎坊宮をめぐる初・中級サイクリング

道の駅せせらぎの里こうらをスタート&ゴールとし、戻りにはサイクルトレインを利用するルートです。滋賀県の名所「湖東三山(※)」や太郎坊宮を散策するため、歩きやすい靴を推奨します。最後は八日市駅から尼子駅までサイクルトレインに乗るので楽々です。

※「湖東三山」とは滋賀県湖東地方の山間にある西明寺・金剛輪寺・百済寺の三つの天台宗寺院の総称です

道の駅せせらぎの里こうらをスタート

国道307号線沿いの道の駅せせらぎの里こうらをスタートしてすぐに「湖東三山」の西明寺に立ち寄ります。国道から左折して短い坂を上れば入口です。

湖東三山 西明寺

まず名勝庭園蓬莱庭の横を進みます。
米テレビ局CNNの特集「日本の最も美しい場所31選」に連続選出されているだけあり、手入れが行き届いた美しい寺院です。

西明寺は平安時代の承和元年に開創されました。織田信長により焼き討ちにあいましたが、兵火を免れた本堂、三重塔、二天門が今も当時の姿を残しています。
本堂は国宝第一号指定の建造物で、鎌倉時代初期に建立されました。
三重塔も本堂と同じく国宝で、釘を使用していない純和様建築です。鎌倉時代の建造物を目の当たりにすると言葉もなく、圧倒的な存在感を感じます。

紅葉の名所ということで、また来ることがあれば是非秋に訪れたい場所です。

お地蔵様が多い金剛輪寺

国道307号を少し走ったら左折、名神高速道の高架下をくぐり路地に入ります。
車通りが多い国道から一変して、穏やかな里山風景を走ります。

県道220号を左折すると金剛輪寺に到着です。
入口の総門は江戸時代に建立されたもの。

金剛輪寺は奈良時代の中頃、聖武天皇の勅願で行基により開山されました。
境内にはお地蔵様が多く千体地蔵さまと呼ばれています。

桃山時代から江戸時代中期に作庭された庭園は、国の名勝に指定されています。

庭園内の明壽院書院に、二頭の龍が描かれた杉戸絵があります。
京都府の紅堀画作家の方が奉納したものだそう。

本堂まで参道沿いに続く千体地蔵

庭園を出て参道を進むとズラリと並ぶ千体地蔵が現れます。実際は二千体以上あるというお地蔵様。ひとつひとつに前掛けや風車が飾られています。

お地蔵様は本堂の手前まで並び、風が吹くと風車がカタカタ回ります。

大きな草鞋が飾られた二天門は室町時代に建立されました。

織田信長の焼き討ちを免れたのは本堂・三重塔・二天門。三重塔は荒廃が進んだので、昭和49年に復元されました。

近江最古級の百済寺

金剛輪寺を出て、途中の上蚊野古墳群脇を眺めつつ約5km走れば百済寺です。
百済寺は湖東三山の中で最も山深い場所にあるので、きつめの坂を上って行きます。

推古14年に聖徳太子が渡来人のために創建させた百済寺は、室町・戦国時代の兵火に壊滅的打撃をうけましたが、江戸初期に現在の本堂、仁王門、山門等が再建されました。

百済寺庭園から少し登った所にある遠望台からは、比叡山や琵琶湖が望めます。

石畳の表参道を歩くと、まるで時代劇の世界。実際に重厚な石畳と境内は、多くの映画や時代劇・ドラマなどのロケ地として利用されています。

自転車に乗り坂を下る途中に百済寺山門があります。
朱塗りのため「赤門」と呼ばれており、江戸時代に建立されました。

道の駅でランチ休憩する

加領川橋交差点を斜め右に曲がり、緩やかな坂を下っていると目の前に菜の花畑が出現!
道の駅に隣接する花畑では、季節に合わせ「菜の花・ラベンダー・ひまわり・コスモス」などを楽しめるそうです。

農産物の流通・加工、人的交流、観光などを総括した施設で、フラワーアレンジメントの体験や、採れたて野菜を購入できる直売所も人気です。
フルーツ&ハーブ工房のイタリアンジェラートは並んでも食べたい!と行列が絶えません。

巨大「とび太くん」が居る公園

道の駅から国道307号を走り、愛知川を渡り土手沿いに進みます。国道421号の八風街道を渡り、両脇に田んぼが広がる道を進むと巨大な飛び出し坊やが見えてきます。

東近江市が発祥の飛び出し坊や「とび太くん」は、滋賀県内を走るとよく目にします。そのとび太くんの約3倍サイズの巨大とび太くんが市原野町グラウンドに設置されています。
この辺りに来たなら、是非見ておきたいスポットです!

県道を走って14km先の太郎坊宮へ

県道170号を暫く真っ直ぐ進み、途中国道307号を横断しつつ約14km走ります。
近江鉄道「長谷野駅」前を北上し、近江鉄道八日市線の踏切を渡ったらすぐ左折。太郎坊宮前駅の所を右折すると参道入口です。

太郎坊宮は平地に突き出たような赤神山の中腹にある神社。太郎坊という呼び名は阿賀神社を守っていると言われていた天狗から付けられた愛称です。
自転車で坂を上れば太郎坊宮中腹駐車場まで行く事ができます。そのおかげで石段742段分を歩いて登らずにすむのが嬉しい。駐車場からは八日市の町並みを一望出来ます!

「勝利と幸福を授ける神様」とされ政治家、起業家、プロスポーツ選手なども御利益を仰ぎに来るとか。駐車場に自転車を置いて本殿まで歩きます。

湖東三山でかなり歩いたため、もう足はクタクタです。

黙々と石段を登っていくと、目の前に巨大な岩が現れます。
神様の力で押し開かれたと伝わる夫婦岩です。岩と岩の間は約80cm。岩のパワーを感じつつ岩の間を進みます。

本殿手前にある展望台からは「万葉集」にも出てくる景色を眺められます。昔の景色に思いをはせるのも良いですね。

八日市駅からサイクルトレイン

来た道を戻り八日市駅に向かいます。八日市駅から尼子駅まではサイクルトレインを利用します。歩き疲れた足には嬉しいです。

近江鉄道の米原駅〜貴生川駅区間では、輪行袋を使わずに電車内へ自転車の持ち込みが可能で運賃のみで持ち込み料金は無料です。
彦根駅と八日市線(新八日市駅〜近江八幡駅)の各駅では利用できないので注意してください。

約20分乗車して尼子駅に到着!ここからゴールまではもうすぐです。

甲良町出身の武将・藤堂高虎

尼子駅から一般道を走り、最後の立ち寄りポイントの在士高虎公園に到着。
甲良町在士出身の戦国武将・藤堂高虎は、関ヶ原の戦いに参戦し功績をあげました。築城技術にも優れていたため、江戸城の改築にも貢献したと伝わる。公園内には大阪城再建の時に使用されなかった「残念石」などが飾られています。

公園前を流れる小川沿いの道は「古川の径」という散策路になっていて整備されています。のどかな古川の径を走り、国道307号に出て南下すればゴールの道の駅に到着です。

コース紹介

TABIRIN MAP 滋賀県 甲良町周辺(湖東/彦根/東近江エリア)
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まとめ

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執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
埼玉県奥武蔵エリアを中心に、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

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【新潟県】廃線跡をたどる32kmの久比岐自転車道をのんびりライド

【新潟県】廃線跡をたどる32kmの久比岐自転車道をのんびりライド


2023年7月。富山湾岸サイクリングコースの取材をした帰りに、そこからのアクセスのいい久比岐自転車道を走ってみることにしました。それまで名前を聞いたことのない自転車道だったのですが、行ってみるとPRキャラクターが設定されていたり、しっかりしたHPができてたりと、やるな新潟県という感じのサイクリングルートでした。

スタートは糸魚川駅

前日に富山湾岸サイクリングコースの朝日町側の起終点から市振駅へ。そこから輪行で糸魚川に入り宿をとりました。駅ではさっそく久比岐自転車道のPRキャラクター、久比岐凛ちゃんがお出迎え。

輪行を解いて駅前のホテルエビヤに入ると商店街に気になる提灯が。どんな祭りなんだ?

宿に入るとだいたいこんな感じで洗濯、充電、買い出しなどに追われます。

サイクルトレインでスタート場所まで

翌朝の糸魚川駅。さあさっそく走り出そう!……と思ったらそうではなく。

なんとえちごトキめき鉄道・日本海ひすいラインではサイクルトレイン実施中。
じつは昨日の市振駅からもサイクルトレインに乗れるのですが、時間指定がありそこでは利用できずに輪行したのでした。
糸魚川駅から梶屋敷駅はたった2駅ですが、サイクルトレイン好きとしては乗らない手はありません。自転車の持ち込み手数料は290円。予約なしで乗れます。

カラフルな列車が入線してきました。1両編成。空いていたので自転車はトイレ前のスペースに。傾けて立てかけたら、とくに固定しなくても大丈夫でした。
この列車、ドアの開閉がボタン式で、乗るときは車両後ろ側から、降りるときは前側から。しかも後ろ側のドアは内側からは開けられない。
じゃあ降りるときは座席の間をすり抜けて前から降りるの?と思っていたら、乗車してきた高校生がいたので後ろのドアが開いて降りられました。

梶屋敷駅。もちろん無人駅です。ポスターがあったので、気になっていた祭りの謎が解けました。

駅にはサイクルトレインや久比岐自転車道のパンフレットが。ちゃんとしてますねー。ちなみに久比岐(くびき)とは新潟県上越地域の古い呼び方なんだそう。

自転車道のパンフレットに載っていた往時の写真。SLが走っていたんですね。

旧国鉄北陸本線の廃線跡を利用

梶屋敷駅からちょちょいと走って久比岐自転車道の入り口に到着。久比岐自転車道というのは愛称で、正確には新潟県道542号上越糸魚川自転車道線。看板の表示は久比岐自転車歩行者道になっています。

標準サイズより小さいミニ矢羽根発見! 矢羽根研究所長としての血が騒ぎます。

自転車道に入ってすぐの駐輪場。脇にコンビニもあるので、ここでドリンクや補給食を仕入れておくといいでしょう。

駐輪場にあった全体図。同じものがパンフレットにも載っていました。
この久比岐自転車道は旧国鉄北陸本線の廃線跡を利用したサイクリングルート。もともと北陸本線はここを走ったいたのですが、それを少し山側に移して新しい線路とし、この古い線路部分がいま久比岐自転車道になっているというわけ。
移した新しい線路は、現在第3セクターのえちごトキめき鉄道の路線となっています。

日本海がきれいに見える

さっそく走り出しましょう。最初は防波堤沿いの道。

海岸に折り畳みベッドを持ち出してバカンスしていたご夫婦に撮ってもらいました。

防波堤から国道を渡って、左手奥へ入っていきます。

おお、いかにも軌道跡という感じの道に。

少し海岸から上ったところでは海がきれいに見えます。

ところどころ国道に降りられる道もあります。ここを降りるとコンビニ。コンビニがサイクルステーションになっています。ルート両端の起終点までの距離が表示してあり、目安になります。

とても暑い日だったので、コンビニで買ったアクエリアスの冷凍パウチを首筋に入れて走りました。溶けてきたら冷え冷えのドリンクが飲めるので一石二鳥。

駐輪場や休憩所がムダに充実

この管理境界を示す看板が何度も出てきます。利用者には関係ないと思うんですが、「この先で何かあっても責任をもつのはウチじゃないからね」という強い意志を感じます。

路面に見つけた自転車のピクト。富山とは違うものです。

海がきれい。崖を切り崩して作った軌道跡を走ります。

なぜここに?と思うようなところに駐輪場が。スペースが余ってしまったからでしょうか。無駄ですね。

集落を抜ける部分もあります。歩行者などに注意するように促す看板が。

♪トンネルだトンネルだ楽しーなー

ついにトンネル登場。この久比岐自転車道には8カ所のトンネルがあり、一部は明治から大正時代のレンガ造りが残っていて、在りし日の国鉄やSLの走行シーンに思いを馳せることができます。

真夏だというのにトンネルの中はクーラーが効いているように涼しい。トンネル万歳。後ろから走ってきたサイクリストが、俺がいるのに気づかずに「フゥ〜〜〜♡!」と叫んだので、俺も「フゥーーー♡!」と返してやりました。

ところどころこんな感じの集落を抜けていきます。歩道が広い部分も。

道の駅マリンドリーム能生近くには、雰囲気のいいトンネルがあります。壁には古代人が描いたような壁画(笑)が。

道の駅マリンドリーム能生に下りていく道沿いには県立海洋高校の実習船として活躍した越山丸が係留されています。併設されるマリンミュージアムには予約制で入館できますが、この越山丸の内部は非公開。

道の駅マリンドリーム能生。ちょうどお昼どきでしたが、暑くて食欲がなかったので中をぶらぶらして出発。

レンガ造りのトンネルがいい雰囲気

レンガ造りのトンネル。フゥ〜〜〜♡!

糸魚川市内の筒石地区。黒くてピカピカ光る独特の瓦が使われた家が多くありました。

海岸沿いを快走。しかし暑い。

上越市に入りました。

またレンガ造りのトンネル。

ルートは要所要所でブルーラインなどで誘導されていて走りやすかったです。

道の駅で日本海の幸を

道の駅うみてらす名立。ルート上には飲食店がほとんどありません。道の駅で食べないと食いっぱぐれそうなので、海鮮丼を食べました。日本の海沿いはどこに行っても海鮮丼ですね。

ノボリにも久比岐凛ちゃんが。脚が長すぎます。

ところどころにこんな休憩所が。きっと駅の跡なんだろうと思ったら、滝がありました。

こんな立派な駐輪場が。誰が使うんだろう?

と思ったら横に旧線路と現線路が並行する部分が。鉄道ファンの名所らしいです。
このレンガのブロックの上に立って、電車に向かって開いた傘を2つ、両手で振り回しているオジサンがいましたが、目を合わせないようにしました。

ゴールは国道の脇に

シブすぎるレンガ造りトンネル。

ルートが国道8号線を渡る部分にはわかりやすいブルーラインが。

上越市街や直江津港が見えてきました。

ゴールは国道8号線の脇。終点の看板の裏には起点と書いてあります。

ここにも凛ちゃん。だんだん好きになってきました。

とくにモニュメントもないので看板バックに完走記念写真。

夏の夕暮れに祇園祭

わかりやすい表示に従って直江津駅へ。

昭和の雰囲気漂う直江津の旧市街。金曜日なのに神輿がやってきた。なんかギクシャクしてるので練習ですかと聞くと本番だということでした。
毎年7月26日から29日まで行われる祇園祭という直江津最大の夏祭りでした。

直江津駅着。15分ほど走った温浴施設で汗を流し、ここから輪行。

列車の時間まで夕暮れの祭りを見て歩きました。今度来るときはもっとゆっくり見たいと思いました。

コース紹介

久比岐自転車道HP(国土交通省 北陸地方整備局 高田河川国道事務所)https://www.hrr.mlit.go.jp/takada/road/kubikicycling/index.html

久比岐自転車道ガイドマップ(PDF)https://www.hrr.mlit.go.jp/takada/road/kubikicycling/course/guidemap_202303.pdf

えちごトキめき鉄道
https://www.echigo-tokimeki.co.jp/

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

久比岐自転車道

まとめ

全然期待せずに、別取材のついでに走った久比岐自転車道。でも廃線跡をのんびり走るサイクリングは楽しいものでした。
盛夏にはおすすめしませんが。パンフやノボリ、サイクルトレインなど、気合を入れて整備しているのが感じられ、新潟県やるじゃないか!と思いました。
距離も32kmと短く、ファミリーでも楽しく走れそう。久比岐凛ちゃんも最初は「なんだよこんな美少女キャラクター、恥ずかしー」とか思っていましたが、走り終わるころにはファンになってしまいました。
最後に直江津の祇園祭りに出合えたのも思い出に。夏の夕暮れ、祭りの音に後ろ髪を引かれながら列車の人となりました。

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

 

【三重県】東紀州・熊野の丸山千枚田を訪ねる約40kmの里山旅

【三重県】東紀州・熊野の丸山千枚田を訪ねる約40kmの里山旅

自転車ファンにはツール・ド・熊野というレースでなじみの深い熊野エリア。そのレースの写真に必ず登場する美しい棚田の風景。その丸山千枚田を訪ねて道の駅を発着点に走ってみました。

道の駅パーク七里ヶ浜をスタート

御浜町にある道の駅、パーク七里ヶ浜を起点に走ってみることに。ここにはツーリストインフォメーションや地元のスーパー「オオクワ」が入るモールなどもあり、情報を得たり補給食の買い出しにも便利です。

道の駅のすぐ裏手にはJR紀勢本線の阿田和駅があり、輪行するならここが起点になりますが、停車する列車の数が少ないのが難点。

道の駅からしばらく集落内を走り、尾呂志川に沿って県道62号(尾呂志街道)を遡っていきます。交通量は恐ろしく少ないので、快適なサイクリング。アップダウンもキツくなく、思ったより快適に距離をかせげます。

国道311号に出る手前に、熊野古道の表示が。ここはいにしえの道、世界遺産である熊野古道があちこちに残り、一部はトレッキング道として整備されているエリア。ここを左折すると風伝峠の古道に入っていきます。

すぐ先には川瀬城跡の石碑が。奥には尾呂志城跡もあるようですが今日はパス。

カフェでハンバーグ定食

国道311号をいったん右折して「さぎりの里」で休憩。ここには「さぎり茶屋」という飲食施設も併設されていますが、今日はもう少し先にある「茶和」というカフェへ。

茶和は外にとめた自転車を確認しながら食事ができるのがうれしい。鮭の塩焼き、鶏の唐揚げなどの定食が充実していて、今回はハンバーグ定食1200円を食べました。

風伝トンネルを抜けると「丸山千枚田」の看板が。ここを右折すると、いよいよ千枚田に向かっての上りが始まります。

展望台まで2.4kmで104mアップの坂。杉林のなか、5%くらいの勾配の坂を無心にこいでいきます。

日本一の棚田風景と言われる丸山千枚田

いきなり展望台に出てこの景色が広がります。日本一の景観と称される丸山千枚田にはいくつか展望スポットがあるんですが、全体が見渡せて、個人的にはここがいちばん好き。日本最大級のこの千枚田には1340枚もの棚田があるそうです。

クルマで来ていた人に写真を撮ってもらいました。人物と千枚田の景色を両方入れようとすると、脚立などを用意して少し高い位置から撮らないと難しいですね。

丸山千枚田のパノラマ、という看板にひかれましたが、「階段上って35分」に心を折られパス。

少し走ると千枚田の上の開けた場所に出て、こんな案内図が。先ほどの展望台は「千枚田見晴台」というようです。

雰囲気のある古い石碑。

千枚田をゆっくり楽しむ

千枚田のなかを少し下ったところにある、こちらも「千枚田見晴台」という名前の場所からの眺望。

東屋とベンチがあり、ゆっくり休憩しながら千枚田を眺められます。

こちらも眺望スポット。画面中央に見えるのは「大岩」というポイント。

「一番小さな田んぼ」という看板にひかれて少しあぜ道をあるくと、たった3株しかない「田んぼ」がありました。

丸山千枚田にはオーナー制度というのがあり、全体7.2haのうち約1.6haがオーナー用として活用されています。年会費30,000円を払うと、田植えや稲刈りに参加できるということです。

軽トラックがいっぱい。地元の方々で稲刈りの準備が行われているようでした。
丸山千枚田には西暦1600年ころには2000枚を超える棚田があったという記録もあるということですが、平成初期には過疎化や高齢化によって棚田は放棄され、すっかり荒れ果てて530枚ほどしかなかったそうです。それを平成5年に丸山千枚田保存会が結成され、今のような姿を取り戻したということです。

案山子(かかし)が何体も。サイクルジャージ&ヘルメットのサイクリスト案山子があったらいいのに。

大岩の上には上ることもできるそうです。

風伝峠に寄ってみることに

千枚田の中の道を下り、この標識のところで国道311号の表示に従い左折。

そしたらこんな道で、けっこう大変なことに。

やっとの思いで国道311号に戻ります。そのままトンネルを抜けて戻ってもいいのですが、気が向いたので風伝峠を越えてみることにしました。ここがその入口。「熊野平和ギャラリー」という手書き看板が目印。

台風の直後で、木の枝が道をふさいでいます。舗装された道なんですが、台風後はクルマが走ってない様子。

頑張って乗っていましたが、ついにこの状態になり押すことに。ここで転んでケガをしても誰も助けてくれないので、慎重に。

峠の「いきる茶屋」に着くとゲリラ豪雨に。なんとか濡れずにすんだんですが動けなくなってしまいました。

車道の風伝峠はここなんですが、熊野古道の風伝峠は左側の小道をさらにトレッキングで上ったところにあるようです。

おしゃれなドーナツ屋さんを発見

雨がやんだのでゆっくり下ることに。反対側はクルマも走っているようで乗っていけます。先ほどの豪雨で川の水も濁っています。

国道311号から県道739号へ。下っていく途中で見つけたドーナツ屋さん「NISCO」(ニスコ)。マスターに店名の意味をたずねたら、3人子供の頭の文字を組み合わせたものだそう。

おいしそうなドーナツが並びます。

ドーナツも食べたかったけど、あまりに暑いのでかき氷(フラッペ?)を。

別棟に自由に休めるスペースがあり、クーラーも効いていて快適でした。

さらにゆるゆると下っていく途中、田んぼの中に鹿を発見。このあたりではこういう野生動物は珍しくないんでしょうけど、テンションが上がります。

道の駅パーク七里ヶ浜に戻ってきました。

スタートが11時だったので、約5時間のライドでした。お腹いっぱい(笑)。

コース紹介

丸山千枚田
https://www.maruyamasenmaida.jp/

道の駅パーク七里ヶ浜
https://www.michinoeki-mihama.com/

NISCO(インスタグラム)
https://www.instagram.com/nisco_donuts/?hl=ja

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

東紀州・熊野の丸山千枚田

まとめ

見どころは丸山千枚田以外にほとんどなく、ただ道の駅から行って帰るだけのサイクリングでしたが、それでも十分満足。
ツール・ド・熊野で有名な千枚田に向かうルートということで、かなり勾配がキツいのかと思っていましたが、自分レベルで走り切れるほどのゆったりした坂でした。
道の駅パーク七里ヶ浜にはツーリストインフォメーションセンターが併設されていて、ここではパナソニックのクロスバイクタイプの電動アシスト自転車もレンタルできます。これを使って日本一の千枚田を見に行くのもオススメです。

執筆:岩田淳雄

愛知県出身、千葉県在住。
自転車雑誌「サイクルスポーツ 」「バイシクルクラブ」の編集長を歴任。現在は「ペダルプッシャー」を主宰し、サイクリングの啓発活動を展開しています。
https://pedalpusher.jp/

 

【京都府】サイクリングの聖地・美山で”かやぶきの里”と川沿いの桜を楽しむ20kmサイクリング

【京都府】サイクリングの聖地・美山で”かやぶきの里”と川沿いの桜を楽しむ20kmサイクリング

京都府のほぼ中央に位置する南丹市美山町は「かやぶきの里」で知られていますが、「サイクリングの聖地」としてサイクリストにも人気です。
由良川沿いの桜並木も美しく、のんびり日本の原風景を自転車で楽しめる、春の美山20kmサイクリングをご紹介します。

サイクリングの聖地と呼ばれる所以

美山町の自転車の歴史は、1988年に第43回京都国民体育大会のロードレースコースとして開催されたのが始まりで、以後、美山町民と京都府自転車競技連盟が協力して毎年5月末に開催される「美山ロード」が現在も続いています。
この歴史ある大会を町のこれからに活かすため、2011年に町内の各種団体が集まり「美山自転車の聖地プロジェクト委員会」を発足。自転車を通じて町を活性化しようという動きが始まりました。
それらの取り組みが実を結び、美山町は自転車フレンドリーな「サイクリングの聖地」としてサイクリストに人気のエリアとなっています。

道の駅 美山ふれあい広場

スタートは、国道162号線に面した美山町安掛(あがけ)にある「道の駅 美山ふれあい広場」。京都縦貫道園部ICから車で約35分(約27km)のアクセスです。

道の駅の店舗「ふらっと美山」では地域の特産品が販売されていて、美山牛乳の直売所「美山のめぐみ 牛乳工房」ではソフトクリームやジェラートが人気です。

観光案内所である京都丹波高原国定公園ビジターセンターには、レンタサイクルもあります。

由良川沿いの桜

道の駅 美山ふれあい広場から、由良川沿いの県道38号を少し北上。
美しい桜が咲く「蓮如の滝」の案内板から少し脇道へ入れば、由良川越しに蓮如の滝が見えます。

美しい川と桜を見ながら、さらに上流へ走れば「美山路酒の館」。大石酒造の各種日本酒や、漬物や醤油などが販売されています。

「美山てんごり」は、IWCインターナショナルワインチャレンジSAKE本醸造部門を受賞しているそうです。

美山かやぶきの里

道の駅からのんびり約6.5km走れば「美山かやぶきの里」。

南丹市美山町を代表する観光スポット「かやぶきの里」には39棟のかやぶき民家が現存しています。伝統的技法による建築物群を含めた歴史的景観の保存度への評価も高く、1993年12月に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

その入口にある赤いポストは、日本郵便の年賀状CMロケ地としても有名です。
道端のお地蔵さんなど、懐かしい日本の原風景が残っています。

カフェ美卵でランチ

美山地卵を使用したプリンや美山牛乳ジェラートが人気の「カフェ美卵(Café Milan)」。

週末や平日(観光バスが来る)朝夕は、かなり人が多いとのこと。ちょうど平日の人が少ない時間帯だったので、のんびり過ごすことができました。

鎌倉神社と知井八幡神社

美卵から少し歩けば美山鎌倉神社。鳥居をくぐり石段を上がった境内からは、かやぶきの里を見渡せます。

少し東へ行けば知井(ちい)八幡神社。境内は「京都府文化財環境保全地区」に指定されていて、神社の環境が保全されています。本殿も「京都府指定登録文化財」の指定を受けています。

由良川沿いの桜並木

情報発信館の裏手、由良川にかかる長除大橋からは川沿いの美しい桜並木を見渡せます。

 橋を渡って由良川東側を南下。ここにも美しい桜の風景があります。

美山の廃バス

道の駅美山ふれあい広場を越えてさらに南下したBeans cafe.miyama近くには、廃バスが残っています。
 錆びついたバスと桜の木は、何とも言えないノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
道の駅美山ふれあい広場へと戻り、赤い橋をバックに桜の風景を楽しみ、冷たい美山牛乳でサイクリング終了です。

コース紹介

▼大阪からのアクセス
大阪からは、阪神高速~名神高速道路~京都縦貫道(園部IC下りる)で約1時間半。

▼京都美山ナビ
https://miyamanavi.com/

▼自転車の聖地プロジェクト
https://www.cyclingmiyama.com/

まとめ

信号がほとんど無く車の交通量も少ない美山町は、サイクリングにとても快適です。そこに日本の原風景が広がり、町の人々もサイクリストを温かく迎えてくれる雰囲気は、さすが「サイクリングの聖地」と呼ばれる環境です。
そこに春が来れば「桜」が咲くのですから、この上ない魅力ある町です。
20kmという距離をスピード出して駆け抜けるのではなく、町の風景や歴史を感じ、ゆっくり走るサイクリングをぜひ楽しんでみてください。


執筆:花田 康

 

【岐阜県】明知鉄道で輪行して大正の町並みや岩村城下町を巡るサイクリング

【岐阜県】明知鉄道で輪行して大正の町並みや岩村城下町を巡るサイクリング

恵那駅から明知鉄道に乗り、戦国武将「明智光秀」ゆかりの地でもある明智駅からスタート。明智駅は大正時代に栄えた頃の姿を残し「日本大正村」として観光に生かしています。中盤の岩村町では江戸時代の面影を残した城下町を通り、終盤の中山道46番目の宿場「大井宿」では歴史をたっぷりと感じられる…というコースになっています。

明知鉄道「恵那駅」から輪行

JR恵那駅に隣接している明知鉄道の恵那駅から輪行します。
ホームに向かうと、これから乗る車両が明智光秀ラッピングでした。デザインが格好良くてテンション上がりますね!

約50分のローカル鉄道旅を楽しみながら、終点の明智駅に向かいます。

明智駅はレトロな雰囲気を感じさせる新しい駅舎です。
大正時代に養蚕で栄えた町並みを残した「日本大正村」は観光地として人気です。

駅には明知鉄道のキャラクター「てつじぃ」のヘッドマークが飾られていました。
鉄道むすめという女の子キャラがパネルになって置いてある事が多いですが、おじいさんキャラというのは珍しいですね。ちなみに孫の「てっちゃん」という男の子もいるとか!

SL運転体験を開催する準備をしていたので、近くで少し見学させてもらいました。

日本大正村を散策

駅を出てすぐの細い川にある大正路地は、年貢米を納めた米蔵と呉服問屋の蔵にはさまれた昔ながらの路地で、白い壁と黒い板壁のコントラストが美しい。

路地を抜けると日本大正村役場・大正村絵画館・大正ロマン館などがあり、いずれも写真映え間違い無しの雰囲気です。

大正ロマン館の裏山には明智城本丸跡があります。散策路も整備されているので興味があれば散策してみてください。
細い路地を入った所に「うかれ横丁」があります。養蚕業が盛んな時代に食事や酒を提供する店が並んでいたという通りです。道路の上を跨ぐ渡り廊下が面白いです。

寒天を味わえる山岡駅

国道363号に出て、明知鉄道に沿うように走ります。
恵南ささゆり街道から裏道に入り、田んぼが広がる景色を楽しみつつ山岡駅に到着。

山岡駅がある山岡町は、全国シェア80%以上を生産する「細寒天の里」です。
駅には寒天資料館や寒天カフェがあるので、名産の寒天を味わうことが出来ます。
実は、ここに立ち寄る為、朝ご飯は軽めにしておきました!

駅に入ると寒天資料館があり、寒天の歴史や製法などを学ぶことができます。
資料館の奥に寒天カフェがあり、店内からは明知鉄道が通過するのを眺める事ができます。そんな窓際の席に座ってモーニングをいただきます。

モーニングにはトースト・寒天サラダ・寒天ヨーグルト・ドリンクがセットになって500円です!朝ご飯を軽めにして来た甲斐がありました。
他にも寒天を使ったメニューが色々ありますよ。

日本三大山城の岩村城

国道363号を明知鉄道沿いに走り、県道416号に入ると岩村城の城下町に到着。
日本三大山城の岩村城跡に向かって緩やかな上り坂になっている岩本本通りには、江戸時代に栄えた旧家が並んでいます。

鎌倉時代に開城された岩村城は、廃城令が出される明治時代までこの場所にあり続けました。城下町には江戸時代から昭和初期の建物が多く残り、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

上町常夜灯を左折すると坂が急になり、いよいよ城跡に入ります。
自転車では岩村歴史資料館駐車場の岩村藩主邸跡まで来ることが出来ます。
走ってきた城下町が見渡せる気持ちが良い場所です。

ここから城址本丸までは石畳を登り約20〜30分で到着します。
じっくりと見学したい人は、是非散策してみて下さい。

農村景観を楽しむ

城下町でのんびりしすぎたので、先を急ぎます。

岩村駅前を通過し、国道257号を走ります。少し走ると右手に觔斗雲(きんとうん)が浮かぶ無人駅の「極楽駅」が見えます。無人駅でこんな派手な駅は、なかなか見たことがない!赤と金色が縁起良さそうです。

極楽駅横の踏切を渡り、細い道を進みます。

水野寒天岩村工場の横に寒天干しの台が並んでいるのが見えました。冬になると、ここにズラリと干した寒天が並ぶのでしょう。

国道363号を左折。緩やかな上り坂を上る途中にある「農村景観日本一展望所」に立ち寄ります。

階段を登ると展望所があり、そこから岩村盆地が見渡せます。
平成元年に京都教育大学の教授に評価され、全国に広まったという「農村景観日本一」の景観を是非確認してみて下さい。

阿木川(あぎがわ)ダム

国道から一般道に入り、阿木駅近くを走っていると明知鉄道が通過する所に遭遇できました。線路沿いを走るので何度か見かけるチャンスがありますよ。

阿木川沿いに段々畑のある風景の中を進むと、パターゴルフ場の入口に出ます。
その中を進むと「華のかけはし」という立派な吊橋があるので自転車を押しながら渡ってみます。足下は金網なので真下に湖が見えるのがスリリング。

橋を渡り右折して一般道に出たら、坂を上ってクネクネとした湖岸道を走ります。
国道257号を右折してトンネルを抜けると阿木川ダム駐車場に到着です。

ダムに来たら「ダムカード」を貰うのも目的のひとつ。
阿木川ダム防災資料館に問い合わせると、管理所で配布しているというので向かいます。ダムの天端横にある阿木川ダム管理所の受付でインターフォンを押すと係の人が出てきて、カードを持ってきてくれます。

中山道大井宿をぶらり

ダムを出て国道257号を下ります。一気に坂を下って「向島」交差点を右折します。
一般道をしばらく進むと中山道の大井宿に入ります。大井宿は江戸から数えて46番目の宿場町です。本陣の門・長屋門が残っており、1880年(明治13年)明治天皇巡幸時の「大井行在所(あんざいしょ)」が当時のまま見る事ができます。

恵那駅はすぐそこなので、時間が許せば宿場町にある資料館などに寄り道しつつ中山道を散策しましょう。あとは恵那駅へ戻ればゴールとなります。

コース紹介

距離:34.5km 獲得標高:565m

まとめ

昨年出版された八重洲出版の「東海サイクリング」というムック本で紹介されているルートの一部を参考にしています。私も地図作成に関わっており、当初から気になっていたルートだったので近くを通る機会があり走ってみました。
八重洲出版「東海サイクリング」
知らない土地を走る時にサイクリング本やパンフレットがあると、より深く楽しむ事ができますね!

執筆:小曽根彩

大分県出身、埼玉県在住。
地図やガイドパンフのデザイン制作事務所「オゾングラフィックス」スタッフ。
埼玉県奥武蔵エリアを中心に、四季の景色や美味しい物を求めて自転車を楽しんでいます。

 

【徳島県】自転車専用道路の計画がある大鳴門橋と、鳴門・徳島サイクリングロードをめぐる33kmサイクリング

【徳島県】自転車専用道路の計画がある大鳴門橋と、鳴門・徳島サイクリングロードをめぐる33kmサイクリング

大阪から車で約2時間で行ける徳島県鳴門市。鳴門海峡に架かる大鳴門橋は、対岸の淡路島とサイクリングで連携する自転車専用道路の計画もあります。
関西からは日帰りでも1泊でも行けて、手軽にめぐれる鳴門市のサイクリングをご紹介します。

JR鳴門駅からスタート


JR鳴門駅は、JR鳴門線の終着駅で徳島駅から40~50分のアクセスで、駅横の観光案内所にはCYCLE PITが設置されているので輪行でも便利。車利用では徳島駅から約30分で、駅前にはコイン駐車場もあります。

ちなみに、徳島県は全都道府県で唯一、電車が走っていない県なのです。県内を走る列車は全て軽油を燃料とするディーゼル車。なので徳島県で「電車」と言えば、「列車ですよね」と訂正されるそうです。

鳴門駅から大鳴門橋(おおなるときょう)を目指し、まずは小鳴門橋(こなるとばし)を渡って大毛島(おおけじま)へ。
鳴門市北部には、大毛島・島田島・高島の3つの島があります。大鳴門橋へ向かう往路は大毛島の西側を北上がおすすめ。

穏やかな海沿いへ出ればすぐ鯔越樋門(いなこしすいもん)が見えてきます。ここから高島へ渡れるのですが、渡ったところで道が無くなるので高島の町へは行くことができません。
鯔越樋門の先にも広がる穏やかな「ウチノ海」は、鳴門市の内湾にある内海。大鳴門橋も少し見えてきます。

鳴門海峡に架かる大鳴門橋


大毛島の東側へと出て県道11号を北上すれば大鳴門橋がどんどん大きく見えてきます。

鳴門海峡を望む網干休憩所には、歌手の伍代夏子さんの『鳴門海峡』の歌碑があり、右横のボタンを押すと、『鳴門海峡』の楽曲が内蔵スピーカーから流れる仕組みになっています。

高速観潮船 うずしお汽船の乗船所あたりから上り坂が始まります。

約800m坂を上れば「鳴門山トンネル」。右に行けば駐車場がありますが、一方通行のこのトンネルを抜けていきます。
トンネルを抜けて右へ曲がればすぐ「「瀬戸内海国立公園鳴門」の碑が見えてきます。ここからの景色は雄大です。

大鳴門橋は、兵庫県南あわじ市と徳島県鳴門市間の鳴門海峡の最狭部を結ぶ橋長1,629mの吊橋で、1985年6月に開通しました。
橋桁下部空間は鉄道を敷設しうる構造として建設されましたが、明石海峡大橋は鉄道を通さない構造で建設されたので、本州から淡路島を通っての鉄道延伸計画は実質無くなりました。
そこで橋の鉄道予定空間を利用して、鳴門の渦潮の見学施設である海上遊歩道「渦の道」を2000年4月に開業しました。

約450m先の展望室にはガラス張りの床があり、世界三大潮流の一つ「鳴門海峡」の渦潮を、約45mの高さから覗き込むことが出来ます。

「世界三大潮流」は、イタリア半島先端のメッシーナ海峡、北アメリカ西岸とバンクーバー島東岸の間のセイモア海峡、そして鳴門海峡です。
また、鉄道部分を利用して、淡路島一周(アワイチ)などとの連携を視野に入れた自転車専用道路を敷設する計画があります。この景色見ながら自転車で橋を渡れる日が来るのは楽しみです。

渦の道の後は、”UZUrhythm(ウズリズム)。

徳島産鳴門金時使用のマドレーヌが付いた「UZUマドレセット(750円)でコーヒーブレイク。

来た坂道を下り、千鳥ケ浜海岸、大毛海岸沿いから復路は島の東側を走ります。

海沿いを南下し再び小鳴門橋を渡ります。小鳴門海峡に架かる全長441.4m小鳴門橋は、幅員7mの2車線なので、車に注意しながら走行します。

妙見山と模擬天守閣

撫養川(むやがわ)大橋を渡り小高い山を上っていきます。
山全体が公園になっている妙見山には、撫養城(むやじょう)、別名岡崎城の城跡があり「岡崎城跡」として市指定史跡に指定されています。

本来の撫養城には天守はありませんでしたが、頂上近くには三層の模擬天守が建てられています。
天守内部は徳島県立鳥居記念博物館でしたが2010年11月に徳島県文化の森総合公園へ移転。2016年3月から地域の交流施設である「トリーデなると」としてリニューアルオープンしました。
天守閣近くには妙見神社があり、絵馬堂からは鳴門市を一望できます。

鳴門徳島サイクリングロードから撫養川沿いへ

妙見山を下り岡崎海岸へ。ここからは大鳴門橋と小鳴門橋、淡路島を見渡すことができます。

この辺りから徳島市川内町を結ぶのが、全長約32kmの鳴門・徳島サイクリングロード。

紀伊水道を望む大手海岸沿いは、約3.8kmの真っ直ぐな道を走ることができます。自転車専用道ではないのですがほとんど車が走っていないのでとても快適です。

撫養川に差し掛かれば、サイクリングロードを離れて川沿いを北上。

川沿いの風景を楽しみながら走っていると、さっき上った妙見山と天守閣が見えてきます。


移り変わる川沿いの風景ののんびり走って、JR鳴門駅へ戻りサイクリング終了です。

駅前には無料の足湯施設『ふろいで~』があるので、そこで寛ぐこともできますが、駅から約450mにある「すし一」で遅めの昼食。
地物ネタ10貫のおまかせ握り(3300円)で、鳴門の海の幸を堪能です。

コース紹介

距離:33.4 km 獲得標高:201m

まとめ

鳴門海峡のうず潮は時期や時間で、大きさや見え方は変わりますが、自然の力強さを感じることができます。
うず潮が有名すぎてあまり知られていませんでしたが、撫養川沿いは自転車ならではの景色を楽しめることを発見できました。
大鳴門橋に自転車専用道が開通すれば、淡路島から鳴門エリア、そして瀬戸内海沿いや四国を横断してしまなみ海道へと自転車で旅ができますが、開通前の徳島を楽しめるのは今だけです。
以外と近い徳島県の魅力を、ぜひ自転車で探してみてください。

執筆:花田 康

【徳島県】美馬市で美しい清流と、うだつの町並みをめぐる約25kmサイクリング

【徳島県】美馬市で美しい清流と、うだつの町並みをめぐる約25kmサイクリング

古き良き町並みが残り、美しい清流が自慢の徳島県美馬市。
大阪から車で2時間半で行ける「うだつの町」美馬の自転車旅をご紹介します。

道の駅 藍ランドうだつからスタート


美馬(みま)市は、四国のほぼ中心に位置していて、徳島阿波おどり空港から約50分、高松空港へも約50分という立地です。

「道の駅藍ランドうだつ」と隣接して国選定重要伝統的建造物群保存地区、通称「うだつの町並み」があり、江戸情緒あふれる町並みを楽しめます。
道の駅には、1792年に創業した藍商の屋敷跡「吉田家住宅」があり、観光交流センターには、土蔵を改修した藍染めと和傘の体験施設やカフェスペースなどもあります。

まずは、敷地内の蔵を改装したピッツェリア「Pizza Punta」で早めのランチ。イタリアから取り寄せた石窯で焼き上げるピザにサラダ、季節のスープ、ドリンクが付いたランチセット(1500円)をオーダー。

吉野川から穴吹川へ清流めぐり

吉野川は、関東の利根川、九州の筑後川と共に三大河(日本三大暴れ川)として知らてれています。日本三大河川(信濃川、利根川、石狩川)は、長さ、流域面積のトップ3ですが、三大河は「暴れ川」が基準になっています。
そのため吉野川や支流の穴吹川には、川の増水時に橋の上を水が流れ沈んでしまう潜水橋(せんすいきょう)がいくつもあります。高知県の四万十川や仁淀川では「沈下橋(ちんかばし)」と呼ばれていますが、香川県では「潜水橋」と呼ばれています。


吉野川に架かる脇町潜水橋。日本の川は北南または南北に流れる川が多く、西から東へ流れる吉野川は全国でもめずらしく、川に沈む夕日の美しさでも有名です。

春には、川沿いに沢山の菜の花畑が色づくことでも知られています。

吉野川沿いからJR穴吹駅を過ぎれば支流の穴吹川沿いを上流方面へと走ります。
剣山を源流として吉野川にそそぐ穴吹川は、国土交通省による全国の河川の水質調査でも良好な水質と認められている美しい清流です。

白人神社・磐境神明神社

穴吹駅から緩い坂道を約8km走れば白人(しらひと)神社。

向かって左側には、「磐境神明神社」(いわさかしんめいじんじゃ)の参道があります。

長い石段を上れば全国でも珍しい石室造り(磐境造り)をした神社があるそうです。
この地域は、古代ユダヤとの繋がりを感じさせる言い伝えが数多く存在し、イスラエルの神殿とよく似た造りの神明神社も古代ユダヤと美馬市の繋がりを示すものの一つと云われているそうです。

穴吹川潜水橋と清流

白人神社から500mほど来た道を下れば小さな橋「穴吹川潜水橋」が見えてきます。


民家と段々畑を望み、情緒あふれる風景を感じながら、欄干の無い小さな橋を自転車で渡るのはとても気持ちがいいです。

2kmほど川沿いを下れば「ブルーヴィラあなぶき」があり、その下には流れが穏やかな「二又の瀬」があります。
さらに2.5kmほど下れば、「しでの家」があり、目の前には「天神の瀬」を望めます。
いずれも、有料の駐車場や更衣室,トイレなどがあり、夏には川遊びで賑わうスポットです。

徳島のお土産で有名な「ぶどう饅頭」


JR穴吹駅へと戻り、駅前の「ぶどう饅頭 日乃出本店」へ立ち寄り。
穴吹駅には「CYCLE PIT」が設置されているので、輪行の場合はここを拠点にするのがおすすめです。

ぶどう饅頭は”葡萄”ではなく「”武道”饅頭」。穴吹は”武道信仰”で知られる霊峰・剣山の玄関口で、多くの人が参拝に訪れていました。お客様に何かいいお土産物はないかと生み出されたのが、餡にミルクを練り込んだ「ぶどう饅頭」だそうです。

ぶどう饅頭の他にも、季節の和菓子やチーズケーキも販売しています。

日乃出本店から、吉野川に架かる自歩道橋「ふれあい橋」を渡ります。所々に展望用のバルコニーがあり、吉野川の美しさを眺めることができます。

重要伝統的建造物群保存地区「うだつの町並み」

道の駅 藍ランドうだつ方向へ走って、まず「脇町劇場 オデオン座」。

1934年に創建された徳島県唯一の木造芝居小屋。戦前には歌舞伎や浪曲の上演で人気を集め、戦後には歌謡ショー公演や映画上映などで親しまれました。
その後、建物の老朽化などで閉館、取り壊される予定でしたが、映画『虹をつかむ男』のロケ舞台となったことがきっかけで、1999年に町指定文化財として昭和初期の創建時の姿に修復され、一般公開されることになりました。
今では、假屋崎省吾さんの華道や、林家三平さんの落語、映画監督の矢田清巳さんの作品上映などで賑わっています。

美馬は、吉野川北岸の撫養街道と讃岐への街道が交差する交通の要衝であり、さらに吉野川の舟運の利用にも適した位置にあり、脇城の城下町として、藍の集散地としても発展しました。
現在では、江戸中期~昭和初期の85棟の伝統的建造物が建ち並んでいて、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
この町並みの大きな特徴は、町家の両端に本瓦葺きで漆喰塗りの「うだつ」が多くみられることで、このことから「うだつの町並み」の通称で親しまれています。

うだつとは、隣家との延焼防止のために建てられた防火壁のことで、財力を誇示するための手段としても、商家の屋根上には競って立派なうだつが上げられたそうです。
うだつを上げるためには、それなりに費用が必要だったことから、「生活や地位が向上しない」「状態が今ひとつよくない」という「うだつが上がらない」の語源となったと言われています。
「うだつ」の上がる街並みが残っているところは、美馬市のほか岐阜県美濃市も有名です。

うだつを見上げながら、古い町並みをのんびり散策します。

道の駅へと戻り、「うだつemon茶房」で美味しいコーヒーを飲んでサイクリング終了です。

コース紹介

距離:24.8km 獲得標高:235m

今回の記事で紹介したコースの詳細は以下でもご覧いただけます。

美馬サイクリング

まとめ

関西からアクセスの良い徳島県。この美馬は徳島市から50分程度で来ることができます。
美しい清流は、まさに夏の”ドボンライド”に最適! がっつり坂を走りたい人は剣山へ約50kmのヒルクライムも楽しめます。
以外と近いのに、あまり良く知らなかった徳島県。まだまだ魅力的なサイクリングスポットがあるはずなので、探してみようと思います。

執筆:花田 康

【福岡県】海の中道海浜公園から志賀島をめぐる23km海沿い3時間のサイクリング

【福岡県】海の中道海浜公園から志賀島をめぐる23km海沿い3時間のサイクリング

福岡市の博多駅から電車で約30分、福岡のリゾートエリア「海の中道海浜公園」から陸続きの志賀島へ、レンタサイクルを利用した23km3時間のお手軽サイクリングをご紹介します。

海の中道でレンタサイクル

海の中道(なかみち)は、福岡市にある志賀島と九州本土とを繋ぐ巨大な砂州で、この砂州の北は玄界灘、南は博多湾。海の中道海浜公園やリンワールド海の中道などレジャー施設も充実したリゾートエリアです。

JR香椎線「海ノ中道駅」を降りてすぐの入り口から海の中道海浜公園(入園料450円)へ入園すれば、すぐサイクリングセンターがあります。

クロスバイクを借りて、サイクリングスタート。

西戸崎駅

2kmほど南下すればJR香椎線の終着駅「西戸崎(さいとざき)駅」。

福岡市営渡船の発着場もあり、博多港から約15分の航路でアクセスもできます。鉄道輪行だけでなく船の輪行でも来ることができるのは便利です。

西戸崎から西へ走り、海の中道を過ぎたら約5kmで志賀島(しかのしま)へ到着。

志賀島

周囲約11kmの志賀島を時計回りに走ってみます。
道路には矢羽根の引かれていて、とても走りやすいです。

島の西側を北上すれば短い上り坂があり、その坂を超えれば島北部の志賀島休暇村。

志賀島休暇村は温泉があるビーチリゾートホテルで、目の前には約800mのビーチが広がっています。

島の東側から少し南下すれば、ひときわ目立つ建物「志賀島ドッグ」。テラス席では海を見ながらホットドッグを食べられる島の人気スポットです。

志賀海神社

島内の県道542号はほぼ海岸沿い9.5kmの道なので、迷うことなく一周できます。

島の入り口に戻って、志賀海(しかうみ)神社の鳥居をくぐり参道から神社へ参拝。

古くから「海神の総本社」と称されるだけあって、海を臨む景色は美しく、特に雌雄2つの亀石が祀られた「遥拝所」からの眺めは最高です。

中西食堂とシカシマサイクル

参道沿いにある中西食堂で昼食。創業50年を超える人気のお店で有名人も数多く来店しています。


このお店で一番人気の「さざえ丼」。志賀島で採れたサザエとワカメにエビを加え、卵でとじたボリューム満点の一品。さざえのつぼ焼きが付いた、つぼ焼きセット(1400円)で志賀島の海の幸を堪能です。

食後は参道入り口(鳥居近く)のシカシマサイクルへ。
古民家の1階では、クロスバイクやマウンテンバイクのレンタルサービスがあります。カフェもあるのでコーヒーやフード、デザートを2階のスペースで頂くことができます。

ホットコーヒー(450円)をオーダーすれば、サイクリストには400円に割引をしてくれました。

海の中道海浜公園

志賀島から再び海の中道を走ります。

海浜公園西入り口から公園に入って、園内のサイクリングコースを走ってみます。

園内のサイクリングコースは約12km。緑や池のある公園から、リゾート感あふれるマリンワールド海の中道の辺りなどを走ることができます。


サイクリングセンターへと戻りレンタサイクルを返却、ちょうど3時間のサイクリング終了です。

コース紹介

距離:約23km 獲得標高:54m

▼海の中道駅口 サイクリングセンター
https://uminaka-park.jp/guide/touring/cycling/

▼志賀海神社
http://www.shikaumi-jinja.jp/

▼シカシマサイクル
https://shikashima-cycle.fun/

まとめ

仕事ではよく行く福岡ですが、初のサイクリングでした。
海の中道は、博多からのアクセスもよく、リゾート感と離島感の両方を楽しめます。
風が強い日だったので、海沿いの向かい風は結構キツかったですが、気候の良い行楽シーズンにはとてもおすすめできるエリアです。
レンタサイクルを利用できるので、出張の前日や後日にちょっと足を延ばして、福岡の海沿いサイクリングを楽しんでみてください。

執筆:花田 康

【佐賀県/福岡県】城下町佐賀市からサイクルロードを走って水郷柳川をめぐる44kmサイクリング

【佐賀県/福岡県】城下町佐賀市からサイクルロードを走って水郷柳川をめぐる44kmサイクリング


佐賀県の県庁所在地でもある城下町・佐賀市から、廃線跡のサイクリングロードと筑後川に架かる昇開橋を渡り、福岡県の水郷・柳川市を巡る片道約20km(往復44km)のサイクリングをご紹介します。

スタートはJR佐賀駅

JR長崎本線「佐賀駅」は、博多駅から特急利用で約40分、佐賀空港からバスで約30分、福岡空港からもバスで約60分のアクセスです。
佐賀駅の北口から150mほどにあるサイクルセンター七田(しちだ)で、クロスバイクをレンタルしてサイクリングスタートです。

佐賀城跡

佐賀駅から城下町らしい景色や県立図書館を経て佐賀城跡へ。

佐賀城は平地に築かれた平城で、かつては四重五階構造の天守閣がありました。周囲を囲む幅80mの濠は美しい風景です。

徐福サイクルロード

佐賀城跡から1.5kmほどでサイクルロードのスタート地点があります。

徐福(じょふく)サイクルロードは、1991年に廃止された旧国鉄・佐賀線の跡地に、総延長約5kmの歩行者自転車専用道路として整備されました。

駅舎やプラットホームが残っているところもあり、かつてここを列車が走っていた名残を感じられます。
また、サイクルロード脇には桜並木が続いていて、桜の季節には5kmにも及ぶ桜のトンネルを走ることができます。

筑後川昇開橋

筑後川へ差し掛かれば「橋の駅ドロンパ」。


ここから見える「昇開橋」は、旧国鉄佐賀線時代に列車の通過にあわせて中央のケタが上下する可動橋でした。現在では遊歩道が整備され、旧筑後川橋梁として国指定重要文化財および機械遺産に指定されています。
橋の全長は507.2m、可動部分の長さは24.2m、昇降差は23m、橋が降下している時は歩いて(自転車も押し歩きで)渡ることができます。
「昇開橋」の入り口にある「橋の駅ドロンパ」は、地域の農産物や有明海の海の幸、弁当や惣菜などが販売されています。

自転車を押し歩き、橋を渡って佐賀県から福岡県へ。

水郷柳川

橋を渡った先の「筑後川昇開橋展望公園」から、約7km先の柳川市へ向かいます。

柳川は、町中を堀割が縦横に巡っていることから「水郷」と呼ばれています。
中心部のた2km四方に60kmもの水路が、東西11km・南北12kmの市全域では約930kmの水路が張り巡らされているそうです。

水辺の散歩道から町なかを走れば、川下りの風景にも出会えます。

そして柳川といえば「うなぎのせいろ蒸し」も有名。創業約300年の「元祖 本吉屋」でランチタイム。

元祖 本吉屋から500mほどの三柱(みはしら)神社。

境内一帯は「高畑公園」として整備されています。参道の入り口には、川下り「松月乗船場」もあります。

水郷の東に位置する西鉄柳川駅は、西鉄福岡駅から約50分のアクセス。
柳川散策はここまで輪行して楽しむこともできます。

西鉄柳川駅から2.5kmほどにある柳川城跡。現在は天守台を含む本丸の一部が、市立柳城中学校隅の小丘に残されています。

柳川城跡近くの立花氏庭園(たちばなしていえん)は旧柳川藩主立花家の御屋敷と庭園。

1978年に屋敷地の西半分が「松濤園(しょうとうえん)」として国の名勝に指定され、2011年には東庭園が追加指定されたことで、屋敷地全域が国の名勝となり「立花氏庭園」に改められました。

その向かいにある「Soil Select Farm」。その日採れたあまおう苺を使ったスイーツを楽しめます。

ちょうど朝獲れの大きな「あまおう」があったので、いちごシュークリームと合わせてスイーツタイム。

柳川の町並みから沖端川沿いを経て帰路につきます。

家具のまち「大川」

来た道を帰るのですが、往路で福岡県に入ると家具の会社が多いのが気になっていました。

大川市は「家具の街」として日本全国のインテリア好きから親しまれています。その歴史は480年以上、室町時代から続いています。

柳川市から大川市を走って筑後川に出たら「大川テラッツァ」。大川市の観光スポットや、インテリア情報を集約した施設です。
心地よいテラスでコーヒータイム。

帰りは昇開橋を渡らず、昇開橋を見渡せる上流側へ迂回します。


帰路も5kmの徐福サイクルロードを走り、佐賀駅へと戻りサイクルセンター七田で自転車を返却してサイクリング終了です。

コース紹介

距離:44km 獲得標高:25m

▼徐福サイクルロード
https://www.sagabai.com/main.php/119.html?cont=kanko&fid=91

▼筑後川昇開橋
https://www.shoukaikyou.com/

▼柳川市観光協会
https://www.yanagawa-net.com/

▼大川テラッツァ
https://www.okawa-kagu.net/terrazza/

まとめ

日本にいくつか廃線跡のサイクリングコースはありますが、佐賀市のサイクリングコースに駅舎が残っているのは知りませんでした。その先の筑後川に架かる昇開橋を渡れば福岡県の有名な観光地のひとつ水郷柳川。柳川はかなり広域に水路が広がっているので自転車で巡るのは最適。
佐賀駅から柳川のコースは、ほぼ平坦なので初心者にもおすすめのコースです。
自転車を使った佐賀・福岡の自転車旅をぜひ楽しんでみてください。

執筆:花田 康

【奈良県】カフェを拠点に湖畔と高原をめぐる、初心者から上級者まで楽しめる山添村の約26kmサイクリング

【奈良県】カフェを拠点に湖畔と高原をめぐる、初心者から上級者まで楽しめる山添村の約26kmサイクリング

風光明媚な大和高原の自然が広がる奈良県東部地域。その中でも短い距離でバリエーション豊富なサイクリングが楽しめる奈良県山添村のサイクリングをご紹介します。

ガーデンカフェ満天ひろばからスタート

名阪国道 針インターから北へ8km(車で約12分)、奈良市に位置する静かな場所にあるガーデンカフェ「満天ひろば」。ここを拠点に山添村をめぐります。

カフェを運営する社会福祉法人青葉仁会はサイクリングイベントを開催するほど、サイクリストに優しいカフェ。サイクルラックの設置も設置されています。

準備が整えばスタート。

湖畔を楽しむ:布目ダム

満天ひろばから、下り基調で5kmほど走れば布目ダム(布目湖)。
まずは湖畔に佇む戸隠神社へ参拝。奈良市東部の山地から山添村一帯にかけて、数十社の戸隠神社が点在しているそうです。

鳥居から振り返り少し下れば、布目ダムの湖面が見えます。

布目ダム湖畔約10kmのコースは、かつて「ツアー・オブ・ジャパン 奈良ステージ」が開催されていました。


ダム管理事務所では「ダムカード」をもらうこともできます。
管理事務所前から堰堤(えんてい)を渡れば、布目まほろば公園。建屋の屋上へ上れば湖面と自転車を一緒に撮影できるのは魅力です。
晴れた穏やかな日には、湖面に空や木々が映る美しい景色を望むことができます。

また春になれば、湖畔にいくつもの桜が咲き誇ることでも知られています。
湖畔を時計方向に約10km走って県道にもどれば、自動販売機が並んでいます。これから先の上り坂に向けてのエネルギーチャージをするならここがおすすめです。

高原を楽しむ:フォレストパーク神野山

布目ダムから2kmほど緩い上り道を走れば「フォレストパーク神野山(こうのやま)」への入口。ここから約1kmは少し坂がきつくなってきます。

しっかり坂をのぼり「めえめえ牧場(まきば)」の入口。ここは雲海の絶景ポイントとして知られています。時間や気象条件が合えば幻想的な雲海が見えるそうです。

めえめえ牧場

ここからめえめえ牧場入口までは、サイクリストの「脚試し」として知られる激坂!
約200mで40m以上登るので平均20%以上の勾配です。


坂を登りきった人にも、押して登った人にも、たくさんの羊たちが優しく出迎えてくれます。

羊と戯れて癒しの時間を過ごした後は、さらに450m園内の坂を登り展望台「星空のステージ」へ。

大和高原を見晴らせる絶景スポットです。

鍋倉渓と映山紅

ゆっくり坂をくだり、少し先へ進めば「鍋倉渓(なべくらけい)」。


大小の黒色の岩々が幅平均25m、長さ約650に渡って溶岩の流れのような不思議な景観をつくっています。岩の間からは水の流れは見えないのですが、下を流れる伏流水の音が聞こえるのも神秘的です。


さらに少し走れば「ほっこり食堂 映山紅(えいざんこう)」。山添産の食材にこだわったおばちゃん定食や温かい鍋焼きうどんなどあったかご飯を楽しめる。ここからも大和高原の風景を見渡せます。

茶畑と大和茶

大和茶で知られる山添村の美しい茶畑の風景を楽しみながらゆっくりと坂を下って行きます。

大和茶は、奈良県で生産される日本の緑茶の一種です。近隣の産地ごとに銘柄はありますが、全県的に「大和茶」で統一されていて、認定されているものは品質が高く、独特の風味を持っています。

足を延ばすなら上津ダムへ

神野山を下って西へ走って満天ひろばへ向かいます。約7.5kmの道のりは緩やかな田園風景のあと、最後に1kmの上り坂が待っています。
少し走り足りない人は、東へ向かって上津ダム湖畔を走るのもおすすめ。

布目ダムとは違った湖畔の風景が広がっています。

満天ひろばでカフェ&ジェラート

山添村ののどかな景色の中を走って満天ひろばでゴール。
ガーデンカフェというだけあって、手入れが行き届いた庭を眺めながらサイクリング後のカフェタイム。ドリンク以外にもピザなどの食事も楽しめます。

隣接したSOL TERRACEでは、ジェラートを楽しむことができます。定番のフレーバーから季節のジェラートも登場。秋には青葉仁会の施設で収穫されたサツマイモや栗を使ったジェラートがおすすめです。

また、斜め向かいには同じく青葉仁会が運営する人気の「カントリーカフェ ハーブクラブ」もあるので、ちょっと遅めのランチも楽しんでみてください。(週末は予約をおすすめします)

コース紹介

距離:26.3 km  獲得標高:883 m

山添村観光情報

フォレストパーク神野山

ガーデンカフェ満天ひろば

カントリーカフェ ハーブクラブ

まとめ

関西や中部エリアの人なら、名阪国道の「山添インター」で名前は聞いたこと(見たこと)あるけど、行ったことは無い人も多いと思います。
ご紹介したコースは、26kmという距離で獲得標高800mを越えるサイクリングを楽しむことができます。
しかも200mの激坂チャレンジという、アトラクション感覚の短いヒルクライムも楽しめます。
春には桜、夏は青々とした新緑、秋は紅葉。水辺も高原もあり、羊とスイーツで癒され、カフェ&グルメも堪能できる満天ひろば~山添村は、サイクリング初心者から上級者まで楽しめるバリエーション豊かなサイクリングコースです。

サイクリスト:SUBARU
執筆・写真:花田 康

 

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