2023年5月29日、国会議事堂に自転車活用推進議員連盟に所属する国会議員たちがサイクルウエア姿で集結。さらなる自転車環境の向上と活用に向けてアピールを行いました。
4年ぶりとなる青空総会開催
このイベントは「青空総会」という名前で、党派を超えて集まった自転車の活用を推進する議員でつくる「自転車活用推進議員連盟」が主催。
年に一度このように国会議事堂に集まり、皇居周辺を思い思いの自転車でパレード走行し、地球温暖化防止や健康促進などのために「ライフスタイルとして自転車をもっと使おう!」ということをアピールしています。
また国会議員だけでなくサイクルツーリズムに力を入れている県や市区町村の首長や担当者、関係省庁や関連業界の方々に加え多彩なゲストも参加。情報交換したりブースで說明を聞いたりして理解を深めます。コロナの影響で今回は4年ぶりの開催となり、私も久しぶりに国会議事堂に来ました。
当日は朝からあいにくの空模様でしたが、なんとイベントが開始される前に雨はやみ、濡れずに開催を楽しむことができました。
イベント前に雨はやみました
国会議員のセンセイやその秘書の方たちがいっぱい
開会式が始まるよー
開会は午前11時。自転車活用推進議員連盟の二階俊博会長の挨拶でイベントがスタートしました。その後も国会議員などが次々と楽しそうに挨拶。
みんなこの日を待っていたんだなーという感じです。ニュースでよく見る立憲民主党の泉健太代表ほか、公明党、日本維新の会、共産党といった与野党の議員さんがズラリ。まさに超党派。すげー場所だー。
自転車活用推進議員連盟の二階俊博会長は、「この集まりは超党派でいろいろな党の方々が集っているんですが、超党派でやることは自民党がしっかりしなければダメ」と檄を飛ばしました
自転車活用推進本部長でもある斉藤鉄夫国土交通大臣は「先日しまなみ海道を25km走りました。これからも政府として自転車振興に全力をあげていきます」と宣言。後ろは立憲民主党の泉代表
橋本聖子参議院議員は自転車活用推進議員連盟の会長代行。「みなさんご存知ないかもしれないんですが、私もと自転車の選手でした」と会場を笑わせた
2018年から国土交通省自転車活用推進本部の自転車アンバサダーを務める稲村亜美さんも登場。「最近はお台場など都内をぶらぶらと自転車で走るのが最高の息抜きになっています。これからも自転車のよりよい活用方法を広めていくために頑張ります」
団長安田さんが爆弾リクエスト
その挨拶のなかでゲストとして登場した安田大サーカスの団長安田さんが「今日これだけはお願いしておきたいことがあって。奥多摩はめっちゃサイクリングにいいところで、羽田空港と多摩川のサイクリングロードでつながってる。でも羽田空港へは自転車でメチャクチャ行きにくいんですよ。これをなんとかしてください!」といきなりの直訴。
それを聞いた二階俊博会長がマイクを奪い、「ただいまのご提案、賛成です。今度小池知事に電話しておきますから」と参加者の前で改善を公約!? これには会場から「おおーっ」と声があがりました。
そしてそれを聞いた国土交通省の丹羽克彦国土交通省道路局長が「しっかり今のご意見、反映させていただきます」と応じ、やんやの喝采。サイクリストの声がトップにダイレクトに伝わる。これが青空総会のスゴさかも。
羽田への自転車でのアクセスをしやすくしてほしい!と力説する団長。
「羽田の話はあちこちでしてるんだけど、あんまりみんなピンときてないみたいで。今日はいちばん手応えがあったなあ」と団長。いやこれ画期的ですよ、これをきっかけに羽田へのアクセスがよくなったらすごいことですよ。「そやなー!」
警視庁のBEEMSに先導され皇居一周
挨拶と記念撮影が終わると、いよいよパレードへ。パレードは皇居を一周する約30分のショートライド。警視庁の自転車安全利用指導啓発隊、BEEMS(ビームス)の先導で国会議員はじめ参加者たちが楽しそうに参加していました。
BEEMSのみなさん。今回はパレードの先導を担当しました
BEEMSを先頭にパレードに出発
絹代さん発見!トレードマークとなりつつあるベビーカー「バーレー」を引いての参加
日本メッセンジャー協会の中島翔太さんはデンマークのカーゴバイク「オムニウム」で参加。メッセンジャー大会でのこうしたカーゴバイクによるクラスを広めたいということです
自転車活用推進本部事務局次長の金籠史彦さんも愛車アンカーで参加。楽しそう!
会場にはさまざまなブース出展が
会場にはJRバス関東のB.B.BASEバスが展示されたほか、サイクルツーリズムに力を入れる行政のブースや、スポーツサイクル、シェアサイクルなどのブースがズラリ並びました。ライドから戻ったみなさんは、さっそくブースを見て歩き、出展者にいろいろ質問していました。
会場で圧倒的な存在感を放っていたB.B.BASEバス。JRバス関東のスタッフと、B.B.BASEのPRに来ていたJR東日本千葉支社のスタッフ
茨城県土浦市は、サイクリングターミナルとなっているプレイアトレ土浦、そこでル・サイクを展開するサイクルスポットとの合同ブースで出展
シマノは健康のための自転車活用をテーマに出展していました
ドコモ・バイクシェアのブースでは、よく見る小径車タイプではなく、一般的なクロスバイクなどを展示
このアタッチメントを取り付けることで、専用開発でない自転車もバイクシェアとして活用できるようになるということで、すでに観光地などで導入されているそうです
自転車協会のブースではルービーを使ったバーチャルサイクリングの体験も
電動アシストバイクのパイオニア、ヤマハ発動機は最新のPASやYPJシリーズを展示
ミヤタサイクルは福田三朗新社長(中央)が来場、最新のクルーズシリーズやリッジランナーなどのeバイクを用意していました
議連の先生方による記念撮影大会があちこちで。おっ、北京パラリンピック金メダリストの石井雅史さん、タレントの道端カレンさんの姿も!
自転車道のボスに名刺を渡すチャンス到来
二階会長も会場を視察。こんなに近くでお会いできるなんて!
チャンスとばかり名刺を渡し、「昨年太平洋岸自転車道を走破したんです」と言ったら「おおそうですか。どうでした整備状況は?」と相好を崩してくれました。
そもそもこの人が大元である昭和の大規模自転車道としての太平洋岸自転車道計画策定に尽力したから現在のナショナルサイクルルートとしての太平洋岸自転車道があるのです。思い入れもひとしおのはず。
しまった、「なんで銚子から加太までなんですか?」って聞くの忘れちゃった。
じつはこの人が太平洋岸自転車道の言い出しっぺなんです
ブリヂストンサイクルからはオリンピック3大会出場の飯島誠さんもゲストとして参加。右隣は磯部正博社長
ヘルメットのオージーケーカブト。ヘルメットの着用努力義務化で、街乗り自転車にも似合うヘルメットをピーアール
ネストで団長安田さんをサポートするホダカのブース。リサイクルアルミフレームのジーンウインドも紹介
日本パラサイクリング連盟はタンデムやハンドサイクルなど多くの障害者が親しめる自転車を持ち込みました。活動が実ってついに東京も7月1日よりタンデムが解禁され、全国でタンデム自転車に乗れることになりました
会場には試乗コースも用意され、参加者たちがふだん乗れない自転車を体験した。パラリンピック金メダリスト石井雅史さんの後ろに乗るのは橋本聖子副会長。オリパラコンビ結成ですね
ハンドサイクルに苦戦する参加者
最後に紹介するのはみんな大好き国土交通省のナショナルサイクルルートのブース。各ルートのガイドマップを配布してアピールしていました
まとめ
4年前の前回、その前と参加しているので私自身は3回目の青空総会参加。
青空でなかったのは初めてなんですが、4年ぶりとあって参加者の期待度はマックス。議員の先生方、行政のトップの方々など、忙しい中「青空総会には出なくては!」と時間を作って参加されているんだなというのを感じました。
パレードやブース視察もさることながら、「自転車でこの国をよくしていこう」という熱い気持ちを持った人たちとの一体感を確認できるのがこのイベントの意義ではないかなと思います。
また来年もぜひ参加したいです。こういうの、一般の方が参加できるようにしてもらいたいけど、警備が大変すぎますね。
関係ないですが国会議員の先生が黒塗りの運転手付きのクルマで会場に乗り付け、サイクルジャージ姿で降りてくるのが、すげーカッコよかったです!
自転車活用推進議員連盟メンバーリスト
https://www.cyclists.jp/legist/memberlist.html
自転車活用推進本部
https://www.mlit.go.jp/road/bicycleuse/
執筆:岩田淳雄
愛知県出身、千葉県在住。 |