※この記事は2018年5月5日に公開されたものを2020年10月に更新したものです。
こんにちは!
TABIRIN(たびりん)編集部です。
一度は行ってみたい自転車旅の聖地といえば北海道!
今回ご紹介するのは、北海道オホーツクの世界自然遺産知床を満喫する1泊2日のサイクリングの旅です。
観光名所を巡りながら、グルメも紹介しますので「自転車で北海道を旅したい」と長年思い続けている方は参考にしてくださいね!
世界自然遺産の知床で大自然を楽しもう
知床半島は北海道東部に位置する、オホーツク海に細長く突き出している部分です。
世界で最も低緯度で海水が結氷する海域であり、海岸から山頂に至るまでの間には、手つかずで知床ならではの自然が数多く存在しています。
このような環境が評価されて、世界自然遺産にも登録されています。
(参考:斜里町観光協会)
そして実は「知床」という名前、北海道にはそのような地名は存在していません。知床というのは北海道の端っこのエリアのことをさしているのです。
観光情報でよく出てくる「知床エリア」というのは、世界自然遺産登録された斜里町と羅臼町にまたがるエリアに位置している知床国立公園の周辺を指しています。
知床エリアと言えば斜里町と羅臼町
知床エリアを市町村で表すと斜里町や羅臼町を指しており、その中でも斜里町側にあるウトロ地区は温泉や宿泊施設、オーシャンビューを眺める景勝地など魅力的な観光スポットが点在しています。
知床といえば、ドライバーにもサイクリストにも有名な「知床峠」があります。こちらは通年で通れるわけではなく、毎年4月下旬~10月末頃まで季節限定で開通されているのです。2018年は4月27日に開通しましたね。
今回ご紹介するコースは、北海道大空町の女満別(めまんべつ)空港をスタートし、知床で1泊。翌日知床五湖、そして、先ほどご紹介した知床峠を経由して、中標津(なかしべつ)町の中標津空港でゴールする合計約220kmのサイクリングの旅です。
さあ、リュック片手に北海道へ旅立ちの準備をしましょう!
サイクリスト憧れの知床サイクリングスタート
満別空港からサイクリングスタート!
今回の自転車旅の出発地は北海道オホーツクの空の玄関口、女満別空港です。女満別と書いて「めまんべつ」と読みます。北海道の地名はアイヌ語に由来した当て字なので、読みが難しいですが、それもまた北海道の魅力の一つですね。
女満別空港にはサイクルステーションがあり、自転車組立場、ラック、空気入れが揃っています。
準備を整え、時刻は9:30。いよいよ出発です!
本日のゴールは斜里町の知床エリアである「道の駅うとろ・シリエトク」。距離は約100kmです。憧れの北海道サイクリングですから、その魅力を余すところなくお伝えしていきますね!
【7km地点】「メルヘンの丘」はまさに北海道!な雄大な景色
空港から7kmほどのところで道の駅メルヘンの丘めまんべつがあります。この道の駅は北海道内の道の駅ランキングで毎年上位に入る有名な道の駅です。
そして道の駅からもう少し先に行ったところ、左手に出てくるのが「メルヘンの丘」です。1990年に公開された故黒澤明監督の映画「夢」のロケ地になったことで有名になったと言われています。まさに北海道ともいうべき風景が楽しめます!
【14km地点】水芭蕉が見頃の「網走湖」を横目に絶景サイクリング
メルヘンの丘から7kmほど走ると、今度は網走湖がお出迎えです。いまはまだ早いですが、夏になると北海道一周サイクリストがテントを張っている光景をよく目にします。
北海道一周ライドの記事はこちらから。
今の時期は水芭蕉が見ごろですね。
【18km地点】観光しながら網走市街をサイクリング
左手には網走川が流れています。
そうして景色を楽しみながら国道39号を走り続けると、国道238号と合流するT字路にぶつかります。女満別空港からおよそ18km。ここが網走市の大曲地区です。この交差点を右折して網走市街地に向かいます。
「網走刑務所」
網走川にかかる鏡橋へ寄り道すると、橋の向こうには有名な日本最北端の刑務所「網走刑務所」があります。ちなみにこの建物とは別に「博物館 網走監獄」と呼ばれる博物館もあります。この博物館もかつて実際に刑務所として使用されていたものです。
「道の駅流氷街道網走」でひと休み
そのまま道なりに3kmほど行くと、道の駅流氷街道網走に到着します。時刻は10:40です。ここで一休みしました。オホーツク地域は日本で唯一流氷が楽しめる地域としても有名ですが、この道の駅からは流氷観光砕氷船 おーろら号が出航していて、船の上から流氷を楽しめることでも人気です。
2~3月頃にはおーろら号からこのような景色が楽しめます。
【25km地点】知床連山を遠くに見ながらオホーツク海沿いをサイクリング
さて、道の駅流氷街道網走を出発すると、左手にオホーツク海を望みながら、平たんな道をひたすら知床に向かって走ります。海の向こうにはぼんやりと知床半島も見えてますよ。
【33km地点】オホーツク海に最も近い駅「北浜駅」
時刻は11:30。女満別空港から33kmほど走ると、左手に見えるのはオホーツク海に最も近い駅「北浜駅」です。
ここは流氷が見える日本唯一の駅としても有名で、駅からオホーツク海まで20mだそうです。
駅の中に入るとビックリ!名刺などがビッシリと貼られています。これは国鉄時代から続く北浜駅ならではの風習に由来するものだそうですよ。
北浜駅の「停車場」でランチ
北浜駅の駅舎には「停車場」という名前のレストランが併設されています。今回はここで少し早めのランチをとることに。11:00オープンですが昼時は込み合うので早めに来た方が良いです。
注文したのはホタテカレー。北浜駅の歴史を感じながら食事を堪能しました。
補給はこちら!北海道のコンビニ「セイコーマート」
なお北浜駅からはしばらくコンビニがありません。
北浜駅のすぐそばに北海道馴染みのコンビニ「セイコーマート」があるので、そこで補給食を買っておくことをおススメします。
【34km地点】放牧されている馬が見られる「濤沸湖」
北浜駅でランチを済ませ12:30に北浜駅を出発。
500mほど走ると、右手側が急に開けてきます。
ここ(上の画像)は網走国定公園の一つ「濤沸湖(とうふつこ)とその湿性草原」です。濤沸(とうふつ)とはアイヌ語のトプッ(to-put)に由来し、「湖」を意味するそうです。
2005年に「渡りの時期のガンカモ類の最大渡来数が約6万7000羽、定期的に2万羽以上の水鳥を支えている」などが評価され、国際的に貴重な湿地を守ることを目的としたラムサール条約に登録されています。
湖の外周は外周約30㎞、広さ約900ha!ここには馬も走っています!
【60km地点】知床の玄関口「斜里町」の市街地に入る
濤沸湖を横目に走り続けます。
濤沸湖から斜里町までは、大きな町がなく延々と北海道らしい景色が続きます。
濤沸湖から26kmほど走ると斜里町に到着します。時刻は14:10です。
なお、斜里町の市街地からウトロ地区までコンビニなどはないので、このあたりでしっかり補給しておいた方が良いです。
【72km地点】必見の絶景!「天に続く道」
さて、斜里町から12kmほど走ったところにあるのは「天に続く道」。斜里町の峰浜地区から大栄地区まで続く約18キロの直線道が、天に上っていくかのように見えることから名付けられました。
斜里町側からは上り坂になっていますが、絶景が待っているので頑張りましょう!
写真からしてみて分かる通り、本当に空に道が続いているようですよね!
【84km地点】遠音別川の鮭遡上ポイント
天に続く道がある峰浜地区から8kmほどはアップダウンが続きます。ここが最後の頑張り時です。アップダウン区間が終わると、ゴールのウトロまでは海沿いの気持ちの良い平坦路が続きます。
さらに4kmほど走ると「遠音別川(おんねべつがわ)」にかかる橋に到着しました。時刻は15:45分です。
この川は、毎年秋になると天然の鮭が遡上するポイントなのです。ぜひ、秋になったらまた知床に来てみてください!
秋にはこんな景色が楽しめます。自然の生命力を体感できると思いますよ!
ウトロ地区手前の最後の見どころ「オシンコシンの滝」
遠音別川からさらに8kmほど走ると時刻は16:10。右手に見えてくるのがウトロ手前の最後の見どころスポット「オシンコシンの滝」です。
落差は50m、日本の滝百選の一つにも選ばれていて迫力がありますよ!名前の由来はアイヌ語で「川下にエゾマツが群生するところ」を意味する「オ・シュンク・ウシ」から転じたそうです。
オシンコシンの滝まで来れば本日のゴールである「道の駅うとろ・シリエトク」は目の前です!
余談ですが、右手に見える山々の木々の皮がめくれていたり、倒れている木が多いことに気づくかもしれません。これは、エゾシカが木の皮を食べてしまうんですね。
いま北海道ではエゾシカが増えて問題になっていて、このように皮を食べられた木は弱ってしまって倒木になってしまうのです。鹿と衝突する事故も増えていて、かねてより問題になっているのです。
【ゴール・100km地点】100キロのサイクリングの終点「道の駅うとろ・シリエトク」に到着!
そうこうしているうちに時刻は17:00。
本日のゴール「道の駅うとろ・シリエトク」に到着しました!走行距離は約100kmでした!
ただし北海道は信号が少ないので、本州の100kmよりもずっと短く感じました。
なにより北海道の景色は最高で…。
この後はホテルに荷物を置いて夕食へ。もちろん、海鮮丼を食べました!(写真が無くてごめんんなさい!)
ちなみに、海鮮丼以外にもラーメン波しぶきがおススメです!豚骨ベースのスープはやみつきですよ!
夕食を堪能したらホテルに戻り、お待ちかねの温泉をゆっくり楽しんで1日目のサイクリングの旅はおしまいです。
見所も多く非常に満足な1日目でした!
2日目のレポートもお楽しみに!!
温泉街満喫の旅もおすすめ!
知床半島のウトロ地区が、北海道でも有数の温泉街であることはご存知でしょうか?
大小のホテルや民宿はもちろんのこと、少し足を伸ばせば個性的な無料露天風呂が各所にあるというたまらないスポットになっています。
もし体力に余裕があれば、滝つぼがそのまま温泉になっている「カムイワッカ湯の滝」、波打ち際に岩が組まれた「セセキ温泉」などにも挑戦してみてはいかがでしょうか。
(参考:斜里町観光協会)
ウトロ地区はサイクリングの疲れを癒すのにぴったりの場所なので、ぜひ一泊して温泉も楽しんでください!
TABIRINでは、今回のコースも含まれている知床五湖のサイクルプランをご紹介しています。
楽しそうだけどそんなに自転車で走れない!というサイクリング初心者の方は、ウトロ地区でレンタサイクルを借りるという手もありますよ。
以下の記事では、知床以外の北海道のサイクリングコースマップをまとめています。
長期で旅行に来られる方や、北海道で様々なサイクリングコースに挑戦したい方は是非旅のお供に活用してみてくださいね!
【本日のルートはコチラ】
(執筆:クリス)