「旅×自転車 情報」に自転車活用推進計画の情報を追加しました!
今回は、自転車活用推進計画を分かりやすく読み解くためのポイントをご紹介します。
自転車活用推進計画とは
2018年6月8日に国の自転車活用推進計画が閣議決定されました。
自転車活用推進計画とは、「自転車の活用を総合的・計画的に推進する」ための具体的な方策を示した国家戦略です。
具体的には以下の記事をご覧ください。
今後はこの計画を踏まえて、都道府県や市町村で自転車活用推進計画がつくられていき、私たちの生活における自転車の利用環境が整えられていくことになります。
これら都道府県や市町村の自転車活用推進計画は2018年以降、全国で少しずつ策定されはじめています。
自転車活用推進計画はこう見てみよう!
計画、といっても普段なかなか読まないものですよね。文字が多くてとっつきづらい印象もあるのではないでしょうか。
そこで、自転車活用推進計画を分かりやすく読み解くため、いくつかのポイントをご紹介します。
ポイント① 計画の構成パターンはこうだ
自転車活用推進計画の計画の構成はおおむね次のとおりです。
- 計画の背景、位置づけ
- 計画期間
- 現状と課題
- 目標
- 施策
- その他の事項
この中で重要なのは、①計画期間、②目標、③施策です。
ポイント② 計画期間はいつまでに施策が実施されるかの目安
それぞれの計画には計画期間が設けられています。
例えば、国の自転車活用推進計画は2020年度まで、長野県自転車活用推進計画は2022年度まで、といった具合です。
計画期間のうちに計画に書かれた施策を行っていくのが基本的な考え方です(個別の施策ごとに実施年次が定められていたりもします)。
ポイント③ 目標はその地域が何に力を入れるのかの目安
次に目標を見てみましょう。計画によって呼び名が「施策目標」だったり「政策目標」だったりしますが、意図するところは同じです。
国の計画では、以下の4つの目標が書かれています。
- 目標1 自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成
- 目標2 サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現
- 目標3 サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現
- 目標4 自転車事故のない安全で安心な社会の実現
都道府県の計画の多くは、この国の計画の目標の書き方に習っています。
ここで着目したいのが目標の順番です。全ての計画がそうではありませんが、目標の順番=その地域で力を入れたいことの順番、であることが多いです。
例えば、茨城県の計画では、
- 目標1 サイクルツーリズムの推進による地域の活性化
- 目標2 自転車交通の役割拡大に向けた自転車通行空間の整備
- 目標3 自転車事故のない安全で安心な社会の実現
- 目標4 自転車を活用した県民の健康増進
と書かれています。つまり、茨城県では目標1=サイクルツーリズム(観光)、目標2=通行空間(みちの整備など)、目標3=安全、目標4=健康の順に優先順位が考えられていることがざっくりとですが分かります。
ポイント④ 施策はその地域でこれから行われること
4つ目のポイントは施策です。ポイント③でお話した目標に対し、その目標を達成するために施策が設定されています。
施策はその地域でこれから行われていくことです。
皆さんにとっつきやすい施策の一つとして、自転車が走るみちの整備があるのではないでしょうか。
例えば、茨城県のいばらき自転車活用推進計画では、”広域のサイクリングを対象としたネットワーク”と”広域の日常交通を対象としたネットワーク”の整備を行うことなどが書かれています。
あるいは、ご自身の自転車の利用シーンと重ね合わせると、より施策を身近に感じられるかもしれません。
例えば、東京で自転車通勤をする人は東京都自転車活用推進計画を見てみましょう。自転車通勤等の促進の具体的な施策の一つとして「民間事業者における自転車駐車場の整備」と書かれており、駐輪場が増えていくことが期待されるわけです。
以上のポイントを踏まえて計画を眺めると、自転車の未来はどう変わっていくかがなんとなく見えてくるのではないでしょうか。
さあ、あなたの住む地域の自転車活用推進計画をみてみましょう!
(執筆:t.k)