旅×自転車 記事

国の自転車活用推進計画が閣議決定!その内容を解説!

先日、自転車活用推進法について紹介する記事を掲載しました。

その中で、国の自転車活用推進計画を作っている最中とお伝えしましたが、その計画が完成し、6月8日に閣議決定されました。

今回はその内容について、ご紹介したいと思います。

1.国の自転車活用推進計画とは

自転車活用推進法は、「自転車の活用を総合的・計画的に推進する」ための方針が定められた法律ですが、それを具体的にどうやって現実のものにしていくかを示したものが、国の「自転車活用推進計画」となります。

内容としては、計画期間、国全体としての目標や実施すべき施策、施策を推進するために国が実施する事などが記載されています。

実は、ヨーロッパの多くの国では、このような自転車活用に係る国家計画を持っています。(最初に作ったとされているオランダでは、1990年には国家計画が作られています。)

ようやく日本にもそのような計画ができたことは、交通技術者として非常に感慨深いです。

 

2.計画期間

計画期間は、「長期的な展望を視野に入れつつ、2020年度まで」とされています。今から3年弱という期間は、若干短い印象を受けますが、長期的な方向性をみつつ、「まずはここからは実施しましょう」といった具体策や目標を定めているものと考えます。

 

3.計画の目標

計画の目標として4つの目標が定められています。

  • 目標1 自転車交通の役割拡大による良好な都市環境の形成
  • 目標2 サイクルスポーツの振興等による活力ある健康長寿社会の実現
  • 目標3 サイクルツーリズムの推進による観光立国の実現
  • 目標4 自転車事故のない安全で安心な社会の実現

ざっくりいうと、今までの自転車の使い方に加えて、公共交通とシェアサイクルを組みあわせるなどの、新たな使い方ができるような都市環境にする。

加えて、国民が自転車で健康になって、自転車による観光にも増やす。

さらに安全な自転車の普及や教育等によって自転車が安全に使える世の中にするという目標になっています。

 

4.計画の主なポイント

国から公表された資料によると、計画の主なポイントとして、次の4点が挙げられています。

①  歩行者と分離された「自転車通行空間の整備」について、各地方公共団体による整備を促進するため、「地方版の自転車活用推進計画」策定のための手引き書をとりまとめ、周知することにより、47都道府県を含む200の地方公共団体での策定を目標として、自転車活用推進計画の策定を促進

②新たな観光として人気が高まっている「サイクル・ツーリズムの推進」について、官民連携して先進的なサイクリング環境を目指すモデルルートを40ルート作るとともに、国内外にPRするために我が国を代表するナショナルサイクルルートの創設を検討

③近年、利用者が拡大しているシェアサイクルについて、サイクルポートの設置数を現行から倍増させ、1,700箇所設置を目指すことによりシェアサイクルを新たな都市交通システムとしての地位を確立

④自転車の安全な利用を促進するため、国民の交通安全意識の向上に資する広報啓発活動等を推進するとともに、全ての学校において、交通安全教室の開催等発達段階に応じた交通安全教育を実施

簡潔に言い換えると、次のようになります。

  • 自転車通行空間の整備を促進するため、200の都道府県や市町村に、地方版の自転車活用推進計画を策定してもらう。
  • サイクリングのモデルルートを40ルート作る。
  • シェアサイクルのサイクルポートを倍増して、あって当たり前の交通システムにする。
  • 全ての学校で交通安全教室をする等、年齢層に応じた交通安全教育を実施する。

ここで画期的だと考えるのは、実施する施策に対して、数値の目標が記載されていることです。

上記のポイントに記載した他にも、「通勤目的の自転車分担率(=通勤時に使用する交通手段のうち、自転車が占める割合のこと)を16.4%にする」などの数値目標が記載されています。

計画のポイントでも書いたように、次のステップでは、都道府県や市町村で、地方版の自転車活用推進計画が作成され、それに基づき、インフラの整備やその他さまざまな施策が実施されていくことになります。

そのため、もしかするとこの計画期間内は皆さんに目に見える形での成果は一部の地域や分野に留まるかもしれません。

ただ、その準備に成功すれば、次の計画が策定される時には、計画の4つの目標に掲げられている世の中が全国で実現していくと期待されます。

 

5.この計画ができたことによって、今後どうなる?

これまで、インフラ整備や交通安全などの国家計画に「自転車通行空間の整備を促進する」といった「施策(やること)」が記載されることはあっても、数値目標が記載されたものは、私の知る限りありませんでした。

今回の自転車活用推進計画において数値目標が記載されることにより、そこに向けて着実に計画が実行に移されることが期待されます。

 

参考:国土交通省のホームページ:自転車利用環境の整備を促進~自転車活用推進計画を閣議決定~

http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000987.html

(執筆:t.u)

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