運動不足を解消しようとスポーツバイクに関心を抱いた人でも、ロードバイク独特のドロップハンドルや細いタイヤにはとっつきにくさを感じるかもしれません。
価格は高めですし、用途も限られる気がするでしょう。そこでおすすめしたいのがクロスバイク。普段遣いのママチャリと大きくは変わらない乗車姿勢はなじみやすいですし、スタンドなど必要なパーツを付ければ通勤・通学、買い物にも活躍します。
スポーツバイクを扱う人気の自転車メーカー9ブランドから、サイクリング入門者におすすめのクロスバイク9台を紹介しましょう。
※参考価格は記事掲載時点の税込価格となります。
ママチャリと共通する部分が多いクロスバイク
クロスバイクはハンドルの握り、ブレーキレバーの位置や掛け方がママチャリと共通しており、スポーツバイクが初めてという人も違和感を覚えずに乗ることができます。
また、ロードバイクほど前傾を強いられず、体の柔軟性が乏しい人にも無理はありませんし、そうでない人も上体が起きることで十分な視界が得られます。ブレーキが掛けやすいことやロードバイクほどはスピードが出ないことと相まって、安全面でも初心者にはうってつけです。さらに乗り慣れてきたときには視界の広さが、沿道の景色を眺めるのに役立ちます。
太めのタイヤが快適性と安心感を生み出す
クロスバイクはロードバイクに比して、タイヤが太めという特徴もあります。昨今のロードバイクは太幅のタイヤがトレンドとはいえ、それでも多くは28Cまで。
かたやクロスバイクは32Cが当たり前で、路面から伝わる振動の多くはタイヤが吸収してくれます。パンクのリスクも、路上の障害物となる小型鋲(キャツアイ)や格子状の蓋(グレーチング)などによって転倒するリスクも、タイヤが太ければ避けられます。
各種パーツを取り付けて、さまざまな用途に活用
スタンドや荷台(キャリヤ)、泥よけ(マッドガード)といったパーツが純正で用意されている、純正でなくとも簡単に取り付けられるのもクロスバイクの特徴です。
速く走ることを優先するロードバイクでは不要とされるこれらのパーツも、サイクリングや通勤・通学、買い物での利用には欠かせません。あらかじめ付属品としているモデルもあり、購入時の出費を抑えることができます。
リムブレーキとディスクブレーキは一長一短
クロスバイクのブレーキはリムとディスクに大別され、ロードバイクと同様に制動力に優れたディスクブレーキが増えつつあるものの、重量とメンテナンスの点でリムブレーキに一日の長があります。
「握力が弱いので下り坂が不安」「天候に左右されない安定した制動力が必要」という方はディスクを、「少しでも軽いモデルを」「メンテナンスは楽な方が」という人はリムを選ぶといいでしょう。
CANNONDALE(キャノンデール)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
Quick 4
軽量のアルミフレームを用いたクロスバイクはフロントギヤがシングルなので、ギヤ落ちなどのトラブルを心配することなく、安心してサイクリングを楽しむことができます。
また、日没時の走行を安全にするため、タイヤ側面はもちろんのことフレーム各所に360度リフレクター搭載しており、全方位からライダーの存在を確認してもらえます。標準で装備されたスピードセンサーによりスピードや走行距離、走行ルートをスマートフォンに記録することが可能で、それは走りのモチベーションとなります。多彩なカラーリングと相まって、都会のクルーズライドに最適な一台といえましょう。
GIANT(ジャイアント)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
ESCAPE RX 3
スポーツバイクが初めてという人でも安心の操作性や高い快適性を維持しつつ、2×9速のドライブトレインや剛性・反応性の高いフレームでスポーツ性能を高めており、日常使いから本格的なロングライドまで幅広く楽しめます。
街乗りはもちろんのこと、健康維持やダイエット、トレーニングなど、長距離やスピード走行を楽しむスポーツライドに最適です。世界最大級のブランドらしく、多彩なアクセサリーが用意されている点も見逃せません。
BRIDGESTONE(ブリヂストン)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
XB1
ライトやカギ、スタンドといった最低限必要なパーツを標準で装備した、初めてクロスバイクに乗る人に最適なクロスバイクです。
信頼のシマノ製パーツを、ほぼ全ての箇所に採用している点も見逃せません。通勤・通学や街乗りでの利用に主眼を置いているものの、3×8速(11-32T)とギヤ比はワイドで、サイクリングで出くわす上り坂も苦になりません。
カラーは充実の6色展開。好みの色をまとった一台にまたがれば、気分もアップするでしょう。
ANCHOR(アンカー)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
RL1
「スポーツバイクの楽しさを、より気軽に味わってもらいたい」との思いから生まれた、RLシリーズ初のクロスバイクとなります。
全体の剛性バランスを最適化するという、ハイエンドクラスの設計思想(プロフォーマット)を受け継いだアルミフレームに、制動力に優れたディスクブレーキを装着。ロングライドを快適に楽しめるRLシリーズならではの特徴を満たしつつも、3年間盗難補償やライト、カギ、スタンドを標準で装備した、初めての一台にふさわしい仕様を実現しています。
週末のサイクリングはもちろんのこと、平日の通勤などでも快適に使えます。
MERIDA(メリダ)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
CROSSWAY 300-D
コミューターバイクとして人気の高いクロスウェイシリーズの旗艦モデルです。
機械圧縮によるチューブ成型技術や高い溶接技術により細部までこだわったフレームが、軽快で快適性に優れた走りを提供。
シマノ製3×8速ドライブトレインや雨の日でも安定した制動力を発揮する油圧ディスクブレーキは、快適なシティライドに十分すぎるほどの仕様で、そのまま郊外のサイクリングへと乗り出しても不足はありません。
オプションとしてスタンドやキャリヤ、カゴが用意されており、カラーも豊富な4色展開という点もうれしいところです。
KhodaaBloom(コーダーブルーム)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
RAIL DISC
軽量のアルミフレームが走りの軽さを生む一方、長めのホイールベースが直進安定性の高さを際立たせたモデルです。
制動力と操作性に優れたシマノ製油圧ディスクブレーキの採用には、安全を重視するブランドの姿勢が感じられます。
また、法律で義務づけられているライトやベルに加え、リフレクターやスタンドといった安全・実用に供するアクセサリーも標準で装備されていて、別途カギは必要ですが、買ったままの仕様で出かけられる点も見逃せません。
さらにフレームの各所にネジ穴があるため、キャリヤや泥よけが簡単に装着できます。
NESTO(ネスト)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
VACANZE 2
アップダウンのある道で多用するフロント変速も、街乗りメインの自転車であれば必要性を感じません。
このモデルのように「前はシングルでOK!」と割り切れば変速操作は簡単になり、メンテナンスの手間は省けて車重も軽くなります。また、強度に優れたアルミフレームの、リヤ側のチューブを横に扁平加工することで振動吸収性と快適性が向上。
「アルミは硬い」と言われがちですが、快適な乗り心地を実現しています。街乗りに必須となるベルやスタンドを標準で装備したことも、このモデルの性格に見合った選択といえるでしょう。
日本人の身体データを元に大多数をカバーする設計とすることで、身長145cmでも乗れるという点も、小柄な人にとっては欠かせない評価基準となります。
GIOS(ジオス)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
23 MISTRAL DISC HYDRAULIC SHIMANO WHEEL
アルミとしては細身のフレームに、トラブルとは無縁のシマノ製MTBコンポを搭載。
そのワイドなギヤ比と油圧ディスクブレーキによる安定した制動との相乗効果で、街乗りからアップダウンのある郊外でのサイクリングまで幅広く対応する一台となっています。
コストダウンのため他ブランドとすることの多いホイールもシマノ製とするところに、妥協を許さないブランドの誇りが見て取れます。
BASSO(バッソ)
ブランドの特徴については、以下を参照してください。
BASSO(バッソ)/23 LESMO
ロードレースで鍛え上げられたブランドということで、バッソのクロスバイクはシマノのロードコンポ、クラリスを採用していることでも明らかなように、フラットバーロードと称される一台となっています。
つまり最初はフラットバーで乗り始め、慣れたところで複数の乗車姿勢が得られるドロップハンドル(+シフト&ブレーキ)に換装すれば、ロードバイクに変身するというわけです。
また、フレームは乗り心地に優れたスチール(クロモリ)製ですから、長時間のライドでもストレスがたまることはありません。
サイクリングの、良き相棒となってくれること請け合いです。
まとめ
これからスポーツバイクの世界に足を踏み入れようと思っているあなたにとって、クロスバイクが頼りになる相棒になってくれること間違いありませんよね。
執筆:澤田 裕