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自転車保険とは?ポイントや種類を徹底解説-安心・安全なサイクルライフを

自転車を利用する際に保険(主に個人賠償責任保険など)の加入を義務付ける自治体は年々増えています。万が一に備え、自転車に乗る全ての人が必要な保険をしっかり理解しておかなければなりません。

一方で、自転車保険について詳しいことはよく分かっていないという方も少なくありません。そこで今回は「自転車保険とは?」という初歩的な部分から、加入するとどのような補償があるのかについて紹介します。

自転車保険とは?

自転車保険は自転車事故等による怪我や、被害者への賠償などを補償してくれる保険のことです。

日常生活での移動手段やサイクリングなどの趣味として使われる自転車ですが、警視庁のデータによると2018年の自転車乗車中の負傷数は年間83,930人とすべての交通事故の約20%を占める結果となっています。

自動車との衝突、自転車同士での衝突、歩行者との衝突、他人の物を損壊してしまうなど、様々な事故やトラブルが起こり得ます。

そんな万が一の事態に備えるための保険が自転車保険なのです。

自転車保険加入は義務?

2021年8月現在、32の都道府県と2つの政令指定都市が「義務」および「努力義務」と制定しており、それだけ自転車事故に対して強い問題意識を持っていることが分かります。

ここからは自転車保険(主に個人賠償責任保険など)の加入が「義務」「加入義務」の都道府県を紹介します。
(参考サイト:国土交通省|自転車損害賠償責任保険等への加入促進について

※ただしここに都道府県が掲載されていないという理由で自転車保険に加入しなくてもいいというわけではありません。万が一のために備えておくという意識が重要です。

自転車保険の加入が義務となっている都道府県

自転車保険の加入が義務となっている都道府県は以下の通りです。保険未加入の場合、条例違反となります。

東北地方 宮城県、山形県
関東地方 群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、千葉県(千葉市)
中部地方 山梨県、長野県、静岡県、愛知県
近畿地方 三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
四国地方 愛媛県、岡山県(岡山市)
九州地方 福岡県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県
自転車保険の加入が努力義務

保険の加入が努力義務となっている都道府県は以下の通りです。

北海道地方 北海道
東北地方 青森県
関東地方 茨城県、千葉県
中部地方 富山県
近畿地方 和歌山県
中国地方 鳥取県
四国地方 徳島県、香川県、高知県

自転車保険の種類

事故の補償をする「個人賠償責任保険」や、個人賠償責任補償を特約でつけた「傷害保険」など、自転車保険には様々な種類があります。交通傷害保険に個人賠償特約がセットになっているものが多く、その商品によっては自転車事故時の補償が手厚いものもあります。

入っている保険によって補償内容と補償範囲が異なるので、既に保険に加入している場合でも、改めて補償範囲を確認し、把握しておくことが必要です。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険は、事故の相手自身や相手の所有物に対する補償をしてくれる保険です。自転車に乗っているときに歩行者とぶつかって怪我をさせてしまった、歩行者の所有物を壊してしまったという場面では、損害賠償責任が発生します。

その損害賠償費用などを補償してくれるのが個人賠償責任保険です。すでに自転車を持っている方で、上記でご紹介したように自転車保険が義務づけられている地域に住んでいる方は必ず加入しなければなりません。

お住まいの地域で義務化されていなくても、自転車を利用する場合は加入をおすすめします。個人賠償責任保険について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

医療保険・傷害保険

医療保険や傷害保険は、事故により負った自分のケガなどに対して補償される保険です。具体的には、入院や通院を余儀なくされた際の治療費、また後遺障がいや死亡に対する保険金が補償内容となります。

医療保険はケガのほか病気に対する補償も含まれますが、傷害保険の補償対象は怪我のみとなっています。傷害保険は補償対象が狭い一方、「月に数百円程度で医療保険よりも安価」「持病があっても加入が可能」「年齢によって保険料が変わらない」といったメリットがあります。

盗難保険

盗難保険は自転車が盗まれてしまった際、自転車の購入金額が補償される保険です。保険のプランによって、全額か一定額なのかが決まります。特にロードバイクなど高価な自転車に乗っている方は盗難保険に加入しておくと安心でしょう。

盗難保険については、以下の記事で詳細を解説しています。

また自転車が盗まれてしまったときの対応などについては、以下のページに詳細がのっていますので、こちらも併せてご覧ください。

自転車保険を選ぶポイント

先ほど説明した通り、自転車ユーザーへ「自転車損害賠償責任保険」の加入を義務付けている自治体が増えてきており、様々な補償が受けられる保険が用意されています。もし現在加入している保険があれば、今一度見直してみてください。オプションが自分に合っていない、補償に被りがあるなど、改めて見直してみると無駄に高い保険料を払っていることもあるかもしれません。ここからはあなたに合った保険を選ぶポイントについて紹介していきます。これから加入する方も、既に加入している方も是非参考にしてみてください。

個人賠償補償額

賠償事故を起こした場合に保険を適用して被害者側に支払う額を指します。

万が一の事故での相手方への損害賠償のため、個人賠償責任補償を備えることが必要です。多額の賠償金から自分自身や家族を守ることにもつながります。

個人賠償補償額は加入している保険プランによって変わります。最大の個人補償額は「無制限」になっています。補償額を高くすればするほど、当然ながら保険料もその分アップし、出費が増えてしまいます。

個人賠償責任の補償金額の目安は、過去の事例を見て判断するのがおすすめです。以下の国土交通省が発表している、過去の高額な賠償が発生した事故は「9,521万円」となっています。

(参考サイト:国土交通省|自転車事故の損害賠償に係る現状について

示談代行

示談代行とは賠償事故を起こし加害者となってしまった場合に、自分に代わって相手側と解決に向けた交渉をしてもらえるサービスです。

示談代行がない場合、相手との交渉は自分で行わなければならず、大きな負担が発生します。そのため示談代行のサービスが付与されていると安心です。

対象範囲

保険によっては自分自身のみ対象の保険なのか、家族や親戚まで有効な保険なのかが異なります。

特に小さなお子さんがいて、自転車を日常的に利用する場合は、家族まで保障の範囲となる保険に入ることをおすすめします。

後遺障がい/死亡時の補償額

自転車事故を起こした時、最悪の場合後遺障がいになったり死亡してしまったりするケースがあります。そのような際に保険金が支払われるかどうか、その金額はどのくらいか、自転車保険のプランによって異なります。

生命保険への加入状況もふまえ、もしものときに遺族のためどれくらい補償額が必要なのか考えて、保険を選びましょう。

入院/通院日額補償

個人賠償の上限金額や後遺障がい/死亡補償に目が行きがちで見落としやすいのが、入院/通院に対する補償です。自転車事故でケガをしてしまい、通院や入院をすることになった際、保険に入っていれば日額で保険金が出る場合もあります。

通院日額・入院日額も自転車保険によって金額が変わります。どれくらい金額がないと困るのか考えながら、保険を選びましょう。

自転車の事故を避けるには

自転車は車のように、体を守ってくれる車体もシートベルトもありません。

もし何かに勢いよく衝突し、アスファルトに体を強く打ち付けてしまえば、大きなケガに繋がりかねません。打ち所が悪ければ命にも関わります。

一歩間違えれば大きな事故に繋がる自転車。そんな自転車の事故を回避するためにどうすればよいのか、考えてみましょう。

自転車の安全点検を定期的に実施

事故を未然に防ぐには、自転車の安全点検は必須です。毎日メンテナンスを行う必要はありませんが、週1回を目安に簡単なメンテナンスやチェックをしましょう。

主に注意して点検する箇所は以下の5つです。

  • ブレーキ
  • タイヤ
  • チェーン
  • ライト
  • ベル
ブレーキ

ブレーキの効きが悪いと制動距離(ブレーキが効いてから止まるまでの距離)が伸び、上手く止まれず事故の原因になってしまいます。

タイヤ

タイヤの空気は多くても少なくてもパンクの原因になります。パンクすると走行ができなくなってしまったり、転倒事故を引き起こしたりします。

チェーン

チェーンは外れてしまえば走行できません。チェーンが外れそうになっている、サビがあって変則がスムーズにできていないなどといった予兆を見逃さないように、乗る前にしっかりと点検しましょう。

また定期的にチェーンオイルを注してメンテナンスをしましょう。サビや汚れ、摩耗を予防してくれます。

ライト

ライトには自分の視界を照らすことと、周囲に自分の存在を知らせて注意喚起する役割があります。事故防止のため、ヘッドライト、テールライトともに必ず装着することが必要です。自転車に乗る前のライトの点検と、定期的な電池交換や充電を忘れず行いましょう。

おすすめの自転車ライトはこちらの記事で解説しています。

ベル

道路交通法第54条によると、自転車は「警笛鳴らせ」の標識がある区間ではベルを鳴らす義務があります。見とおしのきかない交差点などでの事故を未然に防ぐために、ベルは必ず装着し、故障していないか定期的に点検しましょう。

以下の記事ではクロスバイクを自分でメンテナンスする方法を解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

安全な服や靴を選ぶ

自転車に乗る際は裾の長いカーディガンやコート、ロングスカートなどは避けましょう。風でなびいて服が車輪に絡まり、自転車が急停車し転倒の原因になります。

またヒールなどのかかとが高い靴で自転車に乗るのも、ペダルを踏み外しやすいので危険です。スニーカーなど、かかとが平らな靴を選ぶようにしましょう。

より快適な走行を目指すのであれば、ペダルとシューズを連結できる「ビンディングシューズ」がオススメです。

滑ってペダルを踏み外すといった危険を減らし、常に同じ場所で漕ぎ続けることができるので疲れを軽減することもできます。

ビンディングシューズについては、このページでもまとめています。

安全に自転車に乗るための服や装備については、こちらの記事の解説もあわせてご覧ください。

ヘルメットをかぶる

ヘルメットを被ることによって、頭部損傷による死亡が1/4にまで低減されたデータがあるように、命を守るためにはヘルメットの着用が非常に効果的だといえます。

自治体によってはヘルメットの着用を努力義務として定めています。自転車で走行する際はヘルメットを着用しましょう。

また道路交通法第63条の11で定められている条文の通り、小さいお子さんはもちろん、小学生以上のお子さんにもヘルメットを着用させましょう。

「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。」

(東京都|道路交通法

上記は以下のサイトを参考に記述しています。
警視庁|⼩学⽣の交通⼈⾝事故発⽣状況(令和3年上半期)
警視庁|自転車用ヘルメットの着用
公益財団法人交通事故総合分析センター | イタルダインフォメーション 交通事故分析レポート

走行中のルール・マナーを守る

こちらも当たり前の話ですが、交通ルールを守って運転しましょう。

特に以下で紹介する「自転車安全利用五則」は、必ず覚えておく必要があります。

自転車は、車道が原則、歩道は例外

道路交通法上、自転車は軽車両と位置づけられているため、車道と歩道の区別があるところは車道通行が原則です。

車道は左側を通行

自転車は、道路の左側に寄って通行しなければなりません。

歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

自転車が例外的に歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければなりません。また歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しましょう。

安全ルールを守る

安全に関する以下のルールを守らなければなりません。

  • 飲酒運転は禁止
  • 二人乗りは禁止
  • 並進は禁止
  • 夜間はライトを点灯
  • 交差点での一時停止と安全確認
  • 信号を守る
子どもはヘルメットを着用

保護者は、13歳未満の子どもが自転車を運転するときや、幼児を幼児用座席に乗せて運転するときは、乗車用ヘルメットを子どもに着用させなければなりません。

上記は以下のサイトを参考に記述しています。

警視庁l自転車安全利用五則

自転車の交通ルールや安全な乗り方については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

「かもしれない運転」で危険を予知

車を運転することと同じく「急に人が飛び出してくるかもしれない」という「かもしれない運転」を意識しながら運転をしましょう。

あらかじめ危険を予測していれば交差点や曲がり角で急に歩行者や自転車、車が飛び出してきても、事故の危険を回避することができます。

常に周囲の状況に気を配り危険を予知しながら運転することが、事故を起こさないために重要です。

安全運転の上、万が一のための自転車保険に加入しましょう

自転車も車と同じく、人にケガを負わせるだけでなく最悪の場合死に至らせてしまいます。自分自身を守るだけでなく、ケガをさせてしまった相手のためにも自転車保険には必ず加入しましょう。

また、最悪の事態を避けるためにメンテナンスを定期的にしたり、ルールやマナーを守ることで自分自身のケガ、事故に遭う可能性を軽減できます。

万が一のための自転車保険と併せて、交通安全の意識を持って運転しましょう。

自転車保険の選び方はこちらの記事でも紹介しています。
具体的なプランや保険会社も紹介しているので、是非参考にしてみてください。

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