栃木県の自転車観光プラン|定番の日光からローカル線まで5つのモデルコースを紹介
関東北部に位置する栃木県は、世界遺産に登録された日光や、リゾート地として知られる那須など、数多くの観光名所があります。
また、サイクリングロードやヒルクライムスポットも点在しており、自転車旅の観点からもおすすめの地域です。
今回は、そんな栃木県の自転車観光プランを紹介します。日光・那須・県東・県央・県西のエリアに分けてモデルコースを作成しているので、気になる場所の項目をご覧ください。
なお、各コースはレンタサイクルで巡ることもできます。詳しい設置状況を知りたい方は、以下のページをご確認ください。
目次
栃木県自転車観光プラン特集をご紹介!
【日光エリア】栃木県といえばここ!日光歴史・自然プラン

コース概要 | 東武日光駅~日光東照宮~(いろは坂)~華厳(けごん)の滝~日光自然博物館~東武日光駅 |
総距離(Googleマップ測定) | 約22km |
獲得標高(Googleマップ測定) | 約450m |
難易度 | 初心者向け |
人気の観光地・日光を周遊するプランです。東武日光駅で自転車に乗ったら、さっそく日光東照宮に向かいましょう。
東照宮は、周辺の社寺とあわせて世界文化遺産に登録されています。
そのパワーを存分に感じたら、関東有数のヒルクライムスポット・いろは坂に挑戦です。
つづら折りの坂道が続きますが、ここは車も含めて一方通行。
急勾配も少ないため、初心者も自分のペースで登ることができます。
いろは坂を上った先には、国の名勝・華厳(けごん)の滝が待ち受けます。落差100mの瀑布を前にすれば、スケール感に日頃の悩みなど吹き飛ぶことでしょう。
そしてすぐ近くの日光自然博物館では、地域の歴史と自然にまつわる展示が盛りだくさん。
余力のある方は、そのまま奥日光を見てまわってもいいかもしれません。
なお、日光駅の周辺のレンタサイクル情報は以下をご覧ください。
日光東照宮

日光東照宮は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀るため、1617年に建てられました。現存する社殿群のほとんどは3代将軍・徳川家光の命により1634年「寛永の大造替(かんえいのだいぞうたい)」で建て替えられたものです。1999年には世界文化遺産に登録され、現在も多数の観光客で賑わっています。
二体の仁王像が構える表門に、幾度もの大地震を乗り越えた五重塔、「見ざる・言わざる・聞かざる」の彫刻で有名な神厩舎(しんきゅうしゃ)。
いずれも国の重要文化財であり、国宝の本殿とともに荘厳な空間を作り出しています。
華厳(けごん)の滝

華厳(けごん)の滝は、数ある日光の滝の中でも有名な滝の1つです。
その高さは約97mとなっており、袋田の滝(茨城県)や那智の滝(和歌山県)とあわせて、日本三名爆(めいばく)に数えられています。
木々や岩々に囲まれた中を、轟音とともに水が落ちていく光景は圧巻の一言。
岩壁にはエレベーターで行ける観瀑台(かんばくだい)があり、滝つぼの様子を真正面から眺めることができます。
日光自然博物館
中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)のほとりには、日光自然博物館があります。
地域情報の発信や、ハイキングコースの案内、体験イベントの開催などを行なっている施設です。
建物1階のホールでは、幅20m×高さ4mの4K大画面で奥日光における四季の移り変わりが紹介されています。
【那須エリア】ご当地スイーツを堪能!那須高原グルメプラン
コース概要 | 那須塩原駅~千本松牧場~お菓子の城 那須ハートランド~チーズガーデン 那須本店~那須塩原駅 |
総距離(Googleマップ測定) | 約43km |
獲得標高(Googleマップ測定) | 約562m |
難易度 | 初心者~中級者向け |
関東最北端・那須塩原をのびのびと走るプランです。
那須といえば温泉が有名ですが、大自然の恵みを活かしたグルメも盛りだくさん。
今回は旅の道中で訪れたい、スイーツの名所を3つ紹介します。
那須塩原駅を出発したら、千本松牧場に立ち寄ってみましょう。
搾りたての牛乳を使ったソフトクリームは絶品です。続く那須ハートランドでは、作りたての銘菓を購入できるほか、生産している様子を間近で見学できます。
最後に訪れるのは、全国展開している洋菓子店「チーズガーデン」の本店。併設のカフェで出されるプレートチーズケーキは、ここでしか食べられません。
なお、那須塩原駅周辺のレンタサイクル情報は以下をご覧ください。
千本松牧場

JR那須塩原駅から10kmほどの場所にあるのが千本松牧場です。
東京ドーム178個分にあたる広さの牧場で、約500頭もの乳牛を育てています。
名物のソフトクリームは、牧場でとれた生乳を使用したもの。
ミルクやチョコレートのほか、さまざまなフレーバーが販売されています。乗馬やトランポリンなどのアクティビティも多数あり、ここだけで一日を過ごせそうです。
お菓子の城 那須ハートランド
東北自動車道・那須ICの近くには、「お菓子の城」と呼ばれる洋菓子工場があります。
ここで作られているのは、栃木県銘菓「御用邸の月」。濃厚なカスタードクリームをふわふわのカステラ生地で包んだ菓子です。
施設内では、ガラス越しに工場の様子を目にできるほか、ショッピングやレストランでの食事も楽しめます。
また、いちご農園やブルベーリー農園も隣接しており、シーズン中には収穫体験も可能となっています。
チーズガーデン 那須本店
都心をはじめ全国各地に展開している人気洋菓子店「チーズガーデン」の本店は、ここ那須塩原にあります。
目玉の「御用邸チーズケーキ」は、一見シンプルなベイクドチーズケーキですが、材料と製法にこだわり抜かれた商品です。
また、店内にはカフェが併設されており、食事とデザートを楽しむことができます。美味しいコーヒーや紅茶とともに、甘く優雅なひと時を過ごせるでしょう。
【県央エリア】山田川CR開通記念!宇都宮市快走プラン
コース概要 | 宇都宮駅~八幡山(はちまんやま)公園 宇都宮タワー~山田川CR~ほたるの里 梵天(ぼんてん)の湯~(山田川CR)~宇都宮駅 |
総距離(Googleマップ測定) | 約35km |
獲得標高(Googleマップ測定) | 約277m |
難易度 | 初心者向け |
県庁所在地の宇都宮市では、レンタサイクルや駐輪ラックの設置など、サイクリストに優しい街づくりが行われています。ここで紹介するのは、2021年春、市内に開通した「山田川サイクリングロード」を走るプランです。
宇都宮駅をスタートしてしばらくは、市街地を観光してみましょう。小高い丘に建てられた宇都宮タワーの展望台から、市内をぐるりと一望できます。
新たに開通した山田川サイクリングロードは全長約11km。自然豊かな市北部に向かって、快適な道路が整備されています。
サイクリングで汗をかいた後は、日帰り温泉・梵天(ぼんてん)の湯に浸かりましょう。大露天風呂から、霊験あらたかな羽黒山(はぐろやま)を眺めることができます。
なお、宇都宮駅周辺のレンタサイクル情報は以下をご覧ください。
八幡山(まちまんやま)公園 宇都宮タワー

紅白カラーの宇都宮タワーは、市の中心部・八幡山(はちまんやま)公園にそびえ立つ電波塔。高さは89mで、30mの高さにある展望台が一般開放されています。
公園自体が丘の上にあるため、展望台からは駅前や住宅街の様子が一望できます。
なお、八幡山公園には子ども遊園地や動物広場も設置されています。ファミリーで訪れた際は、長居して遊べるでしょう。
山田川サイクリングロード

山田川サイクリングロードは、2021年3月に開通したばかりの自転車道です。
市街地から市北部へと抜けることができ、既存の田川サイクリングロードと組み合わせると、総距離は約25kmに達します。
利根川(とねがわ)水系の豊かな水が流れる山田川は、サイクリングの景観にぴったり。心地よい風を感じながら、宇都宮の自然の中を駆け抜けてください。
ほたるの里 梵天(ぼんてん)の湯
市北部には「ほたるの里」と呼ばれる日帰り温泉施設があります。源泉かけ流しのお湯で、疲れた体を癒すには最適です。
施設内には、内風呂のほか、サウナや砂風呂、貸切風呂も充実。目玉の大露天風呂からは、山岳修験(さんがくしゅげん)で知られる羽黒山(はぐろやま)の雄々しき姿が見られます。
【県東エリア】鉄道ファン必見!レンタサイクルでゆく真岡鐡道(もおかてつどう)プラン
コース概要 | 真岡(もおか)駅~SLキューロク館~大前(おおさき)神社~茂木(もてぎ)駅~真岡(もおか)駅 |
総距離(Googleマップ測定) | 約45km |
獲得標高(Googleマップ測定) | 約165m |
難易度 | 初心者向け |
鉄道が好きな方におすすめのプランです。真岡鐡道(もおかてつどう)を線路沿いに北上し、終点の茂木(もてぎ)駅を目指します。
ここ真岡線では、土日・祝日限定で蒸気機関車「SLもおか」が運行中。タイミングが合えば、撮影や乗車をすることも可能です。
茂木駅からが旅の真骨頂。
駅の周辺には、かつて「長倉線」と呼ばれた未完成の鉄道路線が名残をとどめています。ガイドツアーも実施されているので、時間のある場合は自転車を降りて参加してみましょう。
なお、真岡駅周辺のレンタサイクル情報は以下をご覧ください。
SLキューロク館

真岡駅のすぐそばには、「SLキューロク館」と呼ばれる鉄道ミュージアムがあります。
SLを模したユニークな外観の施設で、館内には9600形(通称キューロク)やD51形(通称デゴイチ)の蒸気機関車が、当時の姿のまま展示されています。
小一時間で見てまわれるため、旅の途中で立ち寄るにはぴったり。SLグッズも多数販売されているので、ここでお土産を買うこともできます。
大前(おおさき)神社

2021年5月より、真岡鐡道の沿線でご朱印めぐりの企画が行われています。
対象となるのは、真岡駅から茂木駅までの区間沿いにある6社。各神社ではSLの客車をモチーフにしたご朱印が捺され、すべてつなげると一両の蒸気機関車が完成します。
6社の中でも、大前(おおさき)神社は由緒正しく、その歴史は1500年以上に及ぶとされています。
ちなみに、境内にある末社・足尾山神社は、全国の二輪車守護発祥の神社。
その祈祷を目当てに、全国から多くのライダーやサイクリストが訪れます。
茂木(もてぎ)駅(幻の長倉線)

茂木(もてぎ)駅の周辺には、「長倉線」の遺構があります。
長倉線は1937年に着工され、約6kmの線路が敷設されました。しかし、太平洋戦争の開始にともない工事は中断。結局、一度も列車が走ることがないまま、未成線となった経緯があります。
この幻の路線は、かねてより鉄道ファンのあいだで知られる存在でした。町が本格的な観光資源とすることを決めて以降は、その認知度は急速に高まりつつあります。
【県南エリア】目指すは三県境!ファミリーで体験プラン
コース概要 | 栃木駅~いわふねフルーツパーク~谷中湖(やなかこ)(渡良瀬(わたらせ)遊水地)~小山(おやま)総合公園~栃木駅 |
総距離(Googleマップ測定) | 約53km |
獲得標高(Googleマップ測定) | 約209m |
難易度 | 初心者向け |
栃木駅を出発し、県の南端にある渡良瀬(わたらせ)遊水地を目指すプランです。県南エリアには体験型のスポットが点在。最初の経由地「いわふねフルーツパーク」では、いちごやブルーベリーなど、年間を通して果物の収穫体験ができます。
次の経由地「渡良瀬遊水地」は、ラムサール条約にも登録されている広大な湿地。外周約30kmに及ぶハート型の池の周囲には、さまざまな動植物が生息・生育し、ここにしかない環境を形成しています。サイクリングのほか、アスレチックや水上スポーツも楽しめるスポットです。
最後の「小山(おやま)総合公園」も、さまざまなアクティビティが楽しめる場所。園内にはサイクリングコースが整備されており、変わり種の自転車がレンタルできます。
なお、栃木駅周辺のレンタサイクル情報は以下をご覧ください。
いわふねフルーツパーク
国道50号線沿いにある「いわふねフルーツパーク」は、果物の摘み取り体験ができる施設です。
冬から春先にかけてはイチゴ、夏はブルーベリー、秋は梨と、季節の旬にあわせたフルーツ狩りを楽しむことができます。
また、併設の売店では、園内の果物を使ったオリジナルジェラートが販売されています。その他に農産物の直売所もあり、リーズナブルな価格で旬の野菜を購入できます。
谷中湖(渡良瀬遊水地)

「渡良瀬遊水地」は、総面積3,300ha、外周30kmに及ぶ日本最大の遊水地です。
さまざまな動植物が生息・生育しており、野鳥に関しては日本でみられるおよそ半数種が確認され、2012年にラムサール条約に登録されました。
渡良瀬遊水地のうち、ハート形の貯水池は「谷中湖」と呼ばれ、スカイダイビングやカヌー、釣りなど多くのアクティビティが行われています。
ちなみに、この谷中湖の周辺は栃木・群馬・埼玉の県境が交わる場所。「歩いて行ける三県境」として観光名所にもなっています。
小山総合公園
「小山総合公園」は、県立体育館に隣接する広大な公園です。
園内外周にはサイクリングコースがあり、二人乗りの変形自転車など、一風変わったレンタサイクルが提供されています。
最近新設された水上アスレチックは、子どもたちに大人気。バーベキュー広場もあるため、ファミリーで楽しい休日を過ごすことができます。
ソロでもグループでも!栃木県の自転車旅は魅力がいっぱい
今回は栃木県の自転車観光プランを紹介しました。もちろん、ここで取り上げた観光スポットはごく一部です。県の観光サイトなどを参考に、自身で魅力的なプランを立ててみてください。
TABIRINでは、栃木県の他にもさまざまな観光プランを紹介しています。以下の記事を参考に、全国各地をめぐる旅に出かけましょう。
※本記事は以下のサイトを参考にしています。
栃木県公式ホームページ
とちぎ旅ネット(栃木県観光物産協会)