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【新型コロナ】健康づくりのための運動と必要な運動量はどれくらい?

TABIRINでは、コロナ禍における観光情報を発信する3つの意味を持って、情報をお届けしています。

新型コロナウイルスによる外出自粛をきっかけに、運動に目を向けるようになった方も多いと思います。しかし、どんな運動をどれくらい行えばよいのでしょうか?

せっかく運動するなら、ちゃんと健康のために。今回は健康づくりのための運動と必要な運動量についてご紹介します。

運動不足による懸念

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、不要不急の外出を自粛し他者との接触を減らすことが求められていますが、一方で、スポーツ庁より、特に中高年齢者について、運動不足により以下の懸念があると示されています。

こうした状況に対し、スポーツ庁の鈴木大地長官は記者会見で「感染のリスクがない環境での運動、ジョギングのような活動は行っても問題ない」と発表しています。また、ここでいう、「感染のリスクがない環境」とは、「三密(密閉、密集、密接)を可能な限り避けること」と回答しています。

政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」においても、「屋外での運動や散歩など」は「生活の維持に必要なもの」として外出自粛の対象外となっています。

とはいえ、まずは自宅でできる運動を考え、どうしても屋外で運動する場合は、三密を避ける、マスクなどをする、一人で行うなど、極力他者と接触しないようにすることが重要です。

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健康づくりのための目安(身体活動量の基準)

それでは健康づくりのためには、どのような運動をどれくらい行えばよいのでしょうか?

考え方の一つとして、厚生労働省が平成25年に作成した「健康づくりのための身体活動基準2013」があります。

これによると、示された基準をクリアする習慣をつくることで、生活習慣病などの発症やその死亡リスク、生活機能低下のリスクを下げることができるとされています。

同基準はやや難解なので、運動量の目安例に関する結論を先に示すと、以下のとおりです。

<運動量の目安例>

・18~64歳:歩行またはそれと同等以上の身体活動を毎日60分。さらに、息がはずみ汗をかく程度の運動を毎週60分

65歳以上:横になったままや座ったままにならなければどんな動きでもよいので、身体活動を毎日40分

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

上記の目安は無理だな、と思った方も、もう少し読み進めてください。ここでポイントなのは、「身体活動」には運動だけでなく、皿洗いなどの「生活活動」も含まれており、それらの活動を組み合わせることができるという点です。

以降、用語の定義も含め、要点をかいつまんでご紹介します。

 

基本的な考え方

まず、同基準では「運動」を「身体活動」の一つと定義しています。

身体活動(physical activity)とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する動作の全てを指し、「生活活動」と「運動」に分けられます

そして、身体活動量の基準とは、「日常の生活活動や運動でどれくらい体を動かすことが望ましいか」を科学的根拠により定めた基準です。18~64歳、65歳以上、18歳未満に分けられており、単位はメッツ(METs)です。

なお、基準に年齢区分がありますが、適用する際は、個人差などを踏まえて柔軟に対応することが必要としています。

 

<身体活動の定義>

身体活動=生活活動および運動

  • 生活活動:労働、家事、通勤・通学など日常生活における活動
  • 運動:体力の維持・向上を目的とし、計画的・継続的に実施される活動

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

 

メッツ(METs)とは

メッツ(METs)とは、安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかを示した、身体活動の強度を示す単位です。

個々の身体活動(生活活動および運動)ごとに設定されており、例えば次のようなものがあります。

<生活活動の一例>

・皿洗い:1.8メッツ
・洗濯:2メッツ
・普通の歩行:3メッツ
・犬の散歩:3メッツ
・そうじ:3.3メッツ など

<運動の一例>

・ラジオ体操第1:4メッツ
・ゆっくりとしたジョギング:6メッツ
・約20km/hのサイクリング:8メッツ

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

上記以外の例が知りたい方は、この記事の後半をご覧ください。

以上を踏まえ、身体活動量の基準をご紹介します。

 

18~64歳の身体活動量(生活活動・運動)の基準

18~64歳の身体活動量の基準は、次のとおりです。

<18~64歳の身体活動量の基準>

基準①:3メッツ以上の身体活動(生活活動又は運動)を、
1週間に合計23メッツ・時

基準②:このうち、運動については、

3メッツ以上の運動を、
1週間に合計4メッツ・時

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

上記の基準①および②を達成する身体活動の具体例の一つが、冒頭で示した「歩行またはそれと同等以上の身体活動を毎日60分。さらに、息がはずみ汗をかく程度の運動を毎週60分」となります。

ただ、上記の基準①および②だけでは分かりにくいと思いますので、この基準を満たす身体活動の計算例を一つご紹介します。

ここで、「メッツ・時」とは、メッツに活動時間を掛けた単位です。例えば、生活活動の一つである「普通の歩行」は3メッツです。これを1時間行えば3メッツ×1時間=「3メッツ・時」となります。

<身体活動の計算例>

【平日は何かしらで1時間歩き、休日はのんびりサイクリングを30分する人の場合】

平日の5日間:「普通の歩行(3メッツ)」を毎日1時間=3メッツ×1時間×5(日)=平日5日間で15メッツ・時

休日の2日間:「20km/h程度でのサイクリング(8メッツ)」を毎日30分=8メッツ×0.5時間×2(日)=平日2日間で8メッツ・時
⇒基準②を満たす

1週間の合計:15メッツ・時+8メッツ・時=23メッツ・時
⇒基準①を満たす

上記は計算の一例ですが、冒頭で述べたとおり、身体活動は生活活動と運動を組み合わせることができますので、自分のライフスタイルに合った形(※)を見つけてみてください。

※コロナ禍の現状を踏まえ、適切に行動するようにしましょう。

生活活動および運動のメッツ例はかなり細かく設定されていますので、こちらをご覧ください。

例えば、同じく3メッツの強度の生活活動として、子どもの世話(立位=立った状態で行う)があります。これは、着替えさせる、風呂に入れる、ブラシをかける、食事を食べさせる、たまに子どもを抱えるといったものなどです。

なお、運動については運動習慣をもつことが重要であり、具体的には、30 分以上の運動を週 2 日以上行うことがよいとされています。

 

65歳以上の身体活動量(生活活動・運動)の基準

65歳以上の身体活動量の基準は、以下のとおりです。

<65歳以上の身体活動量の基準>

基準①:メッツを問わず身体活動(生活活動・運動)を、
1週間に合計10メッツ・時

※可能であれば、3 メッツ以上の運動を含めた身体活動に取り組み、身体活動量の維持・向上を目指すことが望ましい

参考:健康づくりのための身体活動基準2013|厚生労働省

上記の基準①を達成する身体活動の具体例の一つが、冒頭で示した「横になったままや座ったままにならなければどんな動きでもよいので、身体活動を毎日40分」となります。

ただ、上記の基準①だけでは分かりにくいと思いますので、この基準を満たす身体活動の計算例を一つご紹介します。

前述のとおり「メッツ・時」とは、メッツに活動時間を掛けた単位です。例えば、生活活動の一つである「皿洗い」は1.8メッツです。これを40分行えば、2メッツ×2/3時間=「1.2メッツ・時」となります。

<身体活動の計算例>

【毎日皿洗いを40分行い、うち2日間はストレッチングを30分行う人の場合】

平日・休日の7日間:「皿洗い(1.8メッツ)」を毎日40分=2メッツ×2/3時間×7(日)=8.4メッツ・時

うち2日間:「ストレッチング(2.3メッツ)」も30分実施=2.3メッツ×0.5時間×2(日)=2.3メッツ・時

1週間の合計:8.4メッツ・時+2.3メッツ・時=10.7メッツ・時
⇒基準①を満たす

上記は計算の一例ですが、冒頭で述べたとおり、身体活動は生活活動と運動を組み合わせることができますので、自分のライフスタイルに合った形(※)を見つけてみてください。

※18~64歳と同様、コロナ禍の現状を踏まえ、適切に行動するようにしましょう。

ほかにも、「料理や食材の準備」、「洗濯」は2メッツ、「子どもと遊ぶ(座位、軽度)」は2.2メッツ、農作業をする高齢の方は元気な方が多いですが、「農作業(作物を収穫する)」は4.8メッツです。

生活活動および運動のメッツ例は、こちらをご覧ください。

なお、運動については18~64歳と同様、運動習慣をもつことが重要であり、具体的には、30 分以上の運動を週 2 日以上行うことがよいとされています。

 

18歳未満の場合

18 歳未満に関しては、基準は設定されていません。これは、身体活動(生活活動・運動)が生活習慣病等及び生活機能低下のリスクを低減する効果について十分な科学的根拠がないためとされています。

しかし、考え方として、以下が示されています。

こどもから高齢者まで、家族がともに身体活動を楽しみながら取り組むことで、健康的な生活習慣を効果的に形成することが期待できる。そのため、18 歳未満のこどもについても積極的に身体活動に取り組み、こどもの頃から生涯を通じた健康づくりが始まるという考え方を育むことが重要である。

参考:健康づくりのための身体活動基準2013|厚生労働省

参考までに、文部科学省が平成 24 年 3 月に策定した「幼児期運動指針」では、3~6 歳の小学校就学前のこどもを対象に、「毎日 60 分以上楽しく体を動かすことが望ましい」としています。

 

メッツ表

生活活動および運動のメッツ例は、同基準において以下のとおり示されています。

生活活動の例

メッツ 生活活動の例
1.8 ・立位(会話、電話、読書)
・皿洗い
2.0 ・ゆっくりした歩行(平地、非常に遅い=53m/分未満、散歩または家の中)
・料理や食材の準備(立位、座位)
・洗濯
・子どもを抱えながら立つ
・洗車、ワックスがけ
2.2 ・子どもと遊ぶ(座位、軽度)
2.3 ・ガーデニング(コンテナを使用する)
・動物の世話
・ピアノの演奏
2.5 ・植物への水やり
・子どもの世話
・仕立て作業
2.8 ・ゆっくりした歩行(平地、遅い=53m/分)
・子ども・動物と遊ぶ(立位、軽度)
3.0 ・普通歩行(平地、67m/分、犬を連れて)
・電動アシスト付き自転車に乗る
・家財道具の片付け
・子どもの世話(立位)
・台所の手伝い
・大工仕事
・梱包
・ギター演奏(立位)
3.3 ・カーペット掃き
・フロア掃き
・掃除機
・電気関係の仕事:配線工事
・身体の動きを伴うスポーツ観戦
3.5 ・歩行(平地、75~85m/分、ほどほどの速さ、散歩など)
・楽に自転車に乗る(8.9km/時)
・階段を下りる
・軽い荷物運び
・車の荷物の積み下ろし
・荷づくり
・モップがけ
・床磨き
・風呂掃除
・庭の草むしり
・子どもと遊ぶ(歩く/走る、中強度)
・車椅子を押す
・釣り(全般)
・スクーター(原付)・オートバイの運転
4.0 ・自転車に乗る(≒16km/時未満、通勤)
・階段を上る(ゆっくり)
・動物と遊ぶ(歩く/走る、中強度)
・高齢者や障がい者の介護(身支度、風呂、ベッドの乗り降り)
・屋根の雪下ろし
4.3 ・やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)
・苗木の植栽
・農作業(家畜に餌を与える)
4.5 ・耕作、家の修繕
5.0 ・かなり速歩(平地、速く=107m/分)
・動物と遊ぶ(歩く/走る、活発に)
5.5 ・シャベルで土や泥をすくう
5.8 ・子どもと遊ぶ(歩く/走る、活発に)
・家具・家財道具の移動・運搬
6.0 ・スコップで雪かきをする
7.0 ・農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除)
8.0 ・運搬(重い荷物)
8.3 ・荷物を上の階へ運ぶ
8.8 ・階段を上る(速く)

出典:健康づくりのための身体活動基準2013

 

運動の例

メッツ 運動の例
2.3 ・ストレッチング
・全身を使ったテレビゲーム(バランス運動、ヨガ)
2.5 ・ヨガ
・ビリヤード
2.8 ・座って行うラジオ体操
3.0 ・ボウリング
・バレーボール
・社交ダンス(ワルツ、サンバ、タンゴ)
・ピラティス
・太極拳
3.5 ・自転車エルゴメーター(30~50ワット)
・自体重を使った軽い筋力トレーニング(軽・中等度)
・体操(家で、軽・中等度)
・ゴルフ(手引きカートを使って)
・カヌー
3.8 全身を使ったテレビゲーム(スポーツ・ダンス)
4.0 ・卓球
・パワーヨガ
・ラジオ体操第1
4.3 ・やや速歩(平地、やや速めに=93m/分)
・ゴルフ(クラブを担いで運ぶ)
4.5 ・テニス(ダブルス) *
・水中歩行(中等度)
・ラジオ体操第2
4.8 ・水泳(ゆっくりとした背泳)
5.0 ・かなり速歩(平地、速く=107m/分)
・野球
・ソフトボール
・サーフィン
・バレエ(モダン、ジャズ)
5.3 ・水泳(ゆっくりとした平泳ぎ)
・スキー
・アクアビクス
5.5 ・バドミントン
6.0 ・ゆっくりとしたジョギング
・ウェイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)
・バスケットボール
・水泳(のんびり泳ぐ)
6.5 ・山を登る(0~4.1kgの荷物を持って)
6.8 ・自転車エルゴメーター(90~100ワット)
7.0 ・ジョギング
・サッカー
・スキー
・スケート
・ハンドボール*
7.3 ・エアロビクス
・テニス(シングルス)*
・山を登る(約4.5~9.0kgの荷物を持って)
8.0 ・サイクリング(約20km/時)
8.3 ・ランニング(134m/分)
・水泳(クロール、ふつうの速さ、46m/分未満)
・ラグビー*
9.0 ・ランニング(139m/分)
9.8 ・ランニング(161m/分)
10.0 ・水泳(クロール、速い、69m/分)
10.3 ・武道・武術(柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー)
11.0 ・ランニング(188m/分)、自転車エルゴメーター(161~200ワット)

*試合の場合
出典:健康づくりのための身体活動基準2013

上記以外に、さらに細かく身体活動のメッツ例が知りたい方は、こちらをご覧ください。

(執筆:t.k)

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