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自転車を利用する際に必要な保険の選び方|自転車を利用する全ての方へ

コロナウイルス、自転車保険、賠償責任、保険

 

TABIRINでは、コロナ禍におけるサイクリングを中心とした観光情報を発信する3つの意味を持って、情報をお届けしています。自転車を利用する場合は、最新の動向を踏まえ適切に行動するようにしましょう。
感染リスクがない環境での運動としてのサイクリングで徹底すべきこと
まん延防止のための自転車通勤で徹底すべきこと

自転車を利用する際の万が一の事故に備え、自転車損害賠償責任保険等の加入を義務付けている自治体が増えてきており、自転車保険等に加入している方が多くいらっしゃると思いますが、自分に合った保険なのか、ダブりはないのか等、改めて見直してみてはいかがでしょうか。

今回は、自転車を利用する際に必要な保険の種類や選び方についてご紹介いたします。

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自転車にのる際に必要な保険の種類

保険の種類

自転車に乗っている間に発生した事故の損害の補償は大きく2つあります。1つは「自分のケガへの補償」、もう1つは「他人のケガへの賠償」です。

<自転車保険の補償の種類>

補償内容 保険の種類 支払われる費用
自分のケガへの補償 傷害保険
(または医療保険)
・治療に関する給付金
(通院、入院、手術費用)
・後遺障害補償
・死亡補償
他人のケガへの補償 損害賠償責任保険 ・損害賠償保障

自分のケガの補償

「傷害保険」は自分のケガのみを補償する保険ですが、「医療保険」は自分の病気やケガを補償するための保険のため、すでに「医療保険」に加入されている場合は、「医療保険」で十分と考えられます。

「傷害保険」の必要の有無については、以下のメリットを踏まえご検討ください。

①「傷害保険」は持病による加入制限がない
②  年齢条件がなく、どの世代も保険料が同じ
③「医療保険」より安価

他人のケガの補償

自転車事故の加害者になった場合、例え、子どもであっても、他人を死傷させた場合、モノを壊した場合に損害賠償責任を負うことになります。「被害者の救済」、「加害者の経済的負担の軽減」のために、自転車利用者は、自転車損害賠償責任保険等の加入が必要となります。

自転車事故における責任の割合

交通事故が発生した場合、過失の責任の割合が重要となります。

例えば、信号機がない交差点で自転車事故が発生した場合の基本的な責任の割合は以下のとおりですが、歩行者との事故の場合、特に責任を負う割合が大きくなることが問題です。

出典:自転車事故の損害賠償に係る現状について(国土交通省自転車活用推進本部)

損害賠償責任保険等の加入が望まれる補償内容

近年では、自転車事故により1億円近い高額の賠償金が課せられるケースが増えてきており、損害賠償責任保険等の加入が望まれる補償内容は以下のとおりです。

<補償内容>

項目 内容 推奨理由
補償内容 対人賠償
(死亡・ケガなど)
近年、「自転車対歩行者」あるいは「自転車対自転車」の事故件数が横ばいに推移しており、被害者を救済できる補償内容が必要
支払限度額
(保険金額)
1億円以上 近年、自転車事故により「1億円近くの高額賠償事例」が発生しているため

出典:加入が望まれる保険(共済)の補償内容について(国土交通省自転車活用推進本部)

<自転車事故による高額賠償事例>

損害賠償額 事故の概要
9,521万円 男子小学生(11歳)が夜間、帰宅途中に自転車で走行中、歩道と車道の区別のない道路において歩行中の女性(62歳)と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折等の傷害を負い、意識が戻らない状態となった。
(神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)
9,266万円 男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失など)が残った。
(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決)
6,779万円 男性が夕方の時間帯にペットボトルを片手に持ってスピードを落とさずに下り坂を走行して交差点に進入したところ、横断歩道を横断中だった38才の女性と衝突。女性は脳挫傷などで3日後に死亡した。
(東京地方裁判所、平成15(2003)年9月30日判決)
5,438万円 男性が昼間の時間帯、信号無視をして速いスピードで交差点に進入し、青信号で横断歩道を横断中だった55才の女性と衝突。女性は頭蓋内損傷などで11日後に死亡した。
(東京地方裁判所、平成19(2007)年4月11日判決)
4,746万円 男性が昼間の時間帯、信号無視をして赤信号で交差点を直進し、青信号で横断歩道を歩行中だった75才の女性に衝突。女性は脳挫傷などで5日後に死亡した。
(東京地方裁判所、平成26(2014)年1月28日判決)

出典:「自転車通勤導入に関する手引き」(自転車活用推進官民連携協議会)

自転車損害賠償責任保険等の主な種類と概要(2018年10月現在)

個人向けの自転車損害賠償責任保険等は、個人賠償責任保険の単体契約や自動車保険、火災保険等の特約として付帯しており、自転車事故により歩行者等の第三者を死亡またはケガを負わせ、法律上の損害賠償責任を負うことによる損害を補償するものです。

個人賠償責任保険では、業務で自転車を使用中に発生した事故は補償されないので、業務中に自転車を利用する方は会社の保険の加入状況をご確認ください。

保険の種類 保険の概要

個人賠償
責任保険

自転車利用者向け保険 自転車事故に備えた保険
自動車保険の特約 自転車保険の特約で付帯した保険
火災保険の特約 火災保険の特約で付帯した保険
傷害保険等の特約 傷害保険等の特約で付帯した保険
団体保険 会社等の団体保険 団体の構成員向けの保険
PTAの保険 PTAや学校が窓口となる保険
共済 全労災、市民共済など
TSマーク付帯保険 自転車の車体に付帯した保険
クレジットカードの付帯保険 クレジットカードに付帯した保険

出典:自転車事故の損害賠償に係る現状について(国土交通省自転車活用推進本部)

損害賠償責任保険等の加入状況の確認方法

国土交通省のWEBアンケート調査では、自転車損害賠償責任保険等の加入状況は、加入が義務化している自治体でも、「加入している」が6割、「加入していない」が3割、「加入しているかわからない」が1割程度となっています。

自転車損害賠償責任保険等の加入状況を把握できていない方は以下のフローよりご確認ください。

<自転車損害賠償責任保険等の加入状況>

出典:自転車事故の損害賠償に係る現状について(国土交通省自転車活用推進本部)

自転車損害賠償責任保険等が義務化されている自治体

国土交通省自転車活用推進本部では、各都道府県・政令市に対し、被害者救済の観点から、自転車損害賠償責任保険等への加入の義務付けを要請しており、全国の自治体で義務化の流れが広がっており、2020年4月現在では、全国で自転車損害賠償責任保険等への加入を義務化している都道府県は15ヶ所、努力義務としている都道府県は11ヶ所あります。

都道府県、自転車賠償責任保険、国土交通省、条例、制定
▲都道府県・政令市の自転車賠償責任保険等への加入について条例の制定状況

出典:地方公共団体の条例の制定状況(令和241日現在)

義務化されている自治体では、未成年者を除く自転車利用者、未成年者を監護する保護者、事業者(事業活動で利用している)、自転車の貸付事業者(レンタサイクル、シェアサイクル等)は、自転車損害賠償責任保険等へ加入しなければなりません。

保険を選ぶときのポイント

保険を選ぶ際は、「自転車の利用スタイル」、「補償内容」、「保険料」の観点から自分に合った保険プランを選ぶことがおススメです。それでは、それぞれのポイントを紹介します。

自転車の利用スタイル

「日常的(通学・買い物・送迎等)に自転車を利用したい」、「自転車通勤をしたい」、「長距離のサイクリングを楽しみたい」、「時々シェアサイクルを利用したい」、「旅先で短期間だけ自転車を利用したい」等、様々です。
ご自身や家族の自転車の利用スタイルに合わせた補償内容を選ぶことが大切です。

補償内容

補償内容については、個人や他人のケガの補償だけでなく、自転車利用者向けのサービスが充実している保険があります。補償内容が充実するほど、保険料が高くなる可能性があるため、自転車の利用スタイルに合った保険を選ぶことが大切です。

<補償内容の種類>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 死亡・後遺障害について補償されるのか
自身の治療に関する給付金 入院・通院に関して1日当たりいくら補償されるのか、どのくらいの期間補償されるのか
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円以上補償されるのか
その他サービス 示談交渉サービス 損害賠償責任を負う場合、加害者である被保険者に代わって保険会社が交渉するサービス
ロードサービス 自転車利用中の突然のトラブル、事故等、自力で走行できなくなった場合、自転車を無料搬送するサービス
保険料

自転車保険は、月々の保険料は100円程度のものから、高くても1000円以内で収まりますが、補償内容によって保険料も異なるため、補償内容と保険料が納得できる保険を選ぶことが大切です。

<注意事項>
自動車保険や火災保険に個人賠償責任保険が特約として付帯している場合があります。
また、TSマーク付帯保険のように、自転車の車両そのものに保険が掛けられており、自転車事故が起こった際の補償は搭乗者に適用される保険等にすでに加入されている場合もあるため、まずは、ご自身が加入している保険の補償内容を確認し、必要な補償のみ保険に加入することがおススメです。
(※「個人賠償責任保険」のみ、「傷害保険」のみと片方だけ加入できる保険があります)

自転車の利用スタイル別の保険の選び方

家族全員が日常的(通学・買い物・送迎等)に自転車を利用しており家族で加入したい

自転車保険がほかの保険に比べ安価だとしても、家族がそれぞれに保険に加入すると割高になるため、家族にも保険の補償内容が適用される保険プランに加入することがおススメです。

■楽天 超かんたん保険 自転車保険プラン家族型(節約コース 月額340円、年間3,650円)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 100万円
自身の治療に関する給付金 入院保険 日額1,500円
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円
その他サービス 示談交渉サービス なし
ロードサービス なし
ホームページ https://item.rakuten.co.jp/r-hoken/c/0000000187/
■au損保 家族タイプ(ブロンズコース 月額680円、年間7,440円)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 500万円
自身の治療に関する給付金  入院保険 日額8,000円
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償  2億円
その他サービス 示談交渉サービス あり
ロードサービス 50km、年4回まで無料搬送
(24時間365日対応)
ホームページ https://www.au-sonpo.co.jp/pc/bycle/
■サイクル安心保険 プランC(家族補償プラン 年間4,380円)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 1,000万円(家族 750万円)
自身の治療に関する給付金 入院保険 日額3,000円(家族 3,000円)
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円
その他サービス 示談交渉サービス あり
ロードサービス なし
ホームページ https://www.hokencontract.jp/jtsa-bicycle/?agency_code=B6210319&promotion_code=MasaruFamilycost

自転車通勤をしたい

自転車通勤の場合、企業が団体保険(会社などの団体が保険契約者となり、その団体に所属する従業員を被保険者とする保険)に加入している場合は、団体保険に加入すると以下のようなメリットがある可能性がありおススメです。

ご自身または配偶者の企業に団体保険があるか、自転車事故の場合でも、自身の障害補償、個人賠償責任補償が適用されるのかご確認の上、加入するかどうかご検討ください。

<団体保険のメリット>

・保険料が個人契約よりも割安
・剰余金があれば配当金として還元される
・健康状況を告知する内容が個人契約よりも緩やか
・給与天引きが可能
・配偶者・こどもも加入できる

<注意事項>
団体保険は、企業の社員を対象としているため、企業を退職した際に、保険を継続できなくなる場合があるため、退職後も保険が継続されるのか、継続されない場合、長期的にどうするか検討したうえで計画的に加入するか判断することが大切です。

長距離のサイクリングを楽しみたい

サイクリングを思いきり楽しみたい方は、「個人賠償責任保険、傷害保険」以外に、自転車ロードサービス(事故・故障により自力走行ができない場合の無料搬送サービス)が付帯している保険だと、長距離のサイクリングでも安心です。

自身のケガ等を補償する「傷害保険」にすでに加入されている方は、「個人賠償責任保険のみ」と「自転車のロードサービス」が付帯されている保険がおススメです。

■ZuttoRide CycleCall(プランL 年間5,200円)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 なし
自身の治療に関する給付金 なし
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円
その他サービス 示談交渉サービス あり
ロードサービス 100kmまで、年4回無料搬送
(24時間365日対応)
ホームページ https://cyclecall.jp/
■あんしん生活パック 自転車!安心パスポート(月額390円)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 なし
自身の治療に関する給付金 入院一時金(3日以上の入院)10,000円
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円
その他サービス 示談交渉サービス あり
ロードサービス 50kmまで、年3回無料搬送
(24時間365日対応)
ホームページ http://xn--l8jzb9jb4578ej5j.jp/

時々シェアサイクルを利用したい

自転車損害賠償責任保険等が義務化されている自治体では、自転車を貸付している事業者にも、自転車損害賠償責任保険等への加入が義務付けられていますので、利用する予定のシェアサイクル・レンタサイクル事業者が「自転車損害賠償責任保険」に加入しているかを確認の上、ご利用ください。

旅先で短期間だけ自転車を利用したい

普段自転車は利用していないけど、旅先でサイクリングを楽しみたい方は、日帰り・1泊2日から加入できる国内旅行保険がおススメです。

■au損保 国内旅行傷害保険(ゴールド 日帰り・1泊2日 502円/回)

<自転車事故の場合の保険金額>

個人のケガへの補償 死亡・後遺障害の補償 1,000万円
自身の治療に関する給付金       入院保険 日額8,000円
手術保険 4万円(手術によって8万円)
通院保険 1日2,000円
他人のケガへの補償 損害賠償責任への補償 1億円
その他サービス 示談交渉サービス なし
ロードサービス なし
ホームページ https://www.au-sonpo.co.jp/pc/kokunai/?CAMP_CD=L02B000006

まとめ

自転車に乗る際は、万が一の事故に備え、自転車保険に加入することは大事ですが、ルール・マナーを守る、ヘルメットを着用する、自転車の安全点検をするなど、自分を守るための準備もしていただき、安全・安心な自転車の利用を行ってください。

(執筆:S.K)

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