旅×自転車 記事

個人/企業/地域の視点から見た、自転車の10のメリットと効果

自転車の良いところを挙げると、行動範囲が広がる、運動効果で健康になる、移動時間が短縮できる、パッと思いつくものだけでもいくつかありますよね。また最近では新型コロナウイルス感染防止対策のための三密を回避する運動方法としても自転車は注目されています。

そこで今回は自転車が持つ10のメリットについて、個人、事業者、そして地域の視点からご紹介します。

本記事はこれから自転車に乗りたいと考えている方はもちろん、従業員を雇っている事業者の方や自治体や役所などに勤める方も参考にできる記事となっております。

是非一読いただければ幸いです。

個人にとってのメリット

まず、自転車を利用することによる個人の視点でのメリットをご紹介します。

①移動時間や通勤時間を短縮できる!

自転車は車の渋滞の影響が少なく、公共交通機関の遅延や待ち時間などの影響もありません。

地域によって異なりますが、国土交通省によれば、都市内の約500m~5km弱の距離帯では最も早く移動できる交通手段と言われており、通勤・通学や近所への買い物などの移動時間を短縮することができます。

また、鉄道の遅延や車の渋滞など、トラブルやその時になってみないと分からないような影響を受けにくく、定時性に優れています

出典:神栖市自転車活用推進計画より

②良い運動になり、身体も心も健康に!

自転車による運動は、ランニングやジム通いよりも気軽にでき、持続性も高いため、身体面と精神面それぞれに多様な効果があります。

代表的なものをあげると有酸素運動によるメタボリックシンドロームの予防・改善、ペダリング運動によるロコモ※の予防、そして心臓疾患やがんの予防、ストレス解消によるメンタル改善などです。

それぞれの詳細については、追って別の記事でご紹介していきますが、例えば平成 29(2017)年に発表されたイギリス・グラスゴー大学の研究によると、自転車もしくは自転車および徒歩で通勤している人は、車や公共交通機関で通勤している人に比べて、心臓疾患による死亡リスクが 52%、がんによる死亡リスクが 40%も低いという報告もあります。

出典:神栖市自転車活用推進計画より

※ロコモとは、骨や関節、筋肉等運動器の衰えが原因で、立つ・歩くといった基本的な移動機能が低下している状態=ロコモティブシンドローム(ロコモ)のことです。転倒しやすくなったり、転倒によって寝たきりになったりする恐れがあります。

健康づくりに必要な運動については以下の記事もあわせてご覧ください。

③お金を節約できる!

メンテナンス費用を除けば、日常生活を送る上で基本的に自転車は費用がほとんどかかりません。強いてあげるとすれば鉄道と併用する際に駅前の駐輪場を利用する代金や、他の人と自転車をシェア(共有)して利用するシェアサイクルなどの利用料金です。

車と比べるとガソリン代などがかからず、故障した際も自分で修理できる範囲が広く、ショップに持ち込んでも車ほどの費用は掛かりません。このように自転車を上手く活用することでお金の節約になります。

参考として、国土交通省によれば、都市部・地方部問わず自転車を利用する人の月間の駐輪場代は 1,501~3,000 円が最も多いようです。

出典:国土交通省 自転車通勤導入に関する手引きより

また、②でご紹介した自転車の運動効果との相乗効果で、健康の維持や生活習慣病の改善などで医療費が減ったという事例も報告されています。

例えば、デンマークのオーデンセ市では、1999~2002年に行った自転車促進に関するプロジェクトを実施したことで、2億4,800万€の医療費が削減されたと記録されています。これは一人あたり年間で約40,000円に相当する額となります。

なお、自転車を利用する際は自転車の保険にも入りましょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

事業者にとってのメリット

続いて個人(従業員)の自転車利用や自転車通勤が増えることで事業者(雇用主)にとって生まれるメリットをご紹介します。

④自転車通勤を促すことで、経費の節約になる

個人(従業員)の自転車利用を促すことで、事業者にとっては経費の節約につながります。

例えば、車から自転車の利用に転換することで、従業員の通勤手当の削減駐車場の維持にかかる固定費の削減などにつながります。

国土交通省によれば、自転車通勤を推奨する事業者では、従業員一人あたり年間5.7万円の通勤手当が削減され、借り上げていた駐輪場が不要になったことで年間で約100万円もの経費が節約された事例があります。

出典:国土交通省 自転車通勤導入に関する手引きより

⑤車よりも低い事故のリスク

自転車の事故は多いと思われがちですが、実は自転車の事故のリスクは車に比べてずっと低いのです。

国土交通省によれば、2008~2018年の全国の人口10万人あたりの死者数は0.36人であり、車(0.94人)の約3分の1の数値です。

出典:国土交通省 自転車通勤導入に関する手引きより

ただし自転車通勤を導入、推奨する際には安全に十分な注意を払うよう講習などで啓蒙を行うことをおすすめします。自転車の基本的なルールについては以下の記事もご参照ください。

⑥従業員の健康が生産性の向上につながる

②のメリットでご紹介したように、個人(従業員)が健康になれば生産性の向上につながります。

株式会社シマノのHealth Data Fileによれば、自転車通勤をする従業員は、そうでない従業員よりも生産性が高いことが分かっています。

例えば、2か月間の自転車通勤により、時間管理や身体活動、集中力などが向上するとともに、仕事の質や量・スピードが向上するという調査結果が出ています。身体的にも精神的にも健康になることで最高のパフォーマンスを発揮できるようになるわけです。

出典:神栖市自転車活用推進計画より

⑦会社のブランドイメージ向上につながる

事業者として自転車通勤に取り組むことは、環境にやさしい、健康的といったイメージアップにつながり社会的な評価を向上させます。

また、従業員を過酷な環境で働かせるブラック企業ではなく健康的で働きやすいホワイト企業の証の一つとして、経済産業省が認定している健康経営企業につながることが期待されます。

例えば、花王株式会社 和歌山工場では、従業員の健康づくりのために自転車通勤に積極的な企業として有名となり、講演やメディア等での露出の拡大にともない企業のイメージアップへとつながっています。

また、同じく自転車通勤を推進している日本電子株式会社では、自転車通勤を認めることで車を持たない自転車利用者層も雇用の対象範囲となり、特に近隣に住む住民の雇用確保において一定の効果を上げるなど、多様な効果を得ている事例もあります。

地域にとってのメリット

ここからは、個人や事業者による自転車の利用が増えることで、地域や町全体にとって生まれるメリットをご紹介します。

⑧車が減って渋滞の緩和に!

道路が車を通すことができる容量には限界があり、この容量を超える量の車が道路を通過しようとすると渋滞が発生します。

自転車がより積極的に利用され、結果的に車の利用が減ることは、地域の渋滞緩和につながります。

自治体は歩道や自転車走行空間を整備することで、安全を確保しつつ渋滞を緩和できるようになります。

⑨環境負荷の低減で地球にやさしい!

自転車は車のように二酸化炭素(CO2)をはじめとした大気汚染物質を排出しないため、地球環境にやさしい乗り物といえます。

渋滞の緩和と同様に、自転車がより積極的に利用され、結果的に車の利用が減ることは、地域の環境負荷の低減にもつながります。

また、自転車は車に比べて必要なスペースが少なく済むことから、限られた公共空間の有効活用にもつながります。

例えば、1人が1km を移動する際に排出されるCO2は、自転車が0(ゼロ)に対し、ガソリン車では141g-CO2/人kmのCO2が排出されます。

出典:神栖市自転車活用推進計画より

⑩人口や消費が増えて地域が潤う!

地域の観光スポットなどを自転車によって周遊する「サイクルツーリズム」では、これまであまり注目されなかったスポットへの誘客や、国内外からの新たな誘客を図ることができ、交流人口や地域の消費が増えることにつながります。

また、自転車を利用する人は車を利用する人よりも買物に出かける回数が多く、結果的に、地域での消費活動を促すことにつながるという調査結果もあります。

例えば、サイクリスト国勢調査 2018 (出典:ツール・ド・ニッポン(一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン))の調査結果によると、サイクルツーリズムの経験者は年間で約 1,500 万人、その市場規模は年間で約 1,200 億円であることが示されています。

出典:神栖市自転車活用推進計画より

自転車には得られるメリットや効果が様々

個人は時間とお金が節約できて健康になり、それにより事業者は経費や事故が減って生産性やイメージが向上し、最終的には渋滞の緩和により地球環境もよくなる、と自転車に乗ることでメリットが相乗効果で重なっていきます。

今回ご紹介した内容は、茨城県神栖市の「神栖市自転車活用推進計画」や、国土交通省の「自転車通勤導入に関する手引き」を参考にしています。どちらも自転車利用のメリットが分かりやすく整理されていますので、これらも是非ご覧ください。

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